<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
※ この記事は2015年に旧ブログに書かれた2つの記事を、幾つか手直しした上で1つの記事に統合して2025年に移行した記事です
※ この記事はテレビアニメ『SHIROBAKO』最終話までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。
第3弾です!
2つ分の記事を統合しているので、今回でラストです。
毎回の決まり文句となりつつありますが、今回も私には分からない&間違っている解説がありましたら、分かる人・思いついた人がコメント欄ででもお教えくださるとありがたいです。
・第15話「こんな絵でいいんですか?」
2つ分の記事を統合しているので、今回でラストです。
毎回の決まり文句となりつつありますが、今回も私には分からない&間違っている解説がありましたら、分かる人・思いついた人がコメント欄ででもお教えくださるとありがたいです。
・第15話「こんな絵でいいんですか?」
・第24話「遠すぎた納品」
↓↓
◇ 第15話「こんな絵でいいんですか?」
○ 『きんぎょゆらゆらニュース』
山田がかつて演出をやっていたアニメ?
元ネタは恐らく『きんぎょ注意報!』(公式サイト)だと思うんですけど……
『きんぎょ注意報!』は猫部ねこ先生の漫画を原作に、テレビアニメは1991年~1992年に放送されました。田舎の中学校に都会からお嬢様が転校してきたところから始まるギャグ漫画で、空飛ぶ金魚などの動物が多数登場していました。シリーズディレクターは佐藤順一さんで、演出陣を見ると幾原邦彦さんや五十嵐卓哉さんなど後に監督として大活躍する面々もいらっしゃいますね。
自分はほとんど観たことないので、「寝坊だけで1話持たせた回」というのはどのことか……そもそも山田さんの年齢(40歳前後くらい?)からすると、1991年に演出家だったかというのは微妙だと思うんですね。ひょっとしたら他に元ネタがあるんですかね。誰か思いつく人がいらしたら教えてください。
○ 『戦闘精霊コラーゲン』
○ 『閃光のシュツットガルト』
舞茸しめじがピンチヒッターを務めて立て直したアニメ……と、安藤さんが言っていました。
諸説言われているみたいですが……私はこれ、元ネタはないと思っています。
「監督が逃げた」とか「メインライターが降りた」という作品ですからね。これが元ネタだって言っちゃうと風評被害になりかねませんし、「元ネタがないようなタイトル」にしたんじゃないかと思われます。それでも世の中にはたくさんのアニメがあるので「元ネタはコレじゃないか?」と言われてしまうんでしょうが。
○ 浜崎五郎
『第三飛行少女隊』の音楽担当。見た目が作曲家らしくないからか、木下監督がマネージャーの方に挨拶してしまった人です。モデルは恐らく「浜口史郎」さんです。『SHIROBAKO』でも音楽を担当されていますし、『花咲くいろは』『TARI TARI』と言ったP.AWORKS作品や、『おおきく振りかぶって』『ガールズ&パンツァー』などの水島監督の作品でも音楽を担当されていました。
画像検索してみると一目瞭然ですが、ルックスもとてもよく似せて描かれています(笑)。
↓↓
◇ 第16話「ちゃぶ台返し」
○ エンゼル体操
絵麻が屋上で「肩に効く」としてやっていた体操ですが……1978年に発売された「ムキムキマンのエンゼル体操」とは名前が一緒なだけで、同じ動きではないみたいですね。なので元ネタがあるワケじゃないと思います。
自分は知らなかったんですけど、水島努監督の作品には「奇妙なオリジナル体操」が入っていることが多いという伝統があるんですってね。自分は観ていないんで分かりませんでしたが、『侵略!イカ娘』や『ガールズ&パンツァー』にもそういう「奇妙なオリジナル体操」が入っていたそうです。
そして、もう一つ……
こちらはかつて語ったことのある話!
『TARI TARI』の時に「これは定番なのか……?」と書いたあの動きは、「伝統」だったんですね!
<テレビアニメ『花咲くいろは』第4話より引用>
メールの返信をどうするべきか、大股開きで悩んでいるところを見られて誤魔化す緒花。
<テレビアニメ『TARI TARI』第3話より引用>
大智の部屋に入ったら下着姿の女性がいたので、慌てて誤魔化すウィーン。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
肩に効くエンゼル体操をしている絵麻。
どのキャラも、「屈伸」からの「うさぎ跳び」をしています。
「伝統」ということは、他のP.A.WORKSオリジナル作品にもあったのかなぁ……『true tears』は「屈伸」は覚えているんですけど「うさぎ跳び」していましたっけ。『グラスリップ』は全く覚えていません。
○ バッティングフォーム
もはや「アニメの元ネタを解説する」記事でも何でもありませんが(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
4人がバッティングセンターに行くシーンの構え、どうも「実在の有名野球選手の構え」をモデルにしているみたいなんですね。自分だけでは自信がなかったので、一応ネットでの反応を見たところ……
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
宮森さんは「イチロー」の構えみたいです。この手の動きだけですけど。
イチロー選手は、本名:鈴木一朗さんで現役のメジャーリーガーです。
愛工大名電高校から1991年ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団、1994年から登録名を「イチロー」に変更、「振り子打法」によって日本プロ野球史上初の200本安打を達成しました。そこから7年連続の首位打者(最も打率の高い選手)のタイトルを獲得。
2001年からはアメリカのメジャーリーグ、シアトル・マリナーズに移籍、10年連続200本安打という偉業を達成します。2012年の途中からニューヨーク・ヤンキースに移籍、2015年からはマイアミ・マーリンズに移籍しました。また、2006年と2009年にはWBCに出場し、日本代表の2度の世界一に貢献しました。
↓↓
◇ 第15話「こんな絵でいいんですか?」
○ 『きんぎょゆらゆらニュース』
山田がかつて演出をやっていたアニメ?
元ネタは恐らく『きんぎょ注意報!』(公式サイト)だと思うんですけど……
『きんぎょ注意報!』は猫部ねこ先生の漫画を原作に、テレビアニメは1991年~1992年に放送されました。田舎の中学校に都会からお嬢様が転校してきたところから始まるギャグ漫画で、空飛ぶ金魚などの動物が多数登場していました。シリーズディレクターは佐藤順一さんで、演出陣を見ると幾原邦彦さんや五十嵐卓哉さんなど後に監督として大活躍する面々もいらっしゃいますね。
自分はほとんど観たことないので、「寝坊だけで1話持たせた回」というのはどのことか……そもそも山田さんの年齢(40歳前後くらい?)からすると、1991年に演出家だったかというのは微妙だと思うんですね。ひょっとしたら他に元ネタがあるんですかね。誰か思いつく人がいらしたら教えてください。
○ 『戦闘精霊コラーゲン』
○ 『閃光のシュツットガルト』
舞茸しめじがピンチヒッターを務めて立て直したアニメ……と、安藤さんが言っていました。
諸説言われているみたいですが……私はこれ、元ネタはないと思っています。
「監督が逃げた」とか「メインライターが降りた」という作品ですからね。これが元ネタだって言っちゃうと風評被害になりかねませんし、「元ネタがないようなタイトル」にしたんじゃないかと思われます。それでも世の中にはたくさんのアニメがあるので「元ネタはコレじゃないか?」と言われてしまうんでしょうが。
○ 浜崎五郎
『第三飛行少女隊』の音楽担当。見た目が作曲家らしくないからか、木下監督がマネージャーの方に挨拶してしまった人です。モデルは恐らく「浜口史郎」さんです。『SHIROBAKO』でも音楽を担当されていますし、『花咲くいろは』『TARI TARI』と言ったP.AWORKS作品や、『おおきく振りかぶって』『ガールズ&パンツァー』などの水島監督の作品でも音楽を担当されていました。
画像検索してみると一目瞭然ですが、ルックスもとてもよく似せて描かれています(笑)。
↓↓
◇ 第16話「ちゃぶ台返し」
○ エンゼル体操
絵麻が屋上で「肩に効く」としてやっていた体操ですが……1978年に発売された「ムキムキマンのエンゼル体操」とは名前が一緒なだけで、同じ動きではないみたいですね。なので元ネタがあるワケじゃないと思います。
自分は知らなかったんですけど、水島努監督の作品には「奇妙なオリジナル体操」が入っていることが多いという伝統があるんですってね。自分は観ていないんで分かりませんでしたが、『侵略!イカ娘』や『ガールズ&パンツァー』にもそういう「奇妙なオリジナル体操」が入っていたそうです。
そして、もう一つ……
今夜から放送が始まった【SHIROBAKO】16話では、水島監督に頼んで、絵コンテチェック時にhttp://t.co/wMErJnRyOMオリジナル作品に受け継がれる伝統の「運動」をコッソリ入れて頂きました。見つけて下さいね。
— 堀川憲司 (@horiken2000) 2015, 1月 29
こちらはかつて語ったことのある話!
『TARI TARI』の時に「これは定番なのか……?」と書いたあの動きは、「伝統」だったんですね!
