
※ この記事は2018年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
ただ、今日の記事は「どういうテイストの作品なのか」は書かないとしょうがないので、そこも知りたくないという人は引き返すことを推奨します。
「機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)」11月劇場公開。ユニコーンの続編
ガンダムシリーズの新作として、『機動戦士ガンダムUC』の続編である『機動戦士ガンダム NT』が発表されました。が、私もそうですし、古参のガンダムファンが驚いたのはその発表とセットで紹介された「今後のシリーズ展開」についてです。そのスライドには『閃光のハサウェイ』の文字が……「劇場3部作」とも書かれているみたいですね。
自分のタイムラインでは、『ガンダムNT』以上に『閃光のハサウェイ』アニメ化の情報に「マジかよおおおおおお!」と大騒ぎになっていました。私もしばらくは驚いていましたが、冷静になってみると「なるほど」と思うところも多くて、今はかなり期待しています。なので、今日は「私がどうして『閃光のハサウェイ』のアニメ化に期待しているのか」を書こうと思います。
◇ そもそも『閃光のハサウェイ』ってどういう位置づけの作品?
このブログを読んでいる人の中には、「ガンダムシリーズ全然分からないから何を大騒ぎしているのかさっぱりだ」という人もいらっしゃるでしょうし、「最近ガンダムシリーズのファンになったけどこの小説の名前は聞いたこともない」という人もいらっしゃるでしょう。
なので、なるべく簡潔に分かりやすく「ガンダムシリーズにおいて『閃光のハサウェイ』がどういう作品なのか」を説明しようと思います。
まず、1979年4月~1980年1月に『機動戦士ガンダム』というテレビアニメが放送されます。シリーズ1作目であり、シリーズの原点です。舞台は宇宙世紀0079年。商業的な理由で打ち切りになってしまいますが、再放送やプラモデルなどで火がつき、1981年3月から劇場版3部作(テレビアニメに新規カットを加えて編集したもの)が公開されてヒットします。
その続編として1985年3月~1986年2月に放送されたのが『機動戦士Zガンダム』でした。舞台は、『ガンダム』で描かれた一年戦争の7年後となる宇宙世紀0087年です。「79年の7年後は86年では?」と思われた人もいるかもですが、年が変わるくらい長い戦いを描いていたということです。
主人公やヒロインは新キャラですが、「前作の7年後の世界」なので前作『ガンダム』のキャラも多数登場します。当時のファンからすると、「あのキャラが7年後にこうなったのかー」という驚きがあったんじゃないかなと思います。
その次が、1986年3月~1987年1月に放送された『機動戦士ガンダムΖΖ』で、舞台は『Zガンダム』直後の宇宙世紀0088年です。
こちらも主人公達メインキャラは新キャラですが、『Zガンダム』と地続きの話なので、『ガンダム』や『Zガンダム』のキャラも登場します。
そして、1988年に公開されたオリジナル劇場版アニメが『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』です。宇宙世紀0093年を舞台に、『ガンダム』1作目から続く因縁の最終決戦が描かれます。『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』のキャラが登場する……と言って構わないでしょう。
その次のオリジナル劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』は1991年3月に公開され、「シリーズの仕切り直し」として『逆襲のシャア』から30年後の宇宙世紀0123年を舞台にしているため、(設定上はさておき)前作までのキャラは一切登場しません。
宇宙世紀0096年を舞台にした『機動戦士ガンダムUC』が(小説版は2007年~、アニメ版は2010年~)出てきてからはちょっとややこしくなってしまいましたし、OVA作品の中にも『ガンダム』や『Zガンダム』のキャラがチラッと登場していたりもしますし、『THE ORIGIN』についてはもっと説明が面倒なんですけど……
基本的には、最初の『ガンダム』のキャラがしっかり登場する作品は『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』という4作品だけだったんですね。アニメとしては。
じゃあ、『閃光のハサウェイ』とは何なのかというと……
これは(今までは)アニメになっていない小説で、『逆襲のシャア』の公開と『F91』の公開の間の期間である1989年から1990年にかけて全3巻で刊行されました。書いているのは富野監督ご本人です。舞台となるのは『逆襲のシャア』の12年後となる、宇宙世紀0105年とされています(これについては後で触れたいと思います)。そして、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』に出てくるキャラが登場します。『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』のキャラが登場する最後の作品と言ってイイでしょう。
つまりですね……『ガンダム』のキャラが登場するアニメ作品は、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4作品で完結しているのかと思いきや。実はその後を描いた小説版がある―――“真なる完結編”みたいな立ち位置の作品だったんです。
