
※ この記事は2010年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2026年に移行した記事です
その1・その2に続く第3弾ですよ。
Wiiは任天堂史上はじめて“後方互換”を搭載した据置ゲーム機です。
スーファミではファミコンのソフトは遊べませんし、64ではスーファミのソフトは遊べませんし、ゲームキューブでは64のソフトは遊べません。
もちろん「敢えてしなかった」というよりは「出来なかった」ことも大きいのですが、では何故「出来なかった」のかと言えば、ホントは優先順位の問題で―――「過去のソフトが遊べること」よりも、「新しいゲーム機でしか出来ない遊び」を重視したんだと思います。そちらにコストと技術を注いだのだろうと。
任天堂は「変化」し続ける。
コントローラは形状を見るだけで変化が分かりやすいですが、ソフトの面でも「変わり映えしないことは極力しない」印象はありますよね。『スーパーマリオワールド』が大ヒットしたからと言って、『スーパーマリオワールド2』を出してはくれない。DSで『Newマリオ』を出すまでは「今更2Dマリオをやるのか」という空気があったそうですし。
だからこそ、「それまでの任天堂」が好きだった人が「なーんか俺が求めていたものと違う方向に進んでいるよなぁ」と思ってしまいがち。
Wiiも当然そう。
ファミコン・スーファミ世代が64の変化に付いていけなくて脱落者を多数出したように、64・GC世代はWiiの変化に付いていけなくなったという見方も出来ます。それ以前から右肩下がり傾向ではあったんですけど、64時代はミリオンタイトルだった3D『マリオ』&3D『ゼルダ』がWiiで売上げ苦戦したのはその象徴なのかなぁと。(逆にファミコン・スーファミ世代に馴染みのある『Newマリオ』は大ヒットしている)
しかし、そんな任天堂がWiiには“後方互換”を付けたのです。
ゲームキューブのソフトが全部遊べますし、“互換”とはちょっと違いますけどファミコン・スーファミ・64などの過去のゲームをダウンロード購入して遊ぶことが出来ます。「変化し続けた」任天堂にしてみれば異例なことですよね(ファミコンミニ辺りが転機だったと思われます)。
こうした機能を付けた理由は一つや二つではないでしょう。発売時期を早めるためにゲームキューブの技術を流用したからとか、「新しさ」だけでは限界があると思っていたとか、ダウンロード販売によってネット接続率を上げたいとか……等等。
結果、WiiのコントローラはWiiリモコンだけではなくなります。
Wiiリモコンはボタン数を減らす必要があったため……ゲームキューブのソフトを遊ぶためにゲームキューブコントローラ(以下GCコン)、スーファミ等のソフトを遊ぶためにクラシックコントローラ(以下クラコン)にも対応させなきゃなりませんでした。んで、「Wiiリモコンでは遊びにくいソフトはこっちに対応させるのも手だよね」と。そういう“拡張できる幅”を持たせることで、様々なソフトを出せるようにしたのです。
で、結果。
『モンハン3』『モンハンG』『戦国無双3』『テイルズオブグレイセス』―――これらは2009年のサードメーカー発売のWii用ソフトでの売上げ上位商品なんですが(あとは『太鼓2』や『桃鉄』が入る)、こうしたソフトには本体+ソフト+クラコンPROというスペシャルパックが用意されたり、クラコンとの同梱パックが用意されたりしていて。
言ってしまえば“クラコン推奨”のソフトです。
「従来型ゲーム」「シリーズソフト」などは、Wii以前からそうしたソフトを応援している人に支持されているワケで。そうした人達には「(変わらない)クラコンで遊びたい」「GCコンで遊びたい」意見も多いので当然と言えば当然なんですけど……
任天堂が『Wii Sports』で開拓したような「予備知識がなくても楽しめるゲーム」を支持するような人達には、「あー自分にはムリなゲームだな」と思われてしまうという。