<テレビアニメ『花咲くいろは』第4話より引用>
メールの返信をどうするべきか、大股開きで悩んでいるところを見られて誤魔化す緒花。
<テレビアニメ『TARI TARI』第3話より引用>
大智の部屋に入ったら下着姿の女性がいたので、慌てて誤魔化すウィーン。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
肩に効くエンゼル体操をしている絵麻。
どのキャラも、「屈伸」からの「うさぎ跳び」をしています。
「伝統」ということは、他のP.A.WORKSオリジナル作品にもあったのかなぁ……『true tears』は「屈伸」は覚えているんですけど「うさぎ跳び」していましたっけ。『グラスリップ』は全く覚えていません。
○ バッティングフォーム
もはや「アニメの元ネタを解説する」記事でも何でもありませんが(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
4人がバッティングセンターに行くシーンの構え、どうも「実在の有名野球選手の構え」をモデルにしているみたいなんですね。自分だけでは自信がなかったので、一応ネットでの反応を見たところ……
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
宮森さんは「イチロー」の構えみたいです。この手の動きだけですけど。
イチロー選手は、本名:鈴木一朗さんで現役のメジャーリーガーです。
愛工大名電高校から1991年ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団、1994年から登録名を「イチロー」に変更、「振り子打法」によって日本プロ野球史上初の200本安打を達成しました。そこから7年連続の首位打者(最も打率の高い選手)のタイトルを獲得。
2001年からはアメリカのメジャーリーグ、シアトル・マリナーズに移籍、10年連続200本安打という偉業を達成します。2012年の途中からニューヨーク・ヤンキースに移籍、2015年からはマイアミ・マーリンズに移籍しました。また、2006年と2009年にはWBCに出場し、日本代表の2度の世界一に貢献しました。
(※2025年追記:2019年3月に行われた日本での開幕戦シリーズにて引退されました)
記録にも記憶にも残るスーパースターで、世界に誇る偉大なヒットメーカーです。
ちなみにイチロー選手は左打ちです。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
絵麻は「落合博満」さんの構えみたいですね。
落合博満さんは現在は中日ドラゴンズのGMです。
社会人野球チーム東芝府中から1978年ドラフト3位でロッテオリオンズに入団、25歳でのプロ野球入りながら、1982年のシーズンには三冠王(首位打者、ホームラン王、打点王)、5度の首位打者に3度の三冠王という凄まじい成績を挙げます。中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツ、日本ハムファイターズと渡り歩き、1998年にプロ野球選手を引退。
2004年からは中日ドラゴンズの監督に就任し、8年間で4度のリーグ優勝と1度の日本一、8年連続Aクラスという好成績を収めます。
独自の野球哲学や歯に衣着せぬ発言なども独特で、「オレ流」とも形容される唯一無二の存在です。
記録にも記憶にも残るスーパースターで、世界に誇る偉大なヒットメーカーです。
ちなみにイチロー選手は左打ちです。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
絵麻は「落合博満」さんの構えみたいですね。
落合博満さんは現在は中日ドラゴンズのGMです。
社会人野球チーム東芝府中から1978年ドラフト3位でロッテオリオンズに入団、25歳でのプロ野球入りながら、1982年のシーズンには三冠王(首位打者、ホームラン王、打点王)、5度の首位打者に3度の三冠王という凄まじい成績を挙げます。中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツ、日本ハムファイターズと渡り歩き、1998年にプロ野球選手を引退。
2004年からは中日ドラゴンズの監督に就任し、8年間で4度のリーグ優勝と1度の日本一、8年連続Aクラスという好成績を収めます。
独自の野球哲学や歯に衣着せぬ発言なども独特で、「オレ流」とも形容される唯一無二の存在です。
(※2025年追記:2017年1月を持って中日のGMを退任しました)
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
井口さんは「王貞治」さんの構えっぽいですね。
王貞治さんは台湾国籍で日本出身の元プロ野球選手・監督で、現在は福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長だそうです。
早稲田実業学校高等部から1959年に読売ジャイアンツに入団、荒川博コーチの元で「一本足打法」を会得、1962年から13年連続ホームラン王に輝き、通算でも15回のホームラン王のタイトルを獲得、868本のホームランは現在も世界記録とされています。5度の首位打者に2度の三冠王、長嶋茂雄さんとともに「ON」として人気を博し、巨人の9年連続日本一に貢献、初めての国民栄誉賞受賞者で、監督としても巨人とダイエー・ソフトバンクで4度のリーグ優勝と2度の日本一を達成、第1回WBCにおいても日本代表監督としてチームを優勝に導きました。
列挙するだけでも大変(笑)。
ちなみに、王さんも左打ちです。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
小笠原さんは「小笠原道大」選手の構えみたいです。
小笠原繋がりだと……
小笠原道大選手はNTT関東から1996年ドラフト3位で日本ハムファイターズに入団、骨折した指でホームランを打ったことから付いた愛称は「ガッツ」、また「ミスター・フルスイング」とも呼ばれる豪快な打撃フォームにも関わらず高打率を誇るアベレージヒッターで2度の首位打者に輝いています。
2007年からは読売ジャイアンツに移籍、低迷期に入っていた球団を復活させる主軸として活躍しました。2014年からは中日ドラゴンズに移籍、左の代打の切り札として活躍しています。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
井口さんは「王貞治」さんの構えっぽいですね。
王貞治さんは台湾国籍で日本出身の元プロ野球選手・監督で、現在は福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長だそうです。
早稲田実業学校高等部から1959年に読売ジャイアンツに入団、荒川博コーチの元で「一本足打法」を会得、1962年から13年連続ホームラン王に輝き、通算でも15回のホームラン王のタイトルを獲得、868本のホームランは現在も世界記録とされています。5度の首位打者に2度の三冠王、長嶋茂雄さんとともに「ON」として人気を博し、巨人の9年連続日本一に貢献、初めての国民栄誉賞受賞者で、監督としても巨人とダイエー・ソフトバンクで4度のリーグ優勝と2度の日本一を達成、第1回WBCにおいても日本代表監督としてチームを優勝に導きました。
列挙するだけでも大変(笑)。
ちなみに、王さんも左打ちです。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
小笠原さんは「小笠原道大」選手の構えみたいです。
小笠原繋がりだと……
小笠原道大選手はNTT関東から1996年ドラフト3位で日本ハムファイターズに入団、骨折した指でホームランを打ったことから付いた愛称は「ガッツ」、また「ミスター・フルスイング」とも呼ばれる豪快な打撃フォームにも関わらず高打率を誇るアベレージヒッターで2度の首位打者に輝いています。
2007年からは読売ジャイアンツに移籍、低迷期に入っていた球団を復活させる主軸として活躍しました。2014年からは中日ドラゴンズに移籍、左の代打の切り札として活躍しています。
(※2025年追記:2015年を持って引退しました)
○ ピッチングフォーム
こちらにも元ネタがあるようです。
私は当初「バッティングフォームは有名選手、ピッチングフォームは有名野球アニメをモデルにしているのでは」と思ったのですが、どうも“フォームが特徴的な投げ方”を二次元・三次元問わずにモデルにしているみたいですね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
宮森さんは多分、「トルネード投法」。
1990年から近鉄バファローズで活躍し、後にロサンゼルス・ドジャースなどのメジャーリーグのチームで大活躍したことで「日本人選手のメジャーリーグ挑戦のパイオニア」と呼ばれた野茂英雄さんの特徴的な投げ方です。打者に背中を見せるほど体を捻ることで球威が増す上にリリースポイントが見づらくなって打者としては非常に打ちづらいのだけれど、足腰の強さと高いバランス感覚を必要とします。
野茂さんの活躍は社会現象になったほどだったので、多くの野球漫画でもこの投げ方を真似しているキャラは登場していましたね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
絵麻は多分「大リーグボール2号」です。
Twitterに自分は「サンダーバキュームボール」じゃないかと書いたのですが、後でネットで画像検索してみたところ、「サンダーバキュームボール」は左手をもっと上まで上げるみたいなんですね。なので、「大リーグボール2号」だろう。
「大リーグボール2号」は、野球漫画『巨人の星』で星飛雄馬の魔球の一つです。
原理を書くとネタバレになってしまうので避けますが、「消える魔球」として日本の野球漫画史上でも最も有名な魔球だと思います。しかし、多分……このバッティングセンターで投げても、消えませんよねきっと(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
井口さんは多分「マサカリ投法」ですね。
1968年から東京オリオンズ→ロッテオリオンズで活躍した村田兆治さんの投げ方で、豪快に上から投げ下ろすことでストレートとフォークの切れが増したそうです。現在はプロ野球選手を引退して60歳も超えているのですが、2年前に135km/hという球速を記録した生きるレジェンド。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
小笠原さんが投げているのは恐らく「ドリームボール」です。
野球漫画『野球狂の詩』に登場する水原勇気の投げる変化球で、日本プロ野球史上初の女性選手だった彼女はこの変化球を武器にプロ野球を戦います。左投げのアンダースローからボウリングのようなフォームで投げられ、ホップした後にスクリューボールのように落ちるのが特徴だそうです。
何故、小笠原さんは「ドリームボール」を投げたのか―――
『イデオン』の地球とバッフ・クランの関係が遠藤さんと下柳さんの対立に喩えられていたように、ここで小笠原さんが投げるボールが「ドリームボール」なのも意味があると思います。
水原勇気というキャラは、『野球狂の詩』の中で日本プロ野球史上初めての女性選手として登場します。つまり、「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かう話なんです。これは、監督やプロデューサーなど「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かった小笠原さんの構図に重なっているんですね。
なので、この回の小笠原さんは、あくまで男性社会の感覚の監督やナベPに「お酒を飲めば誰でも気分転換になるとは思わないでください」と怒り、宮森さんや絵麻を誘って女性陣だけでバッティングセンターに向かったのでしょう。
○ 『KILL BRIDAL5』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
若き日の小笠原さんが失意の中で観た駅のポスター。
元ネタは恐らく『キル・ビル』です。
2003年に第1作が、2004年に第2作が公開されたクエンティン・タランティーノ監督のバイオレンス・アクションムービーです。妊娠中の子どもと夫を殺された女暗殺者が復讐の旅に出るストーリーで、「戦う女として」武装することを小笠原さんに決意させたということなのでしょう。
↓↓
◇ 第17話「私どこにいるんでしょうか…」
○ 『合格機動隊』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>
『第三飛行少女隊』が情報解禁された雑誌の広告にあった作品名ですが……
あれ……この『SHIROBAKO』の世界には既に『望遠機動隊』があったような……
元ネタは恐らく『攻殻機動隊』だと思われます。『攻殻機動隊』の解説は5話で書いているんで、そちらをどうぞ。
『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』は10話で宮森が効果音の収録に協力しちゃった作品で、『俺様のハーレムが少しずつ崩壊しているかもしれないけどたぶん気のせいかもしれない』は4話でしずかがオーディションを受けた作品ですね。あのオーディション原稿には「(仮)」が付いていたけど外れているので、あの「(仮)」は本当に「(仮)」だったみたい。
○ マンフェス
『第三飛行少女隊』のPVを流すイベントで、「マンガフェスティバル」の略だそうです。「8月13日から」という茶沢の台詞があるので、「コミックマーケット」(公式サイト)が元ネタだと思われます。
通称「コミケ」、毎年8月と12月に行われる世界最大規模の同人誌即売会で、現在は東京ビッグサイトで行われています。同人サークルが同人誌やグッズの頒布を行うだけではなく、企業が参加してグッズを頒布したりPVを流したりもしています。『SHIROBAKO』のPVも、コミケで流れていたみたいですね。
漫画・アニメ好きにとっては大メジャーイベントなので、ヲタクを題材にした漫画・アニメにはこれをモデルにしたイベントに行く回が頻繁にあるのですが……アニメだと微妙に名前をもじっていたり、名前が出ないようにしていたりしている作品がほとんどですね多分。
○ 『ミムジーとロロ』のPV
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>
ミムジーとロロがPVに付いて説明してくれる「架空のPV」。
まんまこれ(笑)。
今見ると、これも4話までのカットが使われているみたいですね。何気なく見ていたPVですけど、作るのには確かに余計な労力が必要だし、最初にお披露目する映像だから手抜きも出来ないし―――大変なんだなぁと思いました。
↓↓
◇ 第18話「俺をはめやがったな!」
○ アフレコスタジオのポスター
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第18話より引用>
右は『えくそだすっ!』だけど、左は……というと。
実はこのポスター……14話のオーディションシーンにも出ていたんですけど、14話の元ネタ解説を書いた時には気付かなくてスルーしちゃっていたんです。ということで、ハイ。14話で出てきたシーンはこちら。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>
『Another』じゃないか!
P.A.WORKS&水島努監督作品ということで、ガッツリ描かれちゃっていますね。解説は14話で書いたのでそちらをどうぞ。
○ 大倉正弘
○ 『ちょうりつうちゅうぐん』?
○ 『ゲキトバーツー』?
名前は17話から登場していましたし、『ゲキトバーツー』は17話にしか出てきていない作品名ですが、メインとして登場するのは18話なのでこちらで。
モデルは多分「小倉宏昌」さんです。
何故なら19話のEDクレジットに名前が載っているからです(笑)。
小倉宏昌さんは1987年の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めて美術監督を担当し、『アップルシード』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などなどの作品の美術監督を務められた人です。現在はIG小倉工房(公式サイト)の代表取締役です。
『ちょうりつうちゅうぐん』の元ネタは『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で、『町立宇宙軍』ってところですかね。規模がものすごく小さくなった!
