
<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
※ この記事は2023年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
・救出要素はなくなり、今回は最初からコナミヒーローが使える(変身できる)!
・状況に応じて、コナミゲームの歴史をオマージュした様々なミニゲームに挑んでいく
・「1991年のファミコン市場」に合わせて絵がディフォルメに変更
『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』
・コナミ
・ファミリーコンピュータ用ソフト:1991年1月5日発売
Wii Uバーチャルコンソール版:2015年9月2日発売
・2Dアクションゲーム+様々なミニゲーム
・パスワード制
私がクリアまでかかった時間は約1.5時間でした
※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
↓1↓
◇ 救出要素はなくなり、今回は最初からコナミヒーローが使える(変身できる)!
このゲームは1988年1月に発売された『コナミワイワイワールド』の続編で、そのちょうど3年後の1991年1月に発売されたファミリーコンピュータ用のアクションゲームです。
映画原作の版権モノがあってバーチャルコンソール化されなかった1作目とちがい、2作目はWii Uバーチャルコンソールでも出ていました
さて、このゲーム―――
ネット上では「1作目が好きだったのに、2作目では別物になっちゃってガッカリ」とよく言われている代表作だと思います。これか、『ガチャポン戦士3』かってくらいに。
ただ、私はこのゲームは「1作目とは別ジャンル」の意欲作かつ名作だと思っているので、しっかりとこのゲームが再評価されてほしいと思って記事に書きます。


【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
・救出要素はなくなり、今回は最初からコナミヒーローが使える(変身できる)!
・状況に応じて、コナミゲームの歴史をオマージュした様々なミニゲームに挑んでいく
・「1991年のファミコン市場」に合わせて絵がディフォルメに変更
『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』
・コナミ
・ファミリーコンピュータ用ソフト:1991年1月5日発売
Wii Uバーチャルコンソール版:2015年9月2日発売
・2Dアクションゲーム+様々なミニゲーム
・パスワード制
私がクリアまでかかった時間は約1.5時間でした
※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
↓1↓
◇ 救出要素はなくなり、今回は最初からコナミヒーローが使える(変身できる)!
このゲームは1988年1月に発売された『コナミワイワイワールド』の続編で、そのちょうど3年後の1991年1月に発売されたファミリーコンピュータ用のアクションゲームです。
映画原作の版権モノがあってバーチャルコンソール化されなかった1作目とちがい、2作目はWii Uバーチャルコンソールでも出ていました
さて、このゲーム―――
ネット上では「1作目が好きだったのに、2作目では別物になっちゃってガッカリ」とよく言われている代表作だと思います。これか、『ガチャポン戦士3』かってくらいに。
ただ、私はこのゲームは「1作目とは別ジャンル」の意欲作かつ名作だと思っているので、しっかりとこのゲームが再評価されてほしいと思って記事に書きます。


<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
大きな変更点は、前作が「メトロイドヴァニア」につながるような2D探索アクションゲームだったのに対して、今作は「ステージクリア型のアクションゲーム」になったことです。1度クリアしたステージをやり直すことは出来ず、ひたすら次のステージへと進んでいきます。
これが1作目が好きだった人達から不評みたいなんですが……
しかし、1作目の紹介記事にも書いたように、コナミの「2D探索アクションゲーム」は1987年辺りに集中的に力を入れていただけで、その後はしばらく「2D探索アクションゲーム」は出さなくなるんですね。『ドラキュラ』も『月下の夜想曲』(1997年)まではステージクリア型に戻っちゃうワケですし。
「メトロイドヴァニア」というジャンルが確立&定着している現在とちがい、当時は探索が難しくてそれらのゲームがクリア出来なかったこども達も多かったんじゃないかと思います。
探索アクションは「同じ場所を行ったり来たりさせることで、少ない素材でも長く遊ばせる」省エネ的な発想のゲームでしたが、『スーパーマリオブラザーズ3』(1988年)などステージクリア型のアクションゲームも大ボリューム化してきた時代ですしね。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
そして、「探索2Dアクションゲーム」が「ステージクリア型の2Dアクションゲーム」に変わったことで、コナミヒーロー達の登場の仕方も大きく変わりました。
前作は6つのステージに囚われている6人のヒーローを「探索」して助けることで、ようやく仲間になって自由に切り替えられるようになるというシステムでしたが。
今作は主人公リックルが一定時間だけコナミヒーローに“変身”できるというシステムで、ゲーム開始時に5人中3人の組み合わせを選びます。この組み合わせは『Splatoon』のブキみたいなもので、「1人目はゴエモン」「2人目はビル」「3人目はウパ」と自由に選べるのではなく、予め決められた組み合わせから選ぶこととなります。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ステージ中に出てくる「C」のアイテムを取ると、下のアイコンがゆっくりとしたルーレットのように赤く光るので、目押しで↑+Aで―――

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
60カウントの間だけコナミヒーローに変身することが出来ます。
この間は敵の攻撃を受けてもライフは減らず、代わりに変身していられるカウントが5カウント減ります。攻撃手段の大幅強化&アーマーが付く、というイメージですね。変身中に回復アイテムを取れば変身時間が回復するほか、変身中に「C」アイテムを取れば再度変身し直して時間を回復させることも可能です。
前作が1人1人と仲間を集めていくゲームだったのに対して、最初から全員選べるのが味気ないという意見もよく目にするのですが……前作は「序盤に仲間になるキャラ」と「終盤に仲間になるキャラ」で出番に差があって、ぶっちゃけ『1』だと風魔の印象があんまなかったんですよね。岩壊すときだけ登場させる、『ゼルダの伝説』における爆弾みたいなキャラでしたもの。
その点、今作は最初から好きなキャラが選べるので「全ステージ風魔で遊ぶぜ!」みたいなことも出来るし、それでいて風魔のみ月風魔伝ステージで出来ることがあるみたいに、原作主人公が有利になるキャラ差要素もあります。あくまでちょっとだけなので、どの組み合わせを選んでもクリア出来ると思いますが。
それでは、1の紹介記事と同様に登場する「当時のコナミのオールスター」キャラ達を紹介していきましょう。
0.リックル