ユーザーの二極化。
もちろん大雑把な話なんですけど……
「Wiiリモコンしか使えない人達」は、クラコン推奨ソフトには「自分にはムリ」と見向きもせず。
「クラコンしか使いたくない人達」は、Wiiリモコン専用ソフトには「リモコン振るのとか恥ずかしいし…」と見向きもしない。そのミゾの深さがWiiソフトの市場を苦しめているように私は思うのです。
ちょっと話変わるんですけどさ。
「部屋で一人Wiiリモコン振るのとか恥ずかしくて死にたくなる」って意見をアンチWiiの人達からよく聞くんですけど、そういう人達ってオナニーとかどうしてんですかね?オナニーは言い過ぎでも、鼻毛抜いたりとか、紐ボクシングとか、部屋の中ですることって「コレは他人には見せられない姿だなぁ」ってことばかりだと思うんですけど。
閑話休題。
記事タイトルで「呪縛」という言葉を使ったので、従来型コントローラ(クラコンやGCコン)を否定しているように思えるかも知れませんが。そうではないです。私は触ったことのあるコントローラの中でGCコンが一番好きですし、バーチャルコンソールやりたくてWiiを買ったのでクラコン3つ持っています。
問題だと思うのは……一方に「Wiiリモコンしか使えない人達」がいて、その対極に「クラコンしか使いたくない人達」がいるとイメージして、その橋渡しをする存在が機能していないことです。両方の端っこが居心地良すぎて歩み寄っていない。
任天堂の岩田社長は何度か「橋渡しをするソフトが大切だ」と語っていて、喩えばDSの『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』などを具体例に出していたのですが……Wiiの場合はどうだろう、という話。
結論を言います。
本来「橋渡し」の役目を担うはずだった“ヌンチャクスタイル”推奨のゲームが日本では売上げ苦戦している(=定着していない)ことが、Wiiが抱えている一番大きな不安要素だと思うのです。
○ 「ヌンチャクである」必然性とは
『ウイイレプレーメーカー』『王様物語』『罪と罰』なんかは分かりやすい例だし、「目標には恐らく達していない」ということなら『マリオギャラクシー』や『トワイライトプリンセス』も売上げ苦戦と言えてしまうでしょう。
コレらのソフトは“ヌンチャクスタイル”専用もしくは推奨のソフトで、購入した人の評判は非常にイイのにも関わらず売上げが伸び悩み、「こんなに良いゲームが売れないなんてWiiユーザーはどうかしている」とまで言われている商品です。
でも、「ユーザーの二極化」という視点で考えれば分かりやすいですよね。
「Wiiリモコンしか使えない人達」にヌンチャクを渡しても「アナログスティックなんて使えないよ!」と反応をします。
「クラコンしか使いたくない人達」にWiiリモコン+ヌンチャクを渡しても「リモコン振るのとかイヤだし…」と反応をします。
本来、その「橋渡し」をするはずの“ヌンチャクスタイル”のゲームが両側のユーザーのどちらからも敬遠され、「どんなコントローラでも構わないっすよー」というユーザーにしか買われていないのが現状だと思うのです。
“ヌンチャクスタイル”は「Wiiリモコンしか使えない人達」には「アナログスティックも難しくないんだね!」と思ってもらって、「クラコンしか使いたくない人達」に「Wiiリモコンも悪くないね」と思ってもらうために用意されたものだと推測されるのですが―――ここが全く機能していないんじゃないかと。
推測する根拠はあります。
『NewマリオWii』『マリオカートWii』『スマッシュブラザーズX』『街へいこうよ どうぶつの森』―――任天堂が出しているWiiソフトの中で“複数コントローラに対応しているゲーム”なんですが、全て“ヌンチャクスタイル”に対応しているんです。もちろん『マリオギャラクシー』や『トワイライトプリンセス』はヌンチャク専用ですし、任天堂は“ヌンチャクスタイル”に一番力を入れているとすら思えるんです(『暁の女神』や『フォーエバーブルー』は例外。アレはWii初期のソフトだからなのかな)。
