今度こそ任天堂の次世代機「NX(開発コードネーム)」を大胆予想する!



※ この記事は2016年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です

 実質新年1発目の記事は、毎年「どうせお正月は誰もブログなんて読んでないんだから普段書いたら炎上しそうなことを書いちゃうぜえええ!」という記事を書くことにしています。ということで、今日は「NX(仮)」の予想について書こうと思います!!


 任天堂の次世代ゲーム機「NX(開発コードネーム)」を大胆予想する!

 昨年の7月に書いた記事です。
 「NX(仮)」を大胆予想するというタイトルでありながら何も予想していないというとてもふざけた記事で、悪ふざけのためにブログを書いている自分にとってはお気に入りの記事だったのですが……「ザ・YOSOU」を志す者として、それでイイのかという気もしたのです。「当たらない」のを恐れて無難なことばっか書いて(あれが?)イイのか、俺!

 ということで、「当たるかどうかよりも“そこに至るまでのロジック”を楽しませる」ために、敢えて死地に飛び込もうではなかろうかと今日の記事を書きます!でも、普段書くと炎上しそうなので、誰も読んでいないお正月にこっそり書くのだーーーーー!



0.NX(仮)って何?
 ひょっとしたらこの記事を読んでいる人の中には「NXって何?」という人もいるかも知れないので、ゲーム初心者の方にも分かりやすい「NX」の説明を数行で書こうと思います。

 任天堂という会社は、ファミコンとかゲームボーイとかニンテンドーDSのような「ゲーム機」と、そのゲーム機がないと遊べないマリオとかポケモンとか脳トレのような「ゲームソフト」を販売している会社でした。しかし、スマートフォンやタブレット端末が普及したことで「ゲーム機がなくても遊べるゲームソフト」が主流になっていきます。
 そこで任天堂は昨年、自分達もスマートフォンやタブレット端末に「ゲーム機がなくても遊べるゲームソフト」を展開すると発表しました。しかし、一方で「ゲーム機」を蔑ろにするのではなく、次世代ゲーム機も作っているんだとも発表しました。それが開発コードネーム「NX」です。

 現時点ではこの「NX」は、開発コードネーム以外ほぼ何も分かっていません。
 それをこの記事では「ザ・YOUSOU」してしまうのです!



1.NX(仮)は「WiiやWii Uの後継機ではない」

 任天堂NXの名前の由来を社長も知らない? 君島社長、次期ゲーム機はWii Uの後継ではないと語る

 これは昨年12月に任天堂の現社長・君島達己さんが『TIME』の取材を受けたものの要約記事でした。2025年現在では削除されていますが、原文はまだ読めます。それによると「Wii→Wii Uへユーザーを移行させること」が上手く行かなかった反省から、NX(仮)はそうした連続性に続くものにはしないみたいです。
 それと同じようなことは前社長の岩田さんも質疑応答で仰っていました(A5)。“ニンテンドー3DSまたはWii Uを「単純に置き換える」という考え方はしていません”とのことです。
 余談ですが、岩田さんの社長説明や質疑応答は、その時には意味が分からなくても数年後に読むと「最近発売されたコレのことを言っていたのか!」と分かるものが多いので、2~3年くらい前のを読み返すとすごく面白いのでオススメ。


 閑話休題。
 「WiiやWii Uの後継機ではない」と言って、「DSや3DSの後継機です」という意味だったらどうしようかと思うのですが(笑)。
 ゲームファンならばこれらの発言で「ニンテンドーDS」を思い出した人も多かったと思います。当時の任天堂の据置ゲーム機は「ゲームキューブ」、携帯ゲーム機は「ゲームボーイアドバンス」で、それに続く第3の柱として「ニンテンドーDS」は発表されました。
 しかし、「ニンテンドーDS」は「ゲームボーイアドバンス」との互換機能を持ち、「ゲームボーイアドバンス」の市場もあっという間に飲み込み、最終的には「ゲームボーイアドバンスの後継機」のポジションに収まりましたし、どうも元々「ゲームボーイアドバンス」の後継機として企画されていた商品も「ニンテンドーDS」に吸収されていたみたいです(この社長が訊く参照)。
 「ニンテンドーDSはゲームボーイアドバンスの後継機ではない」というのは、「ゲームボーイアドバンスの市場を引き継ぐものではない」という意味ではなく、「ゲームボーイアドバンスとは全然違うゲーム機になるよ」くらいの意味だったのだと今なら分かります。