<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
シナモン博士が作った本作オリジナルキャラクターです。
攻撃能力は貧弱なものの、この形態の時のみ二段ジャンプが出来るので移動面はかなり優秀ですね。「C」カプセルを取ることで、コナミヒーローに変身する能力があるのですが……オリジナルのコナミヒーロー達は何をしているんだ??
1.ゴエモン

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
1作目から引き続き登場のコナミの顔!
各作品の発売日をまとめていて気付いた(思い出した)のですが、この時期のコナミは毎年1月の早い時期に「落とし玉商戦」用のキラータイトルを発売していて……1988年は『コナミワイワイワールド』、1989年は『がんばれゴエモン2』、1990年は『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』、1991年がこの『ワイワイワールド2』で、1992年が『がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~』と、毎年正月に『ワイワイワールド』か『ゴエモン』を発売していたんですね。1993年からは年末商戦になりますが、毎年12月末にスーパーファミコンの『がんばれゴエモン』シリーズが展開されていきます。
任天堂の『マリオ』や『ポケモン』が11月に発売されるみたいなカンジで、当時のコナミの看板タイトルがゴエモンだったのです。
今作ではキセルをブーメランのように投げて攻撃します。原作にそんな攻撃方法あったっけ? 貫通能力はないけど、広い範囲を攻撃できるのでなかなか強いです。
-登場作品-
・『Mr.五右衛門』(1986年)
・『がんばれゴエモン!からくり道中 』(1986年)
・『がんばれゴエモン2』(1989年)
・『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』(1990年)
2.シモン

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
キャラ選択画面では茶髪なのに、ゲーム内では何故か黒髪になるヴァンパイアハンター。このキャラも1作目から引き続きの登場ですね。
前作では高火力のクロスを投げて対ボス戦用のキャラとして重宝しましたが、今作は鞭しか使えないのでかなり弱体化しました。「リーチも火力も中途半端」で、個人的にはハズレキャラだと思っています。
『ドラキュラ』シリーズの顔ではあるものの、この時期からはベルモンド一族の他のキャラが主人公を務める作品も増えているのでシリーズがたくさん出ている割にシモンの登場作品はあまり増えていません。
-登場作品-
・『悪魔城ドラキュラ』(1986年)
・『悪魔城ドラキュラ(MSX版) 』(1986年)
・『ドラキュラII 呪いの封印』(1987年)
・『悪魔城ドラキュラ (アーケード版)』(1988年)
3.風魔

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
主演作品はしばらく1作しか出ていなかったのに、このキャラも連続参戦です。
このキャラも1作目で使えた手裏剣を失ってしまってリーチがクソ短くなってしまったのだけど、ナナメ上にも攻撃判定があるため1作目より強くなっているカンジはします。前作同様、月風魔伝ステージの岩が壊せるのだけど、変身前のリックルでも岩は壊せるので、わざわざそのためにコイツを選ばなくても……感はあります。
こどもの頃はこのキャラ、「縛りプレイ」感覚で使っていました。
-登場作品-
・『月風魔伝』(1987年)
4.ウパ

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
前作が発売された1988年1月にはまだ誕生していない、1988年4月に生まれた新参者キャラクターです。世にも珍しい赤ちゃん主人公です! 性別は男で、王国の王子様らしい。原作のWii Uバーチャルコンソール版も出ていましたね。
射程は風魔同様に短いのだけど、敵を雲に替える能力があるため、そこを足場にすることが可能。更に、集めると1UP出来るアイテムに変換してくれるので、その気になれば延々とコイツで残機を稼いでから先に進むことも出来る「初心者向けチートキャラ」の一角なんだとか。
ちなみに、ウパ主人公のゲームはその後1作も出ていませんが、『パロディウス』シリーズに出たり、携帯電話版『コナミワイワイワールド』1作目のマイキーの代替キャラとして登場したりしています。
-登場作品-
・『バイオミラクル ぼくってウパ』(1988年)
5.ビル