『NewマリオWii』が“ヌンチャクスタイル”対応で、クラコンに非対応というのが象徴的ですよね。
それを「理解できない」と仰る人もいるんですけど、『スーパーマリオギャラクシー』とほぼ同じ操作で楽しめると考えると分かりやすいと思います(スティックで移動、Aボタンでジャンプ、リモコン振ってスピンは一緒。Bボタンでダッシュだけが違う)。
任天堂は“ヌンチャクスタイル”を楽しめるユーザーを増やしたいんだと思います。
「橋渡し」の役目を担わせることで、「Wiiリモコンしか」とか「クラコンしか」といったユーザー達を誘導したいんだと思います。そう考えると任天堂のコントローラの戦略は合点がいくんです。ただ成功していないだけで(笑)。
しかし、“ヌンチャクスタイル”を定着したいってのは任天堂のエゴというか、ユーザーはあまり望んでいないとも思っています。『街森』は例外として―――『NewマリオWii』『マリカWii』『スマブラX』を“ヌンチャクスタイル”で遊んでいる人ってどのくらいいますかね?正直、一番不人気なコントローラくらいの扱いだと思うのですよ。
『トワイライトプリンセス』は元々GC用に作られたソフトなので当然ですけど、『マリオギャラクシー』ですら「コレGCコンでも遊べるんじゃねえの?」という意見はよく見かけました。“ヌンチャクスタイル”の恩恵を最も受けたと言われている3Dシューティングゲーム…『バイオ4』や『メトロイドプライム3』『罪と罰』なども、元を辿ればGCや64のソフトですから「GCコンでも遊べるんじゃねえの?」と思っている人もいるんじゃないでしょうか。
『Wii Sports』は“Wiiリモコン”でしかありえないゲームだと思います。
アレをクラコンで遊びたいと言う人はなかなかの偏屈者だと思います。
では、“ヌンチャクスタイル”は?
“ヌンチャクスタイル”でしかありえないゲームって……?
自分は“ヌンチャクスタイル”は“ヌンチャクスタイル”で好きです。『マリオギャラクシー』も『トワイライトプリンセス』も物凄く楽しみましたし、別のコントローラだったらなんて思いもしませんでした。『Wii Sports』の「ボクシング」や『Wii Fit Plus』の「足踏みパレード」のように、両手を振るゲームも好きです。
でも、今現在“ヌンチャクスタイル”を敬遠している人に「騙されたと思ってヌンチャクやってみろって!」と言えるほど万人受けするかというと……そんな自信はありません。Aボタン連打すると中指痛くなっちゃうし。
そもそもアナログスティックを使えない&アナログスティックの意味が分かっていない人が、Wiiユーザーには多いと思うのだけれど。誰もその問題を解決しようとしていないワケで。
(関連記事:アナログスティックに触れてこなかった世代をどう取り込むか)
○ これから
「Wiiリモコンしか使えない」「クラコンしか使いたくない」ユーザーの二極化。
その橋渡しになるはずの“ヌンチャクスタイル”が、最もマニアックなコントローラになってしまって。
さて、2010年。
『斬撃のレギンレイヴ』は「ヌンチャクスタイル」「ヌンチャクスタイル+モーションプラス」「クラコン」の三種コントローラに対応だそうです。この手のゲームを出すからには、このコントローラは悪くないと思います。「Wiiリモコンのみ」だと違うゲームになっちゃいますからね。
でも、「Wiiリモコンしか使えない人達」にはどう足掻いても売れない。
だからまたきっと「こんなゲームが売れないなんてWiiユーザーはどうかしている」って言われるんでしょうね。
そもそも。今回の記事を書く際に思ったことは、公式HPを見てもどのコントローラに対応しているのかすら書いていないソフトが沢山あるってことですよ。「みんなのおすすめセレクション」に選ばれた7作品でも、公式HPで探せたのは『朧村正』『アークライズ』『ファミリースキー』の3つだけで、しかもこの3つも探すのが大変。
