※ PVは総集編映画のものです
※ この記事は2014年と2015年に旧ブログに書かれた2つの記事を、幾つか手直しした上で1つの記事に統合して2025年に移行した記事です
またこの時期がやってきましたよ!
3ヶ月に1回、3ヶ月視聴し続けたアニメの感想ツイートをまとめる記事です。今季は5作品だーっ!生き残ることが出来るだろうか……
<ルール>
・1話から13話までの感想ツイートを貼り付け
・“13話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に13話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな
【第1話「謎のモビルスーツ」】
『Gのレコンギスタ』第1話視聴。イイねぇ、イイねぇ、ワクワクするねぇ。底抜けに明るいキャラクター達に、たくさんの人物がワイワイと動き回る贅沢な絵作り、楽しげなBGMも相まって「物語が始まる!」という高揚感が素晴らしい。その上で世界設定の説明も巧みに済ませておいて完璧な第1話だ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 4
『Gのレコンギスタ』第1話その2。途中まで「何か……クロスボーンと同じ始まりだな…」と思って観ていたけど、こっちはあっさりとガンダム機が敗れるというw 明るい世界観の中にも何やら不穏な伏線もあって先が気になるスタートだ。台詞回しや演技も富野作品らしいソレの中に美菜子いるのが新鮮w
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 4
文字数の関係で、寿美菜子さんを呼び捨てにしていることをお許しください。さてさて、第1話です。10数年ぶりの富野監督のテレビアニメということもあって、期待と不安が入り混じった中で観始めたのですが……とりあえず「楽しい!」「でもちゃんと富野作品だ!」という二つが両立していて嬉しかったのを覚えています。
【第2話「G-セルフ起動!」】
『Gのレコンギスタ』第2話視聴。『ターンエー』ほどではないけれど牧歌的な世界観に、アニメ的なアクションで動きまくるキャラクター達に魅了されて、それでもそこに来る突然の「相手を撃ち殺す」という現実にガツンと来て「名作キタコレ!」とテンション上がりまくった直後に超笑顔のEDなにこれw
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 4
『Gのレコンギスタ』第2話その2。でもやっぱ面白えーなぁ。ガンダム1話を彷彿とさせる「日常世界が戦場になるリアリティ」が満載だったし、アイーダの叫びはイセリナの話を思い出す。底抜けに明るい話かと思いきや、やっぱその辺は押さえているのね。ルイン先輩が好きなキャラだったがED見ると…
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 4
『Gのレコンギスタ』第2話その3。声優ファンに関して御大がどーのこーの言ったなんて話が以前流れてきてたけど、主人公以外は普通に人気声優さん達だねw 女性陣4人の内2人がスフィアだよ。しかし、こういうポジションに高垣さんいると引き締まる。
女性陣が活き活きしているの楽しいなぁ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 4
カーヒルを撃ち殺してしまう回。この回は途中までの「塔を登るシーン」なんかがすごく楽しくて「アニメってイイなぁ……」とほのぼのしていたところからの落差がすごくて、「うわぁ…うわぁ…」と思っていたところ、さらにそこからのEDへのギャップが酷かったので感想を書くのに戸惑っています(笑)。
【第3話「モンテーロの圧力」】
『Gのレコンギスタ』第3話視聴。これが噂のトイレ描写か……!富野さん以外がやったら「ガンダムを冒涜するな!」と怒られそうだw 逃げ惑う動物や、食事シーン、排泄シーンと、この世界の生活観を丁寧に描いているからこそ、「世界とはどうあるべきか」という話が伝わってくるものだ。勉強になる。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 11
ロボットアニメというのは、言っちゃえば「ファンタジー世界」なので。
まず最初に「この話はこういう生活をしている世界なんだよ」と視聴者に伝えなきゃいけない。富野アニメは、ここを真っ先に気をつけているのだよね。
「生活」を見せる前に「政治」や「信念」を語られても視聴者にはピンと来ない
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 11
『Gのレコンギスタ』第3話その2。台詞の節々に旧作っぽいフレーズが入るとことか、「富野節」というより「セルフパロ」って印象。マスクもその一環なのかな。天才と言われるクリム・ニックがデレンセンと互角レベルなのも、好きだなぁ。
現状は動き見ているだけで楽しいけど、こっからはどうだろ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 11
この感想を書いている時点では、私はまだ『イデオン』を観ていないのだけど……同じようなことは『イデオン』でも思いました。流石に排泄シーンはなかったですけど(笑)、この星にどんな生物がいて、主人公達はどんな食事を取っているのかというのが見えてこそ初めて「この生活を脅かす戦争の残酷さ」が見えてくるんですよね。子どもの頃は、「ロボットアニメなんだから戦えよ!メシ食ったり寝たりしているだけのシーンなんか要らないよ!」なんて思っていたけど……大人になるとそういうシーンこそが大事だったんだと分かります。
【第4話「カットシー乱舞」】
『Gのレコンギスタ』第4話視聴。空中を飛び回って、撃ち合って、ビームサーベルでバババッと斬りつける―――戦闘シーンがムチャクチャ格好良いなぁ!それでいて、キャラも魅力的に見せる。クリムもデレンセンも好きになってきた。大御所の作品だっても、すごく堅実ですごくエンタメなんだよねぇ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 18
『Gのレコンギスタ』第4話その2。なるほど、Gセルフはアイーダもよく分からず乗っていたのか。ラライヤ(仮名)が乗っていたけどカーヒルが捕捉して、アイーダしか起動できないからアイーダが乗ってて、G-アルケインなどのG系統に似ていたからGの名を付けられた。確かに、ややこしいかも……
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 18
Gセルフがメガファウナに移り、ベルリの戦う相手がキャピタル・アーミィに変わる回。正直……この辺りから状況がややこしくなってきているところはあるかなぁと思います。Gセルフがどういうものなのか、ラライヤが乗っていたものをどうしてアイーダが乗っていたのかが分かったのだけど、ここで整理するためにツイートに残しているくらい「メモしておかないと分からなくなってきた」とも言えますし。
【第5話「敵はキャピタル・アーミィ」】
『Gのレコンギスタ』第5話視聴。マスクさん、マスク付けると人格違うな!