 同様に「NX(仮)はWiiやWii Uの後継機ではない」というのは、「WiiやWii Uの市場を引き継ぐものではない」というよりかは「名前が変わるよ」くらいの意味じゃないかなぁと思うのです。ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスと引き継いできた名前を捨てた「ニンテンドーDS」みたいな。


 というのも……「ニンテンドーDS→ニンテンドー3DS」の時なんかは、何度説明してもウチの母は「3D(立体視)使わない人は、前のDSでも3DSのソフト遊べるんでしょ?」と言い続けていましたし。「Wii→Wii U」の時も、「あのデカイコントローラ(Wii Uゲームパッド)買ってくればWiiでもWii Uのソフト遊べるんでしょ?」と言っている人がいたみたいですし。

 名前を引き継ぐと「違う商品だ」ということが分からない層がいるし、任天堂がDSやWiiを売った相手はそういう人達だったんですね。名前を引き継いだ方がそうした人達も引き継げるかと思いきや、逆効果になってしまった――――「後継機ではない」というのは、その反省から「違う商品だと分かる名前にする」という意味だと予想します。

予想1.「Wii ○○」みたいな名前にはならない!




2.携帯機か?据置機か?
 すんごい今、「そりゃそうだろ!」って声が全国から聴こえたような……(笑)。

 「NX(仮)」に関しては、まだ携帯機か据置機かも分かりませんが、「その融合」もしくは「その中間」と予想している人が多いんじゃないかと思います。
 というのも、任天堂は2013年にそれまでバラバラだった携帯ゲーム機の開発チームと据置ゲーム機の開発チームを統合しているからです。これについて、2014年1月の「経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会」質疑応答(A5)で岩田さんが仰っていることを引用させていただきます。

<以下、引用>
 任天堂は昨年(※ 2013年)、開発組織を再編し、今まで独立していた携帯ゲーム機とコンソールゲーム機のチームを一つの部門にして、今、竹田の下にあります。
 これまでは(携帯ゲーム機とコンソールゲーム機は)バラバラにつくる必要があり、携帯型ゲーム機で使える技術とコンソールゲーム機で使える技術というのは、「電池で動くか」、「電源をいつでも供給できるか」で、技術的に大きな違いがあった関係で、全くアーキテクチャーが異なります。アーキテクチャーが異なるということは、コンピューターのソフトのつくり方の作法が違うということです。
 ところが、かなり技術が進歩し、両者の考え方をかなり揃えられるメドが立ってきましたので、「チームを統合するのは今ではないか」ということを話し合って、そのようにしました。

 それができると何ができるかといいますと、例えば今、Wiiで動いていたソフトをニンテンドー3DSに載せようとすると、解像度が違うだけではなく、ソフトのつくり方の作法が全部違って、かなりの労力がかかります。また、ニンテンドー3DSで動いていたものをWii Uで動かそうとすると、またかなりの労力がかかります。
 もしソフトをあるプラットフォームから別のプラットフォームに簡単に載せることができていたら、(ハード発売後の)序盤のソフト不足という問題をどれほど解決できるでしょうか。世代をまたぐときにも、これまでは技術の進歩の段階が非常に激しかった関係で、コストの制約の中でビデオゲームに最適な技術を選ぶと、毎回ハード自体が全く違うものになりました。全く違わなかったのは、ゲームキューブからWiiに行ったときだけです。ゲームキューブからWiiは、ある意味コントローラーは全面的に変えましたが、コンピューターやグラフィックチップは、かなり共通の考え方でつくりましたのでスムーズでしたが、それ以外のハードは全部ゼロからつくり直しの状態でした。
 ただ、今は、もうそのようなことをしなくてもできるだけの前提が整ったのではないかと思います。ですから、その意味で言いますと、この次にハードをご提案するときからになりますが、そこでは「Wii Uでやってきたことをいかに的確に活かすか」ということがポイントになります。これはWii Uと全く同じアーキテクチャーにするという意味ではなくて、十分に吸収できるだけの仕組みをつくり上げるという意味ですが、一旦そうなりますと、コンソール機と携帯機というのは全く別々の二つのものではなくて、もっと近い兄弟のような存在になると思います。