仕方ないので任天堂のHPから1コ1コ探して、『ワンピース』と『テイルズ(ラタトスク)』が“ヌンチャクスタイル”のみだということが分かりました。『ファミリースキー』は“ヌンチャク”か“バランスWiiボード”で、あとの4つはクラコン対応かな(『428』のみGCコンには対応せず)。
うん……… 『428』はちょっと例外ですけどさ、アクションゲームで使えるコントローラが分からないってそんなゲーム買いませんよね。パケ裏見ろよってことだとしても「ちょっと公式HPで調べてみようかな」って人はここで脱落しますよ。
「みんなのおすすめセレクション」は宣伝から任天堂が力入れるという話なので、その辺は抜かりなくやって欲しいんですけど―――そもそもこんなにコントローラが沢山状態になったのは任天堂に責任がありますからねぇ。
任天堂自身も、今年のキラータイトルは『マリオギャラクシー2』に3D『ゼルダ』と前作が“ヌンチャクスタイル”で売上げ苦戦した作品なワケで。今年が正念場になるんじゃないかと思っています。逆に言うと、突破口を開くためには今年が勝負の年になるだろうと。
任天堂は「変化」し続ける。
コントローラは形状を見るだけで変化が分かりやすいですが、ソフトの面でも「変わり映えしないことは極力しない」印象はありますよね。『スーパーマリオワールド』が大ヒットしたからと言って、『スーパーマリオワールド2』を出してはくれない。DSで『Newマリオ』を出すまでは「今更2Dマリオをやるのか」という空気があったそうですし。
だからこそ、「それまでの任天堂」が好きだった人が「なーんか俺が求めていたものと違う方向に進んでいるよなぁ」と思ってしまいがち。
Wiiも当然そう。
ファミコン・スーファミ世代が64の変化に付いていけなくて脱落者を多数出したように、64・GC世代はWiiの変化に付いていけなくなったという見方も出来ます。それ以前から右肩下がり傾向ではあったんですけど、64時代はミリオンタイトルだった3D『マリオ』&3D『ゼルダ』がWiiで売上げ苦戦したのはその象徴なのかなぁと。(逆にファミコン・スーファミ世代に馴染みのある『Newマリオ』は大ヒットしている)
しかし、そんな任天堂がWiiには“後方互換”を付けたのです。
ゲームキューブのソフトが全部遊べますし、“互換”とはちょっと違いますけどファミコン・スーファミ・64などの過去のゲームをダウンロード購入して遊ぶことが出来ます。「変化し続けた」任天堂にしてみれば異例なことですよね(ファミコンミニ辺りが転機だったと思われます)。
こうした機能を付けた理由は一つや二つではないでしょう。発売時期を早めるためにゲームキューブの技術を流用したからとか、「新しさ」だけでは限界があると思っていたとか、ダウンロード販売によってネット接続率を上げたいとか……等等。
結果、WiiのコントローラはWiiリモコンだけではなくなります。
Wiiリモコンはボタン数を減らす必要があったため……ゲームキューブのソフトを遊ぶためにゲームキューブコントローラ(以下GCコン)、スーファミ等のソフトを遊ぶためにクラシックコントローラ(以下クラコン)にも対応させなきゃなりませんでした。んで、「Wiiリモコンでは遊びにくいソフトはこっちに対応させるのも手だよね」と。そういう“拡張できる幅”を持たせることで、様々なソフトを出せるようにしたのです。
で、結果。
『モンハン3』『モンハンG』『戦国無双3』『テイルズオブグレイセス』―――これらは2009年のサードメーカー発売のWii用ソフトでの売上げ上位商品なんですが(あとは『太鼓2』や『桃鉄』が入る)、こうしたソフトには本体+ソフト+クラコンPROというスペシャルパックが用意されたり、クラコンとの同梱パックが用意されたりしていて。
言ってしまえば“クラコン推奨”のソフトです。