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
前作『コナミワイワイワールド』の発売時点ではアーケード版は出ていたけどファミコン版は出ていなかったため、プレイアブルキャラではなく最終面がそれっぽいステージになっていたという『魂斗羅』の主人公が、『2』ではプレイアブルキャラとして参戦です! このキャラも、選択画面では金髪なのに、どうしてかゲーム中では黒髪になります。色数の問題?
画面端まで届く遠距離攻撃が可能なだけでなく、上方向にも撃てる銃が強すぎます。一応「威力が低い」らしいのだけど、このゲームの雑魚キャラは耐久力があまり高くないため大した問題じゃないです。このキャラを使うかどうかで難易度が激変するチート級キャラというか、恐らく初心者救済キャラですよね。
例えば兄弟でこのゲームをプレイする際、お兄ちゃんがビルを使って出てくる敵を片っ端からやっつけてあげる―――みたいな遊び方を想定しているんじゃないかと思います。
-登場作品-
・『魂斗羅』(1987年)
・『スーパー魂斗羅 エイリアンの逆襲』(1988年)
という5人―――
映画版権のマイキーとコング、そして主人公ではなかったモアイが抜けて、ウパとビルが入ったというカンジですね。ウパなんかは性能の面白さで採用されたんじゃないかと思いますが、「コナミオールスター」として人選はかなり納得です。
『ドラキュラ』と『魂斗羅』は一応今でも生きているIPだと思いますし、『月風魔伝』は最近新作が出ましたし、むしろ『ゴエモン』の新作が出なくなるとは思わなかったなぁ。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
「5人中3人」を自由に選べないとか、選べる組み合わせの強さに偏りがあるとかが批判されるポイントらしいのですが……このゲーム、1周あたりはそんなに長くないので「キャラの組み合わせを変えて何周も遊んでね」ってことだと思うんですよ。そのためにルート分岐とかもありますし。
好きなキャラを3人自由に選べるのだと強キャラ3人を選んでそればっか使うとか、知っているキャラばっかり使うってことになっちゃうと思うんですね。なので、敢えてそうではないキャラも入れた組み合わせにしていて(※1)、「初心者向けの組み合わせ」と「縛りプレイ用の組み合わせ」といったカンジにバリエーションを作っているのだろうと。
(※1:前作からの続投組「ゴエモン・シモン・風魔」という組み合わせがないのも、「知らないキャラかも知れないけどウパやビルを使ってね」ってことなんでしょうし)
↓2↓
◇ 状況に応じて、コナミゲームの歴史をオマージュした様々なミニゲームに挑んでいく

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
このゲームの基本は、前述した通り「ステージクリア型の2Dアクションゲーム」です。
Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃、「C」カプセルを取った状態で↑+Aで変身。
前作同様、プレイアブルキャラの原作をオマージュしたステージが用意されています。
「ゴエモン」ステージが『がんばれゴエモン』ではなく『Mr.五右衛門』(1986年)オマージュなのは、大人になってアーケードアーカイブスで配信されたのを観るまでは知りませんでした。
2Dアクションステージの原作再現も凝っていますが、このゲームの目玉はやはり「ステージによってまったくジャンルが変わる」ところだと思います。前作も、最終決戦時に『ツインビー』と『沙羅曼蛇』を足したような縦スクロールシューティングゲームが始まりましたが、今作はそれどころの騒ぎじゃありません。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
今作にもあります、『ツインビー』ステージ!
前作とちがって「地上への攻撃」要素もありますし、ルート分岐によって2つのステージから選べるという豪華仕様です。本家の『ツインビー』には手も足も出ない私でもこちらはクリア出来る難易度になっていますね。
-当時のシリーズ作品-
・『ツインビー』(1985年)
・『もえろツインビー シナモン博士を救え! 』(1986年)
・『ツインビー3 ポコポコ大魔王』(1989年)
・『ツインビーだ!!』(1990年)

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
『ツインビー』ステージをクリアすると、ボーナスステージとして3Dの画面でベルを集めるゲームが始まるのですが……これは1987年にディスクシステム用で発売された『ファルシオン』が元ネタらしいです。ファミコン3Dシステムという立体視で3Dが楽しめる周辺機器に対応した数少ないゲームの一つだとか。
まったく知らないゲームでしたが、画像検索すると確かに似てますね……

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
前作『コナミワイワイワールド』にはなかった、横スクロールの「グラディウス」ステージもあります! コミカルになっているから、どちらかというと「パロディウス」か?
こちらもルート分岐で選べる2ステージ収録で、本家に比べれば難易度は抑えてあると思います。
-当時のシリーズ作品-
・『グラディウス』(1985年)
・『沙羅曼蛇』(1986年)
・『ライフフォース』(1987年)
・『グラディウス2』(1987年)
・『グラディウスII -GOFERの野望-』(1988年)
・『ゴーファーの野望 エピソードII』(1989年)
・『グラディウスIII -伝説から神話へ-』(1989年)
・『ネメシス』(1990年)
・『パロディウス ~タコは地球を救う~』(1988年)
・『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』(1990年)