 ただ、フォームファクター(ハードウェアの大きさや形状)が一つになるかどうかは、私は分かりません。逆に増えるかもしれません。といいますのは、今(プラットフォームが)二つで限界なのは、アーキテクチャーが三つ四つにもなったら、それこそどのプラットフォームもソフト不足になってしまうからです。
 例を挙げますと、アップルさんがいろいろなフォームファクターのスマートデバイスをどんどん出せる大きな理由は、一つのソフトの書き方の作法が全部のプラットフォームに適応できるようになっているからです。アップルさんの場合は共通のiOSというプラットフォームがあります。また、Androidのたくさんの機種があっても、ソフトの供給にみなさん困られないのは、Androidという共通のプラットフォームの(ソフトの)書き方でいろいろな機種で動くからです。

 よって、「任天堂のプラットフォームもそうならねばならない」ということが一番大きなポイントです。ハードが1種類になるかどうかは未来の要求次第ですし、分かりませんが、少なくとも「ソフトを一個一個のプラットフォームに向けてバラバラにつくっていく」、あるいは「プラットフォームの乗り換えのたびに大騒ぎが起きて、いつもプラットフォームの序盤でお客様に『品揃えが足りない』と感じさせてしまう」状況を今後はどうしてもなくしたいという思いでやっていますし、その成果はおそらくこれからお見せできるのではないかと思います。

</ここまで>
※ 改行・強調・注釈などは引用者が行いました

 長めの引用になって申し訳ございません。
 しかし、この話は「一行も無駄な部分がない」と思ったので、一言一句省略することなく全てを引っ張らせていただきました。というか、これが今日の答えじゃないのかなぁ。「ザ・YOSOU」も何も、もうこれ以上書くことなくないですかね?「NX」なんて言葉が出てくるよりも1年以上前の2014年1月に全て書いてあったんじゃないかと思うのです。


 1年前の私は、「3DSの次の携帯ゲーム機」はPSPのようにテレビに接続できることで、任天堂の据置ゲーム機が出なくなるんじゃないかと予想していました。
 また、「NX(仮)」の予想として、「Wii Uのゲームパッドだけをそのまま外に持ち出して携帯ゲーム機として遊べるもの」というのもよく見かけます。それはとても魅力的ですし、例えばみんなでゲームパッドを持ち寄って『Splatoon』のオフライン4人協力プレイなんて出来たらとても楽しそうだと思います。でも、高くなりますよね?Wii U本体の価格+ゲームパッドを携帯機にする価格=本体価格が4万円くらいになっちゃいそうです。「5歳から95歳」を対称にする任天堂としては、それは避けたいんじゃないかと思います。


 結論を言っちゃうと、現在の私は「NX(仮)」というゲーム機は「NX携帯」と「NX据置」の2バージョンが出ると予想しています。
 先に引用した2014年1月の岩田さんの話に、「iOS」や「Android」が出てきました。例えばiOSは、iPhone、iPod touch、iPad、Apple TVといった複数のデバイスに採用されています。そんな風に「NX」もnxOSとして「NX携帯」と「NX据置」といった複数のデバイスに採用され、基本的には同じソフトが発売されるんじゃないかと予想しています。

 そうすることで、任天堂が今世代で抱えていた「3DSとWii Uの両方にソフトを出さなきゃいけないからリソースが足りない」「サードは3DSにはソフト出してくれるけどWii Uには出してくれない」といった問題も解決できますし、ユーザーに対しても「携帯機で遊びたい人」と「据置機で遊びたい人」の両方のユーザーをカバー出来ます。

