
<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
・『112 Operator』:前作からの順当パワーアップだけど、文字が……見づらい!
・総括
『911 Operator』
・開発:Jutsu Games/発売:Games Operators
Steam版:2017年2月24日発売
Steam版:2017年2月24日発売
Epic Games版:2017年2月24日発売
AndroidOS版:2017年11月16日発売
iOS版:2018年1月10日発売
・シミュレーション・リアルタイムストラテジー
・セーブはモード&都市ごとにされるっぽい(編成画面でオートセーブされる模様)
・セーブはモード&都市ごとにされるっぽい(編成画面でオートセーブされる模様)
『112 Operator』
・開発:Jutsu Games/発売:Games Operators
Steam版:2020年4月23日発売
Steam版:2020年4月23日発売
Epic Games版:2020年4月23日発売
iOS版:2020年10月6日発売 AndroidOS版:2020年10月22日発売
・シミュレーション・リアルタイムストラテジー
・セーブはモード&都市ごとにされるっぽい(編成画面でオートセーブされる模様)
・セーブはモード&都市ごとにされるっぽい(編成画面でオートセーブされる模様)
私がキャンペーンモード終了にかかった時間は『911』は約04時間、『112』は約08時間でした
※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
※ 苦手な人もいそうなNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。
・シリアス展開:◎(基本的にみんな切羽詰まって電話かけてくるからね)
・恥をかく&嘲笑シーン:○(ちょっとアレな電話もままある)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:△(極端かは微妙だけど、ストーカー犯罪とかはある)
・白人酋長もの:×
・動物が死ぬ:○(文字だけだけど動物が車にはねられたりする)
・人体欠損などのグロ描写:△(通報内容からして痛そうなのとか……)
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・男女の恋愛:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×
・BL要素:×
・男女の恋愛:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×
◇ 『911 Operator』:警察・救急・消防をこの手で動かし、街の治安を一手に引き受ける
このゲームは2017年からパソコンやスマホ用に発売されたゲームです。
開発したのはポーランドのインディーデベロッパーで、発売直後のレビューを見るにどうやら当時は日本語化に対応していなかったみたいですが、現在は日本語化に対応しました。音声は英語のみですし、ちょっと日本語が怪しいところはあるけれど、個人的には許容範囲内でした。(そのせいでSteamで低評価を付けている人もいますが、インディーゲームに完璧な翻訳を求めるのは如何なものかと思います)(私はもっと酷い翻訳をたくさん見てきたから気にならないだけかもしれない)。
海外ではゲーム機用のものも出ているみたいですが、こちらは公式で日本語化されたものはないみたい。
しばらく前にギフトで頂いていたゲームだったのですが、遊んでみたらムチャクチャ面白くて、そのまま続編もプレイしたくらいなので……この『911 Operator』と、続編の『112 Operator』の2本まとめてレビューしようと思います!
私がプレイしたのは両方ともパソコン版なので、マウス操作での解説です。
DLCは買っていません。難易度は試しに「ハード」をプレイしたらしっぽ巻いて逃げ出したので、基本「ノーマル」で遊んでの感想だと思ってください。
まず、「911って何?」という人も多いと思うので、そこから説明します。
911は北米における緊急通報用の電話番号で、日本における「110番」と「119番」を合わせたものだと思ってください。「110番」は警察への通報、「119番」は救急と消防への通報ですよね。
つまり、このゲームは「警察」「救急」「消防」を思うがままに動かして、街の治安を守っていくゲームなんですね。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
青ユニットが「パトカー」などの警察車両で、
白ユニットが「救急車」などの救急車両で
赤ユニットが「消防車」などの消防車両です。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
出動が必要な事態になると、それぞれの色に対応したアイコンで教えてくれます。
例えばこのケースは、「消防が必要な赤アイコン」と「救急が必要な白アイコン」が同時に出たため、それぞれの車両を現場に向かわせたところです。
赤アイコンをクリックすると、「エレベーターへの閉じ込め」が発生していて消防士を向かわせる必要があるとの表示が出るので……同じ色の赤い車を「左クリック」した後、行先をこの赤アイコンに合わせて「右クリック」―――これだけで消防車が現場に向かって、問題を解決してくれます。
このゲームの基本操作はこの「左クリックしたユニットを右クリックで移動」で、行先をアイコンじゃなくて「なんかこの辺で待機」とすることも出来るし、「こっちの消防署で待っててね」とすることもできます。
もちろんマップをスクロールさせたり、マウスホイールで「拡大・縮小」させたりもできます。
操作は直感的かつ、とてもシンプルです。
「アクションゲームが苦手だから遊べそうにない」という人も安心、画面上部の一時停止ボタンを押せば動きは止まるし、逆に展開が遅いときはゲームスピードを上げることも出来ます。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
まれに通報の電話もかかってくるので、その対応もしなければなりません。
通報の場合はどのユニットを向かわせればイイのかの「色」が表示されないため、通報者との会話から自分で判断してユニットを送る必要がある他、受け答えも自分で考えなければなりません。
例えば、通報者に心臓マッサージを指示して救急車が着くまでの時間を稼ぐとか、精神的に追いつめられている通報者に自殺を思いとどまらせるとか、いたずら電話かどうかを判断するとか。
英語音声のみなんだけど、その口調だとか、背景の音なんかから判断できることも多くて、大変だけど推理力が試されるのがすごく楽しいです。
その反面、「音声を収録する」必要があるからか無限にバリエーションがあるワケではなくて、いろんなモードを遊んでいると同じ内容の通報がかかってきて「またこの電話か……」となってしまうのが難点です。
クイズゲームでの「同じ問題の出題が目立ってきたらやめどき」みたいなことが、割と早い段階で来てしまうんですね。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
さて、そうして任務が一段落すると、今度は編成パートになります。
任務パートであげた利益を使って、新たな車両を買ったり、人員を雇ったり、装備を整えたりできます。
最初の内は「青ユニット」「白ユニット」「赤ユニット」としか区別できなくても、遊んでいる間に「同じ青ユニットでもちがいがある」とか「装備を考えると効率が良くなるな」と分かるようになります。