「従来型ゲーム」「シリーズソフト」などは、Wii以前からそうしたソフトを応援している人に支持されているワケで。そうした人達には「(変わらない)クラコンで遊びたい」「GCコンで遊びたい」意見も多いので当然と言えば当然なんですけど……
任天堂が『Wii Sports』で開拓したような「予備知識がなくても楽しめるゲーム」を支持するような人達には、「あー自分にはムリなゲームだな」と思われてしまうという。
ユーザーの二極化。
もちろん大雑把な話なんですけど……
「Wiiリモコンしか使えない人達」は、クラコン推奨ソフトには「自分にはムリ」と見向きもせず。
「クラコンしか使いたくない人達」は、Wiiリモコン専用ソフトには「リモコン振るのとか恥ずかしいし…」と見向きもしない。そのミゾの深さがWiiソフトの市場を苦しめているように私は思うのです。
ちょっと話変わるんですけどさ。
「部屋で一人Wiiリモコン振るのとか恥ずかしくて死にたくなる」って意見をアンチWiiの人達からよく聞くんですけど、そういう人達ってオナニーとかどうしてんですかね?オナニーは言い過ぎでも、鼻毛抜いたりとか、紐ボクシングとか、部屋の中ですることって「コレは他人には見せられない姿だなぁ」ってことばかりだと思うんですけど。
閑話休題。
記事タイトルで「呪縛」という言葉を使ったので、従来型コントローラ(クラコンやGCコン)を否定しているように思えるかも知れませんが。そうではないです。私は触ったことのあるコントローラの中でGCコンが一番好きですし、バーチャルコンソールやりたくてWiiを買ったのでクラコン3つ持っています。
問題だと思うのは……一方に「Wiiリモコンしか使えない人達」がいて、その対極に「クラコンしか使いたくない人達」がいるとイメージして、その橋渡しをする存在が機能していないことです。両方の端っこが居心地良すぎて歩み寄っていない。
任天堂の岩田社長は何度か「橋渡しをするソフトが大切だ」と語っていて、喩えばDSの『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』などを具体例に出していたのですが……Wiiの場合はどうだろう、という話。
結論を言います。
本来「橋渡し」の役目を担うはずだった“ヌンチャクスタイル”推奨のゲームが日本では売上げ苦戦している(=定着していない)ことが、Wiiが抱えている一番大きな不安要素だと思うのです。
○ 「ヌンチャクである」必然性とは
『ウイイレプレーメーカー』『王様物語』『罪と罰』なんかは分かりやすい例だし、「目標には恐らく達していない」ということなら『マリオギャラクシー』や『トワイライトプリンセス』も売上げ苦戦と言えてしまうでしょう。
コレらのソフトは“ヌンチャクスタイル”専用もしくは推奨のソフトで、購入した人の評判は非常にイイのにも関わらず売上げが伸び悩み、「こんなに良いゲームが売れないなんてWiiユーザーはどうかしている」とまで言われている商品です。
でも、「ユーザーの二極化」という視点で考えれば分かりやすいですよね。
「Wiiリモコンしか使えない人達」にヌンチャクを渡しても「アナログスティックなんて使えないよ!」と反応をします。
「クラコンしか使いたくない人達」にWiiリモコン+ヌンチャクを渡しても「リモコン振るのとかイヤだし…」と反応をします。
本来、その「橋渡し」をするはずの“ヌンチャクスタイル”のゲームが両側のユーザーのどちらからも敬遠され、「どんなコントローラでも構わないっすよー」というユーザーにしか買われていないのが現状だと思うのです。
“ヌンチャクスタイル”は「Wiiリモコンしか使えない人達」には「アナログスティックも難しくないんだね!」と思ってもらって、「クラコンしか使いたくない人達」に「Wiiリモコンも悪くないね」と思ってもらうために用意されたものだと推測されるのですが―――ここが全く機能していないんじゃないかと。
推測する根拠はあります。