 再び、2015年5月の決算説明会での質疑応答(A5)から岩田さんの発言を引用させていただきます。

<以下、引用>
 「ホームコンソールとポータブルという考え方」というお話が質問に含まれていましたが、ゲーム専用機の遊ばれ方というのは、日本と海外ではずいぶん状況が分化してきています。地域ごとに異なるお客様のゲームプレイ環境も含めて、「私たちはどういうものをご提案したら世界中のお客様に受け入れていただけるだろうか」ということを考え「新しいコンセプトのゲーム機(※ NXのこと)を出したい」ということが今日申し上げられることの全てです。
</ここまで>
※ 改行・強調・注釈は引用者が行いました

 現在の日本は言うまでもなく、「携帯機>据置機」の市場になっています。
 しかし、海外はまだまだ「携帯機<据置機」の市場になっています。

 サードメーカーからすると二分してしまった市場のどちらか片方にしかソフトを供給できないし、任天堂からすると両方にソフトを出さなくちゃいけないから人手が足りないし、何よりユーザーも「携帯機」と「据置機」で二分されてしまっている状態です。
 『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』も「Wii Uを持っていないから3DSで出して欲しい」「Wii Uばっかり贔屓して任天堂は3DSユーザーを見捨てたんだ」と言っている人がいましたし、そういう声に応えた『スマブラ』の3DSとWii Uの二機種同時展開という力技もありましたが……「NX携帯」と「NX据置」の二機種を同時に出してソフトを統一すれば、そうした問題も起こらなくなります。

 他メーカーで言えば、プレイステーションVitaはPS3やPS4とのマルチが多いのでそれに近いとも言えますが、PS3やPS4の全てのソフトがVitaで遊べるワケではないので……NX(仮)は、全てのソフトが携帯機でも据置機でも遊べることを目指した「究極の横マルチ」のゲーム機になると予想しておきます。

 価格は「NX携帯」が2万円前後、「NX据置」が3万円前後で、片方だけ持っていても遊べるけど、両方持っていると「Wii Uゲームパッド」みたいな使い方が出来る―――ってカンジと予想します。2万円前後は相当血反吐まみれな価格っすけど。

予想2.NX(仮)は「NX携帯」と「NX据置」の二機種が出て、基本的にソフトは両方に対応する




3.「後方互換」と「次々世代機への引継ぎ」は?
 ほら、お正月以外に書いたら炎上しそうな予想でしょ?(笑)

 2014年の1月の岩田さんは、「据置機も携帯機もアーキテクチャーを統合する」ということは今までのように据置機を1機種・携帯機を1機種という制限に縛られなくなるので、機種を幾つ出すかは“未来の要求次第”になると仰っていました。つまり、「携帯機は恐らく求められている」けど、「据置機が求められているのか」どうかは分かりませんし、nxOS搭載のスマートフォンやタブレット端末を出せば喜ばれるのか、QOLにも採用するのか―――「お客様の需要次第」でどれだけの機種を出すのかはまだ分からないと仰っていたのですね。

 しかし、私はシンプルに「NX携帯」と「NX据置」の二機種のゲーム機に限定して発売するんじゃないかと予想しています。というのも、スマートフォンやタブレット端末の世界は毎年のように新機種が出て、OSもアップデートされて、二年前の機種を使っていたら始まったサービスが対応していなかったみたいなこともある世界です。

 ゲーム機の世界で同じことは出来ません。
 例えば、2016年に発売した「NX携帯」では2019年に発売したNX(仮)用のソフトが遊べなかった―――みたいなことは許されないワケです。まぁ……最近出た3DSのソフトをノーマル3DSで遊ぶと「new3DSだったら○○の機能が使えたのに」と言われるみたいなことが話題になっていましたけどね……逆に言えば、それが問題になるくらいゲーム機の世界では敬遠されていることなんです。

