『SHIROBAKO』第7~14話に登場する元ネタ解説

※ この記事は2014年と2015年に旧ブログに書かれた2つの記事を、幾つか手直しした上で1つの記事に統合して2025年に移行した記事です

※ この記事はテレビアニメ『SHIROBAKO』第14 話「仁義なきオーディション会議!」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。



 第2弾です!

 『SHIROBAKO』第1~6話に登場する元ネタ解説

 1~3話と4~6話は、話のまとまりとしても脚本家の担当としても「3話完結」だったのですが……どうも7話以降は、7~8話も9~10話も(多分11~12話も)「2話完結」みたいですね。
 それがよく分からなかったので、10話放送時点で「10話と11話は話が繋がっているのか?」と迷ってしまい、11話を観て「10話と11話は繋がっていないんだな」と確認した上で10話までの元ネタ解説の記事を書くことにしました。遅くなって申し訳ないです。

 11話については直接ネタバレしないように心がけるつもりですが、「11話を観たから分かっていること」はあると思うので何となく文章からそれが伝わってしまうかも知れません。気になる人は、11話を観てから読んでもらった方がイイかも知れないですね。


 「アニメ初心者の人にも、『SHIROBAKO』に出てくる元ネタが分かるように」という狙いで書き始めた記事ですが、正直なところ私もよく分からない元ネタも多く出てきますし、そのことでお叱りを受けることも多いので……「なんでこんな記事を書き始めちゃったんだろう」「もっと詳しい人が書いてくれたらイイのに」と思わなくもないです。

第7話「ネコでリテイク」
第14話「仁義なきオーディション会議!」
↓shirobako-7↓




◇ 第7話「ネコでリテイク」

○ 『ぷる天』の説明の時に出てくる字幕

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第7話より引用>

 ここまで説明する必要があるかは分かりませんが一応(笑)。
 ニコニコ動画のコメントのパロディです。
 ニコニコ動画(公式サイト)は2006年に設立された動画共有サイトで、最大の特徴は視聴者が動画にコメントを残せるところです。コメントは「この動画の何分何秒に投稿された」ということが反映されるので、上記の画像のように動画の内容に合わせたコメントが流れてくるんですね。自分はニコニコ動画はあまり観ないので詳しくないんですけど、ニコニコ動画好きな人からするとこのコメントは割とリアルらしいです。ワケの分からないコメントも流れているところが(笑)。

 「ニコニコ動画の定番」なのかは分かりませんが、自分がネット上などでよく見かける「定番のコメント」をピックアップして元ネタを解説しようと思います。

 「ざわ…ざわ…」は『賭博黙示録カイジ』や『アカギ~闇に降り立った天才~』などで知られる福本伸行さんの漫画でよく見られる表現で、場の空気がざわめく様子を書き文字で表しています。ニコニコ動画などで使われる時は、「これから何かが起こる」時に使われるのが定番だそうです。

 「世界よ、これがアニメーションだ」は2012年の映画『アベンチャーズ』の日本公開時のキャッチコピー「日本よ、これが映画だ。」のパロディだと思われます。「日本よ、これが映画だ。」は日本映画と日本市場に対する“上から目線”のキャッチコピーということが話題になり、多数のパロディが公式・非公式問わずたくさん出てきましたが……ここで使われているのは日本のアニメを自虐している“下から目線”の表現ですね。

 「おや?美少女のようすが……!!」は、ゲーム『ポケットモンスター』シリーズでポケモンが進化する時の「・・・・おや!?○○のようすが・・・・!」という文章が元ネタだと思います。『ポケモン』だと「可愛かったキャラが進化してゴツくなってしまった」みたいなことがあるので、作画崩壊をそれに合わせているんですかね?

 「qぁwせdrftgyふじこlp」は、キーボードの「Q」のキーと「A」のキーに指を置いて右に滑らせることで出てくる文字列です。文章では表現できない気持ちを表現する時に使ったり、何者かに襲撃されるなどしたダイイングメッセージのように表現したりします。

 「腐ってやがる。早すぎたんだ」は、1984年のアニメ映画『風の谷のナウシカ』に出てくる台詞です。具体的な話はネタバレになるので書きませんが、とあるものが溶け崩れていく様を見た登場人物が発した言葉なので、『ぷる天』の作画崩壊に対して使われるのは忠実なパロディのように思えますが。ネットスラングとして使われる時は、腐女子に対する表現として使われることが多いそうです。


(2025年追記:「右から来るぞ!」は1996年のセガサターン用ゲーム『デスクリムゾン』のセリフ「上から来るぞ!気を付けろ」が元ネタじゃないかと思います)



○ 「福山敦美さん」
 絵麻が「2ヶ月で動画から原画に上がった」と言っていて、宮森が「天才」と評した人。
 元ネタは「福島敦子さん」ですかね。ゲーム『ポポロクロイス物語』シリーズのキャラクターデザインとしても有名ですけど、1980年代から様々なアニメの原画を描いていたアニメーターさんです。WEBアニメスタイルにインタビュー記事があったので読んでみると、確かに「動画の期間はあまりない」と仰っていますね。しかし、本人も理由が分かっていないみたいですが(笑)。
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◇ 第8話「責めてるんじゃないからね」

○ 『ハムカツ』
 宮森かおりの同僚が「昨日観た?」と訊いてきたドラマ。
 「羅針盤がなくてもこの海は渡ってみせる!」が決め台詞で、同僚がウンザリしていた……ということは、別に元ネタがあるとかじゃないってことでイイのかな。悪口言う場合、元ネタがあると色々まずそうですし。

――12月21日13時追記――
 コメント欄にて、「ハムカツ」は「ドラマのタイトル」ではなく「主演俳優の愛称」ではないかという指摘がありました。確かにそのシーンを見返してみると「昨日のハムカツドラマ観たー?」という台詞なので、「ハムカツ」という愛称の俳優が主演をしているドラマみたいですね。木村拓哉さんを「キムタク」と呼ぶようなもので。

 作中で思いっきり悪口を言っているので、誰か元ネタかは明言しない方が良さそうですけどね……(笑)



○ みやざきいさお
○ ほそかわいずる
 タローが目標と言っていた「名前で客を呼べるアニメ監督」。

 「みやざきいさお」の元ネタは恐らく「宮崎駿」さん。こんな超有名人の解説が必要なのかは分かりませんが一応(笑)。
 テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』のメインスタッフ、『未来少年コナン』の監督を務め、1979年には『ルパン三世 カリオストロの城』でアニメ映画監督デビュー。『風の谷のナウシカ』の漫画連載と映画監督を務め、スタジオジブリの創設以後は『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』などなど代表作は挙げきれないほど。
 『風立ちぬ』を最後に長編映画の制作からは引退を表明していますが、間違いなく日本一有名なアニメ監督でしょう。

(2025年追記:その後、引退を撤回して2023年に『君たちはどう生きるか』を作っています)


 「ほそかわいずる」の元ネタは「細田守」さんでイイのかなぁ。
 1999年~2000年に『劇場版デジモンアドベンチャー』の監督を二作担当して注目を集め、その後スタジオジブリの『ハウルの動く城』の監督に抜擢されるも企画が頓挫(『ハウルの動く城』は後に宮崎駿さんによって作られる)。
 その後、『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』や『明日のナージャ』の演出を経て、2006年に公開された『時をかける少女』の監督として再度注目を集めることに。その後の『サマーウォーズ』も大ヒット、スタジオ地図を立ち上げて、その後の『おおかみこどもの雨と雪』も大ヒット。来年の夏には新作映画『バケモノの子』の公開が予定されています。

 タローの言うとおり、現時点で「名前で客を呼べるアニメ監督」に最も相応しい人は、細田さんで間違いないでしょう。


○ 短井監督
 タローが一緒に仕事をしたいと言っていた監督で、文脈からするとカナンで仕事している監督みたいですね。『ロボハル』の監督かどうかは微妙な……

 この名前じゃなかったらスルーしていたと思います(笑)。
 元ネタは恐らく「長井龍雪」さんでしょう。2003~2005年の『まぶらほ』シリーズの監督補佐を務め、2006年の『ハチミツとクローバーII』で初監督、2007年のサンライズ35周年ビッグプロジェクト『アイドルマスター XENOGLOSSIA』でも監督を務めました。どうも……この時期までは、正直「厄介なことが起こった作品のまとめ役に奔走させられる人」という印象だったのですが。

