


・総括
コミック版『BanG_Dream!』
・巻数:全4巻
・掲載:月刊ブシロード
2016年5月号~2019年3月号
・原作:ブシロード/漫画:柏原麻実/ストーリー原案:中村航
・シリーズの位置づけ:『BanG Dream!』テレビアニメ1期のコミカライズ※ 苦手な人もいそうなNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。
・シリアス展開:◎(沙綾編は元祖「ギスドリ」だからね……)
・恥をかく&嘲笑シーン:◎(ステージで晒し者になる超有名シーンがある)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(メインキャラは女性のみ)
・白人酋長もの:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:○(有咲→香澄はもちろん、牛込姉妹がなかなか…)
・BL要素:×
・男女の恋愛:×(りみりんが沙綾パパにときめくシーンがある!?)
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×
・BL要素:×
・男女の恋愛:×(りみりんが沙綾パパにときめくシーンがある!?)
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×
◇ 独自性:「読むスピードをコントロールできる」アニメと漫画のメディアの差が大きい!
この漫画は、前に紹介した漫画『BanG_Dream![星の鼓動]』と入れ替わるような形で、2016年4月から月刊ブシロードで連載開始になった『BanG Dream!』の漫画2作目です。第1作目とは「キャラの名前」こそいっしょですが、設定は大きく変わっていて、ストーリーもつながっていません。
2017年1月から始まるテレビアニメ1期の「先行コミカライズ版」という形なので、現在もスマホゲームで続いている物語と「キャラ」も「設定」もつながっています。現在のPoppin'Partyの「始まりの物語」と言えば分かりやすいかな。
主人公の女のコ:戸山香澄が、高校に入学して、「ガールズバンド」に出会って、友達とバンドを結成していくストーリーが最初から描かれます。
ただし、テレビアニメ1期、およびそれをスマホゲーム版に落とし込んだ「Poppin'Partyバンドストーリー0章」の最後までは描かれません。前半部分……テレビアニメは「8話(全13話)」まで、スマホゲーム版ならポピパ0章の「18話(全27話)」までのコミカライズです。
これはこれで区切りはイイのですが……
そこがまぁ……私は随分前に全巻買っておきながら今まで読んでいなかった理由なんですが。
『BanG Dream!』のアニメ1期について、ファン目線で簡単に説明します。
アニメ1期はコケたんですよ。私は第1話からずっと好きで観続けていましたけどTwitterのタイムラインでも話題にしている人はほとんどいなかったし、放送当時Poppin'Partyのリアルライブに行った人が「演奏中はものすごく盛り上がっていたけど、テレビアニメの告知のコーナーだけお通夜みたいになってた」とか言っていたほどで。
ここから『BanG Dream!』というIPがハネるんだと気合入れて展開されたテレビアニメがコケたことで、数えきれないほど見てきた「ハネずに消えたメディアミックスプロジェクト」の一つになるんだろうと思っていました。
それが、アニメ放送開始から2ヶ月後の2017年3月に始まったスマホゲーム版が大バズリしたんです。理由は色々あると思うのですが、今の私は「ラブライブの後釜に上手くハマった」からだと考えています。
『ラブライブ!』の初代アニメは2013年に始まり、2015年には紅白歌合戦に出場するくらいの大人気でしたが、2016年春に「ラストライブ」が行われてμ'sとしての活動はしばらく途絶えることとなりました。
んで、これは私の持論なんですが……
「中学生・高校生」の世代は5~6年経てば入れ替わるように、「中学生・高校生」に人気のコンテンツも4~5年周期で入れ替わると思うんですね。
『ラブライブ!』ファンが『バンドリ』ファンに変わったということではなく、2013年に高校1年生だった世代が『ラブライブ』にハマり、2017年に高校1年生だった世代が『バンドリ』にハマり、2021年に高校1年生だった世代が『プロセカ』にハマる―――みたいなサイクルに上手く乗っかれただけだと思うんですね。
しかし、この始まったばかりのスマホゲーム版から『バンドリ』にハマった人が、当時終盤を放送していたテレビアニメ1期『BanG Dream!』を観てくれたかというと……みんな全然観てくれませんでした。
「途中からでは観る気にならなかったのか」と、その後もブシロードはテレビアニメ1期『BanG Dream!』をムチャクチャ再放送したんですが、これでも全然観てもらえませんでした。
どうしてかと言うと……
ハッキリ言って、「あまり出来がよくなかった」からだと思います。
スマホゲーム版が大ヒットしたおかげで生まれたテレビアニメ2期(2019年~)以降はサンジゲン制作の3DCGアニメになりますし、シリーズ構成だった綾奈ゆにこさんも「1期と2期以降ではやり方を変えた」と仰っていましたし、ファンがどれだけ擁護しようとも制作陣が失敗だったと思っているなら失敗作だったと思うんですね。
<以下、引用>
綾奈「私が「バンドリ!」第1期でこだわったのは、劇中の彼女たちの間だけで成立するような生々しい会話なんです。それを「すごくいい」と言ってくださった方もいたけど、「わからない」という方もいて。私は後者の感想が目について、「『バンドリ!』はたくさんの人に届けないといけない作品だった」とすごく反省したんです。
なので第2期、3期のときは広く届けられるものにしようと自分のエゴを抑えていました。でも「It's MyGO!!!!!」はそこで得た、人に届けるための作法を使って自分が書きたいものを書いているので、ある種の原点回帰なんです。」
なので第2期、3期のときは広く届けられるものにしようと自分のエゴを抑えていました。でも「It's MyGO!!!!!」はそこで得た、人に届けるための作法を使って自分が書きたいものを書いているので、ある種の原点回帰なんです。」
</ここまで>
※ 改行や強調など、引用者が一部手を加えました
それでは、テレビアニメ1期を1話から毎週観てきた私の評価はどうだったのかというと……「微妙な出来の前半」は「後半爆発させるための布石」だったと思っています。終盤までは「まぁこんなものか」と思って観ていたけど、終盤の展開で評価が一変して大好きなアニメになりました。
減点法だと確かに低い点数になる作品だけど、加点法ならしっかり高い得点になれる作品だろうと。
だから、テレビアニメ1期の「前半だけ」を漫画化したこの作品は、買ってはいたけどずっと読んでいませんでした。そこだけ読んでも面白くないでしょ―――と思っていたので。
ですが、『バンドリ』を取り巻く環境が激変していって、私も来年以降もう『バンドリ』について語らなくなるかも知れない現在……積んでる『バンドリ』コンテンツにちゃんと触れて、「終活」しなきゃって思ったんですね。
そしたら、むちゃくちゃ面白かったんですよ。
……え?
なんで?
あの話って、漫画で読むとこんなに面白くなるの……??
その要因の一つには、漫画を担当した柏原麻実先生の「漫画力」の高さがあります。
柏原麻実先生はアニメ化もされた『宙のまにまに』で天文部の話を描いていて、『宙のまにまに』以降は百合姫で短編を何本も描いていたそうで……星と百合が好きだなんて、『バンドリ』のコミカライズ担当として、これ以上の人材は思いつかない!
<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>

