※ この記事は2015年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
このアニメはP.A.WORKSによるオリジナルアニメなのですが、オリジナルアニメにはアニメを起点としたメディアミックス展開として「漫画版」や「小説版」が作られることがよくあります。「アニメの宣伝」にもなるし、「商品展開のラインナップを増やす」ことにもなるし、「アニメの世界観を広げる」効果もあるのだと思います。
『SHIROBAKO』も今月、漫画版の1巻と、小説版が発売になりました。
「アニメと同じストーリー」を描くのではなく、漫画版は「彼女達の高校時代のストーリー」で、小説版は「アニメ版の1年~半年くらい前のストーリー」でした。つまり、「アニメより過去の話」をメディアミックスで描いているのです。
自分も買って、読んでみて、どちらも面白かったので紹介していきます。
「こういう方向性の話だよ」みたいな紹介はしないと伝わらないと思うので、多少のネタバレがあることは御了承ください。
◇ 漫画版『SHIROBAKO~上山高校アニメーション同好会~』

<Amazonアフィリエイトリンク>
作画はミズタマさん(プロフィール)、脚本は杉原研二さんで、価格は570円+消費税です。当時は電子書籍では出ていませんでしたが、2025年に調べてみたらKindleでも出ていました。
作画のミズタマさんは色んなアニメのアンソロジーコミックを描いている方で、脚本の杉原さんは色んなアニメの脚本を書いている方で『屍鬼』のアニメのシリーズ構成もされていた方みたいです。
漫画版は高校時代の5人の話。
アニメ版の第1話でも高校時代の様子がチラッと描かれていましたが、漫画版ではそれをもっと詳しく描いていて……絵麻と宮森さんの出会いから、アニメーション同好会を作って、文化祭に向けてアニメを制作していく過程が見られます。
アニメ版のスタッフがどのくらいの密度で関わっているのかは分かりませんが、例えばアニメ版の4話で「部室に来るのはいつもずかちゃん先輩が一番だった」という台詞があったところ、漫画版でもしずかが最初に部室に来ている様子が描かれているように―――アニメ版を観ているとニヤリと出来る箇所が本当に多いです。
また、オリジナルアニメのスピンオフ漫画だと「絵柄の違い」や「キャラクターの性格の違い」が気になってしまうものもあるのですが、『SHIROBAKO』の漫画版のように「これは高校時代の話だ」としてくれると「絵柄の違い」や「キャラクターの性格の違い」も別に気にならないんですね。
絵はアニメ以上に瑞々しくてみんな幼くて可愛いですし。宮森さんとしずかは、境遇が違うためかアニメ版とは随分性格が違うなーと思います。これは漫画版が「絵麻視点」だからというのもあるのかもですが、高校時代の宮森さんは能天気で、高校時代のしずかはしっかり者に描かれています。これが逆に、キャラクターの「年月と成長と挫折」を感じさせてくれるんですね。
女子高での部活モノ漫画なので、女のコ同士のイチャイチャ具合もアニメ版より高いです。アニメ版で「女子高ドリームは捨ててください」という台詞があったけど、むしろドリームが広がりますよ!絵麻と美沙の話や、絵麻としずかの話はアニメ版ではなかなか描かれる機会がありませんでしたが、漫画版ではガッツリイチャイチャしております。
アニメ版の12話で絵麻が宮森さんに抱きついたの、高校時代は頻繁に宮森さんが絵麻に抱きついていたからなのかなーと妄想も広がります。
ストーリーとしては、「大まかな話」はあくまで過去編なので結末は分かっちゃっているのですが。『SHIROBAKO』の主人公5人が好きならば、読んで損はないと思います。
◇ 小説版『SHIROBAKO イントロダクション』

◇ 漫画版『SHIROBAKO』1巻
○ 山洋堂
美沙が買ってきた『ズーパークストーリー』ポークジンジャーのフィギュアを製作している会社。元ネタは恐らく「海洋堂」(公式サイト)だと思われます。フィギュアや食玩などを製作している会社で、2000年前後にチョコエッグの精巧なフィギュアが話題になって一躍知名度が上がりました。
その後チョコエッグとは決別するのですが、「海洋堂」のブランド力と造形技術は衰えず、リボルテックシリーズなど今もなお高い人気を誇っています。
○ ポークジンジャー
○ ミスカツレツ

<画像は『SHIROBAKO ~上山高校アニメーション同好会~』1巻より引用>
『ズーパークストーリー』のキャラ。
アニメ本編に出てきたキャラはペンギンや白熊などの寒冷地の動物だったのですが、ポークジンジャーは豚のキャラでした。名前から察するにミスカツレツも豚タイプのキャラだと思われます。
『ズーパークストーリー』の元ネタは何だ?という根本の話があるんですが、実を言うと自分はCGアニメには詳しくないんでどの作品が元ネタかよく分からないんですね。個人的には『ズーパークストーリー』も、そこに出てくるキャラも、オリジナルなんじゃないのかと思っているのですが……「ポークジンジャーの元ネタはこの作品のこのキャラだよー」というのが分かる人がいたら教えてください。
○ コンドルのルペおばさん
『アンデスチャッキー』の中で、みどりが好きだと言っていたキャラ。
『アンデスチャッキー』の元ネタだと思われる『ロッキーチャック』の中にも、コンドルを題材にしたキャラがいたみたいで……どうやら「コンドルおくさん」というキャラがいるそうです。
○ アニマイト
宮森さんと絵麻がアニメの制作道具を買いに行ったお店。
「アニメイト」(公式サイト)が元ネタだと思うんですが……アニメ版では、「アニメイト」として4話で登場しているんですよ。どうして漫画版だと「アニマイト」になっているのか……