 2008年の『とらドラ!』、2009年の『とある科学の超電磁砲』、2011年には『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』と大ヒット作を連発し、アニメファンからは「今一番新作が楽しみな監督」として注目を集めるようになりました。現在は2015年公開予定の映画『心が叫びたがってるんだ。』の制作中みたいですね。

 長井監督が仕事を一緒にしているアニメ制作会社は、サンライズ、J.C.STAFF、A-1 Pictures辺りなのでカナンの元ネタもこの辺なんですかね。自分は以前はサンライズ=カナン説を唱えていましたが、現在はA-1 Picturesが一番しっくり来るかなぁと思っています。


○ タイタニックから脱出する乗客に演奏を続ける楽団員
 カナンに行く落合に対してあーだこーだ言っているタローが自分を喩えたもの。これは別にアニメじゃないし、有名な話だけど、世代によっては分からないと思ったので一応解説。

 1912年のタイタニック号沈没事故の際に、「乗客達が落ち着いて救命艇に誘導されるように」とウォレス・ハートリー率いるバンドが沈みゆくタイタニック号の中で最後まで演奏を続けたという逸話があるのです。1997年公開の映画『タイタニック』でもこのシーンは描かれていたので、知っている人も多いと思います。

 しかし、バンドメンバーは全員亡くなってしまうので、タローのこの喩えは「流石タローだぜ!」という喩えですね(笑)。
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◇ 第9話「何を伝えたかったんだと思う?」

○ ウェスタンエンタテイメント
 メーカーP葛城さんの会社。
 あれ……第1話に台詞が出てきた「バーナキョーダイ社」が葛城さんの会社で、『えくそだすっ!』の円盤を作っているのかなと思っていたんだけど。そういうことではないのか。『えくそだすっ!』のメーカーPが葛城さんで、葛城さんが「ウェスタンエンタテイメント」の人ならば、『えくそだすっ!』のブルーレイ&DVDは「ウェスタンエンタテイメント」から出るんだと思います。

 検索してみたら「イースト・エンタテイメント」というテレビ番組の企画制作などを手がけている会社はあったんだけど、ここはテレビアニメは扱っていないみたいなので元ネタとしては微妙。特に元ネタはないのかも知れませんね。ちょっと分かる人がいたら教えてくださると助かります。


――2月26日23時追記――
 コメント欄にて、葛城さんのモデルが元バンダイビジュアル所属で現在フロンティアワークス所属の轟豊太プロデューサーであると教えてもらいました。そして、「フロンティア」とはそのままの意味ならば「最前線」ですが、アメリカ合衆国の歴史においては「まだ開拓しきっていない西部の地域」という意味なので「ウェスタン」となったのではないかという説をいただきました。
 私もこれはかなり「上手いもじりだ」と思ったので、可能性は高いと思いますし、こうであって欲しいなと思います。

 フロンティアワークスはアニメイトによって2002年に設立された音楽・映像ソフト製作・販売会社で、『マリア様がみてる』『ひぐらしのなく頃に』『STEINS;GATE』なんかが有名かなと思います。
 情報ありがとうございました。


○ 『第三飛行少女隊』
 武蔵野アニメーションとウェスタンエンタテイメントが「アニメ化」として企画提案している大人気作品。どうも原作は漫画みたいですね。

 表紙の絵から察するに女のコが戦闘機に乗って戦う作品らしいです。
 元ネタがありそうで、なさそうな……『えくそだすっ!』に元ネタがないように、『第三飛行少女隊』にも明確な元ネタがあるワケではないと思います。


○ 夜鷹書房
 『第三飛行少女隊』の出版社。
 「○○書房」という名前の出版社はたくさんあるんですけど、「もじりとしてピンと来る出版社」で「漫画や小説を出している出版社」がイマイチ思いつかないですね。半藤さんが割とカンジワルイキャラですし、業界ものとしてカンジワルイものとして描くのは元ネタに失礼でしょうし。これは元ネタがあるわけじゃなくて「元ネタのない架空の出版社」じゃないかなぁと思います。

 とか言って、私が思いつかないだけで、しっくり来る元ネタの出版社があったらどうしましょう(笑)。


――12月21日13時追記――
 コメント欄にて、「夜鷹書房」の元ネタは「富士見書房」ではないかという指摘がありました。言われて見れば確かにしっくり来ます。
 「富士見書房」→「一富士」、「夜鷹書房」→「二鷹」とも考えて。
 「富士見書房」→「3(見)」、「夜鷹書房」→「4(夜)」とも考えられますし。

 何より富士見書房は漫画も小説も出していますからね。
 “カンジワルイキャラ”って書いちゃったけど、どうしましょう……(笑)


○ 『オーダーは亀ですか?』
○ 『とあるお寺の即身仏』
○ 『SSDRII』
○ 『甘城アミューズメントパーク』
○ 『ボールウォッチーズ』
○ 『強気サドル』
○ 『望遠機動隊 amuse』
○ 『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』

 本田さんが眺めていた「とあるネットショッピングサイト」のアニメブルーレイ&DVDランキングの、『えくそだすっ!』以外の作品名です。何度か出ているものもありますね。一応、上から順に書いていきましょう。

 『オーダーは亀ですか?』の元ネタは恐らく『ご注文はうさぎですか?』公式サイト)でしょう。2014年4~6月に放送されていたアニメで、喫茶店を舞台に女のコ達の日常を描いて視聴者の心をぴょんぴょんさせてくれました。

 『とあるお寺の即身仏』は、第1~2話の元ネタ解説でも触れたように『とある魔術の禁書目録』が元ネタだと思われます。

 『SSDRII』も前回の元ネタ解説にチラッと書きましたが、G.I.STAFFの作品みたいですね。元ネタはちょっと思いつかないんですけど、何かありますかねぇ。

 『甘城アミューズメントパーク』の元ネタは、恐らく現在放送中のアニメ『甘城ブリリアントパーク』公式サイト)です。制作は京都アニメーション、絵麻の憧れの人がいる会社ですね。消滅寸前の遊園地を主人公が立て直していくお話です。

 『ボールウォッチーズ』は、こういうセンスが私は好きです(笑)。
 元ネタは恐らく『ストライクウィッチーズ』公式サイト)。2008年にアニメ1期、2010年にアニメ2期が放送され、その後もOVAや劇場版が展開されている人気アニメです。女のコ達が戦う姿が「パンツ じゃないから恥ずかしくないもん! 」という名言を生んだ……というか、私は観たことがないのでこういうふわっとした説明しか出来ないんですねゴメンなさい。

 野球用語で考えて「ストライク」を「ボール」に置き換えただけでなく、サッカー用語である「ボールウォッチャー」(守備側がボールを見てしまってマークを外してしまうこと)ともかけているという。こういうセンスが私は大好きです!

 『強気サドル』の元ネタは『弱虫ペダル』でしょう。
 これはあんまりひねりがなくてイマイチ(笑)。
 『弱虫ペダル』(公式サイト)は現在もアニメが放送中の自転車競技を題材にした作品で、2013年からアニメ1期、2014年からアニメ2期が放送されています。

 『望遠機動隊 amuse』は前回の元ネタ解説にも出てきた『攻殻機動隊』の新プロジェクト『攻殻機動隊 ARISE』が元ネタだと思われます。2013年から全4部として公開された映画で、原作(士郎正宗さん)、劇場版(押井守さん)、S.A.C(神山健治さん)に続く『第4の攻殻』と呼ばれているらしいですね。

 『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』は10話のサワラ・スタジオのシーンで出てくるアニメです。元ネタは分からなかったのだけど、検索してみたら『異国迷路のクロワーゼ』じゃないかと言っている人がいて、なるほど分からんでもないと思いました。
 『異国迷路のクロワーゼ The Animation』は2011年にアニメ化された作品で、19世紀後半にフランスに渡った日本人の少女を主人公にした作品だそうです。

 「ダンツィヒ回廊」が何だかよく分からないんですが、「ダンツィヒ」と「ポーランド回廊」を足した地名ですかね……「回廊」には「細長い領土」と「建物などを取り囲む廊下」という意味があって……迷路を回廊に置き換えて、かつ回廊にくっ付ける言葉としてダンツィヒを持ってきたとすると、元ネタとしてはしっくり来るかなと思います。
 

○ shinanon

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第9話より引用>

 本田さんが眺めていた「とあるネットショッピングサイト」。
 ロゴが思いっきりamazon公式サイト)なんですが……どうして「信濃」?