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ルート分岐によって遊ぶことになるパズルステージは、1982年のアーケードゲーム『ガッタンゴットン』っぽいという話ですが……『ガッタンゴットン』はレールの上を列車が走るのをパネルを動かして脱線させないようにするゲームなので、全然ちがうゲームですね。
こちらは列車が風船を割らないように気をつけながら絵を揃えていくパズルゲームです。本家をそのまま持ってくると難易度が高くなりすぎるため、アレンジしたものを持ってきたのかな?
ちなみにこのステージのみ、ミスしてもゲームオーバーにならず、クリアすればご褒美がもらえる実質ボーナスゲームになっています。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
もう一つのルートを進むと、見下ろし型のレースゲームになります。
1987年のアーケードゲーム『シティボンバー』オマージュのステージらしく、こちらは確かに検索してみたら画面構成は似ていますね。システムはちょっとちがうみたいですが。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
パスワード画面は『クォース』(1989年)。
シューティングゲームのような操作をするパズルゲームですね。ウチの母親はほとんどゲームをやらなかったのだけど、ファミコン版『テトリス』と、この『クォース』と、スーファミの『ヨッシーのクッキー』だけ無茶苦茶遊んでいましたわー。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ルート分岐の際に、トランシーバーで仲間が連絡してくるところは『メタルギア』(1987年)っぽいですね。トラーシ―バーの形状は『メタルギア2 ソリッドスネーク』 (1990年)かなと思いますが。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
そして、最終決戦手前のステージは、なんと1981年のアーケードゲーム『フロッガー』オマージュです! 任天堂で言えば、『シェリフ』みたいなポジションのゲームじゃないですかね。往年の名作オマージュステージを超えて最終ステージに行くの熱すぎです。
ということで、「当時の大人気シリーズ」から「ちょっとマニアックな作品」、「往年の名作」まで幅広いネタを拾って1つのゲームに落とし込んでいるのです。
前作が「大人気キャラが集合する『スマッシュブラザーズ』」だとしたら、今作は「コナミゲームの歴史を一つにまとめた『メイド イン ワリオ』のナインボルトステージ」だと思うんですね。「キャラクター」ではなく「ゲーム」を集めたゲームなんです。
この時期、「一つのゲームに色んなミニゲーム」が入っている作品が増えていた時期ではあります。アドベンチャーゲームなのに様々なミニゲームが入っている『たけしの挑戦状』(1986年)や『さんまの名探偵』(1987年)、ボス戦がミニゲームな『ワギャンランド』(1989年)、原作のシチュエーションを再現する様々なミニゲームが入っている『ファミコンジャンプ 英雄列伝』(1989年)などなどなど……
この『ワイワイワールド2』がそれらの作品と大きくちがうのは、このゲームに入っているミニゲームには「原作のゲーム」があって、「コナミのゲームの歴史」を1本のソフトに集めているところです。これは上述の作品達とは大きくちがいますし、前作『コナミワイワイワールド』でもやっていなかったことです。
コナミヒーロー達が集結するゲームではなく、主人公のリックルがコナミヒーロー達に変身する設定も、「コナミのゲームの歴史」を再現していると考えると頷けますもんね。
そう考えると、やっぱりこのゲーム―――ゲームの歴史上初めて「1つのゲーム会社の歴史」を1本にまとめようとしたお祭りゲームとも言えて、もっともっと評価されるべき作品じゃないかと思うのです。
↓3↓
◇ 「1991年のファミコン市場」に合わせて絵がディフォルメに変更
とは言え、1作目に比べて2作目に「ガッカリだった」という人の理由は、「ジャンルの変更」とか「ミニゲームの多さ」とかじゃなくて、「こども向けになった」ことにガッカリしたんじゃないかと思うんですね。1作目のリアル頭身をやめて、2作目はみんな二頭身になってしまいましたからね。
例えば1作目が発売された1988年時点でメインターゲットだったであろう小学校高学年くらいのコからすれば、2作目が発売された1991年には中学生でしょうから、「こんなこどもっぽいものやってられるかよ」と思われたのかも知れません。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『コナミワイワイワールド』より引用>

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
個人的には、このディフォルメ絵があまり「原作を再現できていない」ことの方が気になるのですが……(ビルが黒髪なこととか)
しかし、この時期のファミコンはある程度「低年齢化」していて、こども向けのプラットフォームになっていたとも思うんですね。
この時期はもうスーパーファミコンが発売されている時期で、1990年12月には『アクトレイザー』や『ファイナルファイト』のような大人っぽいゲームがスーパーファミコン用に発売されていたんですね。「大人っぽいゲームはスーパーファミコンに移行」し、「こどもっぽいゲームはファミコンに残る」という棲み分けが出来ていた時期がしばらくは続いたと思うんです。
この時期のファミコン用ソフトで言えば、同じように「リアル頭身→ ディフォルメ頭身」へと移行した「くにおくん」シリーズが大人気でしたし。コナミも『悪魔城ドラキュラ』のスピンオフ作品として『ぼくドラキュラくん』を発売していました。「SDガンダム」系のコンテンツが人気で、『ナイトガンダム物語』のファミコン版が発売されていたのもこの時期ですし、『スーパーロボット大戦』が生まれたのもこの1991年です。
この時期のファミコン用ゲームは「ディフォルメ頭身」のものが多かったんですよ。
むしろ、市場に合わせた変化とも考えられます。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『くにおくんの時代劇だよ全員集合!』より引用>
また、ディフォルメ頭身になったからといってグラフィックの質が低下したワケではなく、オープニングやエンディングの映像などは1作目を遥かに凌駕するクオリティだったと思います。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ヒロインのハーブ姫も、「正統派ヒロイン」ってカンジで無茶苦茶可愛いし。
1作目のヒロインであるコナミレディも小さなドット絵ながら可愛く描かれています……これは3年後に『ときめきメモリアル』を出す会社なのも納得ですわ。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ちなみに、1作目のコナミレディはこれ↓ね。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『コナミワイワイワールド』のものを加工しました>
その後にステージ分岐のない「1面」「4面」「6面のレース」「8面」だけだと思うのですが、クリア後に1枚絵が出るのも好きです。こういう1枚絵があるだけでフンイキが大きく変わりますからね。ペン太、今回もオマエは戦わないのか……!

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
「こんなコミカルな見た目だけど難易度は激ムズ」みたいなゲームも世には多いですが、このゲームはオプションで残機を増やせるし、無限にコンティニューが出来るし、変身時はライフが減らないシステムなので、低年齢層でも比較的クリアしやすいゲームじゃないかと思います。
それがヌルイという人は、オプションで残機を増やさず、ウパの残機増やしを使わず、ビルのいない組み合わせを選ぶなどすれば難易度は上がると思うんで、これでノーコンクリアを目指すとかすればそれなりに歯応えがあるんじゃないでしょうか。私はゲームを遊んでいて一度たりとも「簡単すぎて不満」なんて思ったことがないんで、そんな人の気持ちは想像するしかないですけど。
◆ で、結局どういう人にオススメ?