『ゲキトバーツー』の元ネタは『機動警察パトレイバー 2 the Movie』ですかね……字面は似ていないんですけど。
○ あおやま
○ 佐賀森さん
「佐賀森さん」は大倉さんの師匠で、「あおやま」さんはそこで大倉さんと一緒にやっていた仲間で、渥美さんは「あおやま」さんの弟子―――という関係らしいですね。「佐賀森さん」は19話に登場します。
小倉宏昌さんの経歴を見てみると、小林七郎さんが設立した小林プロダクションに1977年に入社して、1983年に退社後、1987年に『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めての美術監督を担当ということなので……「佐賀森さん」のポジションは小林七郎さんで(名前は全然違うのでモデルとはちょっと違うと思いますが)、「あおやま」さんのポジションは小林プロダクション出身の「秋山健太郎」さんですかね。
「秋山健太郎」さんは小林プロダクション出身の美術監督で、2008年に「studio Pablo」(公式サイト)を設立しました。
代表作は『輪るピングドラム』『惡の華』『selector infected WIXOSS』などなど。たまたま現在dアニメストアの「見放題」で『輪るピングドラム』を観ている自分にとってはタイムリーな御名前でした。
年代を見る限り、秋山さんが小林プロダクションに入った時点で小倉さんは小林プロダクションには在籍していなかったみたいですね。大倉さんの「あおやまが俺について言っていることは全部嘘」というのは、本人がいないところで大倉さんの話が伝説的に尾ひれが付いて広まっていたってことですかね。
↓↓
◇ 第19話「釣れますか?」
○ 池谷ひろし
矢野さんが『第三飛行少女隊』の5話のヘルプに誘った演出家。
こちらはモデルがいるんですかね……
名前が非常によく似ている池畠博史さんという演出家さんはいらっしゃるのですが、非常に仕事量が多く、年齢もまだまだ若い人なのでモデルではなさそう。流石に「仕事をあまりしない演出家」ともなると、名前は分からないので……誰かピンと来た人がいらしたら教えてください。
――2月26日23時追記――
コメント欄にて、「池谷ひろし」さんのモデルは「池端隆史」さんじゃないかという情報をいただきました。これは!まず間違いないでしょう!何故なら……以前、『SHIROBAKO』の水島努監督&横手美智子さんのコンビは『げんしけん』コンビだと書いたことがありましたが、水島さんが『げんしけん』の監督をやったのはスピンオフの『くじびきアンバランス』と『二代目』で、初代の監督は池端隆史さんなんですよ。
その初代にも演出家として水島さんが参加されていますし、一緒に仕事をすることも多いです。
○ ピッチングフォーム
こちらにも元ネタがあるようです。
私は当初「バッティングフォームは有名選手、ピッチングフォームは有名野球アニメをモデルにしているのでは」と思ったのですが、どうも“フォームが特徴的な投げ方”を二次元・三次元問わずにモデルにしているみたいですね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
宮森さんは多分、「トルネード投法」。
1990年から近鉄バファローズで活躍し、後にロサンゼルス・ドジャースなどのメジャーリーグのチームで大活躍したことで「日本人選手のメジャーリーグ挑戦のパイオニア」と呼ばれた野茂英雄さんの特徴的な投げ方です。打者に背中を見せるほど体を捻ることで球威が増す上にリリースポイントが見づらくなって打者としては非常に打ちづらいのだけれど、足腰の強さと高いバランス感覚を必要とします。
野茂さんの活躍は社会現象になったほどだったので、多くの野球漫画でもこの投げ方を真似しているキャラは登場していましたね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
絵麻は多分「大リーグボール2号」です。
Twitterに自分は「サンダーバキュームボール」じゃないかと書いたのですが、後でネットで画像検索してみたところ、「サンダーバキュームボール」は左手をもっと上まで上げるみたいなんですね。なので、「大リーグボール2号」だろう。
「大リーグボール2号」は、野球漫画『巨人の星』で星飛雄馬の魔球の一つです。
原理を書くとネタバレになってしまうので避けますが、「消える魔球」として日本の野球漫画史上でも最も有名な魔球だと思います。しかし、多分……このバッティングセンターで投げても、消えませんよねきっと(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
井口さんは多分「マサカリ投法」ですね。
1968年から東京オリオンズ→ロッテオリオンズで活躍した村田兆治さんの投げ方で、豪快に上から投げ下ろすことでストレートとフォークの切れが増したそうです。現在はプロ野球選手を引退して60歳も超えているのですが、2年前に135km/hという球速を記録した生きるレジェンド。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
小笠原さんが投げているのは恐らく「ドリームボール」です。
野球漫画『野球狂の詩』に登場する水原勇気の投げる変化球で、日本プロ野球史上初の女性選手だった彼女はこの変化球を武器にプロ野球を戦います。左投げのアンダースローからボウリングのようなフォームで投げられ、ホップした後にスクリューボールのように落ちるのが特徴だそうです。
何故、小笠原さんは「ドリームボール」を投げたのか―――
『イデオン』の地球とバッフ・クランの関係が遠藤さんと下柳さんの対立に喩えられていたように、ここで小笠原さんが投げるボールが「ドリームボール」なのも意味があると思います。
水原勇気というキャラは、『野球狂の詩』の中で日本プロ野球史上初めての女性選手として登場します。つまり、「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かう話なんです。これは、監督やプロデューサーなど「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かった小笠原さんの構図に重なっているんですね。
なので、この回の小笠原さんは、あくまで男性社会の感覚の監督やナベPに「お酒を飲めば誰でも気分転換になるとは思わないでください」と怒り、宮森さんや絵麻を誘って女性陣だけでバッティングセンターに向かったのでしょう。
○ 『KILL BRIDAL5』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>
若き日の小笠原さんが失意の中で観た駅のポスター。
元ネタは恐らく『キル・ビル』です。
2003年に第1作が、2004年に第2作が公開されたクエンティン・タランティーノ監督のバイオレンス・アクションムービーです。妊娠中の子どもと夫を殺された女暗殺者が復讐の旅に出るストーリーで、「戦う女として」武装することを小笠原さんに決意させたということなのでしょう。
↓↓
◇ 第17話「私どこにいるんでしょうか…」
○ 『合格機動隊』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>
『第三飛行少女隊』が情報解禁された雑誌の広告にあった作品名ですが……
あれ……この『SHIROBAKO』の世界には既に『望遠機動隊』があったような……
元ネタは恐らく『攻殻機動隊』だと思われます。『攻殻機動隊』の解説は5話で書いているんで、そちらをどうぞ。
『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』は10話で宮森が効果音の収録に協力しちゃった作品で、『俺様のハーレムが少しずつ崩壊しているかもしれないけどたぶん気のせいかもしれない』は4話でしずかがオーディションを受けた作品ですね。あのオーディション原稿には「(仮)」が付いていたけど外れているので、あの「(仮)」は本当に「(仮)」だったみたい。
○ マンフェス
『第三飛行少女隊』のPVを流すイベントで、「マンガフェスティバル」の略だそうです。「8月13日から」という茶沢の台詞があるので、「コミックマーケット」(公式サイト)が元ネタだと思われます。
通称「コミケ」、毎年8月と12月に行われる世界最大規模の同人誌即売会で、現在は東京ビッグサイトで行われています。同人サークルが同人誌やグッズの頒布を行うだけではなく、企業が参加してグッズを頒布したりPVを流したりもしています。『SHIROBAKO』のPVも、コミケで流れていたみたいですね。
漫画・アニメ好きにとっては大メジャーイベントなので、ヲタクを題材にした漫画・アニメにはこれをモデルにしたイベントに行く回が頻繁にあるのですが……アニメだと微妙に名前をもじっていたり、名前が出ないようにしていたりしている作品がほとんどですね多分。
○ 『ミムジーとロロ』のPV
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>
ミムジーとロロがPVに付いて説明してくれる「架空のPV」。
まんまこれ(笑)。
今見ると、これも4話までのカットが使われているみたいですね。何気なく見ていたPVですけど、作るのには確かに余計な労力が必要だし、最初にお披露目する映像だから手抜きも出来ないし―――大変なんだなぁと思いました。
↓↓
◇ 第18話「俺をはめやがったな!」
○ アフレコスタジオのポスター
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第18話より引用>
右は『えくそだすっ!』だけど、左は……というと。
実はこのポスター……14話のオーディションシーンにも出ていたんですけど、14話の元ネタ解説を書いた時には気付かなくてスルーしちゃっていたんです。ということで、ハイ。14話で出てきたシーンはこちら。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>
『Another』じゃないか!
P.A.WORKS&水島努監督作品ということで、ガッツリ描かれちゃっていますね。解説は14話で書いたのでそちらをどうぞ。
○ 大倉正弘
○ 『ちょうりつうちゅうぐん』?
○ 『ゲキトバーツー』?
名前は17話から登場していましたし、『ゲキトバーツー』は17話にしか出てきていない作品名ですが、メインとして登場するのは18話なのでこちらで。
モデルは多分「小倉宏昌」さんです。
何故なら19話のEDクレジットに名前が載っているからです(笑)。
小倉宏昌さんは1987年の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めて美術監督を担当し、『アップルシード』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などなどの作品の美術監督を務められた人です。現在はIG小倉工房(公式サイト)の代表取締役です。
『ちょうりつうちゅうぐん』の元ネタは『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で、『町立宇宙軍』ってところですかね。規模がものすごく小さくなった!
