ファミコン版『グーニーズ』レビュー/映画を知らなくても楽しいし、知ってても楽しい、ファミコン初期の名作アクション

 
<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>


再現性:主人公は……本当にマイキー? でも、ステージはちゃんと映画をなぞってる
ゲーム性:まだ『メトロイド』もない時代の探索アクションゲーム
時代性:なくてもクリアできるけど、プレイヤーを有利にする隠しアイテムの要素


『グーニーズ』
・開発/発売:コナミ
 ファミリーコンピュータ用ソフト:1986年2月21日発売
・横スクロールアクションゲーム
・途中再開機能はなし、裏技でコンティニュー可能

 私がクリアまでにかかった時間は約4.5時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください




◇ 再現性:主人公は……本当にマイキー? でも、ステージはちゃんと映画をなぞってる

 『グーニーズ』は元々スティーブン・スピルバーグが製作総指揮をとったアメリカの冒険映画です。アメリカでは1985年6月、日本では1985年12月に公開されました。日本映画製作者連盟によると、1986年の洋画の中では『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ロッキー4 炎の友情』に次いで3位の配給収入だったそうです。



 『グーニーズ』のゲーム化は、アメリカのパソコンゲームが最初で1985年11月にAppleIIなどで発売されています。2人のキャラクターを切り替えて謎を解いていくパズルゲームで、ゲーム的には2Dの『ブラザーズ』ってカンジのゲームだったみたいです。

 プレイ動画をアップしている人がいたので、載せておきますね。
 各ステージが映画のストーリーを再現しているのに加え、それぞれのステージで操作キャラが変わっている(キャラクターを再現しようとしている)のが分かります。




 日本では、映画公開直後の1985年12月23日にコナミからMSX版が発売されています。
 こちらはアメリカのPC版とは別物で、この記事で取り上げるファミコン版とはステージ構成は別ですがかなり似たゲームデザインのゲームになっています。歌や銃で攻撃してくるギャングや、コウモリ、ガイコツから逃げながら、仲間達を助け、カッパやヘルメットなどのお助けアイテムがある―――

 説明書に書かれたストーリーによると、グーニーズの5人(マイキー、ブランド、マウス、チャンク、データ)とアンディとステファニーの計7人がフラテッリー・ギャングに全員捕まってしまいます。しかし、グーニーズには心強い味方:スロースがいた!
 ということで、プレイヤーが操る主人公はスロースで、スロースが7人のグーニーズを助けるゲームになっていたんですね。へー、じゃあプレイヤーキャラの見た目も全然ちがうんだろうなーと思ってプレイ動画を見てみると―――


 これのどこがスロースなんだよ。


 マイキー、ブランド、マウス、チャック、データ、アンディ、ステファニーの7人がみんな同じ見た目(小さな男の子)で、それをちょっと大きい男の子が助けに行く―――みたいな設定になっています。

 見た目だけならスロースというよりブランド(マイキーのお兄ちゃん)っぽいんだけど、それだとグーニーズの人数が合わないんですよね。


 推測でしかありませんが、映画の日本公開が1985年12月7日で、MSX版の発売日が1985年12月23日なので……このゲームを開発したコナミのスタッフは、映画を観ないでゲームを作るしかなかったからじゃないかと思われます。
 例えば、「こういう設定の、こういうストーリーだよ」という設定だけは送られてきたので、舞台が洞窟になっているところは再現されているのだけど、実際の映画は観ていないからキャラデザが反映されなかった―――みたいな。

 インターネットを検索すると、MSX版『グーニーズ』の取扱説明書の画像が見られるのですが……グーニーズの7人のイラストと名前はちゃんとしているのに、スロースだけ全然映画とちがう顔なんですね。何故なら、映画『グーニーズ』のポスターにはスロースが映っていないから。
 設定でしか分からない「スロース」という謎の人物をコナミが勝手に想像して「主人公」にした結果、映画と全然違うデザインの主人公:スロースが出来たのかなぁと思います。




<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 そして、1986年2月21日にファミコン版の『グーニーズ』が発売されます。
 ファミコンのROMカセットは生産に数ヶ月間かかるため、2月に発売したからといって2月まで作っていたワケではなくて、11月くらいには開発が終わっていないと2月には発売出来ないと思われます。