――12月21日15時追記――
 コメント欄にて、「アマゾン川」と「信濃川」をかけているんじゃないかという指摘がありました。納得です。
  「アマゾン川」は世界最大の流域面積の川で、論争にはなっていますが「世界で一番長い川」という説もあります。「信濃川」は「日本で一番長い川」です。この二つをかけていると考えると、なかなかひねりのあるもじりですね。


○ 『ズーパークストーリー』
 美沙の勤める会社「スーパーメディア・クリエイションズ」の社長が、昔海外でCG制作をしていた作品。

 最初に名前を聞いた時は『ジュラシック・パーク』が元ネタかなと思ったのだけど……美沙が「動物が可愛かった」と言っているし、「ストーリー」と付いているし、『トイストーリー』みたいなキッズ向けに(も)作られている映画が元ネタかなと思ったら。10話に映像が思いっきり出ていました(笑)。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 『アイスエイジ』とか『ザ・ペンギンズfrom マダガスカル』辺りのイメージですかねぇ。
 『アイスエイジ』は2002年公開のCGアニメ映画。数万年前の氷河期に入ろうとした地球を舞台に、マンモス・ナマケモノ・サーベルタイガー等の奮闘を描いた作品です。

 『ザ・ペンギンズfrom マダガスカル』は、2005年公開のCGアニメ映画『マダガスカル』のスピンオフ作品で、2008年からアメリカで放送されました。動物園の秩序を守るペンギン達の話ということで『ズーパークストーリー』の名前に相応しそうなんですが……スーパーメディア・クリエイションズは「創立10年にも満たない会社」という台詞があるので、年代的にちょっと合致していなさそうですね。


○ 『野球のプリンス様』
 しずかがガヤとしてデビューした作品。略して『やきプリ』。
 ということで、元ネタは『テニプリ』こと『テニスの王子様』で間違いないでしょう。

 ちなみに、登場人物には「越後」「備後」「晋作」「涼」がいて、「越後」は『テニスの王子様』の「越前リョーマ」のパロディみたいです。他のキャラは分からん……『テニプリ』は10年くらい前までは読んでいたんですけど、とんと記憶がなくて。


○ 明日川 源
 『やきプリ』の音響監督。
 モデルは恐らく「明田川 仁」さんです。マジックカプセル所属の音響監督で、父親も音響監督の「明田川 進」さんです。「明日川 源」のモデルは見た目と年齢が近そうな息子さんの方かなと思います。


○ 永井 つかさ
 『やきプリ』の主演声優。
 しずか(20歳か21歳)より年下だけど何本も主役をやっているとか。CV.は山岡ゆりさん。矢野さんとの兼役なので多分元ネタの人はいませんよね……?

 しかし、そう考えると……兼役ではなかった相馬れなは、今後また登場してきそうな……


○ 『グランスピード2』
 美沙の勤める会社「スーパーメディア・クリエイションズ」がCG制作を頼まれたゲーム。
 リアルな車が出てくるレースゲームで考えると、『グランツーリスモ』と『ニード・フォー・スピード』を合わせたのが元ネタというカンジですかね。

 『グランツーリスモ』公式サイト)は1997年に第1作が発売されたSCEのレースゲームです。現在は『6』まで発売しています。実在する大衆車や高級車などがリアルな挙動で動くのでレースゲームというよりかは「ドライビングシミュレーター」とも言えますね。

 『ニード・フォー・スピード』は1994年に第1作が発売されたEAのレースゲームです。現在までにたくさんのシリーズ作品が出ているので、どれが何やらよく分かりません(最新作の公式サイトはコレかな?)。実在するスポーツカーが多数登場し、2014年には実写映画化もされました。


○ 舞茸しめじ
 『えくそだすっ!』の脚本を書いている人。この流れを見ると、シリーズ構成も担当していると思われます。きのこ+きのこというペンネームから「奈須きのこ」さんが元ネタじゃないかと言っている人も見かけたんですが、「奈須きのこ」さんはアニメの脚本家ではなくてゲームのシナリオや小説を書く人なので可能性は低いと思います。

 多分、モデルのいないアニメオリジナルのキャラじゃないですかねぇ。


○ 『月の子チョビヒゲ』?

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第9話より引用>

 まだあったのか武蔵野アニメーションの過去作。元ネタは多分『星の子チョビン』です。
 『星の子チョビン』は1974年に放送されたアニメで、制作はスタジオ・ゼロ。石森章太郎さんの原作で、アニメと同時に漫画も連載されていたそうです。検索したらスタジオ・ゼロは1971年に解散したという話も出てきたんですが、一体どれが真実なんでしょう……
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◇ 第10話「あと一杯だけね」

○ サワラ・スタジオ

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 元ネタは、検索してみたところ「スワラ・プロ」公式サイト)がロゴがそっくりでそれっぽいですね。「スワラ・プロ」はアニメ・映画・ドラマなどの音響効果制作、音響制作をする会社だそうです。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 この画像を見てから……こちらのページの、一番下の画像を見てください!
 似てる!!水槽の位置が違うけど!

 「河野幸泰(こうのゆきやす)」のモデルは、名前の似ている「今野康之(こんのやすゆき)」さんという役員の方がいらっしゃるみたいなのですが……流石に音響効果の人の写真は検索しても出てきませんね。


○ 『ラットハンター』
○ 『ライオンになった王様』
○ 『バルーンおばさんとペット』
○ 『ドラゴンとタマ』
○ 『ミュータントサーモンズ』
○ 『終わりのない旅』
○ 『思い出の魔法都市』
○ 『空色物語』
○ 『秘密の竜骨』
○ 『路地裏カフカ』
○ 『幻想(上)』

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 美沙の部屋の本棚にあったDVDや本のタイトル。
 勘弁してくれよ、美沙……

 『ラットハンター』は絵柄が『トムとジェリー』っぽいし、『トムとジェリー』も「ネズミを追いかけるネコの話」なんだからこれが元ネタでイイですかね?『トムとジェリー』は1940年代から制作されているアメリカのアニメで、映画、テレビ、OVAなど様々な展開がされています。
 『トムとジェリー』はCGアニメ化の動きもあったみたいなんですが、現在までには作られていないみたいですね。(2025年追記:その企画がそのまま続いたものかは分かりませんが、2021年に実写+アニメーションの映画が公開されています)

 『ライオンになった王様』の元ネタは『ラマになった王様』ですかね?
 2000年に公開されたディズニーの長編アニメーション作品で、日本では2001年に公開されました。南米のとある国の王様が魔法使いによってラマに変えられてしまうというお話です。画像では「3D」という記述があるけど、『ラマになった王様』は3D映画じゃないですよね多分……

 『バルーンおばさんとペット』は、元ネタが『カールじいさんの空飛ぶ家』でイイのかなぁ……「ペット」と「空飛ぶ家」は全然もじっていないので、もっとしっくり来る元ネタがあるのかも。『カールじいさんの空飛ぶ家』は2009年公開のピクサーのCGアニメ映画です。
 最近テレビ放送もされていましたね。録画はしたけどまだ観ていないので、どういう話なのかはまだ知りません!観る前にネタバレしたくないんで!!

 『ドラゴンとタマ』の元ネタは多分『ヒックとドラゴン』です。
 『ヒックとドラゴン』は2010年公開のドリームワークスのCGアニメ映画です。ひ弱な少年ヒックがドラゴンとの交流で成長していく話です。

 『ミュータントサーモンズ』の元ネタは恐らく『ミュータントタートルズ』です。  元々は『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』という名の1984年に出版されたアメコミで、1987年にアメリカでテレビアニメ化されました。日本では1991年にNHK BS2で『アイドル忍者タートルズ』という名で放送された後、1993~1995年にテレビ東京で『ミュータントタートルズ』という名で放送されて人気になりました。
 2000年以降も定期的に新作が作られていて、2012年のシリーズ(日本では2014年放送)はフルCGアニメになったそうです。映画は1990年と1993年に実写映画化され、2007年には『TMNT』という3DCGアニメ映画になり、2014年にはマイケル・ベイ製作の映画『ミュータント・タートルズ』(公式サイト・音が出ます)が大ヒットして続編の制作も決まったそうです(日本での公開は2月)。
 
 美沙が持っているのは、2007年のフルCGアニメ『TMNT』ですかねぇ。

 ここまでがDVD。
 美沙の持っているDVDは、全てアメリカのアニメ(CGアニメもある)となっているのが特徴です。『アンデスチャッキー』が好きな宮森さんや、なにわアニメーションの堀内さんに憧れている絵麻とはちょっと違うんですね。
 