<画像はSteam版『911 Operator』の一部を拡大したものです>
私はしばらく気付かずにプレイしていたのですが……
各ユニットの上には□□□□のようなマークが付いていて、これは「護送」「搬送」している人数を表しています。
警察車両の場合は「警察署まで連れていく容疑者」、救急車両の場合は「病院まで運ぶ病人・怪我人」を乗せられるキャパシティが決まっていて、既に満員の状態で現場に向かわせても新たな人を乗せられないんですね。
なので、例えば「白バイ」はスピードがあるからスピード違反などの車を追うのには向いていますが、容疑者を護送することはできない―――とか。
「護送車」は警察官を4人も載せられるし、容疑者も4人まで運べるけど、スピードが出ない―――とか。
車両による特性のちがいがあって、それを考えてユニット配置・運用していくのが楽しいんです。

要は、このゲーム……RTS(リアルタイムストラテジー)なんですよ。
事件や事故に備えてユニットを配置して待ち構えるのは、タワーディフェンスっぽいかも知れない。
それらのゲームでもユニットの相性や特性を活かして、「対空戦車」で戦闘機を狙おうとか、「弓兵」で遠距離からチマチマ狙おうとか考えるように……
このゲームも「機動性の高い白バイをここに配置すればとっさの交通違反に対応できるし、他ユニットの応援にも回せるぞ」とか、「重装備の護送車をこことここに置けば銃撃戦が起こっても大丈夫だ」と考えていくのが楽しいんですね。
私はミリタリー系の知識に疎いので、よく分からない兵器とかよりも「パトカー」や「救急車」の方が馴染み深いですし、何より「この街の治安を自分が守っている感」があるのが良かったです。戦争モノのRTSではない、人助けのRTS。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
キャンペーンモードには2種類あります。
「一都市モード」は、アルバカーキ、シカゴ、サンフランシスコ、ニューヨーク、ワシントン(どれもアメリカの都市)の中から1つの都市を選んで何日もかけてプレイするモードです。どの都市を選んでも起こるイベントは同じみたいです。
「ユニークストーリー」は、カポレイ、アルバカーキ、シカゴ、サンフランシスコ、ニューヨーク、ワシントン(どれもアメリカの都市)と、短く終わる都市ごとのイベントを順々にプレイするモードです。
この2つのモードは起こるイベントはいっしょなので、「毎回編成が変わる、いろんな都市で遊びたい」ならユニークストーリーを、「自分で編成をカスタイマイズしていって、一つの都市でずっと遊びたい」なら一都市モードを選ぶのがイイかなと思います。
「日々の習慣」は、多分ユニークストーリーの高難度版かな……
ちょっと触ってみたらムチャクチャ難しくて投げ出しちゃいましたけど……