「キャラの行動理由が分からない…」という意見を見たことがあるのだけど、このアニメはそここそが肝のストーリーだと思うけどなぁ。状況に流されて、誰もがベストな行動が取れるワケではない。ワケの分からないこともする。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 25
『Gのレコンギスタ』第5話その2。ベルリが何故海賊と一緒に戦っているのか、それって一言では説明できないと思うんだ。ノレドに言ったとおり「スパイ」なのか、アイーダへの「贖罪」なのか、生き残るために「仕方なく」なのか、「好奇心」なのか―――それが人間だと思うし、リアルだと思うんだよ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 10月 25
この辺もまさに「富野さんらしい展開」。『イデオン』も「私は一体何がしたかったんだ……」とか「私には私の本心が分からない!」みたいなシーンが多かったけど、『ガンダム』だって『Gレコ』だってそういうところはあるなぁと思います。人間の気持ちなんてそう簡単に説明できないし、状況に流されて思わぬ行動を取っちゃうこともある。
それ故に「難解だ」と言われてもしょうがないとも思うんですけどね……
【第6話「強敵、デレンセン!」】
『Gのレコンギスタ』第6話視聴。今週すげー面白かった。ニュータイプのいないこの作品だと、接触回線でなければ戦っている相手が誰かも分からない。この認識のズレを視聴者だけは分かっているからこそ、「なんでそんなことに……」ともどかしい気持ちになる。これがこの作品の肝っぽいなぁ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 1
『Gのレコンギスタ』第6話その2。この作品は“白富野”なんだと思っていたけど、割とガンガン人が死ぬし、死ぬことを咎められるし、罪悪感にさいなまれるし……認識のズレを描いているとこも、最初の『ガンダム』っぽい雰囲気はある。超笑顔のEDは、逆に「全員死んだ死後の世界」に見えてきたw
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 1
ちょっと展開がダレてきたかなーと思ってきたところに、こういう回を入れてくる辺りが流石。ベルリがデレンセンを殺してしまうの回です。「スパイ」としての行動のつもりが、ここでデレンセンを殺してしまったことで戻れなくなっていく……ってところか。話が難しいのは確かなんだけど、「ストーリーの100%を理解していなくてもハッと目覚めさせられる展開」が来ると引き込まれてしまうんですよねぇ。
(関連記事:子どもに見せたいのは「人が死なない話」なのか)
【第7話「マスク部隊の強襲」】
『Gのレコンギスタ』第7話視聴。戦闘シーンは無茶苦茶カッコいいし、楽しいんだけど……ラライヤの変化もお母さまの大気圏突入もこの回で活きるワケじゃなくて、「なんか突然出てきたMAに助けられました」では「なんじゃそりゃ!」と言いたくなるw
クンタラだけのチームなら、どうしてマスクを…
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 8
ラライヤがGセルフに乗って出撃してしまうの回。正直、この回は退屈だったかな……ベルリの母と、アイーダの父がメガファウナに来る伏線が張られているのだけど。この時点ではどういうシーンなのかが分かっていませんでしたから。
【第8話「父と母とマスクと」】
『Gのレコンギスタ』第8話視聴。アイーダさん、かわいいな!確かに戦場ではビックリするくらい役立たずなんだけど、それ故に「ベルリがやったこと」を自分もやろうとしてしまってそれに気付くくらいの繊細さは持っている。この人間くささは好きだ。
マニィとマスクのやり取りもグッと来るものがある
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 15
『Gのレコンギスタ』第8話その2。アメリア軍が警戒しているのは、「月の勢力」なのか。『ターンエー』もそうだし『クロスボーン』もそうだし、言ってしまえば最初の『ガンダム』もそうなんだけど……今回も「地球から離れている勢力の恐怖」なのね。話の展開が見えてきたけど、さあどうなる。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 15
ベルリの母と、アイーダの父がメガファウナに来て、“本当の脅威”が明らかになる回です。正直ここまで「なんでこの人達は戦っているんだ……?」というのがよく分からなかったので、ここでストーリーの方向性が明らかになったのは助かったという気分でした。勢力が増えてややこしいのはややこしいんですけど、根っことしては「地球に住み続けた者vs宇宙に移民した者」という最初の『ガンダム』以降続いている構図になったなぁというところで……↓の話題が出てくるのです。
「ガンダムは異星人から地球を守るアニメなんかじゃねえよwww」というRTが定期的にまわってくるんだけど、富野作品には「地球から遠く離れた地に生まれて地球を必要とせずに育った彼らは果たして地球人と呼べるのか」みたいなテーマがあるので、笑いものにしている人を僕は笑って見てます。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 25
多分、『ガンダム』ではその部分が上手く伝わらなかったという反省から、『イデオン』では敵が異星人になったのだし、『クロスボーンガンダム』の木星人とか『ターンエーガンダム』のムーンレイスとか“物理的な距離”を分かりやすくしているんじゃないかなぁ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 25