○ ギブリの高田監督
役職が決まらなかったために監督を押し付けられた宮森さんに、みどりが言った「自分は絵も描けないし演技もできないから監督やってるんです」という監督さん。その人がそうなのかは私は知らなかったのですが、名前から判断するにスタジオジブリの高畑勲監督だと思われます。
宮崎駿さんとともに『ルパン三世』の制作に関わり、『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』などの作品の演出を担当―――スタジオジブリ設立後は『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』などの監督を務め、近年では『かぐや姫の物語』の監督を務めました。
日本のアニメーションの礎を築いた一人、と言って過言ではないでしょう。
※ 2025年追記:この記事を書いた2015年時点では出ていなかった「漫画版2巻」の元ネタ解説もしようと考えていたのですが……実際に「漫画版2巻」を読み返してみたら、特にアニメが元ネタの話はありませんでした。
◇ 小説版『SHIROBAKO』
○ 往年のボクシングアニメのラストシーン
宮森と矢野が仕事場に踏み込んだウメシタの姿を形容した表現。
1967年~1973年に週刊少年マガジンで連載され、1970年~1971年と1980年~1981年にテレビアニメが放送された『あしたのジョー』のラストシーンのことだと思われます。ネタバレになるのでどういう状況かは詳しくは書きませんが、死闘を繰り広げたキャラクターが真っ白に燃え尽きた姿が衝撃的で、時代を飛び越えてこういうところでも使われる表現になっているという。
○ チャームス
宮森が出会った竹中という男が勤めるアニメ制作会社で、元ネタは「アームス」ですかねぇ。1996年に主にアダルトアニメの制作を行う会社として設立、その後にアダルトアニメの売上が下降したことで、2004年以降はテレビアニメの制作元請も行うようになりました。
『エルフェンリート』、『クイーンズブレイド』シリーズ、最近では『まおゆう魔王勇者』や『極黒のブリュンヒルデ』が有名で、今季は『ISUCA』を制作していますね。
作画のミズタマさんは色んなアニメのアンソロジーコミックを描いている方で、脚本の杉原さんは色んなアニメの脚本を書いている方で『屍鬼』のアニメのシリーズ構成もされていた方みたいです。
漫画版は高校時代の5人の話。
アニメ版の第1話でも高校時代の様子がチラッと描かれていましたが、漫画版ではそれをもっと詳しく描いていて……絵麻と宮森さんの出会いから、アニメーション同好会を作って、文化祭に向けてアニメを制作していく過程が見られます。
アニメ版のスタッフがどのくらいの密度で関わっているのかは分かりませんが、例えばアニメ版の4話で「部室に来るのはいつもずかちゃん先輩が一番だった」という台詞があったところ、漫画版でもしずかが最初に部室に来ている様子が描かれているように―――アニメ版を観ているとニヤリと出来る箇所が本当に多いです。
また、オリジナルアニメのスピンオフ漫画だと「絵柄の違い」や「キャラクターの性格の違い」が気になってしまうものもあるのですが、『SHIROBAKO』の漫画版のように「これは高校時代の話だ」としてくれると「絵柄の違い」や「キャラクターの性格の違い」も別に気にならないんですね。
絵はアニメ以上に瑞々しくてみんな幼くて可愛いですし。宮森さんとしずかは、境遇が違うためかアニメ版とは随分性格が違うなーと思います。これは漫画版が「絵麻視点」だからというのもあるのかもですが、高校時代の宮森さんは能天気で、高校時代のしずかはしっかり者に描かれています。これが逆に、キャラクターの「年月と成長と挫折」を感じさせてくれるんですね。
女子高での部活モノ漫画なので、女のコ同士のイチャイチャ具合もアニメ版より高いです。アニメ版で「女子高ドリームは捨ててください」という台詞があったけど、むしろドリームが広がりますよ!絵麻と美沙の話や、絵麻としずかの話はアニメ版ではなかなか描かれる機会がありませんでしたが、漫画版ではガッツリイチャイチャしております。
アニメ版の12話で絵麻が宮森さんに抱きついたの、高校時代は頻繁に宮森さんが絵麻に抱きついていたからなのかなーと妄想も広がります。
ストーリーとしては、「大まかな話」はあくまで過去編なので結末は分かっちゃっているのですが。『SHIROBAKO』の主人公5人が好きならば、読んで損はないと思います。
◇ 小説版『SHIROBAKO イントロダクション』

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集英社のJUMP j BOOKSから、5人の主人公それぞれの「アニメより少し前」の様子を描いた小説版です。価格は1000円+消費税で、文庫本より大きいサイズの本ですね。青年コミックサイズと言うべきか、先ほどの漫画版『SHIROBAKO』と同じサイズの本です。現在のところ、こちらは電子書籍版は出ていないみたいですね。
表紙のイラストはP.A.WORKSの内部の人が描いているみたいですが、誰が描いているのかは分かりません。挿絵のイラストはジャンプSQの若手漫画家である坂ノ下穂波さんだそうです。
小説自体は脚本家・小説家の4人が、全5章をそれぞれ分担して書いているのですが―――それぞれ主人公の違う一人称視点の小説なので、「章ごとに書き手が違う」ことで「性格の違う5人の主人公」が上手く表現されていたように思います。
