母がシミュレーションゲームにハマった理由

※ この記事は2012年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です


 一部で人気の「ウチのかーちゃん」話ですよ!

 今日の記事はあくまで個別のケースの話であって、皆さんのお母様にも同じことが当てはまるワケではないと強く言っておきたいのですが。例えば友達にゲームを薦める際や家族にゲームを薦める際に、「気にするべきポイントはどこなのか」の参考になれるんじゃないかと思って書きます。

 ゲーム以外にも当てはめられそうですけど、とりあえず今日はゲームに限定した話にします。




 さてと。
 6月頃の話です。

 自分の3DSは母が『牧場物語 はじまりの大地』を遊びたいということで、ほぼ一日中母に預けている状態でした。『牧場物語』が発売された2月の段階では「夏までには飽きてるだろうな」と思って何の問題もなく預けていたのですが、一向に飽きる気配がなく、7月の『カルチョビット』発売日が迫っている段階でした。

 当時はまだ3DSLLの発表前だったため、「3DSを取り返すために母に“新たなDSソフト”を薦めるしかないな!」という計画を立てたのです。DSソフトならばDSiLLが使えるから、3DSが私の元に戻ってきて、わーい『カルチョビット』三昧だー!



 ということで、幾つか候補をピックアップしまして、『ニンテンドーチャンネル』の映像なんかを見せて一番食いつきが良かったソフトを注文しました。そのソフトがAmazonから届くまでの間、『いつの間に交換日記』でフレンドの皆様にちょっとしたクイズを出してみたんですよ。


 「自分が母に薦めたDSのゲームは何でしょう?」と。

 こんなどーーーーーーでもいい問題に答えてくれるなんて、フレンドの皆様はホント良い人達ですよね!ブログだったりTwitterだったりで我が家の母がどんなゲームにハマってきたかを断片的にも知っている人達は色んなソフトを答えてくださいました。


 『ルーンファクトリー』シリーズ
 『とんがりボウシ』シリーズ
 『ポケットモンスター』シリーズ………などなど

 中には『どき魔女』とか『ナナシノゲエム』といった攻めたネタ回答もありましたが、多くの人は「どうぶつの森が好きな人だからどんがりボウシだろう」とか「ルーンファクトリー3が好きだった人だからルーンファクトリー2だろう」といった回答傾向でしたね。




 正解者ゼロだっ!先生はみなさんに失望しました!

 でも、普通はそう思うと思うんですよ。
 人にゲームを薦める際、「アレが好きだった人だからアレに似たゲームを薦めよう」とか「同じシリーズのコレを薦めよう」とか。いやこれ、人に薦める場合に限った話じゃないですね。自分のためにゲームを選ぶ時にも、やはり「好きなゲームに似たゲーム」とか「好きなシリーズのゲーム」とかを選びがちですよね。

 でも、私がまさにそうですし、私の母もそうでしたし、同じような人も多分いると思うんですけど。
 同じようなゲームばっかやってるから飽きてしまう人とか、同じようなゲームばっかりやっているので上手くなりすぎて「最近の○○は難易度が低くなった。ライト層に媚びすぎ」と言い出してしまう人とか。




 ということで正解はこちらでした。











 『A列車で行こうDS』。

 母にとって初シミュレーションゲームです。
 しかし、勝算はありました。「母ちゃん絶対これを気に入るだろうな」と。

 実際にプレイしてみた母の反応はと言うと……あまりに多くの要素があるので説明書を開いて悲鳴をあげて、最初のチュートリアルマップでは出来ることが少なくて「何が面白いか分からない」と言っていましたが、チュートリアルマップ3つ目でビル等を自分で建てられるようになってからはものすごくハマっています。

 逆にシミュレーションゲーム苦手な私に向かって、「こんな初心者向けのマップもクリアできないの?」と鼻で笑ってくるほどです。ムキーーーーーッ!じゃあ今度はマリオで対決するかこんにゃろうううう!




 多分、母は「やさしい」より上の難易度のモードは遊ばないと思いますし、このゲームを極めようとは思わないでしょうけど。自分なりのペースで自分なりにこのゲームを楽しんでいくと思いますし、「シミュレーションゲームってこんな面白いジャンルがあるんだ!」と驚いていました。今までは知らなかったジャンルの魅力を知ったことで、今後は「シミュレーションゲーム」が選択肢に入るんですね。『ドラゴンクエスト9』で「RPG」が選択肢に入るようになったみたいに。

 重ねて言いますけど、「皆さんのお母様にも同じことが当てはまるワケではない」ですよ。
 でも、何故母自身ですら知らなかった「この人はシミュレーションゲームにハマるはず」と自分が思ったかということを書いています。



 その前に、知らない人のために『A列車』シリーズがどういうものかを説明します。
 自分も勘違いしていたんですけど、このゲームって「電車や線路を作るだけのゲーム」ではないんですよね。最初はそれしか作れませんしそれが基本なんですけど、そこから発展させて道路を引いてバスやトラックを走らせたり、子会社という形でコンビニとかマンションとか港とかを自由に作れるゲームだったんですね。