 つまり、このゲームもMSX版同様に「映画を観ないで作られたゲーム」と推測されます。


 このゲームの主人公は映画と同じようにマイキー……と思われています。
 何故なら、1年後(1987年3月)に発売された続編『グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦』や、2年後(1988年1月)に発売されたオールスターゲーム『コナミワイワイワールド』には「マイキー」という名前で出演しているからです。

 しかし、ファミコン版の説明書には主人公は「プレイヤー」としか書かれていません。しかも、「捕われたグーニーズを助ける勇敢で心優しい少年」と、グーニーズではない主人公がグーニーズを助けに行くみたいな記述なんですね。
 ちなみにMSX版の説明書には書かれていたグーニーズ一人一人の名前も書かれておらず、最後に助けるキャラも「女の子」としか書かれていません。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 しかも、この主人公……明らかに「捕まっているグーニーズ」より体が大きいんですね。だから私は、「この主人公ってマイキーじゃなくてブランド(マイキーのお兄ちゃん)じゃないの??」とずっと思っていたのですが……

 MSX版の流れから推察すると―――

・アメリカから送られてきた設定資料を元に、コナミが「スロース」主人公のMSX版を開発。「7人のグーニーズ」を助けるゲームで、説明書にはしっかりとグーニーズ7人の名前が記載されている
→ しかし、後に「スロース」の見た目が全然ちがうことが明らかになる
→ ファミコン版の開発は始まっていて、MSX版のシステムをブラッシュアップしたものになっているけど、主人公が「スロース」のままだとなんでやねんということになりそう
よし、助ける仲間の数は6人にして、主人公は「グーニーズの誰か」、ファミコン版の説明書には「プレイヤー」とだけ書いておけばええやろ!
→ そんなファミコン版は大ヒット、主人公の名前はいつの間にか映画と同じ「マイキー」ということになっていった

 あくまで私の推測ですが、こう考えるといろんなことに納得がいくんですね。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 だって、この主人公……マイキーっぽくなくない??

 原作映画のマイキーは可愛らしいこどもで、どっちかというと「頭脳担当」です。宝の地図を解読したり、トラップに気付いたりする係です。
 ゲームの主人公みたいに飛んだり跳ねたり、キックしたりパチンコで敵を撃ち落としたりはしません。アイテムを駆使して敵を攻撃するのはデータの役目ですよね。


 これまでは「ファミコンのキャラゲーなんてそんなもんでしょ」と思っていましたが、この記事を書くにあたってMSX版からのファミコン版の流れを見たら考え方が変わりました。

 この主人公、MSX版のスロースから「スロースの名前」を消しただけのキャラじゃんと……

 ちなみにMSX版の主人公「スロース」はキックではなくパンチで攻撃しますが、逆に言うと個性のちがいはそれくらいなんですよね……




 これはあくまで「私の推測」なので、当時の開発者がSNSに降臨とかしてくれない限り真相は分かりませんが……そういうこともあって、キャラクター周りの原作再現度はかなり低いです。

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 この、如何にもギャングな見た目の「フラテッリーギャング」は何?
 原作では全然こんなんじゃなかったですよ???



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 5面に登場する敵のタコ―――
 原作の映画でも本編にはそんなシーンはないのに、エピローグで「タコと戦った」というセリフがあって「はて??」となることで映画ファンの間でもおなじみなのですが……どうやら試写会の段階まで「タコと戦うシーン」があったのがギリギリで削除されたそうです。
 そのためゲーム版は、アメリカでのパソコン版でも、日本のファミコン版にもタコが敵として登場しているみたい。

 スロースのデザインもそうだけど、日本公開された映画を観て、コナミの開発スタッフはどう思ったのか聞いてみたいですよね。



 とは言え、このゲームを「テキトーに映画の名前だけ借りたゲーム」と言うつもりはありません。設定資料をちゃんと読んだからなのか、ステージ構成はしっかり映画『グーニーズ』を再現しているんです。


<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 1面は地上面で、恐らく原作の「レストラン」です。
 「レストラン」から始まるのはアメリカのPC版もそうなのですが、MSX版は主人公がスロースだからなのか「洞窟」から始まるんですよね。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 2面はレストランから降りた「地下室」です。
 このバーナーは何? 原作だと、暖炉から下に降りたので炎のイメージ??