 『終わりのない旅』 『思い出の魔法都市』 『空色物語』 『秘密の竜骨』 『路地裏カフカ』 『幻想(上)』は小説だと思うんですが、小説はアニメや映画とは比べ物にならないほど数が出ているので正直分かりません……
 『秘密の竜骨』 は『折れた竜骨』っぽいとか、『路地裏カフカ』は『海辺のカフカ』っぽいとか、可能性があるものは思いつくのですが。上下巻ではなく文庫本1冊になっていることから元ネタとしては微妙のような。誰か元ネタにピンと来た人は教えてくださるとありがたいです。

 Twitter等でこれまでに指摘された候補としては……

・『終わりのない旅』← 『はてしない物語』
・『思い出の魔法都市』
・『空色物語』 ← 『空色勾玉』
・『秘密の竜骨』← 『折れた竜骨』
・『路地裏カフカ』← 『海辺のカフカ』
・『幻想(上)』← 『幻夜』、『幻華』

 があります。どれも「これだ!」と思えるような「そうか?」と思えるような。タイトルだけだと正直分からないんですねぇ。

――12月21日0時10分追記――
  『幻夜』、『幻華』を追加しました


○ 「スーパーメディア・クリエイションズ」の壁にあるポスター

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 恐らく「スーパーメディア・クリエイションズ」が過去に関わってきた作品達です。って、あれ?『グランスピード2』の元ネタだと思っていたものがここに出ちゃっているじゃないか!

 まず左端から。
 写真だと分かりづらいですが、右上に「Ziii」という記述があります。これは任天堂が2006年に発売したゲーム機Wiiが元ネタだと思われるので……このポスターのゲームの元ネタは、コードマスターズから発売されたレースゲーム『F1 2009』が怪しいかなと思います。

 真ん中。
 『GREAT FINISH4』というタイトルですが、ロゴが思いっきり『グランツーリスモ』シリーズ(公式サイト)に似ています。ただし、左上に「DREAM STAFF」という記述があって……「この世界線ではドリームキャストで『グランツーリスモ』が発売しているということか!」と思わなくもないです。

 右端。『IIIROOT FOR SPEED』?何て読むんでしょうコレ。
 これも『ニード・フォー・スピード』が元ネタっぽいんですが、ロゴが全然違うんですよね……



 7~10話の元ネタ解説は以上です。
 今回は今まで以上に「何が元ネタか分からない……」ものが多くて申し訳ない。「これの元ネタは○○じゃない?」というのが分かった人がいらしたら教えてくださるとありがたいです。

 7~8話は絵麻編で、9~10話は美沙編でしたが、それぞれの話は絵麻や美沙だけの話を描くのではなくて、宮森さんやみどりやしずかにも「これからどうなっていくのか」を考えさせて語らせているのが上手いなと思いますし。『えくそだすっ!』と武蔵野アニメーションがどうなっていくのかにもシンクロしているのが上手いなと思いました。


 それはそうと、私が一番気になったのはこちら!


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第10話より引用>

 小笠原さん「安原さんの猫可愛い!!!」


 ゴスロリ様、メールだとテンション高いのな。
 これ、「瀬川さん」辺りと間違えているんじゃないのかなぁ(笑)。








 ここからは第11~14話について書いた後半記事です。

 元々このシリーズは「アニメにあまり詳しくない人でも『SHIROBAKO』を楽しめるように元ネタを解説しよう!」という目的で始めたのですが、始めてみたら自分にも分からないようなネタも多くて四苦八苦、加えてストーリーが進むごとに解説しなきゃいけない元ネタが膨大な量になって四苦八苦しています。

 2クール目になって「話の区切り」がイマイチ分からなくなってしまったのですが、これ以上ストックを増やすと手に負えなくなるのは一目瞭然なので……「11~12話:『えくそだすっ!』最終話制作編」と、「13~14話:『第三飛行少女隊』準備編」の4話をセットにお送りしたいと思います。どうもこの構成だと「13~15話」で一区切りっぽいんですけどねぇ。


 そして、今回も「何だろうこれ……」と私にも分からないものが多いので、分かる人・思いついた人がいらしたらコメント欄ででもお教えくださるとありがたいです。
↓↓


◇ 第11話「原画売りの少女」

○ アニメ制作会社・個人様一覧

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第11話より引用>

 ぎゃーーーーー!
 宮森このやろ!こっちの身にもなってくれよ!と言いたくなるシーンでした。アニメ制作会社と言っても、元請やっているくらいの会社じゃないと私は全然分からないですね。

 「アジュール」は市外局番から大阪の会社であることが分かったので、「大阪 アニメ制作会社」で検索してみたところ「アングル」公式サイト)という個人事業の会社が見つかりました。1992年にアニメーターである井上哲さんと吉本拓二さんが共同経営で設立、その後吉本さんの班が「イングレッサ」として分離して、井上さんの班が「アングル」として引き継いでいるそうです。
 公式サイトから電話番号を見てもらえれば分かるんですが、電話番号が似ているんですね。

 さて、残りの「秋田production」「アニマル堂」「アブソープ」「アニメアビリティ」「アパダンス」「あにめアコード」「アニメーションいがぐり」「朝露」「あんどモア」「青じそスタジオ」「アニメアローズ」「あにめすたじおささき」「アジールパッサ」「秋雨スタジオ」「アンコール」「アニメギャラクシー」「アドワード」ですが……「名前は似ていても所在地が違う」とか「所在地は一緒でもパロディとして名前のもじりが微妙」とか「そもそも似た名前が思いつかない」とか、そういうのばかりだったので書くのを辞めました。

 「これの元ネタはアレじゃない?」と分かる人がいらしたら教えてくださると助かります。



○ ゾーンの「みたに」さん
 宮森が『えくそだすっ!』最終話の原画を頼もうと声をかけた一人。
 『ぷる天』で木下監督に痛い目を見ているので、速攻で断ってきました。

 「ゾーン」の元ネタは「スタジオディーン」公式サイト)ですかねぇ。1975年に仕上スタジオとして設立、1982年から制作を開始、ゼロ年代には『マリア様がみてる』、『Fate/stay night』(前のヤツね)、『ひぐらしのなく頃に』などのビッグタイトルを次々と手がけていました。最近で言うと『桜Trick』とか『ログ・ホライズン』の2期を制作していますね。


○ The born
○ 伊波政彦



<テレビアニメ『SHIROBAKO』第11話より引用>

 「The born」の元ネタは「BONES」公式サイト)だと思われます。
 『カウボーイビバップ』などを手がけたサンライズの第2スタジオが1998年に独立して設立した会社で、『鋼の錬金術師』『交響詩篇エウレカセブン』などアクションの作画力に定評がありますね。最近では『ノラガミ』『スペース☆ダンディ』『棺姫のチャイカ』あたりが有名ですかね。

 「伊波政彦」のモデルは「南 雅彦」さんだと思われます。写真を検索してみると、伊波さんより優しそうな人だけど似てなくもない!
 「南 雅彦」さんは大阪芸術大学芸術学部映像計画学科を卒業し、サンライズに入社、制作進行→制作デスク→プロデューサーを経て、1998年に「BONES」を設立、現在の代表取締役です。大阪芸術大学の同級生に漫画家の島本和彦先生がいるため、島本先生の自伝的漫画『アオイホノオ』にも登場します。



○ 『大江戸少女ヘイジ』
 武蔵野アニメーションの面接に来た就活生が好きだと言った作品。
 制作は「そうえい」らしいのだけど、これの元ネタは「東映アニメーション」ですかねぇ。「東映アニメーション」は1948年に設立された古株のアニメ制作会社で、代表例を挙げられないくらいのたくさんの作品を手がけてきました。

 『大江戸少女ヘイジ』の元ネタがしばらく分からなかったのですが、フォロワーさんに教えてもらい、「どうして気付かなかったんだ!」と愕然としました。元ネタは『アルプスの少女ハイジ』公式サイト)だと思われます。
 『アルプスの少女ハイジ』はスイスの作家ヨハンナ・シュピリの小説を原作に、1974年に日本でテレビアニメ化されました。制作はズイヨー映像で、高畑勲、宮崎駿、小田部羊一、富野喜幸などなど、レジェンド級の人達が関わった作品です。

 ちなみにズイヨー映像は『アルプスの少女ハイジ』の前に『山ねずみロッキーチャック』を制作しています。宮森さんが大好きな『アンデスチャッキー』の元ネタですね。


○ ギブリ
 武蔵野アニメーションの面接に来た就活生の「アニメはギブリくらいしか観たことがない」と言った台詞から。これはもちろん「スタジオジブリ」公式サイト)が元ネタでしょう。  1985年徳間書店の出資によって設立されたアニメ制作会社で、宮崎駿監督、高畑勲監督らの劇場版アニメはアニメファン以外からも注目される知名度があり。「アニメはジブリの映画くらいしか観たことない」という人も多いほどです。宮崎駿監督の長編映画からの引退や後継者問題もあって、現在は制作部門の休止が発表されています。