『ゲキトバーツー』の元ネタは『機動警察パトレイバー 2 the Movie』ですかね……字面は似ていないんですけど。
○ あおやま
○ 佐賀森さん
「佐賀森さん」は大倉さんの師匠で、「あおやま」さんはそこで大倉さんと一緒にやっていた仲間で、渥美さんは「あおやま」さんの弟子―――という関係らしいですね。「佐賀森さん」は19話に登場します。
小倉宏昌さんの経歴を見てみると、小林七郎さんが設立した小林プロダクションに1977年に入社して、1983年に退社後、1987年に『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めての美術監督を担当ということなので……「佐賀森さん」のポジションは小林七郎さんで(名前は全然違うのでモデルとはちょっと違うと思いますが)、「あおやま」さんのポジションは小林プロダクション出身の「秋山健太郎」さんですかね。
「秋山健太郎」さんは小林プロダクション出身の美術監督で、2008年に「studio Pablo」(公式サイト)を設立しました。
代表作は『輪るピングドラム』『惡の華』『selector infected WIXOSS』などなど。たまたま現在dアニメストアの「見放題」で『輪るピングドラム』を観ている自分にとってはタイムリーな御名前でした。
年代を見る限り、秋山さんが小林プロダクションに入った時点で小倉さんは小林プロダクションには在籍していなかったみたいですね。大倉さんの「あおやまが俺について言っていることは全部嘘」というのは、本人がいないところで大倉さんの話が伝説的に尾ひれが付いて広まっていたってことですかね。
↓↓
◇ 第19話「釣れますか?」
○ 池谷ひろし
矢野さんが『第三飛行少女隊』の5話のヘルプに誘った演出家。
こちらはモデルがいるんですかね……
名前が非常によく似ている池畠博史さんという演出家さんはいらっしゃるのですが、非常に仕事量が多く、年齢もまだまだ若い人なのでモデルではなさそう。流石に「仕事をあまりしない演出家」ともなると、名前は分からないので……誰かピンと来た人がいらしたら教えてください。
――2月26日23時追記――
コメント欄にて、「池谷ひろし」さんのモデルは「池端隆史」さんじゃないかという情報をいただきました。これは!まず間違いないでしょう!何故なら……以前、『SHIROBAKO』の水島努監督&横手美智子さんのコンビは『げんしけん』コンビだと書いたことがありましたが、水島さんが『げんしけん』の監督をやったのはスピンオフの『くじびきアンバランス』と『二代目』で、初代の監督は池端隆史さんなんですよ。
その初代にも演出家として水島さんが参加されていますし、一緒に仕事をすることも多いです。
※ 2025年時点で池端さんはTwitter(X)をされていますが、プロフィール写真がかなり似ています。
情報ありがとうございました。
○ 武蔵野動画
『SHIROBAKO』世界にかつてあったアニメ制作会社。
武蔵野動画が倒産した後、その中のスタッフが色々な会社を作り、武蔵野アニメーションもその一つだそうです。モデルとかは……あるのか。こういうケースは珍しくないでしょうし、「よくある話」として描いていると思うんですけどどうなんだろう。
有名どころで言うと、サンライズやマッドハウスが独立していった旧虫プロダクションとかがありますね。それこそ丸川社長のモデルは虫プロから独立してマッドハウスを設立したメンバーの一人である丸山正雄さんじゃないかという説もありますし……一応解説しておきますか。
虫プロダクションは1961年に手塚治虫さんが設立したアニメ専門のプロダクションです。手塚治虫先生の漫画原作のアニメ『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』や、それ以外の『ムーミン』や『あしたのジョー』など数々の作品を手がけ、日本のテレビアニメの礎を築いた一つの会社と言えます。
手塚先生の社長からの退任、労働問題、経営悪化などが続き、1973年に倒産―――現在の虫プロダクションは1977年に旧虫プロの労働組合が中心となって設立した別の会社です。
○ 『デカメロン物語』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
えっと……名前の響きからして『アンデルセン物語』が元ネタですかね。
『アンデルセン物語』は1968年に公開された東映動画製作のアニメ映画で、1971年には虫プロダクション制作でテレビアニメも放送されました。
年代的にも制作スタジオ的にも、虫プロ制作のテレビ版の方がモデルですかね。ストーリーを見たところ映画版とテレビ版はアンデルセン作の童話をモチーフにしている以外に共通点はない別物みたいですね。
○ 『新造人間ガチョーン』
○ 『ほねっこハチベエ』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
来たぜ、ポスター地獄!
『新造人間ガチョーン』の元ネタは、1973年~1974年に放送された『新造人間キャシャーン』だと思われます。自我を持って世界を征服しようとする戦闘ロボット軍団と、それに対抗する新造人間キャシャーンとの戦いを描いたSFヒーローアニメです。制作はタツノコプロ。
1993年にはリメイク作品となるOVA版、2004年には実写映画、2008年には新作アニメが作られたそうです。
『ほねっこハチベエ』の元ネタは、ちょっと分かりませんでした……
『ジャングル黒べえ』は既に『アマゾン赤べこ』があるから(1話の解説参照)違うと思うのですが、フォントは似ているようにも思うんですね……
――2月26日23時追記――
『ほねっこハチベエ』の元ネタは『けろっこデメタン』ではないかという情報をいただきました。全く知らないアニメだったのですが、タツノコプロのページで見られる画像とポーズが一緒(笑)。これは間違いないでしょう。センスあるパロディですねぇ。
『けろっこデメタン』は1973年に放送されたタツノコプロ制作のアニメで、Wikipedeiaでストーリーを読む限りはカエルの世界での権力闘争や身分を越えた恋などを描いた作品だったみたい……この絵柄からは想像できなかった意外なストーリーだ。 情報、ありがとうございました。
○ 東城秀樹
○ キャンディガールズ
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
こちらは武蔵野動画に貼ってあった当時のアイドルのポスターです。
情報ありがとうございました。
○ 武蔵野動画
『SHIROBAKO』世界にかつてあったアニメ制作会社。
武蔵野動画が倒産した後、その中のスタッフが色々な会社を作り、武蔵野アニメーションもその一つだそうです。モデルとかは……あるのか。こういうケースは珍しくないでしょうし、「よくある話」として描いていると思うんですけどどうなんだろう。
有名どころで言うと、サンライズやマッドハウスが独立していった旧虫プロダクションとかがありますね。それこそ丸川社長のモデルは虫プロから独立してマッドハウスを設立したメンバーの一人である丸山正雄さんじゃないかという説もありますし……一応解説しておきますか。
虫プロダクションは1961年に手塚治虫さんが設立したアニメ専門のプロダクションです。手塚治虫先生の漫画原作のアニメ『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』や、それ以外の『ムーミン』や『あしたのジョー』など数々の作品を手がけ、日本のテレビアニメの礎を築いた一つの会社と言えます。
手塚先生の社長からの退任、労働問題、経営悪化などが続き、1973年に倒産―――現在の虫プロダクションは1977年に旧虫プロの労働組合が中心となって設立した別の会社です。
○ 『デカメロン物語』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
えっと……名前の響きからして『アンデルセン物語』が元ネタですかね。
『アンデルセン物語』は1968年に公開された東映動画製作のアニメ映画で、1971年には虫プロダクション制作でテレビアニメも放送されました。
年代的にも制作スタジオ的にも、虫プロ制作のテレビ版の方がモデルですかね。ストーリーを見たところ映画版とテレビ版はアンデルセン作の童話をモチーフにしている以外に共通点はない別物みたいですね。
○ 『新造人間ガチョーン』
○ 『ほねっこハチベエ』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
来たぜ、ポスター地獄!
『新造人間ガチョーン』の元ネタは、1973年~1974年に放送された『新造人間キャシャーン』だと思われます。自我を持って世界を征服しようとする戦闘ロボット軍団と、それに対抗する新造人間キャシャーンとの戦いを描いたSFヒーローアニメです。制作はタツノコプロ。
1993年にはリメイク作品となるOVA版、2004年には実写映画、2008年には新作アニメが作られたそうです。
『ほねっこハチベエ』の元ネタは、ちょっと分かりませんでした……
『ジャングル黒べえ』は既に『アマゾン赤べこ』があるから(1話の解説参照)違うと思うのですが、フォントは似ているようにも思うんですね……
――2月26日23時追記――
『ほねっこハチベエ』の元ネタは『けろっこデメタン』ではないかという情報をいただきました。全く知らないアニメだったのですが、タツノコプロのページで見られる画像とポーズが一緒(笑)。これは間違いないでしょう。センスあるパロディですねぇ。
『けろっこデメタン』は1973年に放送されたタツノコプロ制作のアニメで、Wikipedeiaでストーリーを読む限りはカエルの世界での権力闘争や身分を越えた恋などを描いた作品だったみたい……この絵柄からは想像できなかった意外なストーリーだ。 情報、ありがとうございました。
○ 東城秀樹
○ キャンディガールズ
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
こちらは武蔵野動画に貼ってあった当時のアイドルのポスターです。
「東城秀樹」さんのモデルは、「西城秀樹」さんだと思われます。
1972年「恋する季節」で歌手デビュー、1973年「情熱の嵐」でオリコントップ10入り、「ちぎれた愛」でオリコン1位を獲得し、名実ともにトップアイドルとなります。1979年の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は世代を超えて歌い継がれていく名曲となりました。
郷ひろみさん・野口五郎さんとともに1970年代を代表するアイドル「新御三家」と呼ばれ、西城さんは「ワイルドさ」や「セクシーさ」の象徴でした。
「キャンディガールズ」のモデルは、1970年代に活躍した「キャンディーズ」だと思われます。伊藤蘭さん、田中好子さん、藤村美樹さんによる3人組ユニットで、3人はそれぞれ「ラン」「スー」「ミキ」の愛称で親しまれました。
『8時だョ!全員集合』にレギュラー出演をし、1973年に「あなたに夢中」で歌手デビュー、1975年の「年下の男の子」がヒットして、それ以降は「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」などのヒット曲を次々とリリース、1976年デビューのピンク・レディーとともに70年代を代表する女性アイドルユニットとなりました。
人気絶頂時の1977年に「普通の女の子に戻りたい」という言葉とともに解散を宣言し、1978年の最後のシングル「微笑がえし」で初のオリコン1位を獲得します。
解散後、伊藤蘭さんは女優として芸能界に復帰し、水谷豊さんと結婚されました。田中好子さんも女優として芸能界で活躍されていましたが、2011年に若くして乳がんで亡くなられています。藤村美樹さんは1983年に期間限定でソロ歌手として曲を出したこともありましたが、その後は芸能活動は行われていないみたいです。
○ チャッキー
○ ピート
○ ポピー
○ リッキー
○ ブラス
○ ジョージ
○ バディ
○ ビル
○ エミー
○ ベソベソ
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
『山はりねずみ アンデスチャッキー』のキャラクター達です。
『アンデスチャッキー』の元ネタは『山ねずみロッキーチャック』なので、ここに登場するキャラクターはみんな『ロッキーチャック』にモデルのキャラがいるのかな……と思ったのですが、モデルのいるキャラとそうでもないキャラがいるみたい?
1972年「恋する季節」で歌手デビュー、1973年「情熱の嵐」でオリコントップ10入り、「ちぎれた愛」でオリコン1位を獲得し、名実ともにトップアイドルとなります。1979年の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は世代を超えて歌い継がれていく名曲となりました。
郷ひろみさん・野口五郎さんとともに1970年代を代表するアイドル「新御三家」と呼ばれ、西城さんは「ワイルドさ」や「セクシーさ」の象徴でした。
「キャンディガールズ」のモデルは、1970年代に活躍した「キャンディーズ」だと思われます。伊藤蘭さん、田中好子さん、藤村美樹さんによる3人組ユニットで、3人はそれぞれ「ラン」「スー」「ミキ」の愛称で親しまれました。
『8時だョ!全員集合』にレギュラー出演をし、1973年に「あなたに夢中」で歌手デビュー、1975年の「年下の男の子」がヒットして、それ以降は「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」などのヒット曲を次々とリリース、1976年デビューのピンク・レディーとともに70年代を代表する女性アイドルユニットとなりました。
人気絶頂時の1977年に「普通の女の子に戻りたい」という言葉とともに解散を宣言し、1978年の最後のシングル「微笑がえし」で初のオリコン1位を獲得します。
解散後、伊藤蘭さんは女優として芸能界に復帰し、水谷豊さんと結婚されました。田中好子さんも女優として芸能界で活躍されていましたが、2011年に若くして乳がんで亡くなられています。藤村美樹さんは1983年に期間限定でソロ歌手として曲を出したこともありましたが、その後は芸能活動は行われていないみたいです。
○ チャッキー
○ ピート
○ ポピー
○ リッキー
○ ブラス
○ ジョージ
○ バディ
○ ビル
○ エミー
○ ベソベソ
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
『山はりねずみ アンデスチャッキー』のキャラクター達です。
『アンデスチャッキー』の元ネタは『山ねずみロッキーチャック』なので、ここに登場するキャラクターはみんな『ロッキーチャック』にモデルのキャラがいるのかな……と思ったのですが、モデルのいるキャラとそうでもないキャラがいるみたい?