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 3面は「配水管」が張り巡らされた洞窟です。
 配水管は原作の映画にも出てきましたね。配水管から吹き出た水で大変なことになるのは、グーニーズの面々ではなく、地上の人達だったと思いますが……

 ちなみにアメリカのPC版では、ちゃんと地上でシャワーを浴びてるおっさんが描写されていました。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 4面は「巨大な岩」が押し潰そうとしてくる洞窟ステージです。
 これも原作映画にあったブービートラップですし、前の面から登場するコウモリも原作映画に出てきた敵です。水滴で大ダメージを喰らうのは知らん。水滴に触れただけでダメージ喰らうとか『スぺランカー』より貧弱なのでは??



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 5面は大量に流れてくる水やタコなどが押し寄せてくる「水」ステージです。
 前述した通り、タコは映画ではカットされてしまいましたが、これも原作の展開通りですね。何気ないけど、序盤の3ステージは「ハシゴ」で上下動していたのが、4面・5面では「ツタ」を昇り降りするようになっているの芸が細かいですよね。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 そして、ちゃんとグーニーズの仲間を5人救出した状態で5面をクリアすれば、最終ステージの「海賊船」にたどり着きます。ここで「女の子」を救出すれば、7人全員揃うのでゲームクリアです。


 アメリカのPC版には「海賊船」ステージはあったものの、MSX版には「海賊船」はなかったみたい。
 というか、MSX版は序盤から水ステージになるなどステージの順番はめちゃくちゃだし、フラテッリーギャングはプレイヤーの色違いだし、「女の子」もいないしで……原作再現度はファミコン版より低かったみたいです。

 ファミコン版はMSX版のゲーム性を踏襲しつつ、原作の要素をより多く取り入れて完成度を高めているような印象を受けました。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 タイトル画面のこれとか、「サンセットシルエット」というグーニーズを象徴するデザインで、様々なグッズに使われているそうです。例えば、Amazonで売っているTシャツでもリンクを載せておきましょう(アフィリエイトリンクです)。


 ゲームの画像だと誰が誰だか分からないと思いましたが……公式の「サンセットシルエット」の画像を見ると、違いが分かります。

 一番左がマントを翻して、遅れて走ってくるからデータ。
 手をつないでいる左端が、多分マイキー。
 その横は(公式だと)スラっと背が高いのでステファニー。
 その横が消去法でマウス(マイキーとマウスは逆かも)。
 その横はぽっちゃりしているからチャンク。
 見るからに大柄で特徴的な頭をしているのがスロース。
 (公式だと)スカートを穿いているのが分かるのがアンディ。
 そして右端のちょっと背が高いのがブランド。

 これで全部で8人です。

 このゲームだと「プレイヤー」が「5人のグーニーズ」を助けた後、「女の子」を助けてクリアなため全部で7人……タイトル画面だと1人多くね? となるのだけど、MSX版のスロースが「プレイヤー」に変えられたためにそうなったのでしょう。

 ちなみにファミコン版のエンディングだとこれとは別に映画のエンディングを模したシルエット画面が表示されるのですが、「スロースのいない7人」のシルエットでした。これを見ると、やっぱりプレイヤーは「ブランド」っぽいんだよなぁ。そして、ステファニーが小さな男の子にされている。
 MSX版ではエンディングのシルエットは出てこないみたいですが、アメリカのパソコン版ではエンディングでしっかり出てきて、こちらでは「スロースを含めた8人」になっています。



 そろそろ話をまとめると……
 このファミコン版『グーニーズ』は、キャラクター周りによく分からないところはありますし、スロースが出てこなかったりもするのですが……映画から3ヶ月後というタイミングの割に、映画の舞台をちゃんとゲームに落とし込んでいるんですね。当時の感覚としては、これだけですごいと思います。



<画像はファミリーコンピュータ版『スパルタンX』より引用>

 『スパルタンX』なんて、主人公とヒロインの名前くらいしか一致していませんからね……




◇ ゲーム性:まだ『メトロイド』もない時代の探索アクションゲーム

 しかし、このファミコン版『グーニーズ』の評価は「当時としては映画をなるべく再現しててすごい」だけでなく、「映画を知らなくてもアクションゲームとして面白い」なんです。

 むしろ、当時のファミコンキッズ達には「映画を観る」ハードルは高かったですからね。上映当時に映画館に連れていってもらえなければ、サブスクなんてもちろんない時代だし、レンタルビデオ店もちょっとずつ出てきた頃です(そもそもビデオデッキ自体がまだない家も多かったろうし)。
 テレビで初めて放送してくれたのが1988年1月らしいので、ファミコンの『グーニーズ』発売から約2年後に、ようやくここで原作映画を観たってこどもも多かったんじゃないかと思われます。