富野作品じゃないけど『マクロス』も加えると、
『ガンダム』← もはや異星人なスペースノイドとの共存の話
『イデオン』← 見た目は地球人と一緒な異星人との共存の話
『マクロス』← 見た目も全然違う異星人との共存の話
どんどん共存する相手が遠い人達になっていくというw
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 25
『Gレコ』は『ターンエー』よりも前の時代を舞台にした話なので……『ターンエー』では断絶されて「二つの星の文化」となってしまっていた地球と月が、まだ交流を持っている時代の話みたいなんですね。ここから断絶されてものすごい年月が過ぎると、月の住民は「宇宙人」と変わらない存在になってしまうという。『ターンエー』は「月からやってきた地球側の人間」を主人公にしたけど、今回は「地球で生まれ地球で育った地球側の人間」が主人公なので……さぁどうなるのかなというところ。
――2025年追記――
"『Gレコ』は『ターンエー』よりも前の時代を舞台にした話"という公式設定は今も変わっていないのだけど、実はこの間に富野監督が「ターンエーがGレコの前の時代」と発言したことがあって……おそらく現在も、「サンライズの公式設定」と「富野監督が考えていたこと」に食い違いがある状態が続いているみたいです。
【第9話「メガファウナ南へ」】
『Gのレコンギスタ』第9話視聴。自然の描写、人々の生活の描写、街の描写――どれも素晴らしいなぁ。それは言ってしまえば「戦争をしない」ことによる平和の恩恵で、でもこれらを守るためにはアーミィを作らなければならない葛藤も生まれる。
なんか…富野さんこそ日常アニメを作るべきではと思った
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 11月 22
この回は結構好きな回だったのに、感想短いですね……(笑)「好き」の度合いと「文章の長さ」は比例しないってことです。鶏を買う描写とか、ケルベスがやってくるところとかが好きでした。
【第10話「テリトリィ脱出」】
『Gのレコンギスタ』第10話視聴。ち、チアガールに男の娘が……!すっげえナチュラルにいるんだけど、何か理由でもあるのか。
やられているのはアイーダさんじゃなくてアルケインなのに、モビルスーツのパーツを外されていく様がエロかった。沼に落ちてワニが寄ってくるとか、映像の面白さは流石。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 1
キャピタル・テリトリィに集まった面々が、またバラバラに動き出す回。「それぞれのキャラがそれぞれの思惑で動く」のが群像劇の魅力なのだけど、流石に脳がパンクしてきそうなキャラクターの量で……キャラデザが見事なので「誰が誰だか分からなくなる!」ということはないのだけど、「このキャラは何のためにこんなことしているんだっけ……」という事態には頻繁になってしまいます。アイーダのお父さんとか。
【第11話「突入! 宇宙戦争」】
『Gのレコンギスタ』第11話視聴。両陣営の思惑が交錯して戦争に突入していくカンジなんかは見事なんだけど、キャラが多い上に別の箇所で動いているからどことどこが何のために戦っているのか混乱しててきた……マスク先輩は相手がベルリだと承知の上で戦っていたのか。あんなにいい先輩だったのに。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 7
同じこと書いていました(笑)。そうして、物語はキャピタル・タワー最上部のザンクト・ポルトへ。
【第12話「キャピタル・タワー占拠」】
『Gのレコンギスタ』第12話視聴。Vマークの説明書だと!というオッサンホイホイは置いといて、人間の動きもモビルスーツの動きも素晴らしいのだけど「なんで戦ってんだっけコイツら……」とよく分からないことになっているので、第三勢力登場で分かりやすくなってくれるとありがたいなぁと思う……
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 13
話がややこしくなってきたけど……とりあえず整理。アメリア軍とキャピタル・アーミィはキャピタル・タワーをめぐっての攻防を続けている。その一番てっぺんのザンクト・ポルトを占拠したクリム・ニック達は「キャピタル・タワーをよこせ!」と法皇に要求するのだけど―――そうした争いの果てに、第三勢力が現れてアメリア軍の船が沈められたってところでしょうか。
キャラクターが多すぎて「クリムは一体何がしたいんだっけ……」とよく分からなくなってしまったので、ここで第三勢力が登場してくれて心底助かったと思いました。
【第13話「月から来た者」】
『Gのレコンギスタ』第13話視聴。マスクにバララにクリム・ニックにミック・ジャックにマニィまで、今まで登場してきたキャラが勢揃いして何をやるかと言ったら……「嘘の白旗を揚げて敵が油断している間に攻撃だ!」という超しょうもない作戦というw 『イデオン』でも似たようなことやってたなw
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 20
『Gのレコンギスタ』第13話その2。でも、ここ数週は膠着状態が続いていたので、話が動いて一気に面白くなったのも確か。アイーダの思いつきで月に向かうにしても、ラライヤの秘密が判明しそうで期待できる。ワクワク出来る展開になりそうで2クール目も楽しみにしているぜ!