 ちなみにこの就活生は、2クール目のOPによると武蔵野アニメーションで働くみたいですね。


○ 「若さ故の過ち」
 面接で失礼な発言をしたことを思い出してしまった宮森に対して、矢野さんが言った台詞。『機動戦士ガンダム』第1話におけるシャア・アズナブルの有名な台詞「認めたくないものだな、自分自身の若さ故の過ちというものを」を引用しているのだと思われます。
 この台詞の解釈はファンの間でも意見が分かれるのですが、「若い頃に出世を目指してガムシャラに行動していたツケがまわってきた」みたいな意味だと私は思います。

 この台詞が出てくるのは、当然その直前に「サンアップ」という名前を出していることにかけているんだと思います。



○ 宮森が見た幻の町


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第11話より引用>

 大手のアニメ制作会社に落ちて武蔵野アニメーションに入った宮森が、他所の会社なら苦労もなくアニメが作られるのに―――と妄想した世界なので。看板一つ一つが「アニメ制作会社」なのだと思われます。

 看板にはモザイクがかかっちゃって何だか分からないですが、下の画像のはアトムかな……?
 『鉄腕アトム』は手塚治虫先生の大ヒット漫画で、アニメ化は1963年~1966年、1980年~1981年、2003年~2004年と3回ほど日本のテレビアニメになっています。1回目は日本初の本格的な週刊テレビアニメと呼ばれていて、制作は虫プロダクション。2回目はそのリメイク作品として作られ、制作は手塚プロダクション。3回目はアトムの誕生日に合わせて作られ、制作はソニーピクチャーズ。

 ということで……この看板は、手塚プロダクションですかねぇ。
 手塚プロダクションは1968年に設立された会社で、手塚治虫さんの会社の中でも「虫プロがアニメ」「手塚プロが漫画」を作る会社でした。しかし、その後に色々あって虫プロが倒産。時を前後して手塚プロの中にもアニメ部門が出来ていたので、虫プロ倒産後は手塚治虫さんの漫画原作アニメを多く手がけました。近年ではグロス請けや制作協力という形で様々な作品のアニメ制作をしているみたいですね。


○ Bプロダクション


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第11話より引用>

 ミムジー曰く「町で一番の人気工房」。
 元ネタは「シンエイ動画」公式サイト)だと思われます。元々は東京ムービーの作品を手がける「Aプロダクション」という会社が、1976年に「シンエイ動画」として独立して設立されました。

 1979年から『ドラえもん』(2作目)を制作し、大大大成功。現在でも放送が続いている長寿番組ですね。『クレヨンしんちゃん』『あたしンち』などのファミリー向けアニメを手がけるだけでなく、最近でも『となりの関くん』や『デンキ街の本屋さん』など深夜アニメも手がけています。まさに超大手。

 モザイクがかかっているキャラクターは……『クレヨンしんちゃん』のしんちゃん、『ドラえもん』のドラえもん、『オバケのQ太郎』のQちゃんは分かりやすいですね。後ろにいるのは……真ん中が『チンプイ』かなぁ。モザイク外す機械が欲しい!誰か持っていませんか、エロイ人!
 ドラえもんが描いているキャラクターは、『キテレツ大百科』のコロ助かと思ったのですが……『キテレツ大百科』はシンエイ動画ではなくスタジオぎゃろっぷが制作なんですよね。別のキャラか?


○ サンアップ

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第11話より引用>

 ミムジー曰く「ロボットが手描きなのにバリバリ動く」、ロロ曰く「ロボットアニメはサンアップと言われる」会社で、宮森さんもここを受けて落ちたそうです。
 元ネタは「サンライズ」公式サイト)で間違いないでしょう。「サンライズ」は1972年に虫プロダクションから独立する形で設立。何といっても1979年からの『機動戦士ガンダム』が大ブームになり、現在でも『ガンダムビルドファイターズトライ』と『Gのレコンギスタ』が放送されていますし、『コードギアス』や『クロスアンジュ』などガンダム以外のロボットアニメも手がけています。

 また、ロボットアニメ以外でも『シティーハンター』や『犬夜叉』『銀魂』などの人気漫画のアニメ化や、『舞-HiME』や『TIGER&BUNNY』などのオリジナルバトルアニメや、近年では何と言っても『ラブライブ!』の大ヒットなど……実はロボットアニメ以外も多数のヒット作を持っているんですよね。

 モザイクがかかっているロボット(モビルスーツ)は、ガンダム、ザク……奥の右端はジムかなぁ。真ん中は色だけならガンダムMk-IIっぽいんですけど、左がガンキャノンだとすると、Mk-IIだけ年代が違うのが気になる……
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◇ 第12話「えくそだす・クリスマス」

○ 放送枠
 様々なケースがあるので説明を一般化するのは難しいのですが。
 前回の元ネタ解説の記事に書きましたが、深夜アニメの主なスポンサーには「ブルーレイ&DVDを発売するレコード会社」があって……アニメを放送する枠というのは、このレコード会社がテレビ局に対して持っているというカンジです。

 例えば……東京MXの土曜24時は「アニプレックス枠」だとか。
 東京MXの金曜24時30分は「ワーナー・ブラザース枠」だとか。

 もちろん1回買ったら未来永劫その枠を確保できるワケではないので、枠は入れ替わったりしますし、正直自分も「どこがどこの枠だ」なんて意識して観ているワケではないのですが(ほとんどの場合、録画して後から観ているくらいですし)。
 麻雀をしながら話していることは結構生々しい話ですよね。「人気作なのでもっと浅い時間帯で放送して欲しい」「『えくそだすっ!』の枠じゃ遅すぎる」って話ですから。


○ barmedea(バルメディア)

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第12話より引用>

 『第三飛行少女隊』の制作に名乗りを挙げていた会社の一つ。恐らく元ネタは「ディオメディア」公式サイト)です。「ディオメディア」は2005年にスタジオバルセロナとして設立、2007年にディオメディアへと商号変更されました。『侵略!イカ娘』や『悪魔のリドル』などが有名ですかね。
 今季は『銃皇無尽のファフニール』『美男高校地球防衛部LOVE!』『聖剣使いの禁呪詠唱』『艦隊これくしょん -艦これ-』と4作品を制作……って、どういう体制で制作しているんだ?


○ 菅野光明
○ 『新世代アヴァンギャルドン』

 『えくそだすっ!』最終話の原画を描いてくれる人を探していた宮森が、最終的に行き着いた人。モデルは『新世紀エヴァンゲリオン』の監督「庵野秀明」さんでしょう。まさかのスーパービッグネーム。こんな人のところに原画を頼みに行くとは、宮森。

 「庵野秀明」さんは大阪芸術大学映像計画学科出身で、11話に出てきた「伊波政彦」のモデル「南雅彦」さんと同級生、島本和彦先生の『アオイホノオ』でも“もう一人の主人公”と呼べるくらい学生時代の姿が描かれています。
 学生時代に『超時空要塞マクロス』の動画~原画を担当、上京後には『風の谷のナウシカ』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』にもアニメーターとして参加して、宮崎駿監督や板野一郎さんとともに仕事をして学んだそうです。
 OVA『トップをねらえ!』、NHKで放送された『ふしぎの海のナディア』と監督作品が高く評価されて、1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』で社会現象を起こします。その後は実写映画の監督などをされていましたが、近年ではリメイク作品とも言える『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の制作にあたっています。

 宮森の言う「テレビ版は観ていないけど劇場版はDVDで拝見しました」というのは、この『新劇場版』のことなのか、1997年の『シト新生』『Air/まごころを、君に』のことなのかは不明です。
 「リアルタイムでは観ていないけどDVDで後から観ました」的なニュアンスなので後者じゃないのかなと思っているのですが、テレビ版を観ていなくて『シト新生』『Air/まごころを、君に』だけ観て話が分かるのだろうか(笑)。

 『SHIROBAKO』の世界の中でも、菅野さんが「木下くんに『アヴァ』の演出をやってもらった」「相変わらず無茶してるなぁ」と言っていましたが、私達の世界の中でも(木下監督のモデルと言われている)水島精二さんは『エヴァ』の演出をやっているんですね。第九話「瞬間、心、重ねて」。確かにあの回は無茶してました!