ということで……アニメにはなっていないけど、ガンダムの年表の中では重要な立ち位置の作品である今作は、『Gジェネレーション』などのゲームにも登場したり、去年の2月に発売された『スーパーロボット大戦V』にも登場したりしていたんですね。
◇ ガンダムにおける「アニメ」と「小説」の差
しかし、実は厄介なこともあるのです。
『ガンダム』の作者と言えば、富野由悠季監督で。
そして、『閃光のハサウェイ』の小説を書いたのも富野由悠季さんです。監督自らが書いているのだから「公式」かというと、実はそうでもないのがややこしい。
例えば、最初の『機動戦士ガンダム』にも富野由悠季さん本人が書いた小説版があります。テレビアニメ放送のタイミングで発売されて大ヒットしたのですが、高年齢層に向けて書かれたものらしくて、設定からストーリー展開、物語の結末まで、アニメ版と全然ちがうそうなんですね。
「アニメの監督」も「小説を書いた人」も同じ人なのに、物語が全然ちがう……アニメは色んなしがらみによって例えばやられメカを出さなければならなかったなどの事情を考えれば、「小説版こそが富野さんが描きたかった本当のガンダム」と言えるのかも知れませんが、そちらを公式としちゃうと『Zガンダム』に話がつながらないという……(笑)。
なので、ガンダムシリーズの「公式」はアニメ版の方にあって、小説版は「非公式」扱いなんだと思います。確かサンライズ的には「アニメになったものが公式」だったはず。

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んで、この『閃光のハサウェイ』という小説に話を戻すのですが……
この小説、実は劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編ではなくて、『逆襲のシャア』の小説版の一つである『ベルトーチカ・チルドレン』の続編なんですね。そして、『逆襲のシャア』も劇場アニメ版と小説版では微妙に話がちがうのです。
『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”として読むと、「あれ?話がビミョーにちがくない??」となってしまうという。
「アニメになったものが公式」理論で言えば、『逆襲のシャア』の公式は劇場アニメ版ですから、『ベルトーチカ・チルドレン』は非公式で、その続編となる『閃光のハサウェイ』も非公式となってしまい……“真の完結編”と先ほどは書きましたが、実際には監督自らが書いたパラレルワールドでの非公式の後日譚というよく分からない立ち位置になってしまっているのです。
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
なので、ガンダムシリーズの「公式」はアニメ版の方にあって、小説版は「非公式」扱いなんだと思います。確かサンライズ的には「アニメになったものが公式」だったはず。

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んで、この『閃光のハサウェイ』という小説に話を戻すのですが……
この小説、実は劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編ではなくて、『逆襲のシャア』の小説版の一つである『ベルトーチカ・チルドレン』の続編なんですね。そして、『逆襲のシャア』も劇場アニメ版と小説版では微妙に話がちがうのです。
『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”として読むと、「あれ?話がビミョーにちがくない??」となってしまうという。
「アニメになったものが公式」理論で言えば、『逆襲のシャア』の公式は劇場アニメ版ですから、『ベルトーチカ・チルドレン』は非公式で、その続編となる『閃光のハサウェイ』も非公式となってしまい……“真の完結編”と先ほどは書きましたが、実際には監督自らが書いたパラレルワールドでの非公式の後日譚というよく分からない立ち位置になってしまっているのです。
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
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だからですね。
私が『閃光のハサウェイ』のアニメ化に期待するのはここなんです。
今までは非常に扱いづらい、ややこしい立ち位置の作品だった『閃光のハサウェイ』を―――サンライズが「公式」に、劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編として描き直してくれるのなら、今後ゲームなんかで登場する際にも分かりやすい位置についてくれるんじゃないかと思ったんです。
『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人からすると、「あの地味な話をアニメ化するの?」「あの暗い話をアニメ化するの?」といったカンジに“原作小説の忠実なアニメ化”を考えてしまうと思うのですが。そもそもの『ガンダム』のアニメ版と小説版が全然別物だったという話からすると、『閃光のハサウェイ』のアニメ版はもっと派手な話にしたり、もっと明るい話にしちゃってもイイと思うんですね。
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私が『閃光のハサウェイ』のアニメ化に期待するのはここなんです。