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 20
ようやく登場した第三勢力は、「嘘の白旗」なんかに騙されない人達で……今までのアメリア軍とキャピタル・アーミィの戦いが「ヌルイ戦い」に見えるほど、一筋縄ではいかない緊張感が生まれました。放送されていた3ヶ月の間には正直「よく分かんなくなってきちゃったな……」と思った時期もあったんですけど、1クール目の節目にこういう区切りを付けて「続きが楽しみだ!」と思わせる展開にしている辺り……流石に大御所ですよねぇ。人の心のつかみ方を熟知しているもんです。
ということで、2クール目は“月”の第三勢力を交えたストーリーになっていくと思いますし、アイーダ様の思いつき通りに“月”に向かうことになるんですかねぇ。すげえ楽しみです。
1クール目の感想としては……たまたま私が11月に『イデオン』を全話視聴したこともあって、『Gのレコンギスタ』は「情報量の多い作品だなー」とは思いました。
『イデオン』も難解な作品と言われているんですけど、『イデオン』は「視聴者に考えさせる」だけで「何が起こっているか分からない」ことはほとんどなくて……シンプルな面白さの作品でした。それに比べると『Gのレコンギスタ』はキャラクターが別々に動くし、思惑が様々なため、「何が起こっているか分からない」ことも多く、複雑な作品にはなっていると思います。
なので、「ついてこれない」人がいるのも分からんでもないです。
私がこの作品を追いかけ続けているのは、やはり「富野さんの作品だから」というのはあります。富野作品に思い入れのない人にもオススメ出来るかというと……私からは「アイーダ様、かわいいよ!」くらいしか言えることがないのですが(笑)。
キャラクターの魅力と、アニメーションとしての動きが素晴らしいので、とりあえず最後までは追いかけるつもりです。では、また3ヵ月後。
↓ここからが後半の記事です
4月ですが、まだ冬アニメの感想メモまとめが終わっていません! 春アニメが始まると恐ろしいスピードで冬アニメのことが忘れられていくので、それまでに感想まとめを書き上げなければ……ということで、後半戦行きます!
<ルール>
・14話から最終話までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな
さて。
今にして思えば……ですが、確か放送開始前に富野監督はこの作品を「ガンダムによる脱・ガンダム」の物語だと語っていたと思います。私は当時それがピンと来ていませんでした。「脱・ガンダムやりたいのなら、ガンダム以外のアニメを作ればイイんじゃないのか?」「富野さんもガンダムの呪縛から逃げられていないのか」くらいのことを思っていました。
しかし、最終話まで観て、「なるほど!これはガンダムでしか出来ない脱・ガンダムの話だ!」と納得しました。富野さんがわざわざこの年齢で作らなければならなかったのも分かります。「これを作らずに死んでしまったら後の世代に申し訳ない」くらいの気持ちでいたんじゃないかなと思ったほどです。
この作品が描いているものは「何が戦争を起こすのか」だったと思います。
もうちょっと視点を引いて語るのなら「何が憎しみを生むのか」と言えるかも知れません。
「戦争が起きるのはガンダムがあるからだ―――」
極端な話をすると、この作品が描き続けてきたことはここに尽きるのでしょうと。これを踏まえた上で全話を振り返ってみると、新しいものが見えるんじゃないかと思います。
【第14話「宇宙、モビルスーツ戦」】
『Gのレコンギスタ』第14話視聴。ベルリ、割とハーレム状況を上手くこなしているように思える…考えてみりゃ『Z』だって『ZZ』だってハーレム配置アニメの走りみたいな作品だもんな。御大の得意分野。それはそうと、3つの戦艦がみんな月に向かうとは「ホントお前ら仲イイな!」と言いたくなるw
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2014, 12月 27
ラライヤが正常になって、リンゴが捕虜になって、メガファウナもクリム達もマスク達も月に向かうという展開になりました。そうそう。
後の感想ツイートでも触れますが、この作品のストーリーは「ベルリとアイーダが地球→宇宙→月→金星」へと旅をして色んな人と出会っていく構成なんですよね。和製RPG的というか、一本道を突き進む話なんです。
なのでこの作品、「色んな勢力」を正確に把握しようとしてワケが分からなくなってしまうくらいならば、「主人公パーティ」と「それ以外」くらいのザックリした捉え方をしていけば良かったと思います。
また、主人公(機)だけが無茶苦茶強くて、どんどんパワーアップアイテムが追加されていくのも、「RPGの主人公みたい」と考えれば良かったんじゃないかなと思います。「何故Gセルフはあんなに強いの?」と言われれば、「強い機体を主人公にしただけ」と思えば良かったんじゃないかなと。
【第15話「飛べ! トワサンガへ」】
『Gのレコンギスタ』第15話視聴。あら、この作品世界にはまだ「ニュータイプ」という概念があるのか。『クロスボーン』でやりきったから、富野さんはもう使いたくないのかと思っていた。こないだの記事に通じる話だけど、ベルリがこの「ニュータイプ」の力をどう使えるのかがポイントになるのかな。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 11
「こないだの記事」とは、この記事のことです。ニュータイプって結局、この作品では何だったんだっけ……
恐らくですけど、ベルリとGセルフは「主人公」であり「ガンダム」であり「真の天才」であり「とてつもない力」であり「亡国の王子様的存在」であり「お偉いさんの息子」であり「ニュータイプ」であるという、これまでのガンダム作品における“羨望の対象”を詰め込んだような存在だったのかなぁと。
この次の回で明らかになることですけど、ベルリとアイーダの境遇ってシャアとセイラに近いとも言えなくもないですし。
言ってしまえば、そういう“羨望の対象”の破壊こそがこの作品の目的であって、ニュータイプという言葉を出すことで「脱・ニュータイプ」を完遂することが目的だったのかなぁと推測します。それこそ「脱・ガンダム」のためにはガンダムを出さなくてはならないみたいな話で。
【第16話「ベルリの戦争」】
『Gのレコンギスタ』第16話視聴。え?え?えぇぇえええぇえええええ!?