<画像はコミック版『BanG Dream!』2巻より引用>

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
まず、女のコがしっかり可愛いです。
年齢相応の可愛らしい表情も、大人っぽい表情も、ディフォルメされたコマも、全コマかわいい。原作(=テレビアニメ)のクライブでの髪型もしっかり描いてくれてるのイイ!
私の推しが牛込りみちゃんなのでりみりんばかり載せちゃいましたが、他のキャラもモブまで含めてちゃんと全員かわいいし、おたえが時折見せる大人っぽい「いいおんな」感もちゃんと表現されてます。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
それと、1コマ1コマに情報量をしっかり詰め込む作風が『BanG Dream』とムチャクチャ相性がイイんですよね。テレビアニメ1期にしか出てこない、やたら目立つモブクラスメイトもちゃんと出てくるし、ちゃんとかわいい……!
(※ 『BanG Dream!』アニメ1期は、恐らく『けいおん!!』のテレビアニメ2期みたいにクラスメイト全員をしっかりキャラデザして個性があるように描きたかったんだと思うのですが……京アニだから出来たことを新規IPでやろうとした結果、作画のクオリティが落ちちゃったのかなぁと思われます)

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
それでいて、漫画独自の表現もいっぱい出てきて楽しい……!
このキャラならこういうことやるよなという納得感もちゃんとあるし、2025年の今見てもキャラ解釈がしっかりしていると思います。
テレビアニメ1期は、手描きアニメゆえに「むちゃくちゃかわいい作画」もあるんですが、全体的には「クオリティが低い作画」が多いのは否定できなくて……故に、それ以降の『バンドリ』IPは、スマホゲーム版のLive2Dや、テレビアニメ2期以降の3DCGが中心になっていくのですが。
手描きならではの「遊び心」に満ちたコミック版は、コミック版にしかない魅力が満載なんですよねー。