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
1作目の『コナミワイワイワールド』も名作だと思うのですが、そこから3年経って「新旧のコナミゲームの歴史」をギュギュっと1本にまとめるようなゲームに変わっていて……「クロスオーバー作品」の歴史の中でもターニングポイントになる作品だと思うんですね。
本文の中にも書きましたが、1作目は「コナミのキャラクター」のオールスターが集まって同じ土俵の上で戦うという意味で、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ』に通じるゲームだと思うのですが。
2作目のこちらは「コナミのゲーム」の色んな要素を拾ってきて、1本の串に突き刺してまとめて食べさせてくれるという意味で、任天堂の『メイド イン ワリオ』のナインボルトステージに通じるゲームだと思います。
コナミ版の「ナインボルトステージ」を遊びたい人にオススメです!
あと、今回の記事ではあまり触れることが出来ませんでしたが、今作も「2人同時協力プレイ」が可能なのでオンラインプレイ対応版が出ないかって思っちゃうんですよねー。オンライン対応の『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』とかに出してくれませんかねぇ。むっちゃ盛り上がると思うし、再評価されると思うんですよ。
もちろん『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』みたいに、オンライン対応の全部入りコレクションみたいな形で発売してくれても嬉しいです! 『ワイワイワールド』や『ゴエモン』など、ファミコン・スーファミ時代のコナミの「2人同時協力プレイ」なゲームを集めるだけでも相当な量になるでしょうし。いや、いっそのこと「ワイワイワールドと原作のセット」で版権料を支払って『グーニーズ』や『キングコング2』も入れてくれれば……(無茶言うな)
大きな変更点は、前作が「メトロイドヴァニア」につながるような2D探索アクションゲームだったのに対して、今作は「ステージクリア型のアクションゲーム」になったことです。1度クリアしたステージをやり直すことは出来ず、ひたすら次のステージへと進んでいきます。
これが1作目が好きだった人達から不評みたいなんですが……
しかし、1作目の紹介記事にも書いたように、コナミの「2D探索アクションゲーム」は1987年辺りに集中的に力を入れていただけで、その後はしばらく「2D探索アクションゲーム」は出さなくなるんですね。『ドラキュラ』も『月下の夜想曲』(1997年)まではステージクリア型に戻っちゃうワケですし。
「メトロイドヴァニア」というジャンルが確立&定着している現在とちがい、当時は探索が難しくてそれらのゲームがクリア出来なかったこども達も多かったんじゃないかと思います。
探索アクションは「同じ場所を行ったり来たりさせることで、少ない素材でも長く遊ばせる」省エネ的な発想のゲームでしたが、『スーパーマリオブラザーズ3』(1988年)などステージクリア型のアクションゲームも大ボリューム化してきた時代ですしね。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
そして、「探索2Dアクションゲーム」が「ステージクリア型の2Dアクションゲーム」に変わったことで、コナミヒーロー達の登場の仕方も大きく変わりました。
前作は6つのステージに囚われている6人のヒーローを「探索」して助けることで、ようやく仲間になって自由に切り替えられるようになるというシステムでしたが。
今作は主人公リックルが一定時間だけコナミヒーローに“変身”できるというシステムで、ゲーム開始時に5人中3人の組み合わせを選びます。この組み合わせは『Splatoon』のブキみたいなもので、「1人目はゴエモン」「2人目はビル」「3人目はウパ」と自由に選べるのではなく、予め決められた組み合わせから選ぶこととなります。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ステージ中に出てくる「C」のアイテムを取ると、下のアイコンがゆっくりとしたルーレットのように赤く光るので、目押しで↑+Aで―――

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
60カウントの間だけコナミヒーローに変身することが出来ます。
この間は敵の攻撃を受けてもライフは減らず、代わりに変身していられるカウントが5カウント減ります。攻撃手段の大幅強化&アーマーが付く、というイメージですね。変身中に回復アイテムを取れば変身時間が回復するほか、変身中に「C」アイテムを取れば再度変身し直して時間を回復させることも可能です。
前作が1人1人と仲間を集めていくゲームだったのに対して、最初から全員選べるのが味気ないという意見もよく目にするのですが……前作は「序盤に仲間になるキャラ」と「終盤に仲間になるキャラ」で出番に差があって、ぶっちゃけ『1』だと風魔の印象があんまなかったんですよね。岩壊すときだけ登場させる、『ゼルダの伝説』における爆弾みたいなキャラでしたもの。
その点、今作は最初から好きなキャラが選べるので「全ステージ風魔で遊ぶぜ!」みたいなことも出来るし、それでいて風魔のみ月風魔伝ステージで出来ることがあるみたいに、原作主人公が有利になるキャラ差要素もあります。あくまでちょっとだけなので、どの組み合わせを選んでもクリア出来ると思いますが。
それでは、1の紹介記事と同様に登場する「当時のコナミのオールスター」キャラ達を紹介していきましょう。
0.リックル


<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
シナモン博士が作った本作オリジナルキャラクターです。
攻撃能力は貧弱なものの、この形態の時のみ二段ジャンプが出来るので移動面はかなり優秀ですね。「C」カプセルを取ることで、コナミヒーローに変身する能力があるのですが……オリジナルのコナミヒーロー達は何をしているんだ??
1.ゴエモン