当時は『ロッキーチャック』のファンサイトがあったのですが、これも閉鎖されてしまったみたいで……デザインを見比べることは出来なくなってしまいました。
『ロッキーチャック』はdアニメストアの「見放題」に入っている作品なのですが、全52話もあるので流石に気楽には観られませんね……
また、このシーンに出てくるチャッキーとポピー以外のキャラクターは、1970年代の武蔵野動画で働いていた人々とシンクロさせてあるみたいです。EDクレジットで判明するCV.と合わせることでどの人がどれかは分かるようになっているので、それも合わせて解説させていただきます。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
はりねずみが、このアニメの主人公チャッキーです。
モデルは恐らくロッキーチャック。シャツ(?)がスカーフに変わっていますが、赤いものを身につけているという共通点があります。
熊は、ピート。
モデルはバスターというキャラですかね。名前は似ていないし、大きさも違うのだけど、身に付けている服が似ています。
CV.は監督である森宮三郎と同じです。
丸川が「武蔵野動画がなくなってもまたみんなでアニメを作りたい」と言うと、「俺も呼んでくれ」と賛同していました。この森宮さんにもモデルがいそうな気もするんですけど……誰でしょう。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
もう一匹のはりねずみがポピーです。このアニメのヒロイン。
モデルはポリーだと思われます。頭に飾りを付けているだけじゃなくて、黄色いフサフサのある位置が一緒です。
馬はリッキーです。
ファンサイトを見ても馬のキャラクターはいないみたいですし、似たような服を着ているキャラを探しても見つかりませんでした。
CV.は色彩設計の百瀬勇と同じです。「小諸に帰ろうかと思っている」という台詞があるように、その後に小諸に帰って小諸スタジオの社長になって『SHIROBAKO』第3話に登場します。車でハードディスクを運んできてくれた人ね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
コックみたいな帽子を被った鳥はブラス。
こちらもちょっとモデルが分かりませんでした。名前と目つきの悪さからすると、ブラッキーが怪しいかなと思うのですが……服が違うのが気になります。
CV.は美術監督の佐賀森幸次と同じです。
「アニメの背景を、観た人の魂を揺さぶるようなものにしたい」と言っていました。
鶏はジョージ。このキャラもちょっとモデルがいるのかどうか……
CV.は美術の大倉正弘と同じです。言うまでもなく、『第三飛行少女隊』で宮森が背景を頼んだ人です。ここで佐賀森さんへの弟子入りを志願していました。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
ウサギはバディ。名前は似ていないけど、服の色が似ているピーターがモデルと言ってイイでしょう。ロッキーチャックやポリーに続くレギュラーキャラみたいです。
CV.は制作デスクの丸川正人と同じです。
「武蔵野動画がなくなっても、このメンバーでまたアニメが作りたい」「そして絶対に今作っているアニメを超えるアニメを作りたい」と語っていました。それが後の武蔵野アニメーションになるのでしょうし、そしてコレ……「またこの5人でアニメを作りたい」と語っていた第1話の宮森達にシンクロさせてあるんですね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
黒い犬はビル。これもモデルはいないみたい?
CV.はキャラクターデザインの杉江茂と同じです。現在も武蔵野アニメーションで現役のアニメーターを続けている杉江さんです。丸川の意見に賛同していました。
猫はエミー。
CV.は「動画のあのコ」と同じですね。髪型から察するに後に杉江さんの奥さんになる人だと思われます。杉江と一緒に丸川についていくと言っていました。『SHIROBAKO』12話で宮森に「『アンデスチャッキー』の動画を描いていた」と言っていましたね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
カエルはベソベソ。
カエルのキャラは『ロッキーチャック』にもステッキーというキャラがいますが、モデルかどうかは微妙なような。
CV.は宮森さんと同じでした。
吹雪が止んだ後にやってくるキャラなので、アニメが完成した後に「テレビの前でそれを観ている視聴者」や「そこから刺激を受けた次世代のアニメの作り手達」という象徴なのだと思います。まさに宮森さんのポジション。
この情熱がアニメに夢を見られなくなりつつあった宮森さんに届くというシーンで、泣き顔の前に宮森さんの泣き声がかすかに聞こえるところが最高でした。
この回の前半で「(宮森は)入って1年半も経つのにまだこの仕事に夢見てるんだ」という平岡の台詞があって。でも、アレだけ打ちのめされた宮森さんは夢を見失いかけていて。そこに、40年前に夢を見ていた若者が40年経ってもまだ夢を持ってアニメ作っている姿を見せることで、再び宮森さんがアニメへの情熱を取り戻すという展開だったんですね―――熱すぎる展開!
19話は本当に大好きな回で、宮森さんの泣き声が聞こえるシーンは何回見てもこちらも涙してしまいます。ただ「アニメを作るのって大変なんですよ」と愚痴るだけのアニメじゃないんです。必死に生きることを全力で肯定してくれるからこそ、この作品は心を打つのだし、私はこの作品が大好きなのです。
よほどのことがない限りは、元ネタ解説は次でラストだと思います。
残り5話―――惜しいけれど、大好きだったアニメがどう着地をしてくれるのかを楽しみに待ちたいと思います。ずかちゃんはどうなってしまうのか!
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
コックみたいな帽子を被った鳥はブラス。
こちらもちょっとモデルが分かりませんでした。名前と目つきの悪さからすると、ブラッキーが怪しいかなと思うのですが……服が違うのが気になります。
CV.は美術監督の佐賀森幸次と同じです。
「アニメの背景を、観た人の魂を揺さぶるようなものにしたい」と言っていました。
鶏はジョージ。このキャラもちょっとモデルがいるのかどうか……
CV.は美術の大倉正弘と同じです。言うまでもなく、『第三飛行少女隊』で宮森が背景を頼んだ人です。ここで佐賀森さんへの弟子入りを志願していました。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
ウサギはバディ。名前は似ていないけど、服の色が似ているピーターがモデルと言ってイイでしょう。ロッキーチャックやポリーに続くレギュラーキャラみたいです。
CV.は制作デスクの丸川正人と同じです。
「武蔵野動画がなくなっても、このメンバーでまたアニメが作りたい」「そして絶対に今作っているアニメを超えるアニメを作りたい」と語っていました。それが後の武蔵野アニメーションになるのでしょうし、そしてコレ……「またこの5人でアニメを作りたい」と語っていた第1話の宮森達にシンクロさせてあるんですね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
黒い犬はビル。これもモデルはいないみたい?
CV.はキャラクターデザインの杉江茂と同じです。現在も武蔵野アニメーションで現役のアニメーターを続けている杉江さんです。丸川の意見に賛同していました。
猫はエミー。
CV.は「動画のあのコ」と同じですね。髪型から察するに後に杉江さんの奥さんになる人だと思われます。杉江と一緒に丸川についていくと言っていました。『SHIROBAKO』12話で宮森に「『アンデスチャッキー』の動画を描いていた」と言っていましたね。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>
カエルはベソベソ。
カエルのキャラは『ロッキーチャック』にもステッキーというキャラがいますが、モデルかどうかは微妙なような。
CV.は宮森さんと同じでした。
吹雪が止んだ後にやってくるキャラなので、アニメが完成した後に「テレビの前でそれを観ている視聴者」や「そこから刺激を受けた次世代のアニメの作り手達」という象徴なのだと思います。まさに宮森さんのポジション。
この情熱がアニメに夢を見られなくなりつつあった宮森さんに届くというシーンで、泣き顔の前に宮森さんの泣き声がかすかに聞こえるところが最高でした。
この回の前半で「(宮森は)入って1年半も経つのにまだこの仕事に夢見てるんだ」という平岡の台詞があって。でも、アレだけ打ちのめされた宮森さんは夢を見失いかけていて。そこに、40年前に夢を見ていた若者が40年経ってもまだ夢を持ってアニメ作っている姿を見せることで、再び宮森さんがアニメへの情熱を取り戻すという展開だったんですね―――熱すぎる展開!
19話は本当に大好きな回で、宮森さんの泣き声が聞こえるシーンは何回見てもこちらも涙してしまいます。ただ「アニメを作るのって大変なんですよ」と愚痴るだけのアニメじゃないんです。必死に生きることを全力で肯定してくれるからこそ、この作品は心を打つのだし、私はこの作品が大好きなのです。
よほどのことがない限りは、元ネタ解説は次でラストだと思います。
残り5話―――惜しいけれど、大好きだったアニメがどう着地をしてくれるのかを楽しみに待ちたいと思います。ずかちゃんはどうなってしまうのか!