<画像はコミック版『BanG Dream!』2巻より引用>
そして、もう1つ。
そもそもの「メディアのちがい」で、漫画は(アニメとちがって)読者が読むスピードをコントロールできるという大きな特徴があります。
『BanG Dream!』アニメ1期って、香澄が恥をかくシーンとか、香澄が周りを見ないでみんなに迷惑をかけるシーンとか、視聴者に負荷をかける場面が結構あるんですね。その中でも有名なのは、上に載せた「きらきら星」のシーンです。
このシーン、テレビアニメ版だとリアルタイムでの放送は「4分47秒」あったそうです。30分アニメと言っても実際には1話24分弱しかないのに、およそ5分の1の時間が「きらきら星」のシーンだったの!?(今サブスクとかで見られるバージョンだと2分54秒まで短縮されました)
アニメだと基本的には「その時間だけ拘束される」と思うのですが、漫画だと「恥をかくシーン」も「みんなに迷惑をかけるシーン」も読んでてつらいところはパパっとページをめくればイイので、自分にとってベストのテンポで物語を楽しめるんですね。
なので、アニメ版で「観るのがつらかったシーン」もコミック版だと普通に楽しめて……同じ話であってもこんなに面白さがちがうってことは、アニメより漫画に向いたストーリーだったのでは??と思うんですね(もちろんコミック版を手がけた柏原先生のネームの上手さも大きいのだけど)。
◇ 補完性:アニメでは足りなかった部分を埋める実質「完全版」
この漫画は、テレビアニメ1期が放送開始になる2017年1月より9ヶ月前、2016年4月から始まっています。単行本1巻が2016年12月に発売になっているので、「テレビアニメにハマった人が単行本1巻を買う」ことを想定したスケジュールが組まれていたんでしょうね。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>

<画像はテレビアニメ『BanG Dream!』1期5話より引用>
なので、アニメ版の設定ができあがる前に作画が始まったからか、アニメ版の設定をもらえていなかったからか、現在とは制服のデザインがちがうんですね。色がちがうし、ワンピース型でもありません。
この理由は明確で、2016年2月に発売されたPoppin'Partyの1stシングルのジャケット、および2015年12月に公開されたMVで「夏服の制服」は先にデザインが公開されていたんですね。細部は微妙に変わっていますが、現在の「花咲川女子高等部の夏服」に近いものです。
これをそのまま長袖にしたのが、コミック版『BanG Dream!』の春服だったのですが……テレビアニメ1期が始まってビックリ。春服は夏服と全然ちがうデザインでやんの!!
そのため……このコミック版『BanG Dream!』、混乱をきたさないように表紙などのカラーで描かれている部分は極力「夏服」にされているんですね。漫画の中身と大きくちがわないデザインで、かつアニメ版以降の設定とも食い違わない方法を選んでいるという……
序盤の背景なんかも「アニメ版の設定が出てからアニメ版に合わせる形にした」みたいで、本誌に掲載された時と単行本になった時でかなり描き直されているとのこと。まだ存在していないアニメのコミカライズって、そりゃ大変ですよね……
さて、そうしてアニメに先駆けて始まったコミカライズ版ですが……漫画は月刊連載で、アニメは週1で放送されるため、あっという間に追い抜かれます。
恐らく、漫画ではおたえ編が始まった辺りでアニメ1期は最終回を迎え……漫画の連載が終わったのは2019年2月、アニメ2期が放送されていた頃です。だからと言って2期以降の話を描くワケではなく、ずっとアニメ1期の話を描いているのですが。いや、『BanG Dream!』はまだスマホゲーム版がハネたおかげで、その後も展開が続いている分だけマシな方で……ほとんどの「オリジナルアニメのコミカライズ版」って、アニメ放送終了後、みんながもうその作品を忘れた後もずっと連載しているんだよなと思ってしまったり。
それはそうと……
私、この『BanG Dream!』のアニメ1期の話って都合8回くらい観ているんですね。「大好きだから繰り返し観ている」というより、なんか仕方なく……
・2017年 テレビアニメをリアルタイムで視聴
・2019年 スマホゲーム版を再開してポピパ0章をプレイ(実装されたのは2018年)
・2021年 Nintendo Switch版でポピパ0章をプレイ
・2021年 映画『ぽっぴん'どりーむ』に備えてテレビアニメ1~3期全部観返す
・2023年 『MyGO!!!!!』から『バンドリ』に興味持ってくれた人とDiscordで同時視聴会する
・2025年 スマホゲーム版のストーリーを読む動画の収録
・2025年 スマホゲーム版のストーリーを読む動画のプレミア公開を自分で観る・2025年 このコミック版『BanG Dream!』を読む(ストーリーは8話相当分まで)
だから、大体のシーンは覚えちゃっているというか、今更同じストーリーを読んでも新鮮な発見とかないだろうと思っていたのですが……