とてつもない情報がさらっと明らかになったな……確かにGセルフ起動とかベルリが養子だとか伏線もあったけど、すげえさらっと明らかになった。んで、ジワジワとそれがベルリの感情に響いてくる辺りが生々しい。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 17
『Gのレコンギスタ』第16話その2。これまで圧倒的な「力」として描かれてきたベルリが、真実を知って戦いに引っ張られるというのは……トビアともロランとも違う主人公像で、この作品が「力」をどう描くのかという点でも楽しみな展開だ。アイーダさんの影に隠れてたノレドにもチャンスがこれで……
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 17
ベルリとアイーダが姉弟だと明かされる回。これでベルリとアイーダとノレドの三角関係が落ち着くわ……と思ったら最終話でああなっちゃうんだから(笑)。
さてと。
ここでの話で重要なのは、ベルリもアイーダも大人の都合で地球に送られて、大人達が自分達を探すために用意したGセルフのせいで「ベルリがカーヒルを殺してしまう」きっかけが生まれたというところです。言ってしまえば、「ガンダムのせいで憎しみが生まれた」ということと「ガンダムのおかげで二人は出会った」という両面を描いていたという。
最終話のラストシーンまで観ると、なるほどあの始まりに対してこの終わりかと考えられますね。
【第17話「アイーダの決断」】
『Gのレコンギスタ』第17話視聴。あら、クンパ大佐も月から来た人だったのか。どいつもこいつも月から来た人々。「地球vs宇宙」という構図で「宇宙で生まれ宇宙で育った人々は地球人と呼べるのか」という『ガンダム』のテーマを考えるに、ベルリやアイーダさんはグレーな存在なんだよなぁ。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 24
『Gのレコンギスタ』第17話その2。クンパ大佐の作ったキャピタル・アーミィはアメリア軍などからの防衛のために作られて、アメリアが軍を増強していったのは月の勢力を恐れたからで、月の勢力は内部で対立していてそこから地球に降下したのがクンパ大佐……で、あってる?一度観ただけじゃ分からん
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 24
『Gのレコンギスタ』第17話その3。クンパ大佐のことも、ベルリやアイーダさんの出自も、「なんと!真実はこうだったんですよ!」と驚かせるんじゃなくて淡々と明らかになるのはわざなのか何なのか。
メインの話がどこに向かっているのか分からないので、ノレドやマニィの話の方が気になる。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 24
クンパ大佐の真意は金星まで行ってようやく分かります。金星で弱体化していく人類を見たクンパ大佐は、「戦争が起こらないこと」が必ずしもイイわけではないとそれまで“タブー”とされていたことを破ってでも地球圏に火種を持ち込み、地球人同士が争うことで弱体化を防ごうとした―――ラ・グー総裁の話から察するにこんなところだと思います。
細かいところはもう1回見直さないと分からないのですが……戦争を起こさないようにモビルスーツの技術を“タブー”化していた地球に、「戦争を生む兵器」としてモビルスーツの技術を持ち込んだのがクンパ大佐だったので、戦争の根源となったのが彼だったということだと思います。
私個人の気持ちとしては、クンパ大佐のような考えも分からなくはないです。
ですが、『ガンダム』で戦争の悲惨さを徹底して描いていた富野監督からすると、「そんな理屈で戦争を起こして子どもを巻き込むんじゃない」と最も許せない存在なのかも知れませんね。最終話で、もらい事故のような形で死んで(多分)、誰からも哀しまれなかった姿が印象的でした。
【第18話「三日月に乗れ」】
『Gのレコンギスタ』第18話視聴。誰が誰と何のために戦っているのかがもうよく分からなくなってしまったのだけど、「Gセルフvs他全員」ってことでイイのかな。いつの間にかGセルフがイデオンみたいに「野放しに出来ない強大な力」の象徴みたいになっている。いや本当、いつの間にそうなったんだ
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 1月 31
この感想は当たらずも遠からず。
富野監督の歴代作品を見ていくと、この『Gのレコンギスタ』は『ガンダム』よりも『イデオン』に近いと思うんですね。あまりに強大な力すぎて野放しに出来ないと、バッフ・クランから執拗に追い回されて、仕方なく返り討ちにしていくとどんどんどんどん憎しみが膨れ上がってより強大な戦力が送られてくる―――というのが『イデオン』ですから。ベルリはGセルフでなるべく相手を殺さないようにしていたけど、それでもところどころで殺してしまった相手もいました。「強大な力を使って戦場を支配して不殺を貫こうとする」主人公は『るろうに剣心』とか『純潔のマリア』とかに通じるし、ガンダムシリーズで言えば『ターンエー』のロランとか『SEED(DESTINY)』のキラもそうだったと思うのですが……
『Gのレコンギスタ』のベルリは不殺を貫こうがなんだろうが、ベルリとGセルフが存在する限りは憎しみが膨れ上がって戦争は終わらなかったと思うのです。
そういう意味ではやはり『イデオン』に近かったなーと思うし、『イデオン』のキャラクター達の誰も出来なかった「イデオン破壊」を、ルインが成し遂げるというのが『Gのレコンギスタ』だったのかなと。
【第19話「ビーナス・グロゥブの一団」】
『Gのレコンギスタ』第19話視聴。戦闘をやらずに、ただ宇宙空間で暮らす日常アニメをやればすげえ面白いんじゃないだろうか……今週は日常描写も良かったし、分かりやすい敵と、分かりやすいピンチですごく面白かった。途中途中、心がめげそうだったこのアニメだけど、終盤はきっちり締めてくれそう