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
1作目から引き続き登場のコナミの顔!
各作品の発売日をまとめていて気付いた(思い出した)のですが、この時期のコナミは毎年1月の早い時期に「落とし玉商戦」用のキラータイトルを発売していて……1988年は『コナミワイワイワールド』、1989年は『がんばれゴエモン2』、1990年は『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』、1991年がこの『ワイワイワールド2』で、1992年が『がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~』と、毎年正月に『ワイワイワールド』か『ゴエモン』を発売していたんですね。1993年からは年末商戦になりますが、毎年12月末にスーパーファミコンの『がんばれゴエモン』シリーズが展開されていきます。
任天堂の『マリオ』や『ポケモン』が11月に発売されるみたいなカンジで、当時のコナミの看板タイトルがゴエモンだったのです。
今作ではキセルをブーメランのように投げて攻撃します。原作にそんな攻撃方法あったっけ? 貫通能力はないけど、広い範囲を攻撃できるのでなかなか強いです。
-登場作品-
・『Mr.五右衛門』(1986年)
・『がんばれゴエモン!からくり道中 』(1986年)
・『がんばれゴエモン2』(1989年)
・『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』(1990年)
2.シモン

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
キャラ選択画面では茶髪なのに、ゲーム内では何故か黒髪になるヴァンパイアハンター。このキャラも1作目から引き続きの登場ですね。
前作では高火力のクロスを投げて対ボス戦用のキャラとして重宝しましたが、今作は鞭しか使えないのでかなり弱体化しました。「リーチも火力も中途半端」で、個人的にはハズレキャラだと思っています。
『ドラキュラ』シリーズの顔ではあるものの、この時期からはベルモンド一族の他のキャラが主人公を務める作品も増えているのでシリーズがたくさん出ている割にシモンの登場作品はあまり増えていません。
-登場作品-
・『悪魔城ドラキュラ』(1986年)
・『悪魔城ドラキュラ(MSX版) 』(1986年)
・『ドラキュラII 呪いの封印』(1987年)
・『悪魔城ドラキュラ (アーケード版)』(1988年)
3.風魔

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
主演作品はしばらく1作しか出ていなかったのに、このキャラも連続参戦です。
このキャラも1作目で使えた手裏剣を失ってしまってリーチがクソ短くなってしまったのだけど、ナナメ上にも攻撃判定があるため1作目より強くなっているカンジはします。前作同様、月風魔伝ステージの岩が壊せるのだけど、変身前のリックルでも岩は壊せるので、わざわざそのためにコイツを選ばなくても……感はあります。
こどもの頃はこのキャラ、「縛りプレイ」感覚で使っていました。
-登場作品-
・『月風魔伝』(1987年)
4.ウパ

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
前作が発売された1988年1月にはまだ誕生していない、1988年4月に生まれた新参者キャラクターです。世にも珍しい赤ちゃん主人公です! 性別は男で、王国の王子様らしい。原作のWii Uバーチャルコンソール版も出ていましたね。
射程は風魔同様に短いのだけど、敵を雲に替える能力があるため、そこを足場にすることが可能。更に、集めると1UP出来るアイテムに変換してくれるので、その気になれば延々とコイツで残機を稼いでから先に進むことも出来る「初心者向けチートキャラ」の一角なんだとか。
ちなみに、ウパ主人公のゲームはその後1作も出ていませんが、『パロディウス』シリーズに出たり、携帯電話版『コナミワイワイワールド』1作目のマイキーの代替キャラとして登場したりしています。
-登場作品-
・『バイオミラクル ぼくってウパ』(1988年)
5.ビル

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』のものを加工しました>
前作『コナミワイワイワールド』の発売時点ではアーケード版は出ていたけどファミコン版は出ていなかったため、プレイアブルキャラではなく最終面がそれっぽいステージになっていたという『魂斗羅』の主人公が、『2』ではプレイアブルキャラとして参戦です! このキャラも、選択画面では金髪なのに、どうしてかゲーム中では黒髪になります。色数の問題?
画面端まで届く遠距離攻撃が可能なだけでなく、上方向にも撃てる銃が強すぎます。一応「威力が低い」らしいのだけど、このゲームの雑魚キャラは耐久力があまり高くないため大した問題じゃないです。このキャラを使うかどうかで難易度が激変するチート級キャラというか、恐らく初心者救済キャラですよね。
例えば兄弟でこのゲームをプレイする際、お兄ちゃんがビルを使って出てくる敵を片っ端からやっつけてあげる―――みたいな遊び方を想定しているんじゃないかと思います。
-登場作品-
・『魂斗羅』(1987年)
・『スーパー魂斗羅 エイリアンの逆襲』(1988年)
という5人―――
映画版権のマイキーとコング、そして主人公ではなかったモアイが抜けて、ウパとビルが入ったというカンジですね。ウパなんかは性能の面白さで採用されたんじゃないかと思いますが、「コナミオールスター」として人選はかなり納得です。
『ドラキュラ』と『魂斗羅』は一応今でも生きているIPだと思いますし、『月風魔伝』は最近新作が出ましたし、むしろ『ゴエモン』の新作が出なくなるとは思わなかったなぁ。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
「5人中3人」を自由に選べないとか、選べる組み合わせの強さに偏りがあるとかが批判されるポイントらしいのですが……このゲーム、1周あたりはそんなに長くないので「キャラの組み合わせを変えて何周も遊んでね」ってことだと思うんですよ。そのためにルート分岐とかもありますし。
好きなキャラを3人自由に選べるのだと強キャラ3人を選んでそればっか使うとか、知っているキャラばっかり使うってことになっちゃうと思うんですね。なので、敢えてそうではないキャラも入れた組み合わせにしていて(※1)、「初心者向けの組み合わせ」と「縛りプレイ用の組み合わせ」といったカンジにバリエーションを作っているのだろうと。
(※1:前作からの続投組「ゴエモン・シモン・風魔」という組み合わせがないのも、「知らないキャラかも知れないけどウパやビルを使ってね」ってことなんでしょうし)
↓2↓
◇ 状況に応じて、コナミゲームの歴史をオマージュした様々なミニゲームに挑んでいく

