『けいおん!』こそ、自分が求めていた百合アニメなのかも


<画像はテレビアニメ版『けいおん!』第5話より引用>



※ この記事は2009年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です


 『けいおん!』が面白すぎて、全話放送終了後に寂しい気持ちになるんだろうなと今から不安で仕方がないです(笑)。アニメを観終ったら原作漫画を読むつもりなので、原作ネタバレはしないで下さいね!


 ということで、アニメ5話について非常に面白かった記事。もちろん5話のネタバレを含みますよー。

 「けいおん!」の律のリアクションがノンケな件について。(情報元:痕跡症候群さん)

 5話で紬が百合妄想モードに入った際の、澪と律の反応の差についての名考察です。僕は律のことを最初は『苺ましまろ』で言う美羽ポジションなのかと思っていたのですが、何癖もある唯・澪・紬たちに対して“普通”としてバランスを取っている面も強いんですよね。

 勉強合宿で飽きて遊び始めちゃうとことか、澪をイジめてケラケラ笑っているところとかも、言ってしまえば“普通”の反応であって。等身大の高校1年生っぽいんですよ。





 てゆうか、『けいおん!』の舞台って女子校だったんですね。

 いやまぁ、「あれ?校内に男子生徒いなくね?」とは思っていたのですが……アニメの中では説明がありませんでしたし、公式サイトのストーリー説明のところにも書かれていませんでしたから。確信が持てませんでした。たまごまごごはんさんに感謝です。



 百合を考える(妄想する)際に、「女子校」なのか「共学」なのかは非常に重要です。
 「女しかいないから百合」なのか、「男もいるけど百合」なのか―――

 「百合」とか「レズ」とかの言葉でくくられると抵抗あるかも知れんけど、身近にいる存在に「憧れ」を抱くことは普通のことですし。恋愛感情にまで届かないレベルも含めれば、「女子校」での「女しかいないから百合」というのはさほど特別なことでもないのかもなーと思ったりしました。



 ま、「現実に近いかどうか」はどうでもイイや。
 第5話で面白いなと思ったのは、紬の百合妄想カミングアウトまでの描写でした。紬がさわ子先生のことを「キレイだよね」と頬を染めたり、さわ子先生を紹介する際「ファンクラブまである」と律に言わせたり……シナリオとしては“紬→さわ子”の片想い百合だと思わせる意図があって、実際に澪のリアクションなんかもそんなカンジでした。

 視聴者目線=澪は、「あれ?むぎってさわ子先生のことが……」と考える。
 でも、それって百合妄想に支配されている僕らの思考だからこそであって(たまごまごごはんさん言うところの「きららフィルター」)、普通はそうは考えませんよね。もっと言うと、ヲタク力の弱い人はそうは考えませんよね。


 澪よりも、アニメ視聴者よりも、“普通”の女子高生である律はそうは考えない。
 「おいおい。(女同士の恋愛で)いいのか?」とツッコミを入れる。



 でも、更に一捻りあって。
 視聴者には“紬→さわ子”だと思わせておきながら、実は“紬→(唯×さわ子)”という複雑な構図であって。百合好きな視聴者からすると「お!紬は百合キャラなのか!」と食いつこうと思ったら、紬自身が(唯×さわ子)に萌えている百合好きだったという―――


 分かりやすく整理して書こうと思っても、イマイチ分かりにくいですね(笑)。
 詳しくは、昔に書いた↓の記事でも読んでくださいな。

(関連記事:百合っこと、百合好きな女のコは違うという話


 無邪気に先生とイチャイチャ(?)している唯なのか、
 その二人を見てハァハァしている紬なのか、
 それを見て「むぎは先生のことが好きなのか……?」と戸惑ってしまう澪なのか、
 「え?それってアリなの?」と至極“普通”なツッコミを入れる律なのか―――


 視聴者が誰に自分を投影しても誰にハァハァしても良いように、4人がそれぞれ別の役割で動いているのが見事です。
 別にそういう作品を批判したいワケではないのですが、登場人物の全員が全員「百合って素晴らしいよね!」とポジティブな作品というのは実は僕は苦手だったりします。色んな考えの人間がいるから世界は面白い理論で言うと、「百合」というものの受け止め方にもキャラそれぞれ差があって当然だと思うのです。



 『けいおん!』は大別しちゃえば「ゆる~い日常物語」みたいなカテゴリーに含まれるのでしょうし、社会に痛烈なメッセージを送ろうなんて意図は決してないと思います。可愛い女のコ達が集まってキャッキャッしている様もファンタジーなのかも知れないのだけれど……

 「百合」というものに対しての四者四様の反応は、物凄くリアルに感じられ。
 現実的すぎるワケでもなければ、非現実的すぎるワケでもない、このバランスが自分にとって理想的なバランスだったのかもなーと強く思いました。



 とりあえずやまなしは「唯×憂」の姉妹百合を推していきたいと思います。
 憂に出番を!!

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