<画像はコミック版『BanG Dream!』2巻より引用>
コミック版『BanG Dream!』は、テレビアニメ版やスマホゲーム版では端折られて描かれなかった日常シーンがかなーりあって、すごく楽しいんですね。
このシーンは、「香澄が(有咲の家に通ってたせいで)帰りが遅いから心配するお母さん」のシーンで、この後には「香澄のお母さん」と「有咲のおばあちゃん」がちゃんとやり取りしていると分かるシーンもありました。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
後の『STAR BEAT!』の歌詞を書くために、香澄が沙綾の家に泊まるシーンで、「パン屋は朝が早いからみんな寝るのが早い」のに香澄が驚くの好き。お風呂上がりの紗南がむちゃくちゃ可愛い!
ストーリーラインはまったくいっしょなんですが、「アニメでは描けなかった細部の描写」が多いので、アニメ版とスマホゲーム版で7回観ている私でも新鮮で楽しかったし、「そういや、こういうシーンはあるべきだよなぁ!」と納得感が強かったです。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
沙綾のパパにときめくりみりん!
ここ以外では観たことない描写ですが、言われてみればりみりんって「やまぶきベーカリーを神聖視している」し、「(薫さんや蘭ちゃんなど)カッコイイ女のコにときめく」くらいだから、カッコイイ男の人にキュンとする描写があってもおかしくないんですよね。「恋に恋する乙女」タイプだし。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
りみりんと言えば、おたえとかがテキトーに思いついたメロディを誰が楽譜(≒スコア)にしているんだろうと思っていたのですが、この辺の作業はりみりんがやっていたみたい。8年8ヶ月このコンテンツを追いかけてきて、初めて知ったぞ。
「漫画」と「アニメ」のメディアの差だと、「漫画」は1コマにギュギュっと文字や情報を詰め込むことが出来るんですね。そのため、アニメ版とスマホゲーム版を7回通した私でもよく分かっていなかったことが、コミック版を読んで初めて分かったみたいなシーンが多々ありました。