ノベライズ作品にはよくあることで、「このキャラはこういう台詞は言わなくない?」というところが何箇所かはあります。しずかが絵麻のことを「絵麻ちゃん」と呼ぶとかね……でもまぁ、そういうのは仕方ないかなと割り切りたいのですが。丸川社長のことを「丸山社長」と間違えて書いちゃうのは、それ一番やっちゃダメなヤツでしょう!(笑)
○ 宮森あおい編
書いているのは伊藤美智子さん。様々なアニメの脚本を書いていて、『ロウきゅーぶ!』ではシリーズ構成も担当されていた方みたいです。
アニメ版の第15話の冒頭シーンから始まります。
なので、アニメ版の第15話をまだ観ていないって人には多少のネタバレにはなっちゃうかも知れないです。発売のタイミングを考えても、「アニメ版の第15話まで観ている人」に向けた本になっていると思います。
入社から1年が経過した宮森さんが1年前の自分を回想する形で、物語が語られます。
武蔵野アニメーションに入って、新人の「制作進行」として矢野から仕事のイロハを叩き込まれていく話です。アニメ版の第15話まで観ている人ならば、「15話時点の宮森と矢野」の現状を知っているでしょうからそれだけでグッと来る話ですし。アニメ版の第15話で新人として入った安藤さんと佐藤さんが今まさに覚えていることを、かつて宮森も叩き込まれたって話なんですね。
ここで描かれている宮森さんと辻さんの話は、アニメ版でこれから描かれるかも知れない安藤さんと佐藤さんの話にシンクロしているようにも思えますからね。
○ 今井みどり編
書いているのは吉成郁子さん。アニメ『たまごっち!』シリーズの脚本を書いていた方……でイイのかな。
大学生になったばかりのみどりが、大学で実写の映像作品を作る話です。
割とぶっ飛んだ話ですし、みどりの過去編だから仕方ないのですが「アニメ業界」とも「『SHIROBAKO』アニメ本編」とも関係のない話なので……これは大変だなとも思うのですが。アニメ版や漫画版だと天才肌というか何でもササッとこなしてしまうみどりが、悩んだり落ち込んだり怒ったりする姿が新鮮でした。
○ 安原絵麻編
書いているのは田中創さん。『ニセコイ』の小説版なんかを書いている方だそうです。
武蔵野アニメーションで「動画」を担当していた絵麻が、「原画」に昇格する課題を与えられるのだけど……なんやかんやあって何故だか女性アニメーター達と銭湯に来てしまったという話です。
武蔵野アニメーションを舞台にした話なので『SHIROBAKO』アニメ本編に出てくるキャラがたくさん登場しますし、アニメで描いたらただのエロアニメになりそうなシチュエーションなので「小説版ならでは」と言えるし、絵麻の一人称視点だと「絵麻の面倒くさい性格」が上手く表現されているしで、自分は5つの話の中でこの話が一番好きでした。
アニメ版を観ていると……この後に絵麻が苦悩してしまうことも分かっているし、アニメ版の第15話では後輩が出来て後輩の世話をしている様子も描かれているし。漫画版→小説版→アニメ版という時間軸の流れを見ると、安原絵麻という一人の人間の人生が分かるんですね。このコ、本当面倒くさいコなんですよ!
でも、そこが人間らしいんですね。
漫画版、小説版と読んで……絵麻というキャラが「ただの可愛い女のコ」じゃなくて、血の通った人間に見えてきた気がします。それと特定層には需要があります。
○ 坂木しずか編
書いているのはTAMAさん。アニメの脚本を書いていて、初めての小説を書いた……というプロフィールしか分かりませんでした。
漫画版を先に読むことをオススメします!
この小説版では声優になるための養成所「赤鬼塾」の基礎科から本科に上がるための試験を控えたしずかの苦闘が描かれています。漫画版では、5人の中で一番しっかりしていて、ちゃんとした「夢」を持って夢のために「努力」を怠らずにみんなを引っ張っていたしずかが―――養成所ではこんな苦労をして、そしてアニメ版の現状があんなカンジという。
絵麻もそうだったけど、漫画版→小説版→アニメ版と見ると坂木しずかという一人の人間の人生が見えて。
絵麻は常に一貫して「面倒くさいコだなぁ」というのは変わらないんですが(笑)、しずかは漫画版と小説版とアニメ版ではやっぱりちょっと違うキャラなんです。それはキャラがズレているとかではなくて、年月を経て変化してしまう気持ちがしっかり表現されているという意味で。アニメ版で「ずかちゃんがあんなに酔っ払うなんて」と言われていたけど、漫画版で描かれた高校時代のしっかりしたしずかを知っていると「あのしずかがこんなに落ち込むのか……」と思いますもの。
今後しずかの話がどうなるのかは分かりませんが、しずかの話が展開していく前にこの話が読めて良かったです。
○ 藤堂美沙編
書いているのはTAMAさん。しずか編と同じ人です。
3DCGを学ぶために専門学校に入った美沙が、そこで出来た友達と企業課題としてカラオケ用の映像を制作する話です。話自体はそれほど目新しいものではないというか、「2Dか3Dか」って話はアニメ本編でもやった話なのでさほど驚きもなかったのですが……
美沙って5人の中では一番内面が描かれていないキャラだと思うので、私生活とか内面が描かれているのが新鮮でした。自分がボーイッシュだという自覚と、乙女乙女している友達との比較と、そこからの展開がとても良かったです。この二人は映像化されれば絵になる二人だったろうなぁ。
話自体は「過去の話」なので、漫画版同様に「結果が分かっている」話とも言えるのですが……高校時代を描いた漫画版、1年~半年前を描いた小説版と、現在放送中のアニメ版と、続けて観ると「人間の成長と変化」が見られてすごく面白かったです。小説版もまた、『SHIROBAKO』の主人公5人が好きならば読んで損はない本だと思います。値段は文庫本の小説に比べるとちょっと高めですけど。