ここからは20話~最終話の元ネタを解説した後半の記事です。
『SHIROBAKO』の元ネタ解説の最終回です!原則として重複しているものは解説しないため、終盤に行くほど解説する元ネタは少なくなるもので……今回は少なめだと思います。前回もバッティングフォームとか解説しなきゃ少なくなったような気もしますが(笑)。
↓↓
◇ 第20話「がんばりマスタング」
○ 「だからもファントムもない」
○ 「がんばりマスタング」
○ 「どうかお願いしメッサー」
○ 「シュミットかよ!」
りーちゃんが舞茸さんに弟子入りしようと懇願した時の台詞。
自分はミリオタじゃないので自信がないのですが、恐らく全部「航空機」絡みの単語だと思います。『第三飛行少女隊』で一緒に仕事をしているからこそですね。解説を一応書いておきますが、基本的にWikipediaの知識です。
ファントムは、1945年1月に初飛行したアメリカ海軍の艦上ジェット戦闘機「FH-1」の愛称だそうです。1947年1月から量産化されますが、より完成度の高い後継機の登場により1950年代の半ばまでに全機退役したそうです。
その後、1958年に初飛行し、ベトナム戦争などに使われた冷戦期の代表的な戦闘機「F-4」も、愛称は「ファントム II」で、超有名な機体だそうです。西側諸国の超音速戦闘機の中で最も製造数の多い機体だったとか。
マスタングは、1940年10月に初飛行をしたレシプロ単発単座戦闘機「ノースアメリカン P-51 マスタング」のことで、第二次世界大戦中にイギリス空軍のためにアメリカで作られた機体……ってことですかね。航続距離が長く、低空性能に優れていたために第二次世界大戦後半の傑作機として挙げられるそうな。そのため、第二次世界大戦を題材にした映画や漫画などにも数多く登場するそうです。
メッサーとシュミットは、ドイツの航空機・自動車メーカー「メッサーシュミット」の作った航空機のことだと思われます。特に有名なのは1935年に初飛行をした戦闘機「メッサーシュミット Bf109」で、ナチスドイツ空軍の主力戦闘機だったそうです。
↓↓
◇ 第21話「クオリティを人質にすんな」
○ ペクサー
富ヶ谷が「自分の夢」としてこんな会社を作りたいと語った会社。
既に小説版に出てきたので、そちらの元ネタ解説の記事に書いたのですが……小説版の元ネタ解説はまだ移行していないので、こちらにもコピペしておきますね。
<以下、コピペ>
ペクサーの元ネタは、恐らく「ピクサー」です。
ピクサーは元々はアメリカの映像製作会社ルーカスフィルムのコンピュータ・アニメーション部門だったのを、1986年にスティーブ・ジョブズらが買収して独立させた会社です。1995年にディズニーとの共同製作で作られたフル3DCGアニメ『トイ・ストーリー』以後、『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『カーズ』など世界的大ヒット作品を連発しています。
練りこまれた脚本と、“何だって表現できる”高いCG技術が特徴ですね。
現在はディズニーの完全子会社です。
</ここまで>
○ ACツチノコ
○ 磯川久光
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
平岡と矢野の専門学校時代の同級生:磯川久光のモデルは、名前がよく似た「石川光久」さんだと思います。年齢は全然違うので驚きましたが、平岡の物語を描くために「なるほど、こんな手を使ってきたか」と思いました。
石川光久さんは1980年代に竜の子プロダクションの制作進行→制作デスクとキャリアを重ね、『赤い光弾ジリオン』の制作プロデューサーを担当。この作品のスタッフを分散させることを惜しんだ石川さんは、1987年12月に「有限会社アイジータツノコ」を設立します。これが「ACツチノコ」のモデルだと思われます。
1993年にアイジータツノコの社名を「プロダクション・アイジー(Production I.G.)」(公式サイト)に変更、独立後しばらくは下請けの仕事が続きましたが、1995年の押井守監督の劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』が世界的な評価を受けて知名度が上がります。
その後は日本を代表するアニメ制作会社の一つとして確固たる地位を築き上げ、近年でも『黒子のバスケ』『PSYCHO-PASS サイコパス』『翠星のガルガンティア』『ハイキュー!!』などの大ヒット作品の元請制作を行っていますね。
2024年にコミックナタリーにインタビューを受けているのですが、写真を見ると年齢は違いますが磯川さんの面影がありますね(笑)。
アイジータツノコ独立の経緯は磯川さんの話に通じるものがあるそうなのですが、真相は分からないのでその辺は置いといて……この『SHIROBAKO』の世界にはまだProduction I.G.がなくて、磯川さんの会社が後々にProduction I.G.のような会社になると思われることから。
磯川さんは、同期の中でもスーパー出世頭なんですね。
世界に注目される会社を立ち上げてしまった人ですから、業界内でも超有名人と言えますし……まだこの時期はそうではないとはいえ、専門学校時代は同じように同期の中でも注目される存在だった平岡からすると「随分と距離を離された」と思うことでしょう。
夢を持っていた人間ほど、同期の人間の出世がまぶしくて耐えられない―――その気持ちはすごくよく分かりますし、それを描くためにこんな人を出すかーと舌を巻きました。
○ 『ぐんこれ』
りーちゃんが「今季の注目アニメ」として挙げている作品。
言うまでもなく、第1話で本田と落合が話していた「今季の注目アニメ」を、今度は安藤さんとりーちゃんでやっているんですね。
『ぐんこれ』の元ネタは、『艦隊これくしょん -艦これ-』だと思われます。
原作は2013年4月から運営開始したブラウザゲームで、大日本帝国海軍の艦艇を擬人化した「艦娘(かんむす)」を用いた作品です。テレビアニメは2015年1~3月に放送されました。制作はディオメディア。『第三飛行少女隊』の名前が出た頃『艦これ』が元ネタじゃないかなんていう声もありましたが、それは『第三飛行少女隊』の制作に名乗りを挙げている会社にバルメディアがあったからです(12話の解説参照)。
○ 『とあるお宮の南瓜<パンプキン>』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
『第三飛行少女隊』の前に入ったCM。
ロゴの色から判断するに、元ネタは『とある科学の超電磁砲』(公式サイト)だと思われます。ということは第1話の解説に出てきた『とあるお寺の即身仏』のスピンオフ作品ということですね。
『とある魔術の禁書目録』のアニメ1期は2008年10月~2009年3月に放送され、そのスピンオフ作品である『とある科学の超電磁砲』のアニメ1期は2009年10月~2010年3月に放送されました。ちょうど1年差で、『とあるお寺の即身仏』と『とあるお宮の南瓜』も1年後にCMをしているという点も似ていますね。
『とある魔術の禁書目録』は超能力を開発している学園都市に暮らす少年:上条当麻を主人公にした作品で、その作品に出てくるヒロインの一人:御坂美琴を主人公にしたスピンオフ作品が『とある科学の超電磁砲』です。アニメ版の制作はどちらもJ.C.STAFF。
○ ケメコ
平岡が世話をしている猫の名前。
話ぶりからすると、飼い猫ではない猫が時間帯によって家に入ってきちゃうので世話をしていたというカンジみたいですね。
偶然という可能性もありますが……恐らく『ケメコデラックス!』のケメコから取っているんじゃないかなと思います。『ケメコデラックス!』は電撃コミックガオ!→コミック電撃大王にて連載されていた漫画で、テレビアニメは2008年10月~12月に放送されました。制作はハルフィルムメーカーで、監督は『SHIROBAKO』と同じ水島努監督です。
なので、「偶然ではない」んじゃないかなーと私は考えているのですが……
もう一つ。『ケメコデラックス!』の放送は2008年ということで、『SHIROBAKO』の作中時間からすれば恐らく「6~7年前」となります。平岡は「業界5年目」と言っていたので、恐らく平岡が専門学校時代に放送されていた作品で、平岡がまだアニメに情熱を持っていた頃の作品なんですよ。
アニメ制作の現場に入り、アニメに夢を持てなくなった平岡だけど……自分が視聴者としてアニメを観ていた頃の思い出は残っていて、入ってきた猫に「昔観ていたアニメのキャラ」の名前を付けるという意味なのかなと。
あと更に、私は『ケメコデラックス!』を読んでも観てもいなくて自信がないんですけど、『ケメコデラックス!』のケメコはエムエムという本当は臆病なヒロインが被っている人型ロボットなので……繊細な感情を閉ざして、機械のように仕事をこなしている平岡の心情が表れているのかなぁとも思ったのですが……私は『ケメコデラックス!』を読んでも観てもいなかったので自信がありません!
○ 『おいら宇宙の王子様』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
ACツチノコに貼ってあったポスター。
名前が似ている作品と言えば、1994年発売のOVA『おいら宇宙の探鉱夫』ですかねぇ。制作はトライアングルスタッフで、全6巻の予定が2巻で打ち切りになっているそうです。商業的には失敗したけれど、中身の評判はとても良かったとか。
ここの空間だけ1990年代ということなのでしょうか……
↓↓
◇ 第22話「ノアは下着です。」
○ カンヌ
平岡がかつて持っていた夢。
アニメで初めてカンヌの“「ある視点」部門の作品賞”と“国際批評家連盟賞”を取るつもりだったとか。
これはカンヌ国際映画祭(公式サイト)のことでしょう。
1946年から続いているフランスの国際映画祭で、世界三大映画祭の一つと言われています。映画の権利を売買する見本市「カンヌ・フィルム・マーケット」も併設されて、企画の売込みなども行われるため、多くの業界人が出席して、世界中の注目を集めます。
「ある視点」部門は、最高賞のパルム・ドールとは別の「独自で特異な」作品群が選出される部門です。日本映画としては2008年に黒沢清監督の『トウキョウソナタ』が審査員賞を受賞しましたが、作品賞はまだ誰も受賞していません。
国際批評家連盟賞は、世界各国の映画批評家および映画ジャーナリストの連盟による賞です。
↓↓
◇ 第23話「続・ちゃぶだい返し」
○ 『ゴハン3世』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
第13話にも出てきた夜鷹書房の代表作。
元ネタは恐らく『ルパン三世』なんだろうけど、第13話では文字が全部は見えなかったため 『??ン3世』と表記していました。今回初めて全部文字が見えましたね。また、キャラも5人の姿が全て見えました。左から銭型、不二子、五右衛門、次元、ルパンをモデルにしたキャラ……なのだろうかこれ。
○ 『セーラー服とF3』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
野亀先生の作品で過去にアニメ化された漫画。
野亀先生の原案となった野上武志先生の代表作『セーラー服と重戦車』が元ネタですかね。この漫画は水島努監督の代表作と言っても過言ではない『ガールズ&パンツァー』の原点とも言える作品で、女子高生が戦車に乗って戦う漫画です。『ガールズ&パンツァー』はオリジナルアニメですが、野上先生も『ガールズ&パンツァー』のキャラクター原案補佐を担当されているので、無関係ではないと思います。
↓↓
◇ 第20話「がんばりマスタング」
○ 「だからもファントムもない」
○ 「がんばりマスタング」
○ 「どうかお願いしメッサー」
○ 「シュミットかよ!」
りーちゃんが舞茸さんに弟子入りしようと懇願した時の台詞。
自分はミリオタじゃないので自信がないのですが、恐らく全部「航空機」絡みの単語だと思います。『第三飛行少女隊』で一緒に仕事をしているからこそですね。解説を一応書いておきますが、基本的にWikipediaの知識です。
ファントムは、1945年1月に初飛行したアメリカ海軍の艦上ジェット戦闘機「FH-1」の愛称だそうです。1947年1月から量産化されますが、より完成度の高い後継機の登場により1950年代の半ばまでに全機退役したそうです。
その後、1958年に初飛行し、ベトナム戦争などに使われた冷戦期の代表的な戦闘機「F-4」も、愛称は「ファントム II」で、超有名な機体だそうです。西側諸国の超音速戦闘機の中で最も製造数の多い機体だったとか。
マスタングは、1940年10月に初飛行をしたレシプロ単発単座戦闘機「ノースアメリカン P-51 マスタング」のことで、第二次世界大戦中にイギリス空軍のためにアメリカで作られた機体……ってことですかね。航続距離が長く、低空性能に優れていたために第二次世界大戦後半の傑作機として挙げられるそうな。そのため、第二次世界大戦を題材にした映画や漫画などにも数多く登場するそうです。
メッサーとシュミットは、ドイツの航空機・自動車メーカー「メッサーシュミット」の作った航空機のことだと思われます。特に有名なのは1935年に初飛行をした戦闘機「メッサーシュミット Bf109」で、ナチスドイツ空軍の主力戦闘機だったそうです。
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◇ 第21話「クオリティを人質にすんな」
○ ペクサー
富ヶ谷が「自分の夢」としてこんな会社を作りたいと語った会社。
既に小説版に出てきたので、そちらの元ネタ解説の記事に書いたのですが……小説版の元ネタ解説はまだ移行していないので、こちらにもコピペしておきますね。
<以下、コピペ>
ペクサーの元ネタは、恐らく「ピクサー」です。
ピクサーは元々はアメリカの映像製作会社ルーカスフィルムのコンピュータ・アニメーション部門だったのを、1986年にスティーブ・ジョブズらが買収して独立させた会社です。1995年にディズニーとの共同製作で作られたフル3DCGアニメ『トイ・ストーリー』以後、『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『カーズ』など世界的大ヒット作品を連発しています。
練りこまれた脚本と、“何だって表現できる”高いCG技術が特徴ですね。
現在はディズニーの完全子会社です。
</ここまで>
○ ACツチノコ
○ 磯川久光