『NewマリオWii』『マリオカートWii』『スマッシュブラザーズX』『街へいこうよ どうぶつの森』―――任天堂が出しているWiiソフトの中で“複数コントローラに対応しているゲーム”なんですが、全て“ヌンチャクスタイル”に対応しているんです。もちろん『マリオギャラクシー』や『トワイライトプリンセス』はヌンチャク専用ですし、任天堂は“ヌンチャクスタイル”に一番力を入れているとすら思えるんです(『暁の女神』や『フォーエバーブルー』は例外。アレはWii初期のソフトだからなのかな)。
『NewマリオWii』が“ヌンチャクスタイル”対応で、クラコンに非対応というのが象徴的ですよね。
それを「理解できない」と仰る人もいるんですけど、『スーパーマリオギャラクシー』とほぼ同じ操作で楽しめると考えると分かりやすいと思います(スティックで移動、Aボタンでジャンプ、リモコン振ってスピンは一緒。Bボタンでダッシュだけが違う)。
任天堂は“ヌンチャクスタイル”を楽しめるユーザーを増やしたいんだと思います。
「橋渡し」の役目を担わせることで、「Wiiリモコンしか」とか「クラコンしか」といったユーザー達を誘導したいんだと思います。そう考えると任天堂のコントローラの戦略は合点がいくんです。ただ成功していないだけで(笑)。
しかし、“ヌンチャクスタイル”を定着したいってのは任天堂のエゴというか、ユーザーはあまり望んでいないとも思っています。『街森』は例外として―――『NewマリオWii』『マリカWii』『スマブラX』を“ヌンチャクスタイル”で遊んでいる人ってどのくらいいますかね?正直、一番不人気なコントローラくらいの扱いだと思うのですよ。
『トワイライトプリンセス』は元々GC用に作られたソフトなので当然ですけど、『マリオギャラクシー』ですら「コレGCコンでも遊べるんじゃねえの?」という意見はよく見かけました。“ヌンチャクスタイル”の恩恵を最も受けたと言われている3Dシューティングゲーム…『バイオ4』や『メトロイドプライム3』『罪と罰』なども、元を辿ればGCや64のソフトですから「GCコンでも遊べるんじゃねえの?」と思っている人もいるんじゃないでしょうか。
『Wii Sports』は“Wiiリモコン”でしかありえないゲームだと思います。
アレをクラコンで遊びたいと言う人はなかなかの偏屈者だと思います。
では、“ヌンチャクスタイル”は?
“ヌンチャクスタイル”でしかありえないゲームって……?
自分は“ヌンチャクスタイル”は“ヌンチャクスタイル”で好きです。『マリオギャラクシー』も『トワイライトプリンセス』も物凄く楽しみましたし、別のコントローラだったらなんて思いもしませんでした。『Wii Sports』の「ボクシング」や『Wii Fit Plus』の「足踏みパレード」のように、両手を振るゲームも好きです。
でも、今現在“ヌンチャクスタイル”を敬遠している人に「騙されたと思ってヌンチャクやってみろって!」と言えるほど万人受けするかというと……そんな自信はありません。Aボタン連打すると中指痛くなっちゃうし。
そもそもアナログスティックを使えない&アナログスティックの意味が分かっていない人が、Wiiユーザーには多いと思うのだけれど。誰もその問題を解決しようとしていないワケで。
(関連記事:アナログスティックに触れてこなかった世代をどう取り込むか)
○ これから
「Wiiリモコンしか使えない」「クラコンしか使いたくない」ユーザーの二極化。
その橋渡しになるはずの“ヌンチャクスタイル”が、最もマニアックなコントローラになってしまって。
さて、2010年。
『斬撃のレギンレイヴ』は「ヌンチャクスタイル」「ヌンチャクスタイル+モーションプラス」「クラコン」の三種コントローラに対応だそうです。この手のゲームを出すからには、このコントローラは悪くないと思います。「Wiiリモコンのみ」だと違うゲームになっちゃいますからね。
でも、「Wiiリモコンしか使えない人達」にはどう足掻いても売れない。