オリジナルアニメと並行した「漫画版」や「小説版」といったメディアミックスの場合、「アニメと同じストーリー」をするものが多く、たまに「キャラは同じだけど全く別のストーリー」をするものもありますが……
最近は「アニメの前日譚」をメディアミックスで描くのが流行みたいですね。『結城友奈は勇者である』の小説版では、アニメのキャラよりも先代の勇者の『鷲尾須美は勇者である』が展開されていましたし。自分は確認していないんですけど『ローリング☆ガールズ』の漫画版も前日譚らしいですし。
『SHIROBAKO』の場合、「アニメを作るアニメ」として本編はガッツリとアニメを作っていく過程を描き、小説版は彼女らの内面を描き、漫画版は女のコ同士でイチャイチャしている様を描く(笑)。媒体の特性を活かしたメディアミックスになっていて、全部それぞれの方向に良さが炸裂していると思います。
さて……『SHIROBAKO』アニメは、現実に存在するアニメ作品や会社、人物などをモデルにした描写が多数登場するのが特徴なのですが。それは漫画版や小説版も一緒です。
アニメをより楽しんでもらうために元ネタ解説記事を書いてきたのに、漫画版や小説版の元ネタを解説しなくてイイのか―――と思ったので、書きますよ!漫画版と小説版の元ネタ解説記事を書きます。
集英社のJUMP j BOOKSから、5人の主人公それぞれの「アニメより少し前」の様子を描いた小説版です。価格は1000円+消費税で、文庫本より大きいサイズの本ですね。青年コミックサイズと言うべきか、先ほどの漫画版『SHIROBAKO』と同じサイズの本です。現在のところ、こちらは電子書籍版は出ていないみたいですね。
表紙のイラストはP.A.WORKSの内部の人が描いているみたいですが、誰が描いているのかは分かりません。挿絵のイラストはジャンプSQの若手漫画家である坂ノ下穂波さんだそうです。
小説自体は脚本家・小説家の4人が、全5章をそれぞれ分担して書いているのですが―――それぞれ主人公の違う一人称視点の小説なので、「章ごとに書き手が違う」ことで「性格の違う5人の主人公」が上手く表現されていたように思います。
ノベライズ作品にはよくあることで、「このキャラはこういう台詞は言わなくない?」というところが何箇所かはあります。しずかが絵麻のことを「絵麻ちゃん」と呼ぶとかね……でもまぁ、そういうのは仕方ないかなと割り切りたいのですが。丸川社長のことを「丸山社長」と間違えて書いちゃうのは、それ一番やっちゃダメなヤツでしょう!(笑)
○ 宮森あおい編
書いているのは伊藤美智子さん。様々なアニメの脚本を書いていて、『ロウきゅーぶ!』ではシリーズ構成も担当されていた方みたいです。
アニメ版の第15話の冒頭シーンから始まります。
なので、アニメ版の第15話をまだ観ていないって人には多少のネタバレにはなっちゃうかも知れないです。発売のタイミングを考えても、「アニメ版の第15話まで観ている人」に向けた本になっていると思います。
入社から1年が経過した宮森さんが1年前の自分を回想する形で、物語が語られます。
武蔵野アニメーションに入って、新人の「制作進行」として矢野から仕事のイロハを叩き込まれていく話です。アニメ版の第15話まで観ている人ならば、「15話時点の宮森と矢野」の現状を知っているでしょうからそれだけでグッと来る話ですし。アニメ版の第15話で新人として入った安藤さんと佐藤さんが今まさに覚えていることを、かつて宮森も叩き込まれたって話なんですね。
ここで描かれている宮森さんと辻さんの話は、アニメ版でこれから描かれるかも知れない安藤さんと佐藤さんの話にシンクロしているようにも思えますからね。
○ 今井みどり編
書いているのは吉成郁子さん。アニメ『たまごっち!』シリーズの脚本を書いていた方……でイイのかな。
大学生になったばかりのみどりが、大学で実写の映像作品を作る話です。
割とぶっ飛んだ話ですし、みどりの過去編だから仕方ないのですが「アニメ業界」とも「『SHIROBAKO』アニメ本編」とも関係のない話なので……これは大変だなとも思うのですが。アニメ版や漫画版だと天才肌というか何でもササッとこなしてしまうみどりが、悩んだり落ち込んだり怒ったりする姿が新鮮でした。
○ 安原絵麻編
書いているのは田中創さん。『ニセコイ』の小説版なんかを書いている方だそうです。
武蔵野アニメーションで「動画」を担当していた絵麻が、「原画」に昇格する課題を与えられるのだけど……なんやかんやあって何故だか女性アニメーター達と銭湯に来てしまったという話です。
武蔵野アニメーションを舞台にした話なので『SHIROBAKO』アニメ本編に出てくるキャラがたくさん登場しますし、アニメで描いたらただのエロアニメになりそうなシチュエーションなので「小説版ならでは」と言えるし、絵麻の一人称視点だと「絵麻の面倒くさい性格」が上手く表現されているしで、自分は5つの話の中でこの話が一番好きでした。
アニメ版を観ていると……この後に絵麻が苦悩してしまうことも分かっているし、アニメ版の第15話では後輩が出来て後輩の世話をしている様子も描かれているし。漫画版→小説版→アニメ版という時間軸の流れを見ると、安原絵麻という一人の人間の人生が分かるんですね。このコ、本当面倒くさいコなんですよ!
でも、そこが人間らしいんですね。
漫画版、小説版と読んで……絵麻というキャラが「ただの可愛い女のコ」じゃなくて、血の通った人間に見えてきた気がします。それと特定層には需要があります。
○ 坂木しずか編
書いているのはTAMAさん。アニメの脚本を書いていて、初めての小説を書いた……というプロフィールしか分かりませんでした。
漫画版を先に読むことをオススメします!