 なので、私は「NX(仮)」のOSでスマートフォンやタブレット端末を出すことはないんじゃないかと考えています。



 しかし、では「次々世代機はどうなるの?」という話。
 気が早すぎるにも程がありますが、「NX(仮)2」はどういう形になるのでしょうか。先に引用した2014年1月の「経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会」質疑応答(A5)の中から、一部分だけを抜粋したものを再びどうぞ。先ほどとは改行・強調している部分を変えました。

<以下、引用>
 もしソフトをあるプラットフォームから別のプラットフォームに簡単に載せることができていたら、(ハード発売後の)序盤のソフト不足という問題をどれほど解決できるでしょうか。

 世代をまたぐときにも、これまでは技術の進歩の段階が非常に激しかった関係で、コストの制約の中でビデオゲームに最適な技術を選ぶと、毎回ハード自体が全く違うものになりました。全く違わなかったのは、ゲームキューブからWiiに行ったときだけです。ゲームキューブからWiiは、ある意味コントローラーは全面的に変えましたが、コンピューターやグラフィックチップは、かなり共通の考え方でつくりましたのでスムーズでしたが、それ以外のハードは全部ゼロからつくり直しの状態でした。
 ただ、今は、もうそのようなことをしなくてもできるだけの前提が整ったのではないかと思います。ですから、その意味で言いますと、この次にハードをご提案するときからになりますが(※ NXのこと)、そこでは「Wii Uでやってきたことをいかに的確に活かすか」ということがポイントになります。これはWii Uと全く同じアーキテクチャーにするという意味ではなくて、十分に吸収できるだけの仕組みをつくり上げるという意味ですが、一旦そうなりますと、コンソール機と携帯機というのは全く別々の二つのものではなくて、もっと近い兄弟のような存在になると思います。

(中略)

 よって、「任天堂のプラットフォームもそうならねばならない(※ iOSやAndroidのように)」ということが一番大きなポイントです。ハードが1種類になるかどうかは未来の要求次第ですし、分かりませんが、少なくとも「ソフトを一個一個のプラットフォームに向けてバラバラにつくっていく」、あるいは「プラットフォームの乗り換えのたびに大騒ぎが起きて、いつもプラットフォームの序盤でお客様に『品揃えが足りない』と感じさせてしまう」状況を今後はどうしてもなくしたいという思いでやっていますし、その成果はおそらくこれからお見せできるのではないかと思います。

</ここまで>
※ 改行・強調・注釈などは引用者が行いました


 任天堂がゲーム機事業を続ける限り、今後しばらくは「nxOS」をベースにして、「ゲームキューブ→Wii」の時のようにコンピューターの中身は根本的には変えず、コントローラのような“入力装置”やモニターのような“出力装置”を変えることで世代を切り替える方針にするのかなぁと思います。
 極端な話をすると、「3D(立体視)使わない人は、前のDSでも3DSのソフト遊べるんでしょ?」とか「あのデカイコントローラ(Wii Uゲームパッド)買ってくればWiiでもWii Uのソフト遊べるんでしょ?」くらいのことを、NX(仮)以後の任天堂のゲーム機では出来るようにするんじゃないのかと予想します。

 そうすることによって「次世代機が出る度にゲーム開発者がまた一から勉強し直さなければならない」みたいな状況も避けられますし、ロンチからたくさんのソフトが揃う状況になりますしね。



 さて、気になる話がもう一つ。
 2014年1月の岩田さんの話だと、「Wii U→NX(仮)」の移行もそうしたいみたいですね。NX(仮)はWii Uを十分に吸収できるだけの仕組みをつくり上げる―――つまり、nxOSのゲーム機は「NX携帯」も「NX据置」もWii Uのソフトがそのまま遊べる……?