<画像はコミック版『BanG Dream!』2巻より引用>
例えば、前項で書いた「きらきら星」のシーン―――
どうして香澄が「きらきら星」を歌い出したのか、8年8ヶ月間よく分かっていなかったのですが……コミック版で「有咲の蔵で練習していた曲だから」と説明されていて、ようやく納得しました。この時期の香澄は単音でしか弾けないから、ずっとこの曲を練習していて、だからとっさに出てきたのがこの曲だったんですね。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
ギター絡みで言うと、小説版ほどではないけど「初心者の香澄が少しずつギターを学んでいく」過程が丁寧に描かれていて……「まだ3つしかコード弾けない」とか「完成の音が分からない」とかで、どうして香澄がおたえに助けを求めたのかの理由もちゃんと分かりやすくなっていました。
これもすごいなと思ったのは、『STAR BEAT!』の歌詞ができるまでの流れです。
一人では作詞ができない香澄が沙綾の家に泊まって夜通し作詞するのだけど、その後に沙綾の過去を知って、沙綾とケンカして、その夜に歌詞を全部消して書き直して出来たのが『STAR BEAT!』―――という流れはテレビアニメ版もコミック版もいっしょなんですが(スマホゲーム版だとこのくだりは超絶分かりづらくなっている)。
コミック版はその「消される前の歌詞」が載ってるんですね。
もちろんアニメ版だとこれが出来ないのも分かるんですが、これがあるのとないのとでは大違いで、香澄が何を思って『STAR BEAT!』の歌詞を完成させたのかが分かりやすくなっているんです。
メタ的なことを言うと、『STAR BEAT!』の歌詞は2015~2016年版のネガティブ香澄が「バンドを始める前の自分」と向き合って書いた歌詞で……2017年~版のポジティブ香澄からは本来出てこないものなんですね。
それが、沙綾の過去を知ったことで、2017年~版のポジティブ香澄も「沙綾の曲」としてこの歌詞を書けるようになった……という流れがすごく分かりやすくなりました。
そして、ポジティブ香澄が書いた『STAR BEAT!』になる前の『走ろう!(仮)』というひたすらポジティブな歌詞……
ちゃんと『STAR BEAT!』のメロディに合わせて歌えるようになっているんですね。いつかどこかで愛美さん歌ってくれないかなぁ。『夢ノ結晶』に歌わせるというのも手か。
<画像はコミック版『BanG Dream!』2巻より引用>
そして、コミック版の魅力として一番大きいのは「キャラクターが何を考えているのか」をしっかり文字で伝えようとしてくれているところだと思います。
テレビアニメ版だと、恐らくは「セリフで説明しない」「絵と演技で説明したい」と狙ったのだと思うのですが……7周してもよく分かっていなかったことが、今回コミック版を読んで初めて分かったところがむちゃくちゃ多かったです。
例えば、おたえ編の↑このセリフ―――
有咲とりみりんが蔵で待っているのに、家庭科の補習をサボっておたえにギターを習っている香澄のシーンなんですが……
私は今までずっと「有咲の気持ちを考えもしないで、コイツはただギター楽しいしか考えていないのか」と思って観ていました。割と、主人公の香澄に対して「酷いやつ」という見方をしていたんですね。
でも、あの時点では有咲は「バンドなんかやらない」としか言っていない(楽器もないし)ので、香澄はなんとか有咲を振り向かせようとギターの秘密特訓をしていたんですね。要は、香澄は有咲のために行動していて、有咲も香澄のためにキーボードを買うか考えていたのに、お互いにそれを知らずにすれ違っちゃっていただけという。
その辺の説明がテレビアニメ版では足りていなかったので、視聴者も香澄に対してヘイト感情を持ちがちだったし、ずっと「共感しづらい主人公」だったので、それがテレビアニメ1期の評判の悪さになっていたと私は思います。
そして……
この「1人1人の心理描写をしっかり見せる」コミック版で描かれる、沙綾編の破壊力と納得感はすごかった!もうこの時期にはテレビアニメ1期が完結していたということもあって、テレビアニメ1期では足りていなかったシーンもしっかり補完してあって納得感が生まれていました。
テレビアニメ版での沙綾編があまり好きじゃなくて、「これに3話も使うかー?」と言っていた私が、ようやくこの話を好きになれました。むちゃくちゃ泣いちゃったよ……
テレビアニメに足りなかったものをしっかり補った神コミカライズでした。
テレビアニメ版で好きだったシーンやセリフがカットされちゃったところもなくはないんですが、これを「完全版」と言ってもイイくらいにむちゃくちゃ出来が良かったです。
『BanG Dream!』テレビアニメ1期、話はちゃんと面白かったんだ。
「伝え方」をちょっと間違えていただけで。

<画像はコミック版『BanG Dream!』3巻より引用>
スマホゲーム版では「なかったこと」にされた、おたえが彼氏を連れてくるとか言い出すくだりもちゃんとあるぞ!
◇ 総括

<画像はコミック版『BanG Dream!』4巻より引用>
『BanG Dream!』をまったく知らない人も、ここから楽しめるし。
『BanG Dream!』のテレビアニメ1期が好きだった人には新たな魅力を発見させて、観たけどそんなに好きじゃなかった人には「実はこの話は面白かったんだ」と気付かせてくれる―――理想的な、神コミカライズ作品でした。
惜しむべくはテレビアニメ1期の前半部分で終わってしまうので、後半部分の「SPACE編」も是非柏原先生の漫画で読みたかったなーと思う気持ちもあるのだけど……時期を考えると、ここで連載が一区切りになるのも分からなくないですからね。
このコミック版でしか『BanG Dream!』を読んでいないという人は、この続きはテレビアニメ1期9話からでそのままつながるので是非どうぞ! 大体のサブスクにはありますから!
私、「同じ話を別メディアで何度も観る」のが苦手なので、これまでアニメのコミカライズ作品にはあまり触れてこなかったのですが……例えば『エヴァンゲリオン』も、実はテレビアニメ版よりもコミカライズ版の方が「分かりやすくなってて」「観たい展開を見せてくれる」と思ってて好きなので。
オリジナルアニメのコミカライズ版、もっともっと積極的に読んでいこうかなと思いました。特に「アニメを観たけどよく分かんなかったな」って作品ほど、楽しめる余地がありそう!



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