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 7
金星への道中でジョギングしたりする回。この作品通して思うことですけど、キャラクターの動きが活き活きしているので今の時代ならばロボットアニメじゃないアニメを富野監督が作ってもすごく面白いものが出来上がりそうですよねー。コンテマン時代には多彩なジャンルのアニメに関わっていたワケですし。まぁ、通る企画としてはやはり富野さんと言えばロボットアニメになっちゃうのかも知れませんが。
【第20話「フレームのある宇宙」】
『Gのレコンギスタ』第20話視聴。自分はこのアニメの構造がずっと分からなかったんだけど、「ベルリとアイーダが自分達のルーツに迫る旅をする話」って考えるとすごくシンプルだったのかも知れない。地球から宇宙に上がって、宇宙エレベーターの頂上→月→金星と来ただけの話と考えれば分かりやすい
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 14
『Gのレコンギスタ』第20話その2。途中途中色んなキャラクターが登場して、ベルリ達の助けになったり邪魔をしたりしてきたけど……どういう勢力かとはあまり考えずに、「一本道RPG」における「出会う町人」とか「敵キャラ」みたいなカンジでざっくり捉えておけば良かったんじゃないかなと。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 14
『Gのレコンギスタ』第20話その3。ベルリが次々と敵をなぎ倒していく様も、Gセルフだけが特別なのも、次々に強力なバックパックが出てくるのも……ガンダムで「一本道RPG」をやるとこんなカンジになるようにも思う。
そして、その旅で自分達の出自や宇宙世紀の話が出てくるのもRPGっぽい。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 14
ベルリとアイーダの旅の最終地点、金星へ。旅の最後でようやく「そうか。このアニメは旅をするアニメだったか」と気付いた辺りがアレなんですけど(笑)、このアニメの場合は最初から目的地が提示されていませんでしたからね。『宇宙戦艦ヤマト』は最初からイスカンダルを目指していたし、『機動戦士ガンダム』はルナツーを脱出した以後はずっとジャブローを目指していたけど、『Gのレコンギスタ』は最初から金星を目指していた話ではありませんからね。
かと言って、『機動戦士ガンダム』におけるジオン軍や『伝説巨神イデオン』におけるバッフ・クランのように「追いかけてくる敵」との追いかけっこというワケでもありませんでしたし―――この作品がどういう構造の話なのか、20話まで私は気が付かなかったんですね。
そして、この時点でもまだ「その旅を描いた理由」もよく分かっていませんでした。
それは言ってしまえば「戦争のルーツ」だったのだろうと思います。大人達の策謀でGセルフに乗ってしまい戦争に巻き込まれたベルリとアイーダが、「何故戦争が起こるのか」を世界を巡りながら知っていく話だったのだろうと。
【第21話「海の重さ」】
『Gのレコンギスタ』第21話視聴。禍々しい新型MAが出てきたと思ったら、禄に戦わずに穴塞ぐために使われて流石に可哀想だと思った……しかし、あの一連の話。一見すると牧歌的なあの場所が、ものすごく危ういバランスで成り立っている異質な場所という話なんだな。コロニーの穴塞ぐ玉懐かしかった
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 21
『Gのレコンギスタ』第21話その2。マニィがどさくさに紛れてG-ルシファーを借りパクしていたけど、裏切る気満々だよねコレ。マスクやクリムはどう収拾つけるんだろう。
CV.子安さんのラ・グー総裁がラスボスっぽい風格だけど、そうなるとマスクとかクリムに碌な出番なく終わってしまいそうな
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 21
マニィが後にパクッたのはジーラッハでした。この回はキア隊長が死ぬ回です。
「ようやく出てきた強敵勢力だと思ったのに、そのリーダーがもう死んじゃうのかよ!」と思ったのですが、この作品はむしろそこからが描きたいものだったように思います。カーヒルを殺されたアイーダから始まったこの物語は、兵器があるから人が死に、兵器があるから憎しみが生まれる―――そうして大切な人を殺された者が後にどう生きるのかという姿を描いていたので、ジット団はリーダーを失ったここからが本番だと言えます。
【第22話「地球圏再会」】
『Gのレコンギスタ』第22話視聴。言わんこっちゃない!そりゃマニィ、裏切るよな……でも、ようやくマスクのことをルインと呼んであげられる身になれて、マスクも自分をルインと呼ぶ人を迎え入れられてって流れはグッと来た。ベルリと母の再会をその直前に観ていた分だけ、余計にそう思ってしまった
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 2月 28
この回はかなり駆け足で、アイーダがラ・グーとの会談で「戦争が始まった真相」を知り、地球圏に戻り、戦況はもはやクンパ大佐の思惑なんかには収まっていないことを知り、いつの間にかマニィがジーラッハを強奪していったという詰め込まれた構成になっていました。ラ・グー総裁の姿は、クンパ大佐がああいう“人の道に反したこと”をやろうとした理由や、金星や月の人達が地球へのレコンギスタを行おうとした理由を補足するためのものだったと思います。構成がとてつもなく駆け足だったので、リアルタイム当時はイマイチよく分かっていませんでしたが。
【第23話「ニュータイプの音」】