 「そのまま遊べる」というのは言いすぎだとしても、Wii U→ NX(仮)への移植は比較的簡単で、ロンチは「Wii Uとのマルチ展開」もしくは「Wii U用に開発していたものをNX(仮)用にシフトさせたもの」がズラッと並ぶのかなぁと思います。そう考えると、昨年のE3で2016年以降に発売されるWii U用ソフトをろくに紹介しなかった狙いも分かりますしね。

 同じようなことは「ゲームキューブ→Wii」の時にもあって、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』はゲームキューブ版とWii版が同時期発売になり、 『スーパーペーパーマリオ』『ドンキーコング たるジェットレース』『アイシールド21』はゲームキューブ用からWii用に変更されました。
 「Wii U→NX(仮)」も同様に、『ゼルダの伝説』最新作や『どうぶつの森』最新作などがWii U版とNX(仮)版の同時発売になったり、Wii U専用に発売していた『スマブラ for Wii U』や『Splatoon』の移植版や続編が出たりするんじゃないかなと予想しています。


 もちろん、Wiiは『Wii Sports』があったからこそヒットしたのですから、NX(仮)がWii U用とのマルチのソフトをたくさん揃えたところで「じゃあWii Uで十分じゃん」ってなっちゃうので、NX(仮)ならではのソフトを幾つ見せられるか次第なんですけどね。

 個人的には4年半前に買った3DSが調子悪げでnew3DSに買い換えるか悩んでいるので、「3DSとの互換機能はあるのか」が気になるのですが……アーキテクチャの統合の話に全く出てきていないということはこちらは可能性は低そうですかねぇ。

予想3.Wii Uソフトは互換もしくは移植の容易さでNX(仮)でも遊べ、NX(仮)2はNX(仮)ソフトと同様に開発できるようになる





4.サードメーカーはソフトを出すのだろうか?
 「ザ・YOSOU」に「ザ・YOSOU」を重ねて、更に上から「ザ・YOSOU」しているので高度な脳トレをしているような不思議な気分になってきました。


 少しクールダウンしましょう。
 私の脳内ではもうすっかり「NX(仮)」が発売されて、「NX(仮)2」のロンチの心配までし始めていましたが、「NX(仮)」というゲーム機はまだソフトがほぼ発表されていないゲーム機です。先ほど書いた『ゼルダ』や『どうぶつの森』も、あくまで「ザ・YOSOU」に過ぎません。

 唯一の例外は『ドラゴンクエスト』シリーズです。
 様々な機種で発売されているオンライン専用RPG『ドラゴンクエスト10』と、3DSとPS4のマルチ展開が発表されているオフラインのRPG『ドラゴンクエスト11』が、「開発を検討している」とのことです。

 これ自体はまだ「開発を検討している」としか言われていないので、「開発してみたらダメそうなんでやめまーす」と言い出す可能性だってゼロではないのですが、この記事で私が注目するのは「検討される」くらいはしてもらえるんだということです。Wii Uは検討もされていないのに。


 はてさて。任天堂のゲーム機の歴史を考えると、特に据置ゲーム機は、実は「サードメーカーに如何にして擦り寄るのか」という歴史でもあるのです。どうすればサードメーカーがソフトを出してくれますかということが、任天堂にとっても重要なんですね。

 それは、NINTENDO64が高性能でありながら「ソフトの開発がとても難しい」上に「ROMカセットを採用したことで大容量ムービーなどを載せられなかった」ことで、サードメーカーが集まったプレイステーションにシェア争いで敗北したところから始まったと思います。

 続くゲームキューブはその反省から、「ソフトの開発がしやすい」上に「ディスクメディアを採用」したゲーム機になり、サードメーカーのソフトを集めようとしました。その結果、カプコンから『バイオハザード4』、ナムコから『テイルズ オブ シンフォニア』、スクウェア・エニックスから『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(発売は任天堂)などが出ました。
 ですが、ゲームキューブはプレイステーション2の発売から1年半後という遅すぎる発売で、ゲームキューブが市場に出た頃にはもう勝負が決していた印象です。プレイステーション2は世界の出荷台数が既に1000万台を超えて、2000万台に迫り、『FF10』も発売された時期です。サードメーカーからゲームキューブ用に発売された『バイオハザード4』や『テイルズ オブ シンフォニア』も、後にプレイステーション2用に移植されてしまいました。