だからまたきっと「こんなゲームが売れないなんてWiiユーザーはどうかしている」って言われるんでしょうね。
そもそも。今回の記事を書く際に思ったことは、公式HPを見てもどのコントローラに対応しているのかすら書いていないソフトが沢山あるってことですよ。「みんなのおすすめセレクション」に選ばれた7作品でも、公式HPで探せたのは『朧村正』『アークライズ』『ファミリースキー』の3つだけで、しかもこの3つも探すのが大変。
仕方ないので任天堂のHPから1コ1コ探して、『ワンピース』と『テイルズ(ラタトスク)』が“ヌンチャクスタイル”のみだということが分かりました。『ファミリースキー』は“ヌンチャク”か“バランスWiiボード”で、あとの4つはクラコン対応かな(『428』のみGCコンには対応せず)。
うん……… 『428』はちょっと例外ですけどさ、アクションゲームで使えるコントローラが分からないってそんなゲーム買いませんよね。パケ裏見ろよってことだとしても「ちょっと公式HPで調べてみようかな」って人はここで脱落しますよ。
「みんなのおすすめセレクション」は宣伝から任天堂が力入れるという話なので、その辺は抜かりなくやって欲しいんですけど―――そもそもこんなにコントローラが沢山状態になったのは任天堂に責任がありますからねぇ。
任天堂自身も、今年のキラータイトルは『マリオギャラクシー2』に3D『ゼルダ』と前作が“ヌンチャクスタイル”で売上げ苦戦した作品なワケで。今年が正念場になるんじゃないかと思っています。逆に言うと、突破口を開くためには今年が勝負の年になるだろうと。
-2026年追記-
この記事では触れていませんでしたが、海外では『マリオギャラクシー』も『トワイライトプリンセス』もヒットしているので、「ヌンチャクスタイル」が定着したんですよね。日本だけがユーザーが二極化してしまったという。
・『スーパーマリオギャラクシー』(Wii版のみ)
日本国内 約103万本 世界累計 約1280万本
・『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(Wii版のみ)
日本国内 約55万本 世界累計 約726万本
数字は「推計」なのである程度の誤差はあると思いますが……海外での売上と比較すると、日本での売上がイマイチ伸び切らなかったと言えると思います。
さて、「この後の任天堂」の話で言うと……
実は「Wiiの後」よりも、「DSの後」の方が大きな転換点になったと思います。
ニンテンドーDSはボタン数こそ「スーパーファミコン」と同じ数ですが、大きな特徴として「下画面がタッチパネル」になっていることがありました。これにより、「ゲーム画面に直接触る」ことで操作できる直感的なゲームが多数登場したんですね。
しかし、ニンテンドーDSの後継機:ニンテンドー3DSは変わりました。
ボタン数はDSに「アナログパッド」を足しただけでニンテンドーDSの操作体系を引き継いだと言えるのですが、上画面のみ画面をワイドにして「裸眼立体視」機能を付けました。これによって「上画面がメインモニター」「下画面がサブモニター」と上下の画面に差を付けたんですね。
そのため、ニンテンドーDS時代のように「タッチペンで直接画面に触る遊び」は少なくなり、クラシックコントローラーのように両手で握って、左手でキャラを動かして右手でAボタンやBボタンを押すゲームが増えました。
分かりやすいのが、『どうぶつの森』です。
DSの『おいでよ どうぶつの森』はボタン操作が苦手な人のために、タッチペンでタッチしたところに移動してくれるタッチ操作に対応していたのですが。
3DSの『とびだせ どうぶつの森』は、下画面のタッチ操作は補助的なものに留まり、キャラクターを動かすのはアナログパッドでしか出来なくなったんですね。
Wiiの後継機:Wii Uもこの路線に近く。
