
<画像はWii版『ファミリーコンピュータ ドラゴンクエスト』より引用
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※ この記事は2011年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
皆で同じゲームを同時期にプレイしてTwitterに書き込む「れとげのまち」という企画があって、現在のお題が初代『ドラゴンクエスト』ということで、僕も初参戦しています。Wii版でファミコン版に挑戦中です。スーファミ版は昔クリアしたけど、ファミコン版は当時も途中までしかやっていなかったはず。現在、ようやくリムルダールに着いたところ……
途中ドラゴンに遭遇して一撃でHPの半分を削られて逃げてきました。10月10日までにクリア出来るのかしら。
さて。
ファミコン版の『ドラゴンクエスト1』(当然、当時は『1』という記述はなかったけど分かりやすくするために敢えて付けています)をプレイするのは本当に久しぶりなんですが……大人になってからプレイすると、「よく考えてあるわー」と驚くところがたくさんあります。
最初、王様の部屋から出るところがチュートリアルになっている……というのは、よく言われる話ですが。そこでもらえる軍資金が120G。そのまま町に行って装備を整えようとするとラインナップはこんなカンジ。
・たけざお 10G
・こんぼう 60G
・どうのつるぎ 180G
・ぬののふく 20G
・かわのふく 70G
・かわのたて 90G
「こんぼう60G」と「かわのふく70G」を買うには10G足りないんですよね。
ここで「10Gくらいサクッと稼いでくるぜ!」と思うのか、「弱くても武器・防具を揃えよう」と妥協するのか、はたまた「オレはここで180Gまで稼いでどうのつるぎ買うぜ!」とコツコツ稼ぐのか―――プレイヤーに最初の決断をさせるんですね。
ここで、「このゲームは自分で考えて決断するゲームなんだ」と分かるのです。
そのための120Gという価格だし、そのためにわざわざ安くて弱い「たけざお」が売っているのです。
加えて。
自分はここで「10Gくらいサクッと稼いでくるぜ!」と「こんぼう+かわのふく」を買うことに決めたのですが、大人になって頭が悪くなったのか先に「かわのふく」を買ってしまって危うく詰みかけました。
スライム狩ってお金を稼ぐにしても、素手だとなかなか倒せないんです。
幾ら「かわのふく」で防御力が上がっていても何ターンもかかるのでダメージは喰らいますし、「ヤバイ。このままだと死ぬぞ」と思って宿屋に行くと―――「スライムを倒して稼いだ金額(6G)」と「ラダトームの町の宿屋代(6G)」が一緒くらいで、一向にお金が貯まらないという(笑)。
「たかが10G」がなかなか稼げないんです。
ここで「かわのふく」を選んだプレーヤーは気付けるんですね。「あー、このゲームは攻撃力の方が大事なんだ」と。これも、最初の軍資金がギリギリ10G足りないことによる恩恵なんです。
んで、自分はどうやってここを突破したかというと……
この自転車操業をしばらく繰り返していたらレベル2に上がりまして、そうすると最大HPが跳ね上がりまして、宿屋に泊まる回数が減って一気にお金が貯まるようになっていたという。長くゲームを遊んできた自分ですが、こんなにも「レベル2すげええええ」とレベルアップに喜んだことはありませんでした。恐るべしドラクエ。
んで、レベル3になるとホイミを覚えるようになって、ラダトームの城にはMPを無料で回復してくれる爺さんがいるので、ホイミ連発→MP回復で、宿屋のお金がかからなくなるという。経済的な意味でも「強くなった」感が味わえるのです。後に『いたスト』を作る人というのも納得だ、堀井さん。
『ドラゴンクエスト』のヒット以後、日本では後追いでたくさんの“RPG”が生まれましたし、既存のアクションゲームやシミュレーションゲームに「レベルアップ制度」を足したゲームをアクションRPGやシミュレーションRPGと呼ぶほどでした。
それくらい『ドラゴンクエスト』の「レベルアップ制度」は衝撃的だったのでしょうし、特にこの序盤は「レベルが上がるとこんな世界が変わるのか!」と気付かせてくれます。1レベル上げるのが大変ですけど、1レベル上がると行動範囲がグンと広がるのです。なるほど、これは色んなゲームに採用されていくワケだと改めて思いました。
(関連記事:RPGにレベルアップ制度は必要ですか?)
※ ちなみにスーファミ版は、宿屋や薬草の値段が安くなっていて、ラダトーム城でHPも回復してもらえるそうです。ファミコン版のこのシビアな序盤を遊びやすく直してあるということで、少し残念なような、まぁ今更「RPGとはこういうゲームなんだよ!」と知らしめる意味もないから当然のような……
自分は「レベル上げ」が好きじゃないので、レベルを上げないと進めない『ドラクエ』よりもレベル制度がない『ゼルダ』の方が好きなんですけど―――アクションゲームが苦手な人でも「強くなった」感を味わえるように考えてあるこの『ドラクエ』の序盤は、やはり時代を切り開いただけあるなと思いますね。
『ドラクエ』は元々あるRPGというジャンルを日本人でも楽しめるようにしただけ―――というのは確かにその通りなんですが、数十年ぶりにやってみると「うわー、すげー計算してあるんだな」と改めて感心します。言うのは簡単、やり遂げるのは超大変。そして俺はドラゴンに勝てない。
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