 そこでWiiは方向を転換し、性能ではなくWiiリモコンという新しいデバイスで勝負することで発売時期を前倒しにして、プレイステーション3とほぼ同時期に発売することに踏み切りました。また、Wii初期の頃に当時の岩田社長は繰り返し「Wiiは最初はサードメーカーに期待されていなかったが、本体が普及すれば必ずサードメーカーはソフトを出してくれる」と仰っていました。確かに、本体発売から3年後の2009年にはカプコンから『モンスターハンター3』、バンダイナムコから『テイルズ オブ グレイセス』、コーエーから『戦国無双3』などが発売されました。
 しかし、2010年以降はピタリとサードメーカーがソフトを出さなくなります。性能を捨てたWiiはSDグラフィックしか出力できませんし、「PS3やXbox360のマルチ」に対応できません。また、マルチ展開を考えると、独自デバイスのWiiリモコンは枷になります。結果的に、Wiiはあれだけ普及したのにも関わらずサードメーカーから見捨られたゲーム機という特異な存在になったのです。

 それ故にWii UはWii路線をぶったぎり、HDグラフィックに対応しただけでなく、シンプルなボタン配置のWii Uゲームパッドをメインコントローラにしました。ゲームパッドの独自要素は特に使う必要もなく、「テレビ画面を使わずゲームパッドの画面にも出力できる」という部分で差別化をはかろうとしました。
 しかし、結果は大惨敗で、任天堂のゲーム機の歴史の中で最も普及しなかったゲーム機になりそうな状況です(バーチャルボーイとかは商品の狙いが違うので除きます)。「PS4・XboxOne・PC」は“それほど違いがない”と言われましたが、それ故にマルチ展開がしやすく海外市場の多くのソフトが「PS4・XboxOne・PC」の三機種同時発売になり、マルチ展開がしにくいWii Uはすっかり省かれる有様です。



 この歴史の流れからすると、NX(仮)は「マルチ展開から省かれるWii U」の反省から、マルチ展開のしやすいゲーム機になると予想できます。『ドラクエ10』『ドラクエ11』が「開発を検討している」と早い段階から言われていたのは、恐らくマルチ展開のしやすいゲーム機だからではないかと思うのです。

 ただ、それだけだと「既にPS4が普及している海外市場」でわざわざNX(仮)なんざ買う人はいないでしょうし、そもそもPS4とマルチ展開するソフトを「NX携帯」で動かすなんてことを目指したら、端末はお幾らになるんですかって話になるんですよね……Wii UのゲームソフトもPS4のゲームソフトも遊べる携帯ゲーム機だったら、そりゃすごいですけど、夢物語でしかなさそうですし。

 そう考えると……「NX携帯」と「NX据置」は必ずしも全てのゲームソフトが両方の機種で動くワケではなくて、「ゲームボーイカラー専用」「DSi専用」「new3DS専用」みたいに(「NX携帯」では動かない)「NX据置専用」のソフトも出るってのが現実的な路線ですかねぇ。

予想4.サードメーカーのためにマルチ展開がしやすいゲーム機になるが、携帯機でそれが実現できるとは思えない



5.「まだ他が活用していない技術」とは?
 昨年7月の記事では、私はこんなことを書いていました。

<以下、引用>
 もうその記事は会員以外は読めなくなっちゃったのでリンクは貼らないんですけど……今年(※ 2015年)の3月に掲載された「日経ビジネスオンライン」のインタビュー記事で岩田さんは、DSはタッチパネル、Wiiは加速度センサーを「この技術を使えばこんなことが出来ますよ」と提案したことで、それが今のスマホに繋がっているというようなことを仰っていました。そして、「NX」で提案することも同じように「まだ他が活用していない技術の活用」になるだろうというニュアンスの話でした。
</ここまで>
※ 改行・強調・注釈などは引用者が行いました

 NX(仮)がどういうゲーム機になるのかの「ザ・YOSOU」のポイントとしては三点。

・(昨年3月の時点では)スマホ等ではまだ活用されていない技術
・それをゲームに使うことで「こんな使い道があるのか!」と思わせられる
・その結果、その技術も後にスマホ等にも活用されるようになるだろう