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
平岡と矢野の専門学校時代の同級生:磯川久光のモデルは、名前がよく似た「石川光久」さんだと思います。年齢は全然違うので驚きましたが、平岡の物語を描くために「なるほど、こんな手を使ってきたか」と思いました。
石川光久さんは1980年代に竜の子プロダクションの制作進行→制作デスクとキャリアを重ね、『赤い光弾ジリオン』の制作プロデューサーを担当。この作品のスタッフを分散させることを惜しんだ石川さんは、1987年12月に「有限会社アイジータツノコ」を設立します。これが「ACツチノコ」のモデルだと思われます。
1993年にアイジータツノコの社名を「プロダクション・アイジー(Production I.G.)」(公式サイト)に変更、独立後しばらくは下請けの仕事が続きましたが、1995年の押井守監督の劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』が世界的な評価を受けて知名度が上がります。
その後は日本を代表するアニメ制作会社の一つとして確固たる地位を築き上げ、近年でも『黒子のバスケ』『PSYCHO-PASS サイコパス』『翠星のガルガンティア』『ハイキュー!!』などの大ヒット作品の元請制作を行っていますね。
2024年にコミックナタリーにインタビューを受けているのですが、写真を見ると年齢は違いますが磯川さんの面影がありますね(笑)。
アイジータツノコ独立の経緯は磯川さんの話に通じるものがあるそうなのですが、真相は分からないのでその辺は置いといて……この『SHIROBAKO』の世界にはまだProduction I.G.がなくて、磯川さんの会社が後々にProduction I.G.のような会社になると思われることから。
磯川さんは、同期の中でもスーパー出世頭なんですね。
世界に注目される会社を立ち上げてしまった人ですから、業界内でも超有名人と言えますし……まだこの時期はそうではないとはいえ、専門学校時代は同じように同期の中でも注目される存在だった平岡からすると「随分と距離を離された」と思うことでしょう。
夢を持っていた人間ほど、同期の人間の出世がまぶしくて耐えられない―――その気持ちはすごくよく分かりますし、それを描くためにこんな人を出すかーと舌を巻きました。
○ 『ぐんこれ』
りーちゃんが「今季の注目アニメ」として挙げている作品。
言うまでもなく、第1話で本田と落合が話していた「今季の注目アニメ」を、今度は安藤さんとりーちゃんでやっているんですね。
『ぐんこれ』の元ネタは、『艦隊これくしょん -艦これ-』だと思われます。
原作は2013年4月から運営開始したブラウザゲームで、大日本帝国海軍の艦艇を擬人化した「艦娘(かんむす)」を用いた作品です。テレビアニメは2015年1~3月に放送されました。制作はディオメディア。『第三飛行少女隊』の名前が出た頃『艦これ』が元ネタじゃないかなんていう声もありましたが、それは『第三飛行少女隊』の制作に名乗りを挙げている会社にバルメディアがあったからです(12話の解説参照)。
○ 『とあるお宮の南瓜<パンプキン>』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
『第三飛行少女隊』の前に入ったCM。
ロゴの色から判断するに、元ネタは『とある科学の超電磁砲』(公式サイト)だと思われます。ということは第1話の解説に出てきた『とあるお寺の即身仏』のスピンオフ作品ということですね。
『とある魔術の禁書目録』のアニメ1期は2008年10月~2009年3月に放送され、そのスピンオフ作品である『とある科学の超電磁砲』のアニメ1期は2009年10月~2010年3月に放送されました。ちょうど1年差で、『とあるお寺の即身仏』と『とあるお宮の南瓜』も1年後にCMをしているという点も似ていますね。
『とある魔術の禁書目録』は超能力を開発している学園都市に暮らす少年:上条当麻を主人公にした作品で、その作品に出てくるヒロインの一人:御坂美琴を主人公にしたスピンオフ作品が『とある科学の超電磁砲』です。アニメ版の制作はどちらもJ.C.STAFF。
○ ケメコ
平岡が世話をしている猫の名前。
話ぶりからすると、飼い猫ではない猫が時間帯によって家に入ってきちゃうので世話をしていたというカンジみたいですね。
偶然という可能性もありますが……恐らく『ケメコデラックス!』のケメコから取っているんじゃないかなと思います。『ケメコデラックス!』は電撃コミックガオ!→コミック電撃大王にて連載されていた漫画で、テレビアニメは2008年10月~12月に放送されました。制作はハルフィルムメーカーで、監督は『SHIROBAKO』と同じ水島努監督です。
なので、「偶然ではない」んじゃないかなーと私は考えているのですが……
もう一つ。『ケメコデラックス!』の放送は2008年ということで、『SHIROBAKO』の作中時間からすれば恐らく「6~7年前」となります。平岡は「業界5年目」と言っていたので、恐らく平岡が専門学校時代に放送されていた作品で、平岡がまだアニメに情熱を持っていた頃の作品なんですよ。
アニメ制作の現場に入り、アニメに夢を持てなくなった平岡だけど……自分が視聴者としてアニメを観ていた頃の思い出は残っていて、入ってきた猫に「昔観ていたアニメのキャラ」の名前を付けるという意味なのかなと。
あと更に、私は『ケメコデラックス!』を読んでも観てもいなくて自信がないんですけど、『ケメコデラックス!』のケメコはエムエムという本当は臆病なヒロインが被っている人型ロボットなので……繊細な感情を閉ざして、機械のように仕事をこなしている平岡の心情が表れているのかなぁとも思ったのですが……私は『ケメコデラックス!』を読んでも観てもいなかったので自信がありません!
○ 『おいら宇宙の王子様』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第21話より引用>
ACツチノコに貼ってあったポスター。
名前が似ている作品と言えば、1994年発売のOVA『おいら宇宙の探鉱夫』ですかねぇ。制作はトライアングルスタッフで、全6巻の予定が2巻で打ち切りになっているそうです。商業的には失敗したけれど、中身の評判はとても良かったとか。
ここの空間だけ1990年代ということなのでしょうか……
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◇ 第22話「ノアは下着です。」
○ カンヌ
平岡がかつて持っていた夢。
アニメで初めてカンヌの“「ある視点」部門の作品賞”と“国際批評家連盟賞”を取るつもりだったとか。
これはカンヌ国際映画祭(公式サイト)のことでしょう。
1946年から続いているフランスの国際映画祭で、世界三大映画祭の一つと言われています。映画の権利を売買する見本市「カンヌ・フィルム・マーケット」も併設されて、企画の売込みなども行われるため、多くの業界人が出席して、世界中の注目を集めます。
「ある視点」部門は、最高賞のパルム・ドールとは別の「独自で特異な」作品群が選出される部門です。日本映画としては2008年に黒沢清監督の『トウキョウソナタ』が審査員賞を受賞しましたが、作品賞はまだ誰も受賞していません。
国際批評家連盟賞は、世界各国の映画批評家および映画ジャーナリストの連盟による賞です。
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◇ 第23話「続・ちゃぶだい返し」
○ 『ゴハン3世』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
第13話にも出てきた夜鷹書房の代表作。
元ネタは恐らく『ルパン三世』なんだろうけど、第13話では文字が全部は見えなかったため 『??ン3世』と表記していました。今回初めて全部文字が見えましたね。また、キャラも5人の姿が全て見えました。左から銭型、不二子、五右衛門、次元、ルパンをモデルにしたキャラ……なのだろうかこれ。
○ 『セーラー服とF3』
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
野亀先生の作品で過去にアニメ化された漫画。
野亀先生の原案となった野上武志先生の代表作『セーラー服と重戦車』が元ネタですかね。この漫画は水島努監督の代表作と言っても過言ではない『ガールズ&パンツァー』の原点とも言える作品で、女子高生が戦車に乗って戦う漫画です。『ガールズ&パンツァー』はオリジナルアニメですが、野上先生も『ガールズ&パンツァー』のキャラクター原案補佐を担当されているので、無関係ではないと思います。
なので……ここで「アニメ化で原作が改悪されることってあるよね」というネタに使うのは、何周もしている複雑なセルフパロディなのかなと。
○ 昇龍腹
○ 竜巻旋風腹
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
夜鷹書房に乗り込んだ木下監督が使った必殺技。
世代によっては全然知らない人もいると思うので、一応説明します。
1987年に初代が稼動して、1991年に『II』が稼動して社会現象にまでなったアーケードゲーム『ストリートファイター』シリーズの「リュウ」と「ケン」が使う必殺技「昇龍拳」と「竜巻旋風脚」が元ネタだと思われます。
「昇龍拳」はアッパーカットから上空に飛び上がる必殺技で、ジャンプ攻撃をしてくる敵を迎撃する「対空技」という概念を浸透させました。「竜巻旋風脚」は宙に浮き上がり竜巻のように回転しながら前方に進む必殺技で、木下監督のように風を操って攻撃したりはしません、多分。最近のとか他の作品に出張で出ていった時とかにはひょっとしたらやっているのかも知れませんが。
↓↓
◇ 第24話「遠すぎた納品」
○ アタクス
佐藤さんが行方をつかめなかった「たのくら」さん(多分アニメーター)の行き場所として平岡が推測した場所。
恐らくこれは「作品名」ではなく「会社名」です。元ネタは多分「アクタス」(公式サイト)という会社で、水島努監督の代表作『ガールズ&パンツァー』の制作会社です。
『ガールズ&パンツァー』はテレビ版は2012年~2013年に放送されていましたが、完全新作の劇場版が2015年11月に公開予定だそうで、恐らく現在制作の最中だと思われます。平岡が「劇場版の追い込み」と言っていたのは、このことかなと思います。「劇場版」と言っているということは「テレビ版」があるってことでしょうしね。
武蔵野アニメーションが『第三飛行少女隊』を必死に作っている裏で、他の会社も一生懸命アニメを作っていると感じられる描写です。
○ TOKYO NX
○ 小田原テレビ
○ 南房TV
○ 神戸ヨンテレ
○ 旭山ペンギン放送
○ 佐渡テレビ
○ 広島文太放送
○ テレビ上高地
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
来たぜ、最後の物量解説……!
『第三飛行少女隊』の納品先、つまりは放送されるテレビ局ということですね。自分は今まで「どうして深夜アニメって全国でちょっとずつズレて放送されるんだろう」と思っていたんですが、同日放送にすると「一斉に届けるのが難しい」ってことになっちゃうからだったんですね。
これが、例えば「フジテレビ系列のテレビ局」とか「MBS/TBS系列のテレビ局」が製作して放送するって場合は違うのかも知れませんが、独立局で放送される作品はこうなっちゃうってことなのかなと。
TOKYO NXの元ネタは「TOKYO MX」(公式サイト)だと思います。
東京都にある独立放送局ですが、東京都内だけでなく神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県の一部地域でも受信できるため、近年では「関東での放送はTOKYO MXだけ」というアニメも多いです。逆に言うと、キー局製作のアニメ以外ならほぼTOKYO MXで観られるとも言えて、地方在住のアニメファンからは羨望の対象となる放送局です。
届けたのはナベPですが、この局の姿だけは画面に出てきませんでした。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
○ 昇龍腹
○ 竜巻旋風腹
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第23話より引用>
夜鷹書房に乗り込んだ木下監督が使った必殺技。
世代によっては全然知らない人もいると思うので、一応説明します。
1987年に初代が稼動して、1991年に『II』が稼動して社会現象にまでなったアーケードゲーム『ストリートファイター』シリーズの「リュウ」と「ケン」が使う必殺技「昇龍拳」と「竜巻旋風脚」が元ネタだと思われます。
「昇龍拳」はアッパーカットから上空に飛び上がる必殺技で、ジャンプ攻撃をしてくる敵を迎撃する「対空技」という概念を浸透させました。「竜巻旋風脚」は宙に浮き上がり竜巻のように回転しながら前方に進む必殺技で、木下監督のように風を操って攻撃したりはしません、多分。最近のとか他の作品に出張で出ていった時とかにはひょっとしたらやっているのかも知れませんが。
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◇ 第24話「遠すぎた納品」
○ アタクス
佐藤さんが行方をつかめなかった「たのくら」さん(多分アニメーター)の行き場所として平岡が推測した場所。
恐らくこれは「作品名」ではなく「会社名」です。元ネタは多分「アクタス」(公式サイト)という会社で、水島努監督の代表作『ガールズ&パンツァー』の制作会社です。
『ガールズ&パンツァー』はテレビ版は2012年~2013年に放送されていましたが、完全新作の劇場版が2015年11月に公開予定だそうで、恐らく現在制作の最中だと思われます。平岡が「劇場版の追い込み」と言っていたのは、このことかなと思います。「劇場版」と言っているということは「テレビ版」があるってことでしょうしね。
武蔵野アニメーションが『第三飛行少女隊』を必死に作っている裏で、他の会社も一生懸命アニメを作っていると感じられる描写です。
○ TOKYO NX
○ 小田原テレビ
○ 南房TV
○ 神戸ヨンテレ
○ 旭山ペンギン放送
○ 佐渡テレビ
○ 広島文太放送
○ テレビ上高地
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
来たぜ、最後の物量解説……!