 言ってしまえば、『シムシティ』系のゲーム。
 西武鉄道のグループは野球チームとかマンションとかデパートとかいっぱい持ってて、一種の“城下町”を作っている―――みたいなイメージなんでしょうか。「鉄道会社の社長だからってこんなに権限あんの(笑)」と思うところもあるんですが、それ言ったら『シムシティ』の市長も市長どころの権限じゃないか。原子力発電所とか作れるし。


 『シムシティDS』じゃなくて『A列車DS』を選んだのは、単にこちらの評判の方が良さげで、以前にTwitterのフォロワーさんから「チュートリアルがしっかりしているからシミュレーションゲーム初心者にもおすすめですよー」と言われていたからです。




 母の話に戻しまする。
 「何故母にシミュレーションゲームが向いていると思ったか」はこの記事を書いたからです。


 母が『逆転裁判』を楽しめなかった理由

 「アクションゲームが苦手だから」という理由で母にアドベンチャーゲームを薦めてみたら全然ハマらなかったという話です。『ドラゴンクエスト』にはハマったのにどうして??と。



 アドベンチャーゲームって基本的に「たった一つの正解を見つける」ゲームなんですよね。
 移動したり、色んな人に話を聞いたり、調べたりというたくさんのコマンドがあるんですけど、流れとしては「正解を見つける」→「ストーリーが進む」→「正解を見つける」→「ストーリーが進む」の繰り返しで、正解を見つけられないと手詰まりになってしまうゲームなんです。

 『逆転裁判』は「選択肢が多いのに正解は一つ」というところが失敗だったのかなと、『428』を薦めてみたところ―――『428』はバッドエンドになると「こうすれば良かったのに!」と教えてくれるのでポンポン進めて「楽しい」と最初は言っていたのですが、終盤はノーヒントのためやっぱり手詰まりになってしまいました。写真見つけるところが分からなかったんですね。結局自分が教えてあげることに。




 逆に母が好きなゲームって、「自分の好きなように出来るゲーム」だったんですよ。
 『どうぶつの森』は言うまでもないですね。何をしてもいいスローライフゲーム。
 『牧場物語』や『ルーンファクトリー』はもうちょっとシビアですけど、どのタイミングでどう作物や家畜の世話をするのかはプレイヤーの自由となっています。
 『ゴーバケーション』でも競技そっちのけで宝箱探したり、家族のMiiを引き連れてひたすらバギーで島中を走り回って遊んでいました。母はキーコンプなんて最初から狙っていませんでした。
 『ファミリーフィッシング』でも、ただ自分の気に入った服を着て、自分の気に入った場所に行って、気ままに釣りをしていました。


 『ドラゴンクエスト』のようなRPGは「一本道のシナリオ」があるからアドベンチャーゲームと変わらないように見えますが、シナリオ無視してレベル上げずっとやっていたり、自由なメンバー編成を楽しんでいたりしました。
 ドラクエシリーズの『1』『2』『3』『4』『5』『6』『9』をプレイした母が一番気に入っていたのは最初に遊んだ『9』でしたけど、次が『5』というのが分かりやすいかな。パーティメンバーを自由に出来るから楽しかったそうな。「お嫁さんと子どもはちゃんと強くして連れて行ってあげるんだ」とせっせとレベル上げしていました。

 『二ノ国』が好きだったという理由も恐らくそういうところにあったのでしょう。



 「自由度の高いゲーム」と書くと、どうも野っぱらにポンと放り出されて「後は好きに遊べ!」みたいな厳しいゲームがイメージされちゃうと思うので……「母が好きなのは自由度の高いゲームだ」と書くと誤解をされてしまうかもなんですけど。
 「自分なりの遊び方」が出来るというのが母にとってのポイントならば、シミュレーションゲームこそが一番好きなジャンルになるんじゃないか、と思ったのです。


 あと、意外に「経営要素」が好きだってのもありますね。
 『牧場物語』や『ルーンファクトリー』でお金を稼ぐのは大好きだったみたいですし、『ファミリーフィッシング』でも水族館が豪華になっていく様が好きだったみたいです。

 また、『どうぶつの森』や『ゴーバケーション』で家具を置き換えて模様替えをするのが好きでしたし、『牧場物語』で街並みを自由にエディット出来るのも好きでしたから―――自分の好きなように街作りが出来る『シムシティ』『A列車』はかなりのツボに入るんじゃないかと。





 某女性声優さんが「シムシティ大好き」と言っているのを聴いたことがあったので、町作り系のゲームって意外に女性受けするかもなぁとも思っていましたし。「金を稼いで貯め込んで使う」のって主婦層にとっては一番馴染みのある要素でもありますしね。

 ただ、『A列車DS』を始めてから、「こんなに稼いだ金が4割も法人税で取られるのはおかしい!」とか「頑張っている企業の脚を引っ張るのかこの国は!」とか、母が竹中平蔵みたいなことを言い出しているので……「お金って人間を変えちゃうんだな……」と恐怖を感じているところはありますけど(笑)




 繰り返し書きますけど、これは「個別のケース」の話です。
 みなさんのお母様にも『A列車DS』がオススメですよとか書きたいワケじゃないです。

 要は、みなさんやみなさんの友達や家族にも、今まで遊んだことがないジャンルでも、実は物凄くハマるジャンルがあるのかも知れない―――という話を書きたいのです。実は自分の好みって自分自身には分からんものなのですよと。


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