 「スマホ等ではまだ活用されていない技術」を考えると“3G”とかではありませんし、「後にスマホ等にも活用されるようになる」を考えると“物理ボタン”でもないと思うんですね。また、ゲームへの活用を考えるとある程度の汎用性が求められるので、“バイタリティセンサー”でもないと思います。


 これらの条件から考えると……「ありえそう」なのは、数年前から話題になっているコレ辺りかなぁと予想しています。

 Tactus、タッチパネルにボタンを浮き上がらせる技術を解説

 物理ボタンのないタッチパネルに、擬似的に物理ボタンを作り出す技術です。私なんかがよくぼやいている「スマホのバーチャルパッドは指先にボタンの感覚がないから、ちっとも思ったように操作できない」問題もこれで解決できますね。
 これをゲーム機に採用すると「ゲームソフトによってボタン配置を変えることが出来る」のが面白そう。ファミコンのバーチャルコンソールを遊ぶ場合はA・Bボタンの2つが浮かび上がって、メガドライブのバーチャルコンソールを遊ぶ場合はA・B・Cボタンの3つが浮かび上がって、スーファミのバーチャルコンソールを遊ぶ場合はA・B・X・Yボタンの4つが浮かび上がるとかね。クラシックコントローラで十分な気もするけど(笑)。

 フリーフォームディスプレイを採用するコントローラ型デバイス、任天堂の興味深い特許情報が公開に

 あくまで申請特許の段階なのでこれが商品になるというワケではありませんが、「左右のアナログスティック」と「LRボタン」以外は全てディスプレイになっていて「タッチパネル」にもなっているこの特許―――「タッチパネルにボタンを浮き上がらせる技術」と組み合わせると面白そうですよね。『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』みたいなゲームもたくさん出てきそう!二クラス、準備運動しておいてくれ!!

 ただ、まぁ……この技術、コストが結構かかりそうな気がしますし、何より「耐久力」が大丈夫なのかって不安ですよね。DSがタッチパネルを採用したときも「耐久力は大丈夫?」と不安でしたけど、タッチパネルは当時既にATMなどでは活用されていた「枯れた技術の水平思考」でしたからね。こちらの技術は(恐らく)それほど実用化されているワケではないでしょうから、不安要素はたくさんあります。

予想5.「スマホがまだ活用していないけどこれからスマホが活用する技術」として、タッチパネルの進化がされると予想!



【とてもよく分かる三行まとめ】
・NXはnxOSを採用した「携帯ゲーム機」と「据置ゲーム機」の二機種が出る
・Wii Uのソフトが移植しやすく、「PS4・XboxOne・PC」とのマルチ展開もしやすい
・「進化したタッチパネル」が新しいゲーム体験を提案する



 えーっと……一応言っておきますけど、この記事はあくまで「予想」ですからね。繰り返しますが、NX(仮)について正式に発表されているのは「開発コードネーム」だけです。それ以外は全て私の「予想」です。
 しかし、例えば「ザ・YOSOU」の提唱者であるたわわちゃんさんは2012年の紅白歌合戦に初音ミクが出ると予想していました。その予想自体は的中しませんでしたが、2016年に生きている私達は「小林幸子さんがボーカロイドになった上に、初音ミクを代表する人気曲『千本桜』を2015年の紅白歌合戦で歌った」ことを知っています。

 現実は「予想」を上回る面白いことが起こるものですし、逆に言えば「予想を上回ることが起こった!」と言えるのは予想をしていたからです。たわわちゃんさんに限らず初音ミクの紅白出場を予想していた人達がいたからこそ、小林幸子さんの『千本桜』の意味が増したのです。私達は未来の礎になるために「予想」をしているのですよ!!



 まぁ……私、紅白歌合戦を観たことがないんですけどね……
 年越しは何時間もぶっ続けで『幻影異聞録♯FE』をプレイしていました。「タッチパネルにボタンを浮き上がらせる技術」を上手く使えば、ディスプレイ上のチキのおっぱいを浮き上がらせてさわさわすることも出来るんだよなぁと思いついたことをここに記して終わらせたいと思います。

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