 前述の島本和彦先生の『アオイホノオ』や、奥さんである安野モヨコ先生のエッセイ漫画『監督不行届』でその姿が描かれているように……アニメ・特撮の知識が半端なく、唐突にその動きをマネてみたりするそうです。
 『SHIROBAKO』に登場する菅野さんも『アンデスチャッキー』の動きを体で表現するなど「伝え聞く庵野さん像」に忠実な上に、彼の超豊富なアニメ知識が宮森を前進させる―――と、ただ単に有名な人を登場させるだけではなく、「庵野秀明」さんにしか出来ないことをストーリーに組み込んでいるあたりが流石ですね。


○ 菅野さん宅にある模型は……?

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第12話より引用>

 これは『宇宙戦艦ヤマト』が元ネタなのか、それとも単に(宇宙戦艦ではない)普通の戦艦がモデルなのか。庵野監督は『宇宙戦艦ヤマト』の大ファンだけど、軍事関係のディティールも細かく描く人なので、どちらとも取れますね。
 形状は戦艦大和ではないみたいですが、宇宙戦艦ヤマトをそのまま描くワケにはいかないでしょうし。私は軍事関係にはとんと疎いんでこれが何なのかは分かりません、ゴメンなさい。


――1月21日:追記――
 コメント欄の情報によると、この模型はフランスの潜水艦「スルクフ」か、それを改修したという設定で『終戦のローレライ』という小説&映画に登場した「伊507」という架空の潜水艦ではないかとの話です。潜水艦だったのか、これ。情報ありがとうございました。



○ 「なぎはらう」


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第12話より引用>

 これは1984年の映画『風の谷のナウシカ』に出てくる名シーン「なぎはらえ!」が元ネタだと思われます。このシーンを担当したのがアニメーター時代の庵野さんなので、そういうシーンを任せるならともかく、馬が走るシーンを描いて欲しいと言う宮森に「宮森さん、これをワシが描く意味って何だろう?」と菅野さんが言うんですね。

 口調は厳しいし、「突然ワケの分からないことを言い出す」得体の知れない性格のように描かれているけど……菅野さんの言うことがものすごく筋が通っていることは、そういう背景を知っている人は分かるようになっているという。


○ 『ニャンとワンたろう』
 杉江さんが参加していた他社のアニメ。
 元ネタは……何でしょう。言葉の響きから『忍たま乱太郎』公式サイト)かなと思っていたのですが、微妙にしっくりこないような。もっと「これだ!」と思うものを思いついた人はコメント欄ででも教えてくださると助かります。

 一応、『忍たま乱太郎』の解説も。
 『忍たま乱太郎』は尼子騒兵衛さんのギャグ漫画『落第忍者乱太郎』を原作にしたアニメで、1993年からNHK→NHK教育テレビで放送されて、現在もまだ「初回放送」と「再放送」を繰り返しにしながら続いているそうです。すごいな……


○ 『茶髪のアン』
○ 『サンバの冒険』

 杉江さんが過去に参加していたアニメ作品。

 『茶髪のアン』の元ネタは『赤毛のアン』だと思われます。
 カナダの作家L・M・モンゴメリの小説を原作に、テレビアニメ化は1979年にされました。制作は日本アニメーションで、監督は高畑勲さんです。

  『サンバの冒険』の元ネタは『ガンバの冒険』だと思われます。
 斎藤惇夫さんの児童文学『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』を原作に、1975年に放送された東京ムービー制作のテレビアニメで、監督は出崎統さんです。


○ プラリン

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第12話より引用>

 『えくそだすっ!』13話の仕上げに参加している会社……ってことでイイのかな。正直この情報だけなら何とも言えないです。
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◇ 第13話「好きな雲って何ですか?」

○ 月刊トップス
 夜鷹書房から発行している『第三飛行少女隊』が連載中の雑誌みたいです。
 さて……「夜鷹書房はどこがモデルなのか?」と上で話題になっていましたが。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第13話より引用>

 かなり立派なビルですねぇ……私は「夜鷹書房=富士見書房」説に賛同していたのですが、富士見書房は角川書店のブランドカンパニーで自社ビルがあるワケではありません。「月刊トップス」という名前を考えても角川書店の「月刊少年エース」公式サイト)が元ネタかなぁと思いますし、夜鷹書房も角川書店がモデルなのかなぁと思います。

 「月刊少年エース」は1994年から発行されている漫画雑誌で、アニメやライトノベルとのタイアップ作品も多く連載されていますね。歴代作品で有名なところは『新世紀エヴァンゲリオン』『ケロロ軍曹』あたりですかね。夜鷹書房の尾之上さんが菅野さんの知り合いだったのも、そういう繋がりなのかも知れませんね。


○ スタジオカナブン
 美沙が転職した会社だと思われます。
 ソースはこちら。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』オープニングより引用>

 2クール目のオープニングで5人が戦闘機に乗って飛んでいくシーン、よく見ると一人一人の機体に「所属」と「縁の深いキャラクター」が記されているんです。美沙の場合「スタジオカナブン」と「ズーパークストーリーのキャラ」。



<テレビアニメ『SHIROBAKO』オープニングより引用>

 絵麻は「ムサニ作画部」と、多分「七福神のキャラ(弁財天?)」。



<テレビアニメ『SHIROBAKO』オープニングより引用>

 宮森は「武蔵野アニメーション」と「ミムジーとロロ」。



<テレビアニメ『SHIROBAKO』オープニングより引用>

 みどりは「東京女子学園大学」と、多分「ドストエフスキー」。



<テレビアニメ『SHIROBAKO』オープニングより引用>

 しずかは「松亭」と「ブタ」。




 ば、バイト先だと……

 そこは「赤鬼プロダクション」じゃないのか……
 あと、誰だオマエ、ブタ……


 話を戻します。
 なので……「スタジオカナブン」には明確なモデルがある会社ではないと思うんですけど、「これだ!」というものがある方はコメント欄ででも教えてくださるとありがたいです。


○ 野亀武志?
 『第三飛行少女隊』の原作者。
 これはEDで「キャラクターデザイン原案」と、しっかりクレジットされていますね。

 クレジットされているのは「野上武志」さん公式サイト)。
 2001年から少年エースにて『鋼鉄の少女たち』を連載、チャンピオンREDいちごの『セーラー服と重戦車』、『ストライクウィッチーズ』の同人誌(から商業展開されています)、水島努監督の『ガールズ&パンツァー』のキャラクター原案協力などなど……「美少女+ミリタリー」の作品に多く関わっている漫画家さんですね。

 月刊少年エースで連載もされていたし、ここでも「夜鷹書房=角川書店」の裏付けが。

――2月1日追記――
 第16話にて、フルネームは「野亀武蔵」と判明しました。



○ 『??ン3世』
 夜鷹書房の代表作?


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第13話より引用>

 「ン」の点が絵になっているところなど……元ネタは『ルパン三世』公式サイト)でイイのかなぁ。
 1967年からWEEKLY漫画アクションでモンキー・パンチさんが連載していた漫画で、1971年からテレビアニメ化がされ、テレビシリーズ、劇場版アニメ、テレビスペシャルなどなどが作られ、現在でも大人気な作品ですね。実写映画?はて……?