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
このゲームの基本は、前述した通り「ステージクリア型の2Dアクションゲーム」です。
Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃、「C」カプセルを取った状態で↑+Aで変身。
前作同様、プレイアブルキャラの原作をオマージュしたステージが用意されています。
「ゴエモン」ステージが『がんばれゴエモン』ではなく『Mr.五右衛門』(1986年)オマージュなのは、大人になってアーケードアーカイブスで配信されたのを観るまでは知りませんでした。
2Dアクションステージの原作再現も凝っていますが、このゲームの目玉はやはり「ステージによってまったくジャンルが変わる」ところだと思います。前作も、最終決戦時に『ツインビー』と『沙羅曼蛇』を足したような縦スクロールシューティングゲームが始まりましたが、今作はそれどころの騒ぎじゃありません。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
今作にもあります、『ツインビー』ステージ!
前作とちがって「地上への攻撃」要素もありますし、ルート分岐によって2つのステージから選べるという豪華仕様です。本家の『ツインビー』には手も足も出ない私でもこちらはクリア出来る難易度になっていますね。
-当時のシリーズ作品-
・『ツインビー』(1985年)
・『もえろツインビー シナモン博士を救え! 』(1986年)
・『ツインビー3 ポコポコ大魔王』(1989年)
・『ツインビーだ!!』(1990年)

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
『ツインビー』ステージをクリアすると、ボーナスステージとして3Dの画面でベルを集めるゲームが始まるのですが……これは1987年にディスクシステム用で発売された『ファルシオン』が元ネタらしいです。ファミコン3Dシステムという立体視で3Dが楽しめる周辺機器に対応した数少ないゲームの一つだとか。
まったく知らないゲームでしたが、画像検索すると確かに似てますね……

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
前作『コナミワイワイワールド』にはなかった、横スクロールの「グラディウス」ステージもあります! コミカルになっているから、どちらかというと「パロディウス」か?
こちらもルート分岐で選べる2ステージ収録で、本家に比べれば難易度は抑えてあると思います。
-当時のシリーズ作品-
・『グラディウス』(1985年)
・『沙羅曼蛇』(1986年)
・『ライフフォース』(1987年)
・『グラディウス2』(1987年)
・『グラディウスII -GOFERの野望-』(1988年)
・『ゴーファーの野望 エピソードII』(1989年)
・『グラディウスIII -伝説から神話へ-』(1989年)
・『ネメシス』(1990年)
・『パロディウス ~タコは地球を救う~』(1988年)
・『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』(1990年)

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ルート分岐によって遊ぶことになるパズルステージは、1982年のアーケードゲーム『ガッタンゴットン』っぽいという話ですが……『ガッタンゴットン』はレールの上を列車が走るのをパネルを動かして脱線させないようにするゲームなので、全然ちがうゲームですね。
こちらは列車が風船を割らないように気をつけながら絵を揃えていくパズルゲームです。本家をそのまま持ってくると難易度が高くなりすぎるため、アレンジしたものを持ってきたのかな?
ちなみにこのステージのみ、ミスしてもゲームオーバーにならず、クリアすればご褒美がもらえる実質ボーナスゲームになっています。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
もう一つのルートを進むと、見下ろし型のレースゲームになります。
1987年のアーケードゲーム『シティボンバー』オマージュのステージらしく、こちらは確かに検索してみたら画面構成は似ていますね。システムはちょっとちがうみたいですが。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
パスワード画面は『クォース』(1989年)。
シューティングゲームのような操作をするパズルゲームですね。ウチの母親はほとんどゲームをやらなかったのだけど、ファミコン版『テトリス』と、この『クォース』と、スーファミの『ヨッシーのクッキー』だけ無茶苦茶遊んでいましたわー。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ルート分岐の際に、トランシーバーで仲間が連絡してくるところは『メタルギア』(1987年)っぽいですね。トラーシ―バーの形状は『メタルギア2 ソリッドスネーク』 (1990年)かなと思いますが。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
そして、最終決戦手前のステージは、なんと1981年のアーケードゲーム『フロッガー』オマージュです! 任天堂で言えば、『シェリフ』みたいなポジションのゲームじゃないですかね。往年の名作オマージュステージを超えて最終ステージに行くの熱すぎです。
ということで、「当時の大人気シリーズ」から「ちょっとマニアックな作品」、「往年の名作」まで幅広いネタを拾って1つのゲームに落とし込んでいるのです。
前作が「大人気キャラが集合する『スマッシュブラザーズ』」だとしたら、今作は「コナミゲームの歴史を一つにまとめた『メイド イン ワリオ』のナインボルトステージ」だと思うんですね。「キャラクター」ではなく「ゲーム」を集めたゲームなんです。
この時期、「一つのゲームに色んなミニゲーム」が入っている作品が増えていた時期ではあります。アドベンチャーゲームなのに様々なミニゲームが入っている『たけしの挑戦状』(1986年)や『さんまの名探偵』(1987年)、ボス戦がミニゲームな『ワギャンランド』(1989年)、原作のシチュエーションを再現する様々なミニゲームが入っている『ファミコンジャンプ 英雄列伝』(1989年)などなどなど……
この『ワイワイワールド2』がそれらの作品と大きくちがうのは、このゲームに入っているミニゲームには「原作のゲーム」があって、「コナミのゲームの歴史」を1本のソフトに集めているところです。これは上述の作品達とは大きくちがいますし、前作『コナミワイワイワールド』でもやっていなかったことです。
コナミヒーロー達が集結するゲームではなく、主人公のリックルがコナミヒーロー達に変身する設定も、「コナミのゲームの歴史」を再現していると考えると頷けますもんね。
そう考えると、やっぱりこのゲーム―――ゲームの歴史上初めて「1つのゲーム会社の歴史」を1本にまとめようとしたお祭りゲームとも言えて、もっともっと評価されるべき作品じゃないかと思うのです。
↓3↓
◇ 「1991年のファミコン市場」に合わせて絵がディフォルメに変更
とは言え、1作目に比べて2作目に「ガッカリだった」という人の理由は、「ジャンルの変更」とか「ミニゲームの多さ」とかじゃなくて、「こども向けになった」ことにガッカリしたんじゃないかと思うんですね。1作目のリアル頭身をやめて、2作目はみんな二頭身になってしまいましたからね。
例えば1作目が発売された1988年時点でメインターゲットだったであろう小学校高学年くらいのコからすれば、2作目が発売された1991年には中学生でしょうから、「こんなこどもっぽいものやってられるかよ」と思われたのかも知れません。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『コナミワイワイワールド』より引用>