この小説版では声優になるための養成所「赤鬼塾」の基礎科から本科に上がるための試験を控えたしずかの苦闘が描かれています。漫画版では、5人の中で一番しっかりしていて、ちゃんとした「夢」を持って夢のために「努力」を怠らずにみんなを引っ張っていたしずかが―――養成所ではこんな苦労をして、そしてアニメ版の現状があんなカンジという。
絵麻もそうだったけど、漫画版→小説版→アニメ版と見ると坂木しずかという一人の人間の人生が見えて。
絵麻は常に一貫して「面倒くさいコだなぁ」というのは変わらないんですが(笑)、しずかは漫画版と小説版とアニメ版ではやっぱりちょっと違うキャラなんです。それはキャラがズレているとかではなくて、年月を経て変化してしまう気持ちがしっかり表現されているという意味で。アニメ版で「ずかちゃんがあんなに酔っ払うなんて」と言われていたけど、漫画版で描かれた高校時代のしっかりしたしずかを知っていると「あのしずかがこんなに落ち込むのか……」と思いますもの。
今後しずかの話がどうなるのかは分かりませんが、しずかの話が展開していく前にこの話が読めて良かったです。
○ 藤堂美沙編
書いているのはTAMAさん。しずか編と同じ人です。
3DCGを学ぶために専門学校に入った美沙が、そこで出来た友達と企業課題としてカラオケ用の映像を制作する話です。話自体はそれほど目新しいものではないというか、「2Dか3Dか」って話はアニメ本編でもやった話なのでさほど驚きもなかったのですが……
美沙って5人の中では一番内面が描かれていないキャラだと思うので、私生活とか内面が描かれているのが新鮮でした。自分がボーイッシュだという自覚と、乙女乙女している友達との比較と、そこからの展開がとても良かったです。この二人は映像化されれば絵になる二人だったろうなぁ。
話自体は「過去の話」なので、漫画版同様に「結果が分かっている」話とも言えるのですが……高校時代を描いた漫画版、1年~半年前を描いた小説版と、現在放送中のアニメ版と、続けて観ると「人間の成長と変化」が見られてすごく面白かったです。小説版もまた、『SHIROBAKO』の主人公5人が好きならば読んで損はない本だと思います。値段は文庫本の小説に比べるとちょっと高めですけど。
オリジナルアニメと並行した「漫画版」や「小説版」といったメディアミックスの場合、「アニメと同じストーリー」をするものが多く、たまに「キャラは同じだけど全く別のストーリー」をするものもありますが……
最近は「アニメの前日譚」をメディアミックスで描くのが流行みたいですね。『結城友奈は勇者である』の小説版では、アニメのキャラよりも先代の勇者の『鷲尾須美は勇者である』が展開されていましたし。自分は確認していないんですけど『ローリング☆ガールズ』の漫画版も前日譚らしいですし。
『SHIROBAKO』の場合、「アニメを作るアニメ」として本編はガッツリとアニメを作っていく過程を描き、小説版は彼女らの内面を描き、漫画版は女のコ同士でイチャイチャしている様を描く(笑)。媒体の特性を活かしたメディアミックスになっていて、全部それぞれの方向に良さが炸裂していると思います。
さて……『SHIROBAKO』アニメは、現実に存在するアニメ作品や会社、人物などをモデルにした描写が多数登場するのが特徴なのですが。それは漫画版や小説版も一緒です。
アニメをより楽しんでもらうために元ネタ解説記事を書いてきたのに、漫画版や小説版の元ネタを解説しなくてイイのか―――と思ったので、書きますよ!漫画版と小説版の元ネタ解説記事を書きます。
◇ 漫画版『SHIROBAKO』1巻
○ 山洋堂
美沙が買ってきた『ズーパークストーリー』ポークジンジャーのフィギュアを製作している会社。元ネタは恐らく「海洋堂」(公式サイト)だと思われます。フィギュアや食玩などを製作している会社で、2000年前後にチョコエッグの精巧なフィギュアが話題になって一躍知名度が上がりました。
その後チョコエッグとは決別するのですが、「海洋堂」のブランド力と造形技術は衰えず、リボルテックシリーズなど今もなお高い人気を誇っています。
○ ポークジンジャー
○ ミスカツレツ

<画像は『SHIROBAKO ~上山高校アニメーション同好会~』1巻より引用>
『ズーパークストーリー』のキャラ。
アニメ本編に出てきたキャラはペンギンや白熊などの寒冷地の動物だったのですが、ポークジンジャーは豚のキャラでした。名前から察するにミスカツレツも豚タイプのキャラだと思われます。
『ズーパークストーリー』の元ネタは何だ?という根本の話があるんですが、実を言うと自分はCGアニメには詳しくないんでどの作品が元ネタかよく分からないんですね。個人的には『ズーパークストーリー』も、そこに出てくるキャラも、オリジナルなんじゃないのかと思っているのですが……「ポークジンジャーの元ネタはこの作品のこのキャラだよー」というのが分かる人がいたら教えてください。
○ コンドルのルペおばさん
『アンデスチャッキー』の中で、みどりが好きだと言っていたキャラ。
『アンデスチャッキー』の元ネタだと思われる『ロッキーチャック』の中にも、コンドルを題材にしたキャラがいたみたいで……どうやら「コンドルおくさん」というキャラがいるそうです。
○ アニマイト
宮森さんと絵麻がアニメの制作道具を買いに行ったお店。
「アニメイト」(公式サイト)が元ネタだと思うんですが……アニメ版では、「アニメイト」として4話で登場しているんですよ。どうして漫画版だと「アニマイト」になっているのか……
○ ギブリの高田監督
役職が決まらなかったために監督を押し付けられた宮森さんに、みどりが言った「自分は絵も描けないし演技もできないから監督やってるんです」という監督さん。その人がそうなのかは私は知らなかったのですが、名前から判断するにスタジオジブリの高畑勲監督だと思われます。
宮崎駿さんとともに『ルパン三世』の制作に関わり、『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』などの作品の演出を担当―――スタジオジブリ設立後は『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』などの監督を務め、近年では『かぐや姫の物語』の監督を務めました。