 しかし、『ルパン三世』って双葉社の作品ですよねぇ……
 「夜鷹書房=角川書店」で確定かと思ったのですが、果たして。


○ 『晩酌探偵』
 夜鷹書房のヒット作みたいです。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第13話より引用>

 書店大賞の元ネタは本屋大賞でしょうから、これは「小説」ですね。
 本屋大賞を取っている探偵モノで名前から連想されるのは『謎解きはディナーのあとで』(2025年追記:なんと、2025年4月からテレビアニメ化が予定されています)ですかねぇ。表紙の構図(アフィリエイトリンク)がパロディっぽいようにも思えますし。



 ただ、これは小学館の小説なんですよねぇ……
 武蔵野アニメーションが特定のアニメ制作会社をモデルにしているワケでもなさそうなのと同じで、夜鷹書房もやはり特定の出版社をモデルにしているワケでもないのかも知れませんね。
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◇ 第14話「仁義なきオーディション会議!」

○ タハラザカオフィス
○ ボイスアニマル


 まだあったのか、声優事務所!
 『第三少女飛行隊』のオーディションを受けた声優さんの所属事務所です。
 タハラザカオフィスは「そねあやの」の事務所で、ボイスアニマルは「むささび妙子」の事務所です。その他の事務所は前回の元ネタ解説の時に書いたので、そちらをどうぞ。

 さて……元ネタですが、見当も付きません!声優事務所一覧を探しまくっているのですが、それっぽいものは見つからず。元ネタが分かる人がいたら教えてくださるとありがたいです。


○ 『近年、実妹のようすが若干異変を感じるんだが』
○ 『天使のドリル』
○ 『空のリゾット』
○ 『望遠機動隊』
○ 『自分探しの旅に出よう』
○ 『ラブバンド』
○ 『サドカマゾカ』
○ 『甘城アミューズメントパーク』
○ 『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』
○ 『野球のプリンス様』
○ 『とあるお寺の即身仏』
○ 『オーダーは亀ですか』
○ 『オーダーは亀ですか?』
○ 『TARITARITARI』
○ 『サファイア動物園』
○ 『隣のおじいちゃんと軒下の猫』
○ 『セイカツ!』
○ 『アウトシテミル』
○ 『ボールウィッチーズ』
○ 『SSDR』
○ 『凪のあとから』
○ 『Angel Beat!』
○ 『Another2』
○ 『グラストリップ』
 ぎゃあああああああああ!
 『第三飛行少女隊』のオーディションを受けた声優さんの出演作品(アニメ編)です。

 一つ一ついきますか……
 『近年、実妹のようすが若干異変を感じるんだが』には森口渚が主人公:紙前未槻として出演していたそうです。元ネタは恐らく『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』公式サイト)で、主人公の名前は「神前美月」。「神前美月」を演じたのは橋本ちなみさんでした。
 富士見書房の月刊ドラゴンエイジに2010年から連載されている松沢まりさんの漫画が原作で、テレビアニメは2014年1~3月に放送されました。記憶喪失の幽霊にとりつかれた美月が、義理の兄と強制的にイチャイチャさせられるラブコメディでした。制作はproject No.9。

 『天使のドリル』には森口渚が針ヶ谷棺桶として出演していたそうです。元ネタは恐らく『悪魔のリドル』。名前が似ているキャラは桐ヶ谷柩で、演じていたのは内田愛美さんでした。原作は月刊ニュータイプに連載中の漫画、という説明でイイのかな。
 テレビアニメは2014年4~6月に放送されました。一ノ瀬晴を暗殺するために集められた暗殺者だけのクラス「10年黒組」を舞台にしたアクションアニメでした。制作はディオメディア。
 
 『空のリゾット』には森口渚が出演していたそうです。元ネタは恐らく『天体のメソッド』です。2014年10~12月に放送されたオリジナルアニメで、円盤が浮かぶ街「霧弥湖」を舞台にした青春群像劇でした。制作はStudio 3Hz。

 『望遠機動隊』には井出きららが出演していたそうです。前回の元ネタ解説で書いたの割愛します。

 『自分探しの旅に出よう』には井出きららが出演していたそうです。え……何だこれ……

 『ラブバンド』にも井出きららが出演していたそうです。ずっと井出きららのターン!
 女性声優の出演作なので、元ネタは恐らく『ラブライブ!』公式サイト)ですかね。電撃G's magazine、ランティス、サンライズの合同プロジェクトで、様々なメディアミックス展開が行われている作品です。テレビアニメは2013年1~3月、2014年4~6月と2期放送されていて、現在は劇場版アニメが制作中です。高校の廃校を阻止するために、9人の少女がスクールアイドルとして活動を始める学園アニメです。

 『サドカマゾカ』にも井出きららが出演していました。前回の元ネタ解説で書いたの割愛します。

 『甘城アミューズメントパーク』も井出きららが出演。9話の元ネタ解説で書いたので割愛します。

 『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』も井出きららが出演。どんだけ出てるの。9話の元ネタ解説で書いたので割愛します。

 『野球のプリンス様』でさえも井出きららが出演。女性キャストが少ないって理由でしずかがガヤに呼ばれたのにね。9話の元ネタ解説で書いたので割愛します。9話に井出きららさん出ていないか確認しましたが、それっぽい髪型のコはいませんねぇ。

 『とあるお寺の即身仏』も井出きらら!前回の元ネタ解説で書いたので割愛します。

 『オーダーは亀ですか』は井出きらら。
 『オーダーは亀ですか?』も井出きらら。
 2期が作られているのか!元ネタの『ごちうさ』はまだ1期しか作られていないのに!(※2015年当時の話。2025年現在、テレビアニメは3期まで制作されています)  9話の元ネタ解説で書いたので割愛します。

 『TARITARITARI』にも井出きらら!元ネタは『TARI TARI』公式サイト)でしょう。そうじゃなかったらビックリです。2012年に放送されたオリジナルアニメで、合唱部を舞台にした青春アニメでした。制作はP.A.WORKS、『SHIROBAKO』と同じ会社ですね。

 『サファイア動物園』にも出演している井出きららさん。どんだけ仕事しているの。元ネタは……何でしょう。宝石+動物という組み合わせで考えると『ジュエルペット』ですかねぇ。サンリオとセガトイズによるキャラクター展開で、テレビアニメは2009年から続いています。元ネタとしてはあまり自信がありません。

 『隣のおじいちゃんと軒下の猫』にも出ているのです、井出きらら!元ネタは分かりません!どんなアニメですか、これ。

――1月21日追記――
 コメント欄にて『変態王子と笑わない猫。』が元ネタではないかと指摘されました。『変態王子と笑わない猫。』はさがら総さんのライトノベルを原作に、アニメ化は2013年に行われた作品です。情報ありがとうございました。



 『セイカツ!』にも出ているんですか、井出きららさん。元ネタは恐らく『アイカツ!』公式サイト)だと思います。バンダイの女児向けアーケードゲームと、それとメディアミックスしたテレビアニメが2012年から放送されています。名門アイドル養成校「スターライト学園」を舞台にアイドル活動をしていく少女達を描いたアニメです。制作はサンライズ。

 『アウトシテミル』も井出きらら……って、あれ?これはアニメでイイのかな。
 名前から連想される元ネタは『インシテミル』で、米澤穂信さんの推理小説です。2010年に実写映画化もされました。時給11万2000円のバイトに参加した12人の男女が、隔離された空間の中でデスゲームに巻き込まれる話です。「アフレコ」と書かれているから、実写に登場したワケではないと思うんですけど。

 『ボールウィッチーズ』にも井出きらら。9話の元ネタ解説で書いたので割愛します。

 『SSDR』に井出きらら。『II』じゃないんですね。1話や9話に出てきた時は『SSDRII』だったんですけど。元ネタは分かりません。

 『凪のあとから』にも井出きららだと!元ネタは『凪のあすから』公式サイト)でしょう。2013年10月~2014年3月に放送されたオリジナルアニメで、制作はP.A.WORKSです。ここからしばらくP.A.WORKSのターンです。海中で暮らす人々と陸で暮らす人々の交流を描いたファンタジーアニメでした。

 『Angel Beat!』だって井出きららが出てる!『ANGEL BEAT』という恋愛漫画もあるんですが、ここは恐らく『Angel Beats!』公式サイト)が元ネタでしょう。2010年に放送されたオリジナルアニメで、制作はP.A.WORKSでした。理不尽な人生を送って死んだ者達が集まる死後の学園を舞台に、「成仏」からの「抵抗」を描いた学園アニメでした。

 『Another2』も井出きららさんが出ているなんて!元ネタは恐らく『Another』でしょう。原作は綾辻行人さんの小説で、テレビアニメ化は2012年に行われました。制作はP.A.WORKSで、監督は水島努さん。『SHIROBAKO』と同じ布陣ですね。
 主人公:榊原恒一が転校してきたクラスには、他のクラスメイトには見えていない見崎鳴という少女がいた―――というところから始まるホラーとミステリーとサスペンスを融合させたようなアニメでした。「Anotherなら死んでた」は、この作品を的確に表現した言葉で好きです。

 『グラストリップ』に!井出きららさん!これでラスト!
 元ネタは恐らく『グラスリップ』公式サイト)です。2014年7~9月に放送されたオリジナルアニメで、制作はP.A.WORKSです。ガラスなどのキラキラした物によって幻覚を見ることが出来る深水透子と、それを「未来の欠片」と呼ぶ沖倉駆の出会いから、6人の少年少女の恋愛模様を描く青春アニメです。