今までは非常に扱いづらい、ややこしい立ち位置の作品だった『閃光のハサウェイ』を―――サンライズが「公式」に、劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編として描き直してくれるのなら、今後ゲームなんかで登場する際にも分かりやすい位置についてくれるんじゃないかと思ったんです。
『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人からすると、「あの地味な話をアニメ化するの?」「あの暗い話をアニメ化するの?」といったカンジに“原作小説の忠実なアニメ化”を考えてしまうと思うのですが。そもそもの『ガンダム』のアニメ版と小説版が全然別物だったという話からすると、『閃光のハサウェイ』のアニメ版はもっと派手な話にしたり、もっと明るい話にしちゃってもイイと思うんですね。
新型MSをもっとたくさん出して、戦闘シーンも増やして、新キャラも出して、トップレスの女性キャラには服を着せて、結末だって変えちゃってもイイと思うんです。
……と言えるのは、私があんまり『閃光のハサウェイ』の小説版をあまり好きじゃなかったからかも知れませんね(笑)。
あの小説版が大好きな人は「改変するんじゃない!」と怒るかも知れませんが、私はそのメディアに合った作品に作り替えるのがメディアミックスだと思うので、大胆に変えちゃってもイイと思います。富野さんが許可してくれるのかは分かりませんが……
◇ 新たなシリーズ作品の中での『閃光のハサウェイ』
ここでもう一度、「今後のシリーズ展開」として発表されたスライドを貼っておきます。
新作として発表されているのは3本で……
・宇宙世紀0097年 『ガンダムNT』
・宇宙世紀0103年 『閃光のハサウェイ』
・宇宙世紀0104年 『ガンダムUC2(仮)』
この3本を「連続する世界観を持つシリーズとして打ち出す」と書かれています。そして、これが次世代のガンダムファンにとってのスタンダードになるように展開していくと読めます。
さて、ここで気づいたことがある人は鋭い。
『閃光のハサウェイ』の年表が宇宙世紀0103年になっているんですよ。先ほど私は『閃光のハサウェイ』小説版の舞台は宇宙世紀0105年だと書いたのですが……それが2年ほど前になっているのです。
実はこの『閃光のハサウェイ』の舞台が何年なのかは小説には記載されておらず、あらすじにも「宇宙世紀0100年代」としか書かれていません。「宇宙世紀0105年」と最初に書かれたのがいつかは分からないのですが、ネットで調べてみると1990年前後の雑誌に記載されて、後にいろんな年表に書かれるようになったとか。
なので、Wikipediaを始めとして多くの「ユーザーが作るWEB百科事典」系のサイトには「宇宙世紀0105年」と書かれているのですが……アニメ化される今度の『閃光のハサウェイ』は「宇宙世紀0103年」が舞台という。これが何を意味するのか。
また、今までは『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”のような立ち位置にされていた『閃光のハサウェイ』が、三作品の真ん中に置かれているというのも気になります。
『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われてきたのは、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”だと思われてきたからというのが主な理由だと私は思うんですね。富野アニメって、元々「暗い話」がたくさんあるじゃないですか。『ザンボット3』も『イデオン』も『ダンバイン』もムチャクチャ「暗い話」ですよ。
その中でも『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われるのは、『ガンダム』の頃から一緒に時をすごしてきた作中キャラの最後の物語がコレなのかってことだと思うんですね。リアルタイム世代からすると最初の『ガンダム』から『閃光のハサウェイ』は10年ですからね。
しかし、今回の発表では『閃光のハサウェイ』の後にもう1作品『UC2(仮)』という作品が作られることも発表されています。
仮に『閃光のハサウェイ』が小説版通りの「暗い話」だったとしても、その先の話があるのです。“真の完結編”ではもうないのです。「連続する世界観を持つシリーズ」と言われているくらいなんですから、『閃光のハサウェイ』のキャラが『UC2(仮)』に登場することもあるでしょう。『閃光のハサウェイ』での出来事が、『UC2(仮)』で「去年あんなことがあったよなー」と出てくる可能性もあるでしょう。
30年越しに、あの「暗い話」だった『閃光のハサウェイ』の後の話が描かれる―――というのは、実は『閃光のハサウェイ』のアニメ化以上に楽しみなことかも知れません。
また、「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描く「UC NexT 0100」シリーズとして展開されていくという話は、『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人にとってはニヤリと出来る表現だと思いますし……これからそうした時代の物語が埋められていくというのは楽しみでもあります。
更に、今回は『逆襲のシャア』の宇宙世紀0093年から『F91』の宇宙世紀0123年までの30年間に作品を作る余地が――――という話でしたが。「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描くんだったら、『F91』後の話だって今後描いていく可能性はありますよね?