日本のアニメーションの礎を築いた一人、と言って過言ではないでしょう。
※ 2025年追記:この記事を書いた2015年時点では出ていなかった「漫画版2巻」の元ネタ解説もしようと考えていたのですが……実際に「漫画版2巻」を読み返してみたら、特にアニメが元ネタの話はありませんでした。
◇ 小説版『SHIROBAKO』
○ 往年のボクシングアニメのラストシーン
宮森と矢野が仕事場に踏み込んだウメシタの姿を形容した表現。
1967年~1973年に週刊少年マガジンで連載され、1970年~1971年と1980年~1981年にテレビアニメが放送された『あしたのジョー』のラストシーンのことだと思われます。ネタバレになるのでどういう状況かは詳しくは書きませんが、死闘を繰り広げたキャラクターが真っ白に燃え尽きた姿が衝撃的で、時代を飛び越えてこういうところでも使われる表現になっているという。
○ チャームス
宮森が出会った竹中という男が勤めるアニメ制作会社で、元ネタは「アームス」ですかねぇ。1996年に主にアダルトアニメの制作を行う会社として設立、その後にアダルトアニメの売上が下降したことで、2004年以降はテレビアニメの制作元請も行うようになりました。
『エルフェンリート』、『クイーンズブレイド』シリーズ、最近では『まおゆう魔王勇者』や『極黒のブリュンヒルデ』が有名で、今季は『ISUCA』を制作していますね。
※ 2025年追記:2020年5月に解散したみたいです。
○ 『八つの罪科』
○ 『トリエント・セプト』
○ 『五月は気にしない』
竹中組同期会のメンバーが「今季の覇権アニメ」として話題に出していた作品達で……時間軸からすると2014年4月スタートのアニメみたいですが、タイトルから連想されるのはどれも2014年4月スタートではないアニメのような。
『八つの罪科』の元ネタは恐らく『七つの大罪』(公式サイト)です。原作は2012年から週刊少年マガジンで連載中の鈴木央さんの漫画で、アニメは2014年10月から現在も放送中です。制作はA-1 Pictures。
『トリエント・セプト』の元ネタは『トリニティセブン』(公式サイト)ですかねぇ。名前の響きはそうなんだけど、響きしか共通点がないような。『トリニティセブン』は2011年から月刊ドラゴンエイジで連載中の漫画を原作に、アニメは2014年10月~12月に放送されました。制作はセブン・アークス・ピクチャーズ。こちらも「七つの大罪」をモチーフにした話ですよね……
『五月は気にしない』の元ネタは『四月は君の嘘』(公式サイト)ですかねぇ。2011年から月刊少年マガジンで連載中の漫画を原作に、アニメは2014年10月から現在も放送中です。制作はA-1 Pictures。
全て2014年10月からのアニメだというのは……
○ 『パリー・ボッター』
みどりが読んでいた世界的大ベストセラー小説。作者はJ・K・コーリングで、主人公はパリー、敵はゴルデドーモ。
元ネタは言うまでもなく、『ハリー・ポッター』シリーズだと思われます。J・K・ローリングによるファンタジー小説で、1997年に第1巻が刊行されると瞬く間に世界的ベストセラーになり、続刊や映画も大ヒットしました。
魔法使いの少年ハリーがヴォルデモートと対決していくお話です。
J・K・ローリングさんが寺を好きかどうかは私は知りません(笑)。
○ アイダック・アジモフ
『パリー・ボッター』の前にみどりが夢中になっていた人。
元ネタはアイザック・アシモフさんだと思われます。本職は科学者ながら、SF小説・ミステリ小説など非常に多くの作品を書いた小説家として知られています。『ファウンデーション』シリーズ、『ロボット』シリーズ、『黒後家蜘蛛の会』シリーズなどが代表作ですかね。
「ロボット工学3原則」の人―――と説明すると「あぁ、あの!」と分かるでしょうか。
○ 赤鬼塾
○ 緑山光
○ 中井和男
しずかが通っていた声優養成所と、そこを卒業した超有名声優さん達。
元ネタは恐らく「青二塾」(公式サイト)で、青二プロダクションの附属養成所です。「東京校」と「大阪校」の二校があり、「東京校」が一年、「大阪校」が二年のカリキュラムみたいですね。有名な卒業生としては緑川光さん、中井和哉さんなどなどなど多数。
○ 『キュルキュル5』
駅前の巨大スクリーンに宣伝が流れていたアニメ。
名称から察するに『Yes!プリキュア5』かなぁと思うのですが……『Yes!プリキュア5』は2007年~2009年に放送されていたので、しずかが『キュルキュル5』の宣伝を見ている(恐らく)2012年の12月とは時期が合わないんですよねぇ。
まぁ、一応。
『Yes!プリキュア5』(公式サイト)は2007年から放送された『プリキュア』シリーズ第4作で、『ふたりはプリキュア』の「ふたりは」が外れてプリキュア5人によるストーリーになりました。翌年には『Yes!プリキュア5GoGo!』(公式サイト)という続編が作られました。
○ 劇団まこまり
小柳佐和子が小学生の頃に所属していた劇団。
元ネタは劇団ひまわり(公式サイト)ですかねぇ……1952年に創業された劇団・芸能事務所で、新聞広告を頻繁に出しているので知名度も高い劇団でしょう。子役が有名だけど、子役以外にも多くの俳優さんが所属して、現役の声優さんも宮野真守さんや内山昂輝さんなどが所属しています。
子役出身の声優さんは多く、高校生くらいからガンガン活躍している人もいるので……高卒で養成所に入ってレッスンを受けているしずかが劣等感を感じてしまうのもムリがないのかも。
○ HUL
美沙が通っていたPCを媒体にしたエンジニアやクリエイターを育成する専門学校。
元ネタは恐らくHAL(公式サイト)です。『星のカービィ』を作っているところ……では、ありません(笑)。あちらはHAL研究所です。こちらはモード学園が運営する専門学校で「大阪」「名古屋」「東京」の3校が開校しています。
様々なコースがありますが、HALだとCG学科は2年、CG映像学科は4年コースみたいですね……また、HAL東京は新宿にあるのですが、小説に出てくるHULはどうも池袋にあるみたい?