『Gのレコンギスタ』第23話視聴。『Z』が可愛く思えるくらいの勢力の数だ……
マスクはカシーバ・ミコシを放棄して、フルムーン・シップに合流。ジット団と同盟関係に。
メガファウナはアメリア軍には入らないけどアメリア軍と同盟関係でクレッセント・シップとともにカシーバ・ミコシに接触。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 7
『Gのレコンギスタ』第23話その2。クリムはアメリア軍とはまた違う動きをしているけど、一応アメリア軍なんだよね。ドレット軍はクリムともベルリとも戦ってたから、アメリア軍と対立する位置にあるのか……うーむ。勢力数が多いと流石によく分からなくなってくるな。なんで戦ってるのかも分からん
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 7
『Gのレコンギスタ』第23話その3。
メガファウナ・アメリア軍・クリム・クレッセントシップ(金星の正規軍)・カシーバミコシ
vs
マスク・フルムーンシップ(ジット団)・ドレット軍(月)
ってカンジになるのかな。いや本当キャラ数が多くて……ノレドとか、どうしてMSに乗ってんだっけ
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 7
これを読んでもさっぱり分からん(笑)。戦争を生んだ根源がクンパ大佐にあることが分かっても、もはや戦争はクンパ大佐の手を離れてドロ沼化している状況なので……「何が何やらよく分からない」ことも含めて戦争の壮絶さを描いているとも言えますね。
なんか、色々あってロックパイ死亡。
この回のサブタイトルが「ニュータイプの音」ということは、ロックパイを殺すしかなかったベルリがその後に聞いた音こそがこの回において重要なことだったのかなぁと思います。この時のベルリは『逆襲のシャア』におけるクェス・パラヤのように死んでいった者達の魂に引っ張られているところだったと思うのですが……ここで、ケルベスに「教官としての一言」を言われたことでベルリは普段の自分に戻るんですね。
ちょっとここの解釈は、よく分からないところもあるんですが……
「アイーダの恋人を殺してしまった」ことで始まったベルリの物語で、ここでまた「金星の人を守れず、ロックパイも殺してしまった」という展開を描くということは、死者に引っ張られないようになったベルリの姿を描いたってことなのかなぁと思います。ベルリのことを心配したラライヤが敢えて「接触回線」という言葉を使ったように、「(触れずに分かった気になれてしまう)ニュータイプなんて下らないんだよ」とここで描いたのかなぁと。
『Gのレコンギスタ』は「脱・ガンダム」を描いた作品だったけど、「脱・ニュータイプ」を描いた作品でもあったと思うのはここのラライヤの描写があったからです。
【第24話「宇宙のカレイドスコープ」】
『Gのレコンギスタ』第24話視聴。なんか、使徒みたいなMA出てきたー。
何のために誰と誰が戦っているのかよく分からなかってしまったこのアニメだけど、最後に分かりやすく明確な憎悪と嫉妬と悲劇を見せてくれて、「ベルリ達は何のために戦わなくちゃならないのか」が分かったような気がする。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 14
『Gのレコンギスタ』第24話その2。マスクがバララのことを評した「戦場に嫉妬を持ち込むと死ぬ」ってまんまマスクのことなので……このマスクを救えるのかってのがストーリー上の肝かなぁ。
かつてカーヒルを殺されたアイーダが、今度は父を殺されて、それでもマスクを恨まずにいられるかみたいな
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 14
この回、かなり好きな回です。「勢力がたくさんあってワケが分からない」と言い続けてきたこの作品ですけど、基本的には「アメリア軍」「キャピタル・アーミィ」「ドレット艦隊」の三つ巴なんですよね。んで、メガファウナはアメリア軍寄りだけどどこかに属しているワケではなく、金星の勢力は二手に分かれていて、ジット団は「キャピタル・アーミィ」に付いて、正規の連中は「アメリア軍」に付いている―――ってところかな。
んで、「アメリア軍」と「ドレット艦隊」は協力関係を結ぼうとしていたのだけど、「キャピタル・アーミィ」はそこに割って入って両方潰そうとした―――それを実行したバララはベルリが倒すけど、結果的に「アメリア軍」も「ドレット艦隊」も大将を失い戦局はドロ沼化していくという。
「兵器が戦争を生む」し、「兵器が憎しみを生む」というこの作品を象徴するような回で―――父を殺されたアイーダが危うく憎しみに捉われるところだったけど、ベルリが手を取って戦場から去っていくというラストでした。
【第25話「死線を越えて」】
『Gのレコンギスタ』第25話視聴。月の連中、初登場の時は「なんか超強そうなヤツらが出てきたぞ!今までのクリムとかマスクの戦いはお遊びだったんだ!」と思ったものなんだけど。彼氏が死んで狂ってしまうとか、終盤は観ててつらかったな……ある意味、アイーダさんと裏表の反応だったのだけど。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 21
『Gのレコンギスタ』第25話その2。基本的には人と人との繋がりを肯定していく話だと思うんだよね。大気圏突入の時のルインとマニィや、クリムとミックの関係を見るに。
でも、ルインとマニィは二人で修羅の道を進む。この話、どこに落としどころを持ってくるんだろうか。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 21