 深大寺雅さんの過去作は、自分のテレビではちょっと判読出来ませんでした……
 読めた人いたら情報くださると助かります。


<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>


○ 『新生のオンランドユニグラ』
 『第三飛行少女隊』のオーディションを受けた声優さんの出演作品(ゲーム編)。

 『新生のオンランドユニグラ』は森口渚さんが出演していますが……何だろうこれ……ゲームが元ネタなのに分からないというのは、悔しい。


○ 『ミッドナイトジャパン』
 『第三飛行少女隊』のオーディションを受けた声優さんの出演作品(ラジオ編)。

 『ミッドナイトジャパン』は鈴木京子さんが出演していたラジオだそうですが……よくありそうな名前なので、逆に元ネタとか難しい名前ですね。テキトーに付けた名前という可能性も高そうで。

――1月21日追記――
 コメント欄にて、名前の元ネタは『オールナイトニッポン』じゃないのかという指摘がありました。なるほど。オールナイトニッポンに出ている人を「鈴木京子なんて誰も知らない!」と言うことはないと思うので、自分は考えもしませんでしたが……名前だけそこから取ったっぽいですね。
 「オールナイトニッポン」公式サイト)はニッポン放送をキー局として全国で放送されている深夜ラジオの番組の“枠”で、1967年からパーソナリティを入れ替えながら続いています。
 情報ありがとうございました。


○ 『武勇伝 ファンブック10』
 『第三飛行少女隊』のオーディションを受けた声優さんの出演作品(ドラマCD編)。

 『武勇伝 ファンブック10』は鈴木京子が出演したドラマCDだそうです。
 ファンブックが10冊も出ている『武勇伝』という作品があるのでしょうが、何が元ネタか分かりません……


○ 俳連ボイスアクターズスクール
 『第三飛行少女隊』のオーディションを受けた声優さんの経歴。

 俳連ボイスアクターズスクールは鈴木京子の経歴に書かれていました。元ネタは恐らく俳協ボイスアクターズスタジオ公式サイト)です。俳協が声優育成のために運営している俳協付属の声優養成所です。

 そこの出身者と言えば……何と言っても『SHIROBAKO』宮森あおい役の木村珠莉さんですよ!


○ ブッコミゲームス
○ ゴリオシミュージック
○ DKレース・クリエイティブ

 『第三飛行少女隊』のスポンサー。
 「ゲーム会社」「レコード会社」「イベント会社」ってところでしょうか。「ぶっこみ」「ゴリ押し」「出来レース」という名前から分かる通り、作品をダメにするスポンサーへの皮肉として作られているので明確な元ネタの会社があるワケではないと思います。
 ちなみにキャラの名前も…
 ブッコミゲームス プロデューサー遠城 営助(えんじょう?→炎上?)
 ゴリオシミュージック プロデューサー屋良瀬 匠(やらせ→ヤラセ?)
 DKレース・クリエイティブ プロデューサー枕田強(まくらだ→まくらえいぎょう?)

 となっているみたいです。


○ スタジオアミン
○ ルーインフィルム
○ キノンプロ?
○ チャペック
 武蔵野アニメーションに中途採用で入った平岡大輔が所属していたアニメ制作会社。アニメ業界が流動性の高い業界なのかも知れませんが、業界5年目で5つ目の会社というのは……

 名前しか分からないので何とも言えないのですが……「スタジオタイタニック」同様、平岡との因縁もありそうですし明確な元ネタとかはないのかもと思います。もししっくり来る元ネタに思い当たる人がいらしたら、コメント欄ででもお願いします。


――1月21日追記――
 チャペックの元ネタは「ジーベック」、ルーインフィルムの元ネタは「ライデンフィルム」じゃないかという指摘をコメント欄で頂きました。
 「ジーベック」公式サイト)はProduction I.Gの子会社として1995年に設立、代表作は『機動戦艦ナデシコ』『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』『蒼穹のファフナー』など。最近は『白銀の意思 アルジェヴォルン』を作っていましたね。
 「ライデンフィルム」公式サイト)は2012年に設立された新しいアニメ制作会社で、『テラフォーマーズ』を制作した会社でしたね。
 情報ありがとうございました。



○ 「(2期は)まずないよね、4~5000の売上じゃ」
 平岡が『えくそだすっ!』について放った言葉。
 ここで言う売上はDVD&ブルーレイの1巻あたりの売上だと思われます。

 何度も書いているように深夜アニメの主なスポンサーはDVD&ブルーレイを出している会社で、制作費を遡れば「DVD&ブルーレイを視聴者に買ってもらう」ことで賄っていると言えます。なので、2期を作るかどうかで一番重要なのは「DVD&ブルーレイの売上」で、4~5000では足りていないと平岡は言いたいのです。

 まず、一アニメファンとして言わせてもらえば「オリジナルアニメで4~5000の売上」は全然悪くない数字だと思います。人気原作だとか、(京アニみたいな)人気スタジオならば数字も残せるでしょうが……オリジナルで、7年元請やっていない武蔵野アニメーションで、久々のテレビアニメの木下監督でこの数字は立派だと思います。
 当時あったアニメDVD・BD売り上げまとめwikiを参照したところ、2014年のオリジナルアニメ(シリーズものは除く)で4000~5000のラインより売れそうなのって『アルドノア・ゼロ』『クロスアンジュ』『SHIROBAKO』『結城友奈は勇者である』くらいかなぁと思います。それだけ大変なんですよ、オリジナルを売るのって。

 実際に2期が作られるアニメの売上はどのくらいかというと……「出版社が推している作品」「テレビ局が製作に参加している作品」は「DVD&ブルーレイの売上」がそれほどでなくても作られるケースがあるのですが、に6000~8000くらいがボーダーラインかなぁと思います。

 ただ、基本的にオリジナルアニメは2期が作られにくいんです。
 原作ものの場合は「1期だけでは話が完結しない」ことで2期が作られるケースが多いのですが、オリジナルは1期で話が完結してしまうため「2期が作られたオリジナルの深夜アニメ」って数えるほどじゃないかなと思います。パッと思いついたのはテレビ局が推している『PSYCHO-PASS』とかその辺くらいで、オリジナルアニメの続編は「劇場版」か「OVA」になることが多いです(分割2クールはまた別ね)。


○ ヴェルデカンパニー
○ スタジオタイタニック

 『第三飛行少女隊』のグロス請けを引き受けてくれる会社ということで、ナベPが候補に挙げたけど「既に元請の仕事が入っている」のがヴェルデカンパニー、平岡が紹介してくれたのはスタジオタイタニックでした。スタジオタイタニックは恐らくこれから一悶着あるでしょうから……元ネタはないと思われます。

 ヴェルデカンパニーは何か元ネタありそうなんですけど、何でしょう…
 ヴェルデということは「緑」……さっぱり分からん……



 11~14話の元ネタ解説は以上です。
 今回も「何が元ネタか分からない……」ものが多かったので、「これの元ネタは○○じゃない?」というのが分かった人がいらしたら教えてくださるとありがたいです。

 『SHIROBAKO』も2クール目になって、新展開『第三飛行少女隊』の企画段階からの話になりました。1クール目と違って、出版社の人やスポンサーの人、新しいキャラや会社が「アニメに対して愛のない人達」で、面白いんだけど観ててつらいところも出てきました。まだ企画段階だから「我慢の展開」も多いですしねぇ。


 そんな中、私が気になったところをピックアップ。

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>

 ナベPと葛城さんが麻雀をしている相手……4話のオーディションに出てきた『俺様のハーレムが少しずつ崩壊しているかもしれないけどたぶん気のせいかもしれない(仮)』の監督(篠田俊樹)と音響監督(若柱博一)だと思われます。単なる麻雀仲間なのかも知れませんが、ナベPが麻雀をしているのは仕事のためだとこれまで暗に描かれていたので、何かあるのかなと。


 それと、宮森の出した予定表。

<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>

 写真じゃちょっと読めないと思いますけど、気になるところを幾つか。
 6話と7話の作監が瀬川さんというのは……多分7話が井口さんの間違いだと思うんですけど。気になるのは11話の作監が木佐さんになっているところ。宮森!オマエは、何度裏切られても木佐さんを信用するのか!これが何かのフラグかなあ……と。


 前者は「しずか」のフラグで、後者は「絵麻」のフラグじゃないのかなと思っているのですが……どうでしょう。特に篠田監督は「しずか」に何を付けたのか視聴者には見えないように描かれていたので、あのシーンは意味深だなとずっと思っていたのです。
 それと、新OPによると絵麻に後輩が出来るみたいで、このコがとても私好みのショートカットの小動物系の女のコなのでとても楽しみです。OPでイチャイチャしている制作進行の新人二人ともども、やさぐれた気分を早く癒して欲しいです!


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