※ この記事は2008年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
「男児から見た感情移入先としての百合」は以前に書きましたが、今日は女のコ視点からの百合話(を男が書くというチャレンジ)です。
「ホモが嫌いな女子などいません!」以上に「百合が嫌いな男子などいません!」と僕は思うのですが、「百合が嫌いな女子もいません!」と言いたいくらいに百合好きな女のコも結構いるんですよね。少なくとも、ホモ好きな男のコよりは多いんじゃないかと思います。すなわち、百合最強。
でも、この「百合」って、定義が曖昧なまま話が進んでいることがほとんどですよね。
・「百合」と「レズ」の境界はどこ?
・「女のコ同士のイチャイチャ」はどこまでOK?
喩えば、「百合」を「ガチな同性愛」と捉えている人と、「百合」を「女のコ同士がキャッキャッ言っている様」くらいに捉えている人では話が噛み合わないんですよね。
話が噛み合わないだけならば、「私が萌える百合とはこういうものです」と最初の名刺交換の際に言っておけばよろしいのですが………百合アニメという触れ込みで始まったアニメが、ガッツリ最後までヤっちゃったりヤらなかったりというのは「私が(俺が)期待していたのはこういうのじゃないのに……」ということに繋がりかねません。
「百合って萌えるよね」と話している人が二人いたとしても、その萌えが「エロに繋がる萌え」なのか「エロに繋がらない萌え」なのかで大きく違います。
【百合が「エロに繋がる萌え」な人】
女のコ二人がイチャイチャしている←萌える
女のコ二人がチューしている←萌える
女のコ二人がヤっている←ハァハァ
【百合が「エロに繋がらない萌え」な人】
女のコ二人がイチャイチャしている←萌える
女のコ二人がチューしている←グレーゾーン
女のコ二人がヤっている←ドン退き
分かりやすく書くと、こんなカンジ。
“百合が「エロに繋がる萌え」なのか「エロに繋がらない萌え」なのか”が人それぞれ違うというのが一つ目の問題(混乱の原因)。
そしてもう一つの問題は……上の例えで「グレーゾーン」と書いた部分なんですけど。「どこからがエロなのか」は、これまた人によって違うんですよね。
喩えば……男からすると“女のコ同士で胸を触っている”のは「エロ」ですよ。ガチで「エロ」なシチュエーションで、正直ごちそうさまって感じですよね。
でも、女のコの中には「それって別に日常のことじゃん」って人もいるのです。もちろん個人差はありますけど、男のコよりも女のコの方が女のコの胸を日常的に触っている率は高いんじゃないかと思います。
同じ“百合が「エロに繋がらない萌え」な人”であっても、“女のコ同士で胸を触っている”にドン退きする人/萌える人が分かれてしまうのです。
「チューしている」をグレーゾーンにしたのはそういう理由です。
ディープキスならば「エロ」の領域に入れる人が大勢でしょうが、軽いキスならば「女のコ同士ならノーカウント」という人もいますし、頬チューですら「ありえない」
受け手の趣向によって「ドン退きor萌え」が分かれてしまうゾーンなんですよね。
僕自身は“百合が「エロに繋がる萌え」な人”ですけど、世の中の人全員がそうだとは思っていないので……百合をサービスシーンに使う時にはその線引きに迷いますね。
サービスシーンとはまた違いますけど、『Re:Survival』(Kindleで無料で読めます)で女のコ同士のチューを描いた際―――やっぱり嫌悪感を示した人もいましたし、「ア、アレは舌が入っているんですか!?」とメールで尋ねてきた人(しかも女性)もいました(笑)。
なるべく多くの人に喜んでもらいたいのだけれど、人の数ほど“萌えのツボ”は違うのですから難しいですよね。
さてさて……
男からしてみると、「百合」というのは“現実では手が届かないもの”だからこその魅力があるのだと思います。この辺は先にも触れた「男児から見た感情移入先としての百合」にも書きましたね。遠いからこそ感情移入できる、と。
男-ハァハァ→【女×女】
こんなカンジ?
ある意味で凄く分かりやすいと思うんですが、これが百合好きの女のコとなると話がややこしくなります。
女1-ハァハァ→【女2×女3】
男の感性からしてみると、女2と女3がイチャイチャしているのを見てハァハァしている女1は「自分も混じりたい」んじゃないかと思いがちなんですが―――話を聞いてみると、女1さん自身にはその気がないという話をよく聞くんですよね。
女のコ同士がイチャイチャしているのを見て「このコらチューしないかなぁ」と妄想したりするのに、自分が女のコからチューされるのはイヤだという不思議!謎!
百合っこ=女のコを好きな女のコ
百合好きな女のコ=女のコを好きな女のコを好きな女のコ
脳がパンクしそうです。
百合好きな女のコの中には「自分も百合ってみたい」と思っている人もいるんでしょうけど、根本的に「百合を眺めたい」と「百合ってみたい」は別のものなんだろうと考えた方が無難でしょうね。それこそ、名刺交換の際に「アナタは百合好きとのことですが、ご自身が百合体験をなさることに興味はおありですか?」と質問しておくのが大人なマナーだと思います。
何となく……以前書いた「当たり前だけど、二次元と三次元の好みって違うよね」という話に通じるかも知れませんね。
百合は2.5次元というか。
アイドル的なものというか、桃源郷的なものというか、いつまでも追い続けたい夢的なものというか。
現実として自分に降りかかってくるものとは違う魅力があるというか。もちろん「二次元でも三次元でも好みは一緒」という人がいるように、「百合は眺めるのもするのも好き!」という女性もいるでしょうけどね。神か、そんな人は。
まぁ……結局行き着くところは、(男にとって)女性って謎だらけな生き物だよなーということです。「謎だらけ」だから蔑もうとするか、「謎だらけ」だから惹かれるのかの違いだけで、全ての男にとって女性は謎なんでしょうね。
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