 だから、主人公が「プレイヤー」だろうが「マイキー」だろうが、誰も気にせずに遊んでいたんですよね……



 さて、このファミコン版『グーニーズ』が発売した時期を見てみましょう。
 1986年2月とは、『スーパーマリオブラザーズ』が発売した1985年9月の約半年後です。当の任天堂はディスクシステムと『ゼルダの伝説』に注力していくのですが、ディスクシステムなんてすぐには買ってもらえなかった家庭では、ROMカセットでの「スーパーマリオの次」が求められていた時期です。

 実際、この時期は「2D横スクロールのジャンプアクションゲーム」が多数発売されているんですね。
 それらは必ずしも「スーパーマリオに影響を受けた」ワケではなくて、技術の進化で各社がちょうど「2D横スクロールのジャンプアクションゲーム」が作れた時期で、「2D横スクロールのジャンプアクションゲーム」がジャンル化していたのだと思うのですが。


・1985年5月『忍者くん 魔城の冒険』…前年のアーケードゲームの移植
1985年9月『スーパーマリオブラザーズ』
・1985年10月『チャレンジャー』
 …1983年のPCゲー『暴走特急SOS』に追加要素を加えまくった移植
・1985年11月『忍者じゃじゃ丸くん』
・1985年11月『パックランド』…前年のアーケードゲームの移植
・1985年12月『スペランカー』
 …1983年のアメリカPCゲーが元ネタ(ゲーム内容はかなり別物)
・1985年12月『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』
1986年2月『グーニーズ』
・1986年3月『忍者ハットリくん』
・1986年4月『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』
・1986年4月『アトランチスの謎』



 『忍者くん』と『じゃじゃ丸くん』は「固定画面アクションゲーム」のステージをある程度スクロールするようにしたゲームだと思いますし、『チャレンジャー』や『パックランド』は『スーパーマリオ』と操作方法がちがうのでかなり慣れが必要。『スペランカー』や『ワンワンパニック』は、操作にくせがあって―――

 私はファミコン版『スペランカー』も『アトランチスの謎』も大好きなゲームなのですが、客観的に見ると『スーパーマリオブラザーズ』の「次の1本」にすんなり収まれたのは『グーニーズ』くらいしかなかったのかなぁと思うんですね。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃という『スーパーマリオブラザーズ』と同じ操作方法に、『スーパーマリオブラザーズ』以上にキビキビ動く操作性で、ギリジャンも(一部を除いては)かなり余裕があります。

 この時期のアクションゲームでは珍しい「ライフ制+残機制」で、序盤は即死ポイントが少ないのもありがたいところ。
 やっていることは「鍵を集めてゴールに向かう」のだから『スペランカー』に近いのだけど、「マリオ以上のキャラ性能」で「スペランカーみたいなギミックだらけの洞窟を冒険」するゲームだったのです。




<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 個人的にすごいと思ったのは、1面の構成です。
 それほど広くないステージには罠らしい罠はないのですが、倒すと爆弾を落とすネズミ、爆弾で開く岩牢が4つ、追いかけてくるフラテッリーギャングと、このゲームの骨格部分がギュギュっと詰め込んであって、ここで「このゲームは何をするゲームか」が自然と分かるようになっているんですね。

 デモ画面でも、「隠しアイテムの存在」や「爆弾の使い道」をしっかり教えてくれているのもぬかりないです。


 2面以降はステージが広くなって、罠も敵キャラもアイテムも増えていって、全6ステージのクリアを目指したら別に簡単なゲームではないと思うのですが……とにかくゲームに初めて触った時のとっつきがイイんですね。少なくとも『アトランチスの謎』みたいに「どこに行けばイイか分かんねー!」とはなりませんし。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』の画像を組み合わせて作ったマップです>


 各ステージのマップはかなーり広大で、どことどこが繋がっているのか把握するのは大変です。マップに点在する岩牢の中から「鍵を3つ」「仲間を1人」入手してゴールを目指すのですが、どの岩牢に入っているかはランダムなので、ちゃんとマップ全体を把握しないとならないという。しっかりルート構築していく『スペランカー』とは、ここがちがうところですね。