「アメリア軍」「キャピタル・アーミィ」「ドレット艦隊」の三つ巴最終決戦の第2ラウンド。しかし、「グシオン総監を失ってリーダー不在のアメリア軍」「バララが死んだマスク部隊」「総司令も死んでボロボロのドレット艦隊」とそれぞれ手負いの状況で、ドレット艦隊の生き残りは前話で生き残ったのは何だったのだという最期になってしまいました。
思うに、ここは「父を失ったアイーダ」と「全てを失って狂ってしまったマッシュナー」を対比させていたのかなぁと。アイーダにはベルリがいて、メガファウナのみんながいて、艦長は旗艦の指揮を執れとまで言う。カーヒルを失った時のように落ち込んでいる暇もなく、前を向くことがアイーダには出来た。マッシュナーにはそういう人がいなくて、最期はマスクに沈められてしまう。
【第26話「大地に立つ」】
『Gのレコンギスタ』最終話視聴。何故戦いは起こるのか、どうして憎しみは生まれるのか。この作品が描いてきたものを考えるのなら、「おもちゃをもらってはしゃいでいる」という言葉に尽きるし、それはGセルフを手に入れてしまったベルリにも言えるし。最後の勝者はGセルフを破壊したルインなのかも
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 27
『Gのレコンギスタ』最終話その2。宇宙エレベータから始まって、地球を飛び回って、宇宙に上がって、月を超えて、金星まで行ってきたベルリの冒険が。Gセルフを失ったことで、自分の脚で世界をまわる冒険に変わった。
「ガンダム、大地に立つ」が「大地に立つ」に変わる物語だったのだろうと。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 27
『Gのレコンギスタ』最終話その3。そういう意味では、究極の「ガンダムを否定する物語」だったのかも。ガンダムみたいな兵器があるから戦争が起こるワケで。最強クラスの性能と真の天才パイロットを得た無敵のGセルフを、何の変哲もないルインが破壊し、ガンダムからベルリが解放される物語。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 27
『Gのレコンギスタ』最終話その4。おっ、ここは『ヤマノススメ』で観た景色だ!という富士山のシーン。何回も何回も何回も戦争をしまくった宇宙世紀の後の世界でも、富士山は現代と変わらずにそこにあるんだよね。
ベルリの旅の行き着いた場所がここだというのは、とても良かった。
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2015, 3月 27
説明する必要があるかは分かりませんが、一応。この回、徹底的に「戦争を起こすもの」を否定していく最終話なんですよね。
アメリア軍が作っていた艦隊をラライヤは「おもちゃをもらってはしゃいでいる」と否定します。クンパ大佐のもちこんだ「戦争を起こす兵器」の技術をキャッキャッと喜んで形にしたけど、その無邪気さこそが戦争を生むんだと言っているんでしょう。
最後にメガファウナがアメリア軍とも戦えたのは、どこの勢力にも与さなかった海賊であったからですし、最後にアイーダが人命救助の指揮をとったのはアイーダが父とは違う「人を導ける者」になれたということなのかなと思います。
仲間を次々と失ってボロボロになりながらも戦い続けたクンを、ベルリは無力化して戦うことを辞めさせます。「カーヒルを殺されたアイーダ」のように大切な者を失った憎しみを描き続けてきたこの作品の最後に、ベルリはクンに「繋がっているんです!貴女のビームウィップとは違うんです!」と憎しみによって武器を手に取ることを否定しました。
戦後、クリムの死(ホントは死んでないけど)を利用して民衆をたきつけていたズッキーニ大統領はクリムの手によって制裁を受けます。ズッキーニの姿は、弟の死を戦意高揚に利用したギレン・ザビのようで、それをクリム自身の手で阻止するのが痛快でした。
そして、Gセルフの破壊。
「ガンダムによる脱・ガンダム」の物語の果てに、何よりも強力で畏怖の対象だったガンダムを、劣等感の塊だったルインが最後に破壊する―――長い長い旅に果てで、ようやくベルリはガンダムという「戦争を生む兵器」の呪縛から解放されたのだと思います。
「ガンダム大地に立つ!!」から「ガンダム」の文字が取れて「大地に立つ」になるのはそういうことなんだろうと。
また、これはTwitterで読んで「なるほど。素敵な解釈だな」と思ったことなんですけど、この作品は「兵器」は否定しているけど「文明」とか「機械」を否定しているワケじゃないんですよね。
クレッセントシップは動き続けているし(その結果、宇宙エレベータは絶対的な存在ではなくなった)、戦後のベルリは別のモビルスーツに乗っているし、富士山に登る際には二足歩行のメカに乗っています。機械は本来は「人のためになるもの」。モビルスーツだって洗濯に使ったり、掃除に使ったり出来たように、そうした機械は否定しないんですね。
最後、兵器であるガンダムを失ったベルリが、また別の機械に乗って世界を旅するラストというのはその象徴なのかなぁと。
「分かりやすい作品」ではなかったと思います。
自分も1周観ただけでは分からないところが多く、この記事を書きながら部分的に見直してようやく分かったところも多いですし、未だによく分かっていないところや、自信のない推測も多いです。富野監督の作品の中でも特に難解な作品の部類に入ると思います。
ですが、最終話まで観て監督の描きたかったものが分かるとそれまでの一つ一つのシーンの意味も考えさせられましたし、「ガンダムシリーズ」というものを生み出した監督がこれを作らずにはいられなかったのも納得でした。『クロスボーン』にも『ターンエー』にも出来なかった究極の「脱・ガンダム」作品を見事に成し遂げたと思います。
改めて二周目を観たい気もしますが、流石にちょっと疲れきりました……(笑)。
数年後にでも、真相と結末を踏まえた上でもう1回観てみようと思います。
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