とうとう『F92』が描かれる時が来るのか!?
(『ガンダムF92』とは、『ガンダムF91』の続編としてテレビアニメ化が企画されていたけど、『F91』がコケたため没になったと言われている幻の作品)
でも、マジメな話……『閃光のハサウェイ』以上にガンダムシリーズのゲームなどに出てくるけど、アニメ化されているワケではないから非公式扱いの『クロスボーン・ガンダム』なんかがどうなるのか気になりますね(『クロスボーン』の舞台は宇宙世紀0133年~)。
世論としては「『F91』の絵柄でアニメとして『クロスボーン・ガンダム』を作り直して欲しい」と言っている人が多いみたいですが……アレはあの絵柄で、漫画という媒体だから描けたものだと思うので、アニメ化しても成功しないんじゃないかと思うのだけど……そう思うのは、私が『閃光のハサウェイ』とちがって『クロスボーン・ガンダム』が大好きだからでしょうね(笑)。
今回の『NT』や『閃光のハサウェイ』はどちらかというと「大人の視聴者」を想定している作品じゃないかと思います(劇場公開ですしね)。しかし、次世代のガンダムファンを育てるのなら「子どもが楽しめるガンダム」を作らなければならず、『ビルドファイターズ』や『ビルドダイバーズ』がそれを担えれば良かったのですがそうなれているかは微妙な現状―――思いきって、「子どもが楽しめるガンダム」として『クロスボーン・ガンダム』を作るのも手かも知れませんけどね。
ほら、子どもにも大人気な「海賊もの」ですし!
『クロスボーン・ガンダム』の連載開始は1994年ですから、『ONE PIECE』の連載開始の1997年より前ですよ!むしろ『クロスボーン・ガンダム』の連載が終わったタイミングで、「海賊もの」の後釜として『ONE PIECE』が出てきたと言っても過言ではな……いや、それはさすがに過言だ!(笑)
しかし、『クロスボーン・ガンダム』を「子どもが楽しめるガンダム」としてアニメ化したとしたら、「実はその続編があるんだよ」と“真なる完結編”として『鋼鉄の7人』が読まれることとなってギャーーーーーとなりかねませんね。歴史は繰り返す!
……と言えるのは、私があんまり『閃光のハサウェイ』の小説版をあまり好きじゃなかったからかも知れませんね(笑)。
あの小説版が大好きな人は「改変するんじゃない!」と怒るかも知れませんが、私はそのメディアに合った作品に作り替えるのがメディアミックスだと思うので、大胆に変えちゃってもイイと思います。富野さんが許可してくれるのかは分かりませんが……
◇ 新たなシリーズ作品の中での『閃光のハサウェイ』
ここでもう一度、「今後のシリーズ展開」として発表されたスライドを貼っておきます。
新作として発表されているのは3本で……
・宇宙世紀0097年 『ガンダムNT』
・宇宙世紀0103年 『閃光のハサウェイ』
・宇宙世紀0104年 『ガンダムUC2(仮)』
この3本を「連続する世界観を持つシリーズとして打ち出す」と書かれています。そして、これが次世代のガンダムファンにとってのスタンダードになるように展開していくと読めます。
さて、ここで気づいたことがある人は鋭い。
『閃光のハサウェイ』の年表が宇宙世紀0103年になっているんですよ。先ほど私は『閃光のハサウェイ』小説版の舞台は宇宙世紀0105年だと書いたのですが……それが2年ほど前になっているのです。
実はこの『閃光のハサウェイ』の舞台が何年なのかは小説には記載されておらず、あらすじにも「宇宙世紀0100年代」としか書かれていません。「宇宙世紀0105年」と最初に書かれたのがいつかは分からないのですが、ネットで調べてみると1990年前後の雑誌に記載されて、後にいろんな年表に書かれるようになったとか。
なので、Wikipediaを始めとして多くの「ユーザーが作るWEB百科事典」系のサイトには「宇宙世紀0105年」と書かれているのですが……アニメ化される今度の『閃光のハサウェイ』は「宇宙世紀0103年」が舞台という。これが何を意味するのか。
また、今までは『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”のような立ち位置にされていた『閃光のハサウェイ』が、三作品の真ん中に置かれているというのも気になります。
『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われてきたのは、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”だと思われてきたからというのが主な理由だと私は思うんですね。富野アニメって、元々「暗い話」がたくさんあるじゃないですか。『ザンボット3』も『イデオン』も『ダンバイン』もムチャクチャ「暗い話」ですよ。