『第三飛行少女隊』の納品先、つまりは放送されるテレビ局ということですね。自分は今まで「どうして深夜アニメって全国でちょっとずつズレて放送されるんだろう」と思っていたんですが、同日放送にすると「一斉に届けるのが難しい」ってことになっちゃうからだったんですね。
これが、例えば「フジテレビ系列のテレビ局」とか「MBS/TBS系列のテレビ局」が製作して放送するって場合は違うのかも知れませんが、独立局で放送される作品はこうなっちゃうってことなのかなと。
TOKYO NXの元ネタは「TOKYO MX」(公式サイト)だと思います。
東京都にある独立放送局ですが、東京都内だけでなく神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県の一部地域でも受信できるため、近年では「関東での放送はTOKYO MXだけ」というアニメも多いです。逆に言うと、キー局製作のアニメ以外ならほぼTOKYO MXで観られるとも言えて、地方在住のアニメファンからは羨望の対象となる放送局です。
届けたのはナベPですが、この局の姿だけは画面に出てきませんでした。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
小田原テレビは、恐らく神奈川県小田原市にある放送局です。モチーフは小田原城かな?「OTV」と略されているので、神奈川県の独立放送局「テレビ神奈川(TVK)」(公式サイト)元ネタかなと思います。TVKは小田原ではなく横浜にあるのですが。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
南房TVは、ナベPの台詞や看板だと「南房チャンネル」になっていますね。南房は千葉県の房総半島最南端にある南房総市のことだと思われます。千葉県の独立放送局ならば、「千葉テレビ(チバテレ)」(公式サイト)がモチーフだと思うのですが……チバテレは南房総市ではなく千葉市にあります。何故、南房にしたんだ……?
届けたのはナベP。東京→千葉→神奈川と届けたのだと思いますが、南房総市から小田原市って結構な距離ですよね(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
届けたのはナベP。東京→千葉→神奈川と届けたのだと思いますが、南房総市から小田原市って結構な距離ですよね(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
神戸ヨンテレの元ネタは、神戸にある放送局「サンテレビジョン(サンテレビ)」(公式サイト)だと思います。自分の住んでいる地域以外のテレビ局なんてなかなか知らんものですが、これはもじりがシンプルなんで分かります。
メーカーPの葛城さんが届けました。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
メーカーPの葛城さんが届けました。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
旭山ペンギン放送は、ナベPの台詞だと「北海道、旭川ペンギン放送」ってなっているので……書き間違えたのか?旭川市は北海道にある市で、旭山は旭川市にある山で「旭山動物園」が有名ですね。なので、ペンギンがうろうろしているなど、旭山動物園がモチーフになっています。
届けたのは広告代理店の水山さん。北海道には独立局がないみたいなんで、完全架空のテレビ局ってことですかね。それ言ったら小田原テレビだって存在しませんが(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
届けたのは広告代理店の水山さん。北海道には独立局がないみたいなんで、完全架空のテレビ局ってことですかね。それ言ったら小田原テレビだって存在しませんが(笑)。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
佐渡テレビは、ナベPの台詞だと「新潟、テレビ佐渡」となっていましたし、看板も「TV SADO」になっていますね。名前からしても、看板からしても、矢野さんがフェリーに乗っていたことからも、新潟県の佐渡島にあるテレビ局という設定みたいです。なんつーところに……南房総や旭川だって大概でしたが。
届けたのは矢野さんでした。佐渡島にはケーブルテレビを除けばテレビ局はないみたいなんで、架空の放送局だと思われます。そりゃ、まぁ。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
届けたのは矢野さんでした。佐渡島にはケーブルテレビを除けばテレビ局はないみたいなんで、架空の放送局だと思われます。そりゃ、まぁ。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
広島文太放送は、広島県にあるテレビ局という設定みたいです。名前の元ネタは、広島を舞台にした映画『仁義なき戦い』で主演を務めた菅原文太さんから取っているのでしょう。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
テレビ上高地は、長野県松本市にあるテレビ局という設定みたいです。スキー場なんかでも有名な地域なので、モチーフはスキー場なのかなこれ(笑)。
届けたのは興津さん。興津さんの地元だったのか、それとも興津さんは第3話で落合から「制作に戻ったら」と言われていたので、制作進行だった時期にこの辺りの地域に詳しかったのか。
○ 興津さんが見ていた電車に描かれていた女のコは?
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
この路線は実在する路線で「アルピコ交通上高地線」、電車も3000形電車と呼ばれるものみたいです。サイドミラーが付いているのが特徴だとか。EDに取材協力「アルピコ交通」とクレジットされていました。
この「アルピコ交通上高地線」のイメージキャラクターが「渕東なぎさ」というキャラクターで、ここで描かれているのはこのコです。公式サイトもあります。CV.は『ラブライブ!』の高坂穂乃果役で知られる新田恵海さんで、新田さんが長野県出身だからみたいですね。
このラッピングトレインは実際に運行されていて、2013年から走っているみたいです。
後の「8年ぶりだな」という台詞から考えるに、興津さんがバリバリ走っていた頃にはなかった電車だと思います。ここで興津さんが微笑むのは、きっとアニメのようなキャラクターがここでも誰かのために描かれているのを見たからなのかなぁと。
それと、ちょっと関係ないネタですけど。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
『えくそだすっ!』
○ 『ツーピース』
○ 『限界集落 カソ娘』
武蔵野アニメーションの次の作品。
ツーラインだと……!!
『ツーピース』は大物の山賊漫画ということで、言うまでもなく『ワンピース』が元ネタだと思われます。1997年から少年ジャンプで連載されている超人気海賊漫画です。テレビアニメは1999年から東映アニメーション制作で放送されています。
『限界集落 カソ娘』の元ネタは『侵略!イカ娘』(公式サイト)かなぁと思います。2007年から少年チャンピオンで連載されている漫画で、テレビアニメ化は2010年と2011年にされました。制作はディオメディア、1期の監督は『SHIROBAKO』でも監督を務めた水島努さん。
そう言えば……『第三飛行少女隊』のありあ役の鈴木京子さんのCV.は金元寿子さんで、金元さんはほとんど無名な時に『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』で主役に大抜擢されて、その後に『イカ娘』で主役を務めたのでした。『第三飛行少女隊』の元ネタは『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』か!
さて……『イカ娘』は漫画原作のアニメですが、『カソ娘』は木下監督のオリジナルアニメとして作られるそうです。木下監督の代表作は『裸の催眠術師』となっているため、木下誠一=水島精二監督説が序盤から挙げられていました。
しかし、最後の最後に木下監督の次回作として、水島努監督の代表作『イカ娘』をモチーフにした作品が出てくるということは……木下誠一が水島努監督になったという意味のシーンなんじゃないかなぁと思います。
散々散々情けない姿を描かれてきた木下監督だけど、それは水島努監督自身の姿だったと最後に見せてくれたのかなぁ……と、締めくくってこの元ネタ解説を終わらせようと思います。
半年間、本当にありがとうございました。読んでくださった方々、一緒に『SHIROBAKO』を楽しんだ方々、そして何よりも『SHIROBAKO』という作品を作ってくださった全ての関係者に心から感謝しています。
届けたのは興津さん。興津さんの地元だったのか、それとも興津さんは第3話で落合から「制作に戻ったら」と言われていたので、制作進行だった時期にこの辺りの地域に詳しかったのか。
○ 興津さんが見ていた電車に描かれていた女のコは?
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
この路線は実在する路線で「アルピコ交通上高地線」、電車も3000形電車と呼ばれるものみたいです。サイドミラーが付いているのが特徴だとか。EDに取材協力「アルピコ交通」とクレジットされていました。
この「アルピコ交通上高地線」のイメージキャラクターが「渕東なぎさ」というキャラクターで、ここで描かれているのはこのコです。公式サイトもあります。CV.は『ラブライブ!』の高坂穂乃果役で知られる新田恵海さんで、新田さんが長野県出身だからみたいですね。
このラッピングトレインは実際に運行されていて、2013年から走っているみたいです。
後の「8年ぶりだな」という台詞から考えるに、興津さんがバリバリ走っていた頃にはなかった電車だと思います。ここで興津さんが微笑むのは、きっとアニメのようなキャラクターがここでも誰かのために描かれているのを見たからなのかなぁと。
それと、ちょっと関係ないネタですけど。
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第24話より引用>
『えくそだすっ!』
○ 『ツーピース』
○ 『限界集落 カソ娘』
武蔵野アニメーションの次の作品。
ツーラインだと……!!
『ツーピース』は大物の山賊漫画ということで、言うまでもなく『ワンピース』が元ネタだと思われます。1997年から少年ジャンプで連載されている超人気海賊漫画です。テレビアニメは1999年から東映アニメーション制作で放送されています。
『限界集落 カソ娘』の元ネタは『侵略!イカ娘』(公式サイト)かなぁと思います。2007年から少年チャンピオンで連載されている漫画で、テレビアニメ化は2010年と2011年にされました。制作はディオメディア、1期の監督は『SHIROBAKO』でも監督を務めた水島努さん。
そう言えば……『第三飛行少女隊』のありあ役の鈴木京子さんのCV.は金元寿子さんで、金元さんはほとんど無名な時に『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』で主役に大抜擢されて、その後に『イカ娘』で主役を務めたのでした。『第三飛行少女隊』の元ネタは『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』か!
さて……『イカ娘』は漫画原作のアニメですが、『カソ娘』は木下監督のオリジナルアニメとして作られるそうです。木下監督の代表作は『裸の催眠術師』となっているため、木下誠一=水島精二監督説が序盤から挙げられていました。
しかし、最後の最後に木下監督の次回作として、水島努監督の代表作『イカ娘』をモチーフにした作品が出てくるということは……木下誠一が水島努監督になったという意味のシーンなんじゃないかなぁと思います。
散々散々情けない姿を描かれてきた木下監督だけど、それは水島努監督自身の姿だったと最後に見せてくれたのかなぁ……と、締めくくってこの元ネタ解説を終わらせようと思います。
半年間、本当にありがとうございました。読んでくださった方々、一緒に『SHIROBAKO』を楽しんだ方々、そして何よりも『SHIROBAKO』という作品を作ってくださった全ての関係者に心から感謝しています。
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