○ ペクサー
○ 『トイミュージック』
○ 『モンスターズ株式会社』
美沙がアニメを好きになったきっかけの作品達。
ペクサーの元ネタは、恐らく「ピクサー」(公式サイト)です。
ピクサーは元々はアメリカの映像製作会社ルーカスフィルムのコンピュータ・アニメーション部門だったのを、1986年にスティーブ・ジョブズらが買収して独立させた会社です。1995年にディズニーとの共同製作で作られたフル3DCGアニメ『トイ・ストーリー』以後、『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『カーズ』など世界的大ヒット作品を連発しています。
練りこまれた脚本と、“何だって表現できる”高いCG技術が特徴ですね。
現在はディズニーの完全子会社です。
『トイミュージック』の元ネタは、なので『トイ・ストーリー』(公式サイト)でしょう。
1995年に公開された世界初のフルCGアニメーションによる長編映画作品だそうです。当時のCG技術では「人間の表情」を描くにはまだ違和感があったところ、主人公達を「おもちゃ」にすることでCGアニメならではの魅力に変えてしまった快作です。映画は大ヒットし、現在はシリーズが『3』まで公開され、『4』が製作中だそうです。
『モンスターズ株式会社』の元ネタは『モンスターズ・インク』でしょう。
2001年に公開されたピクサー4作目の長編アニメーション作品で、子ども達を怖がらせる会社モンスターズ・インクで働くモンスター達を描いた映画です。「インク」というのは「製図用インク」とかのインクではなく、「Inc.」=「incorporated」=「株式会社」という意味です。なので、パロディとしては「そのまんま」という(笑)。
○ 『湯婆と坊やの隠れんぼ』
美沙が高校時代に授業をサボって観に行った「ミヤザキイサオ」監督の映画だそうな。美沙の高校時代って2009年~2012年くらいの年代だと思うんですけど、多分元ネタは2001年の『千と千尋の神隠し』ですよね。
森の中で神隠しにあった少女が、湯屋で働きながら両親にかけられた呪いを解いていく話です。宮崎駿監督の作品の中でも高い興行収入の大ヒット映画です。
○ 『ファイナルストリア』
○ 『ドラゴンファイティング』
『SHIROBAKO』世界における二大RPGだそうな。
斧田さんが好きなのは『ファイナルストリア』で、ゲームのムービーを作りたくて専門学校に通っているとか。
『ドラゴンファイティング』の元ネタは、恐らく『ドラゴンクエスト』シリーズ(公式サイト)です。1986年に第1作がファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたゲームで、海外で流行していたパソコン用RPGをライターの堀井雄二さんが日本向けにアレンジしたことで社会現象を引き起こすほどの人気となりました。
多くの日本人にRPGというジャンルのゲームの面白さを伝え、以後『ドラゴンクエスト』のようなゲームを日本ではRPGと呼ぶようになったほどでした。現在は『10』までナンバリングタイトルが発売されています。
『ファイナルストリア』の元ネタは、恐らく『ファイナルファンタジー』シリーズ(公式サイト)です。『ドラゴンクエスト』ブームで生まれた日本のRPGの一つとして第1作が1987年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売され、『ドラゴンクエスト』との差別化によってスーパーファミコン・プレイステーションの時代には「二大RPG」と肩を並べるほどになったシリーズです。現在は『14』までナンバリングタイトルが発売されています。
様々な特徴がありますが、やはり目を引くのはビジュアル面で、90年代にはCGを駆使した「映画のようなゲーム」の代名詞にもなりました。なので、斧田さんは『ドラゴンファイティング』よりも『ファイナルストリア』が好きなんだと思います。
○ Max
美沙や斧田さんが使っていた3DCGソフト。
「3ds Max」(公式サイト)というソフトがあるんですけど……そのまんまコレなんですかねぇ。流石に専門学校の生徒がどのソフトを使っているのかなんてのは私には分からないので、自信がありません。
○ アニャニャイト
美沙が斧田さんに連れて行かれたヲタクの聖地。
アニメ版ではアニメイト、漫画版ではアニマイト、小説版ではアニャニャイト……しかし、小説版の美沙はアニャニャイトに抵抗感があったみたいなので、漫画版で行っていたアニマイトとは別のチェーン店なのだろうか(笑)。
○ 『薄桃記』
斧田さんが美沙に布教していた乙女ゲーム。
元ネタは『薄桜鬼 ~新選組奇譚~』(公式サイト)ですかね。幕末を舞台にした乙女ゲームで、様々な機種で展開されているだけでなく、テレビアニメ化も3回されています。
小説に出てくる『薄桃記』はキャラをCGで表現しているそうなんですが、『薄桜鬼』もPS3版ではさりげなく動くアクティブアニメーションシステムを採用しているそうです(「仕様」を参照)。これはフルCGとは違う技術だったと思うんですけど……乙女ゲームにもフルCGのゲームってあるんですかね。ギャルゲーならいっぱいありますが。
こんな風にボーイッシュな美沙に乙女ゲーを遊ばせる展開は、私としてはとても好きな展開でニヤニヤしておりました。
○ 世界一有名な配管工が出てくるゲーム
○ 『ポケットドラゴンズ』
美沙が「(意外にも)既に3DCGを採用している」と言ったゲームで、「世界一有名な配管工が出てくるゲーム」は『スーパーマリオ』シリーズのことだと思います。1996年の『スーパーマリオ64』から3D化していて、現在では2Dアクションの『New』シリーズも3DCGのキャラが動いています。
『ポケットドラゴンズ』は『ポケットモンスター』シリーズ(公式サイト)と『パズル&ドラゴンズ』(公式サイト)を合わせたんですかねぇ。
『ポケットモンスター』は1996年に第1作が発売された大人気RPGで、スピンオフ作品には早くから3DCGが採用されているものも多かったですが、本編に採用されたのは2013年の『ポケットモンスター X・Y』が初。
『パズル&ドラゴンズ』は2012年から稼動しているスマホ用の大人気RPGで、自分がプレイしたのは随分前なので記憶が曖昧ですが『パズドラ』って2Dのゲームじゃなかったっけ……スピンオフはまた違うんですかね?