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
個人的には、このディフォルメ絵があまり「原作を再現できていない」ことの方が気になるのですが……(ビルが黒髪なこととか)
しかし、この時期のファミコンはある程度「低年齢化」していて、こども向けのプラットフォームになっていたとも思うんですね。
この時期はもうスーパーファミコンが発売されている時期で、1990年12月には『アクトレイザー』や『ファイナルファイト』のような大人っぽいゲームがスーパーファミコン用に発売されていたんですね。「大人っぽいゲームはスーパーファミコンに移行」し、「こどもっぽいゲームはファミコンに残る」という棲み分けが出来ていた時期がしばらくは続いたと思うんです。
この時期のファミコン用ソフトで言えば、同じように「リアル頭身→ ディフォルメ頭身」へと移行した「くにおくん」シリーズが大人気でしたし。コナミも『悪魔城ドラキュラ』のスピンオフ作品として『ぼくドラキュラくん』を発売していました。「SDガンダム」系のコンテンツが人気で、『ナイトガンダム物語』のファミコン版が発売されていたのもこの時期ですし、『スーパーロボット大戦』が生まれたのもこの1991年です。
この時期のファミコン用ゲームは「ディフォルメ頭身」のものが多かったんですよ。
むしろ、市場に合わせた変化とも考えられます。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『くにおくんの時代劇だよ全員集合!』より引用>
また、ディフォルメ頭身になったからといってグラフィックの質が低下したワケではなく、オープニングやエンディングの映像などは1作目を遥かに凌駕するクオリティだったと思います。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ヒロインのハーブ姫も、「正統派ヒロイン」ってカンジで無茶苦茶可愛いし。
1作目のヒロインであるコナミレディも小さなドット絵ながら可愛く描かれています……これは3年後に『ときめきメモリアル』を出す会社なのも納得ですわ。

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
ちなみに、1作目のコナミレディはこれ↓ね。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『コナミワイワイワールド』のものを加工しました>
その後にステージ分岐のない「1面」「4面」「6面のレース」「8面」だけだと思うのですが、クリア後に1枚絵が出るのも好きです。こういう1枚絵があるだけでフンイキが大きく変わりますからね。ペン太、今回もオマエは戦わないのか……!

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
「こんなコミカルな見た目だけど難易度は激ムズ」みたいなゲームも世には多いですが、このゲームはオプションで残機を増やせるし、無限にコンティニューが出来るし、変身時はライフが減らないシステムなので、低年齢層でも比較的クリアしやすいゲームじゃないかと思います。
それがヌルイという人は、オプションで残機を増やさず、ウパの残機増やしを使わず、ビルのいない組み合わせを選ぶなどすれば難易度は上がると思うんで、これでノーコンクリアを目指すとかすればそれなりに歯応えがあるんじゃないでしょうか。私はゲームを遊んでいて一度たりとも「簡単すぎて不満」なんて思ったことがないんで、そんな人の気持ちは想像するしかないですけど。
◆ で、結局どういう人にオススメ?

<画像はWii Uバーチャルコンソール版『ワイワイワールド2』より引用>
1作目の『コナミワイワイワールド』も名作だと思うのですが、そこから3年経って「新旧のコナミゲームの歴史」をギュギュっと1本にまとめるようなゲームに変わっていて……「クロスオーバー作品」の歴史の中でもターニングポイントになる作品だと思うんですね。
本文の中にも書きましたが、1作目は「コナミのキャラクター」のオールスターが集まって同じ土俵の上で戦うという意味で、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ』に通じるゲームだと思うのですが。
2作目のこちらは「コナミのゲーム」の色んな要素を拾ってきて、1本の串に突き刺してまとめて食べさせてくれるという意味で、任天堂の『メイド イン ワリオ』のナインボルトステージに通じるゲームだと思います。
コナミ版の「ナインボルトステージ」を遊びたい人にオススメです!
あと、今回の記事ではあまり触れることが出来ませんでしたが、今作も「2人同時協力プレイ」が可能なのでオンラインプレイ対応版が出ないかって思っちゃうんですよねー。オンライン対応の『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』とかに出してくれませんかねぇ。むっちゃ盛り上がると思うし、再評価されると思うんですよ。
もちろん『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』みたいに、オンライン対応の全部入りコレクションみたいな形で発売してくれても嬉しいです! 『ワイワイワールド』や『ゴエモン』など、ファミコン・スーファミ時代のコナミの「2人同時協力プレイ」なゲームを集めるだけでも相当な量になるでしょうし。いや、いっそのこと「ワイワイワールドと原作のセット」で版権料を支払って『グーニーズ』や『キングコング2』も入れてくれれば……(無茶言うな)
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