「テレビ画面がメインモニター」「ゲームパッド画面がサブモニター」と上下の画面に差を付け、タッチパネルは補助的なもので、メインの操作はクラシックコントローラのようなアナログスティックでの操作というものが多かったです。
DS・Wiiの時代は「クラシックコントローラが使えない人」「アナログスティックが使えない人」の方を向いていたのに、
3DS・Wii Uの時代は「クラシックコントローラのような操作がメイン」「アナログパッド・スティックでの操作が必須」になっていったんですね。
では、「クラシックコントローラが使えない人」「アナログスティックが使えない人」はどうしたのかというと……こういう人達はゲームをやめてしまったか、スマホ向けのゲームがさらっていったんじゃないかと思います。
スマホでゲームを遊ぶ人が増えて、ゲーム機不要論がささやかれた2010年代前半は「ゲームに不慣れな人でも遊べるゲーム機(?)」がスマホしかなくなっちゃった時代だったんです。
さて、そこからさらに時代が進んで2017年―――
任天堂は携帯ゲーム機と据置ゲーム機を統合したNintendo Switchを発売します。テレビにつなげば据置ゲーム機になるし、本体だけ持てば携帯ゲーム機になる、ユーザーがどう使いたいかに応えられる「幅」を持ったゲーム機でした。
この「幅」は、コントローラーの使い方にも言えます。
左右のJoy-Conをくっ付けたまま遊べば「クラシックな携帯ゲーム機」のように遊べるし、一方で本体画面は「DSやスマホのようなタッチパネル操作」に対応しています。
据置ゲーム機として使用する際には、左右のJoy-Conを一つにくっ付けた「クラシックコントローラ」のようにも遊べるし、左右のJoy-Conを分割した「ヌンチャクスタイル」でも遊べるし、Joy-Conを1本ずつ分け合って「Wiiリモコン片手持ち」のように遊ぶことが出来ます。
周辺機器を買ったり、取り付けたりしなくても、最初からついてくるJoy-Conだけで「Wiiリモコン2本」「ヌンチャク」「クラシックコントローラ」の3つの操作に対応してくれたんですね。
コントローラー面でも、ユーザーがどう使いたいかに応えられる「幅」を持ったゲーム機だったし、メーカーがどんなゲームを出したいかに応えられる「幅」を持ったゲーム機だったんです。


幅広い用途に対応したゲーム機だから、逆に「自分の使っている方法」以外を知らない人は「でも、Switchのゲームなんてみんなプロコン(クラコンの後継コントローラー)で遊んでんじゃねえの?」と思われるかもですが……
Joy-ConをWiiリモコンのように使う『ポケモン Let's Go! ピカチュウ/イーブイ』や『Nintendo Switch Sports』、ヌンチャクスタイルのようにJoy-Conを分割して持つ『ARMS』や『Fit Boxing』のようなゲームもありますし、原作ではWiiモーションプラス専用だったために売上を大きく落とした『スカイウォードソード』の移植もNintendo Switchで発売されました。
他の操作も出来ますが、『マリオオデッセイ』でもJoy-Conを分割して持つ「ヌンチャクスタイル」での遊び方が公式では推奨されていましたものね。
あまりそう言及されることはありませんが、Nintendo Switchって「Wii路線」を復活させたゲーム機なんですね。それを実現させた、分割可能なコントローラ:Joy-Conはトンデモない発明だったって話はもっともっとしてもイイかも知れませんね。モーションIRセンサーのおかげでピアノにもなるし、HD振動のおかげで車にもなるし。
そう考えると、Wii時代に抱えていた問題は10年後のNintendo Switchが解消したとも言えて、「セガは10年早い」じゃないけれど「任天堂は10年前の失敗にもう一度挑戦する」メーカーの一例だと思いました。
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