ゲーム内容的には『ポケットモンスター』だと思うんですが、挿絵で描かれている美沙の様子だとスマホでプレイしているようなんですよね。あと、『ポケットドラゴンズ』と書かれると中日ドラゴンズのゲームっぽい(笑)。
○ 杏仁堂DL
なんのことだ……と思ったのですが、ニンテンドーDSのことか!
『薄桃記』が遊べるゲーム機みたいです。元ネタの『薄桜鬼』はたくさんの機種で発売されています。もちろんニンテンドーDSでも。
元ネタ解説はここまで。
相変わらずクッタクタです(笑)。美沙の話は特にCGの専門的な話が多かったので、出てくる用語が多かったですね……
「世界一有名な配管工」という言葉はよく言われますが、私はマリオ以外に配管工をしている人の名前を知りません。そもそもマリオが配管工として仕事をしているのって『マリオブラザーズ』くらいで、それ以後は建築現場でハンマー振り回したり、医者になってカプセル投げたり、レースしたりテニスしたりゴルフしたりで、あんまり配管工の仕事してない気がします!
『ファイナルストリア』の元ネタは、恐らく『ファイナルファンタジー』シリーズ(公式サイト)です。『ドラゴンクエスト』ブームで生まれた日本のRPGの一つとして第1作が1987年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売され、『ドラゴンクエスト』との差別化によってスーパーファミコン・プレイステーションの時代には「二大RPG」と肩を並べるほどになったシリーズです。現在は『14』までナンバリングタイトルが発売されています。
様々な特徴がありますが、やはり目を引くのはビジュアル面で、90年代にはCGを駆使した「映画のようなゲーム」の代名詞にもなりました。なので、斧田さんは『ドラゴンファイティング』よりも『ファイナルストリア』が好きなんだと思います。
○ Max
美沙や斧田さんが使っていた3DCGソフト。
「3ds Max」(公式サイト)というソフトがあるんですけど……そのまんまコレなんですかねぇ。流石に専門学校の生徒がどのソフトを使っているのかなんてのは私には分からないので、自信がありません。
○ アニャニャイト
美沙が斧田さんに連れて行かれたヲタクの聖地。
アニメ版ではアニメイト、漫画版ではアニマイト、小説版ではアニャニャイト……しかし、小説版の美沙はアニャニャイトに抵抗感があったみたいなので、漫画版で行っていたアニマイトとは別のチェーン店なのだろうか(笑)。
○ 『薄桃記』
斧田さんが美沙に布教していた乙女ゲーム。
元ネタは『薄桜鬼 ~新選組奇譚~』(公式サイト)ですかね。幕末を舞台にした乙女ゲームで、様々な機種で展開されているだけでなく、テレビアニメ化も3回されています。
小説に出てくる『薄桃記』はキャラをCGで表現しているそうなんですが、『薄桜鬼』もPS3版ではさりげなく動くアクティブアニメーションシステムを採用しているそうです(「仕様」を参照)。これはフルCGとは違う技術だったと思うんですけど……乙女ゲームにもフルCGのゲームってあるんですかね。ギャルゲーならいっぱいありますが。
こんな風にボーイッシュな美沙に乙女ゲーを遊ばせる展開は、私としてはとても好きな展開でニヤニヤしておりました。
○ 世界一有名な配管工が出てくるゲーム
○ 『ポケットドラゴンズ』
美沙が「(意外にも)既に3DCGを採用している」と言ったゲームで、「世界一有名な配管工が出てくるゲーム」は『スーパーマリオ』シリーズのことだと思います。1996年の『スーパーマリオ64』から3D化していて、現在では2Dアクションの『New』シリーズも3DCGのキャラが動いています。
『ポケットドラゴンズ』は『ポケットモンスター』シリーズ(公式サイト)と『パズル&ドラゴンズ』(公式サイト)を合わせたんですかねぇ。
『ポケットモンスター』は1996年に第1作が発売された大人気RPGで、スピンオフ作品には早くから3DCGが採用されているものも多かったですが、本編に採用されたのは2013年の『ポケットモンスター X・Y』が初。
『パズル&ドラゴンズ』は2012年から稼動しているスマホ用の大人気RPGで、自分がプレイしたのは随分前なので記憶が曖昧ですが『パズドラ』って2Dのゲームじゃなかったっけ……スピンオフはまた違うんですかね?
ゲーム内容的には『ポケットモンスター』だと思うんですが、挿絵で描かれている美沙の様子だとスマホでプレイしているようなんですよね。あと、『ポケットドラゴンズ』と書かれると中日ドラゴンズのゲームっぽい(笑)。
○ 杏仁堂DL
なんのことだ……と思ったのですが、ニンテンドーDSのことか!
『薄桃記』が遊べるゲーム機みたいです。元ネタの『薄桜鬼』はたくさんの機種で発売されています。もちろんニンテンドーDSでも。
元ネタ解説はここまで。
相変わらずクッタクタです(笑)。美沙の話は特にCGの専門的な話が多かったので、出てくる用語が多かったですね……
「世界一有名な配管工」という言葉はよく言われますが、私はマリオ以外に配管工をしている人の名前を知りません。そもそもマリオが配管工として仕事をしているのって『マリオブラザーズ』くらいで、それ以後は建築現場でハンマー振り回したり、医者になってカプセル投げたり、レースしたりテニスしたりゴルフしたりで、あんまり配管工の仕事してない気がします!
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