その中でも『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われるのは、『ガンダム』の頃から一緒に時をすごしてきた作中キャラの最後の物語がコレなのかってことだと思うんですね。リアルタイム世代からすると最初の『ガンダム』から『閃光のハサウェイ』は10年ですからね。
しかし、今回の発表では『閃光のハサウェイ』の後にもう1作品『UC2(仮)』という作品が作られることも発表されています。
仮に『閃光のハサウェイ』が小説版通りの「暗い話」だったとしても、その先の話があるのです。“真の完結編”ではもうないのです。「連続する世界観を持つシリーズ」と言われているくらいなんですから、『閃光のハサウェイ』のキャラが『UC2(仮)』に登場することもあるでしょう。『閃光のハサウェイ』での出来事が、『UC2(仮)』で「去年あんなことがあったよなー」と出てくる可能性もあるでしょう。
30年越しに、あの「暗い話」だった『閃光のハサウェイ』の後の話が描かれる―――というのは、実は『閃光のハサウェイ』のアニメ化以上に楽しみなことかも知れません。
また、「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描く「UC NexT 0100」シリーズとして展開されていくという話は、『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人にとってはニヤリと出来る表現だと思いますし……これからそうした時代の物語が埋められていくというのは楽しみでもあります。
更に、今回は『逆襲のシャア』の宇宙世紀0093年から『F91』の宇宙世紀0123年までの30年間に作品を作る余地が――――という話でしたが。「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描くんだったら、『F91』後の話だって今後描いていく可能性はありますよね?
とうとう『F92』が描かれる時が来るのか!?
(『ガンダムF92』とは、『ガンダムF91』の続編としてテレビアニメ化が企画されていたけど、『F91』がコケたため没になったと言われている幻の作品)
でも、マジメな話……『閃光のハサウェイ』以上にガンダムシリーズのゲームなどに出てくるけど、アニメ化されているワケではないから非公式扱いの『クロスボーン・ガンダム』なんかがどうなるのか気になりますね(『クロスボーン』の舞台は宇宙世紀0133年~)。
世論としては「『F91』の絵柄でアニメとして『クロスボーン・ガンダム』を作り直して欲しい」と言っている人が多いみたいですが……アレはあの絵柄で、漫画という媒体だから描けたものだと思うので、アニメ化しても成功しないんじゃないかと思うのだけど……そう思うのは、私が『閃光のハサウェイ』とちがって『クロスボーン・ガンダム』が大好きだからでしょうね(笑)。
今回の『NT』や『閃光のハサウェイ』はどちらかというと「大人の視聴者」を想定している作品じゃないかと思います(劇場公開ですしね)。しかし、次世代のガンダムファンを育てるのなら「子どもが楽しめるガンダム」を作らなければならず、『ビルドファイターズ』や『ビルドダイバーズ』がそれを担えれば良かったのですがそうなれているかは微妙な現状―――思いきって、「子どもが楽しめるガンダム」として『クロスボーン・ガンダム』を作るのも手かも知れませんけどね。
ほら、子どもにも大人気な「海賊もの」ですし!
『クロスボーン・ガンダム』の連載開始は1994年ですから、『ONE PIECE』の連載開始の1997年より前ですよ!むしろ『クロスボーン・ガンダム』の連載が終わったタイミングで、「海賊もの」の後釜として『ONE PIECE』が出てきたと言っても過言ではな……いや、それはさすがに過言だ!(笑)
しかし、『クロスボーン・ガンダム』を「子どもが楽しめるガンダム」としてアニメ化したとしたら、「実はその続編があるんだよ」と“真なる完結編”として『鋼鉄の7人』が読まれることとなってギャーーーーーとなりかねませんね。歴史は繰り返す!

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