 「メトロイドヴァニアっぽい」と思われるかも知れませんが、『メトロイド』の発売はこの半年後の1986年8月です。
 2D横スクロールアクションゲームで「探索ゲー」を作ろうとしたのは『メトロイド』だけではなくて、『スペランカー』『グーニーズ』『アトランチスの謎』なども、それぞれ別の方法で「探索ゲー」を作っていたんです。

 実際、コナミはこの後MSX版『悪魔城ドラキュラ』、『グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦』、『ドラキュラII 呪いの封印』、『魔城伝説II ガリウスの迷宮』、そして『コナミワイワイワールド』と……探索要素をより強めた2Dアクションゲームを次々と発売していくことになります。

 『グーニーズ』1作目の時点では「制限時間はある」し「ステージクリア型」だから、今でいう「メトロイドヴァニア」の条件は満たしていないと思いますが……2D横スクロールアクションゲームで「探索ゲー」の面白さを知らしめた最初期のゲームだと言って過言ではないと思うのです。




◇ 時代性:なくてもクリアできるけど、プレイヤーを有利にする隠しアイテムの要素

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 そして、このゲームの肝と言えるのが「隠しアイテム」の存在です。

 特定の場所で、特定の操作をすると、空中に袋が現れます。中身はそれぞれ場所によって固定されていて、例えば耐火服は「バーナーの炎でダメージを喰らわない」、耳栓は「フラテッリーギャングの歌でダメージを喰らわない」といった、デメリットなし・メリットしかない装備品を手に入れられます。


 しかし、「特定の場所」も「特定の操作」もノーヒントです。
 説明書には「キック、しゃがみetc...」としか書かれていないので、自力で見つけるのは相当大変です。

 ヒントとしては、ステージごとに「特定の操作」は共通なので、例えば偶然ダイヤを見つけたら、そのステージの中で同じ操作をすれば隠しアイテムも出てくるようになっている……ってのが分かっていれば、見つけやすいかなと思います。私もそれさえ知っていれば、もうちょっと楽が出来たのに……




 「どうしてこんな重要アイテムの入手方法がノーヒントなの?」と思われるかも知れませんが、この時期のゲーム業界は1984年7月に『ドルアーガの塔』が出た影響で、「自力では見つけるのが難しい隠し要素」を周囲との情報交換で共有してクリアしていくゲームが一般的だったんですね。

 『スーパーマリオブラザーズ』の「1upキノコ」や「ワープ土管」だって自力で見つけるのは困難ですし、『ゼルダの伝説』の「ミンナニナイショダヨ」も「みんなに教えてね」ってことだったろうし。


 MSX版『グーニーズ』も『ドルアーガの塔』なみに特殊な操作をしなければ出てこないアイテムを入手していくゲームでしたし、事実上クリア必須のアイテムも、逆に敵が強化されるマイナスアイテムもあったそうです。

 その辺は明確に、『ドルアーガの塔』の影響だと思われます。



<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 そこを考えると、このファミコン版『グーニーズ』の隠しアイテムは「ステージごとに要求される特殊操作は同じ」だし、そして何より「入手できなくても別にクリア不能ではない」のです。
 入手すれば難易度は下がりますが、入手しなくても一般的なファミコンのアクションゲームよりはクリアできる難易度だと思います(少なくとも1周なら)。


 情報を共有しなければならない『ドルアーガの塔』や『アトランチスの謎』とちがって、自力でもなんとかクリアできる難易度だったというのもこのゲームの高評価の要因だったと思われます。
 それは、『ローグ』を『トルネコの大冒険』にしたくらいの偉業ですよ。




<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 こちらは隠しキャラクター(スコアアップ)のスピルバーグ監督です。
 無許可で出したら怒られたので、後にコナミ監督って名前に変えられたらしい。誰なんだよ、コナミ監督って。




◇ 総括

<画像はファミリーコンピュータ用ソフト『グーニーズ』より引用>

 ということで、時代をかなり反映しつつも、今でも通用する名作アクションゲームでした。不満点は、原作ではメガネ女子だったステファニーが「その他大勢」のモブグーニーズと同じ男の子の見た目にされているところくらい。

 版権モノなために移植や復刻は絶望的だと言われていますが、映画の方の『グーニーズ』が続編を作っていると噂されているので……『グーニーズ』関連のゲーム全部入りコレクションとか出してくれないかなぁと思っています。

 PC版、MSX版、ファミコン版、ファミコン版の『2』、そしてMSX版のリメイク―――5本セット入りでどうよ!? PC版は特に現在だと遊ぶのが難しそうなので、復刻してくれー。


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