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
そして、白眉なのは「好きな都市を選択する」で遊べるフリーモード。
世界中の地図データをダウンロードしてくれるので、あなたが今住んでいる街や、あなたが生まれ育った街を舞台に遊ぶことが出来ます。
ただ、どうも日本語設定のままだとダウンロードができないみたいで、一旦設定画面(スパナみたいなマーク)を押して言語をEnglishにして、都市名を入力するところでもアルファベットで入力してください。
ダウンロードさえ完了すれば、設定を日本語に戻してOK。

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
Yokohama!

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
起こる犯罪は、アメリカだろうが日本だろうが変わりません。
あなたが住む平和な街を舞台にしても、その街でギャングが銃撃戦を始めます。
なので、舞台にする街を変えたからって永遠に遊べるゲームというワケではありません。変わるのは道と、警察署・病院・消防署の位置だけですからね。私は私の住んでいる街で1プレイしたら、それで満足してやめてしまいました。
でも、プレイヤーが好きに遊べるように、こういう要素を入れてくれるのは評価したいなと思います。
◇ 『112 Operator』:前作からの順当パワーアップだけど、文字が……見づらい!
そのため、キャンペーンモードで選べる都市もベルリン(ドイツ)、イスタンブール(トルコ)、ロンドン(イギリス)、マドリード(スペイン)、モスクワ(ロシア)、パリ(フランス)、ローマ(イタリア)、ワルシャワ(ポーランド)とヨーロッパのものになっています。
今作も、どの都市を選んでも起こるイベントは同じみたい。

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
まずゲームを始めてビックリ。
前作が売れてお金をかけられるようになったのか、3Dのキャラが出迎えてくれてプレイヤーがこれから働く職場を案内してくれます。
単にオープニングがリッチになっただけでない、この「3Dになったキャラクター」を活かしたイベントもちゃんと用意されています。

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
基本的には前作の順当パワーアップなので、前作を遊んでいた人は同じような感覚でゲームを始められると思います。
今作から「消防車に水ゲージが加わった」とか、「任務完了後に各ユニットが最初の持ち場に戻ってくれる」とか、細かい差はありますが、すぐに慣れるでしょう。日本語翻訳も、前作よりマシになったという評価ですね。「自転車」と「白バイ」も区別されています!
ゲームの「一時停止/再開」もスペースボタン一つで出来るようになりました(コンフィグで変更も可能)。

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
今作の大きな追加要素は、徐々に担当エリアが大きくなっていくところです。最初は小さなエリアだけを担当すれば良かったのですが、ストーリーが進むにつれてエリアも大きくなっていきますし、扱わなければならないユニットも多くなっていきます。
フリーモードでも、自分の生まれ育った街で遊ぼうとしたらその近隣の市もグルっと囲むように選ばなくちゃならなくて、「そっちの街にはそんな思い入れないんですけど??」となってしまったり。

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
そのため、「この地区は部下に任せる」ことができるようになりました。
「そこが一番面白いところなのにCPUに任せちゃうの!?」とも思うのですが、全部のエリアをCPUに任せるのではなく、補助的に使うのならアリかな。それくらい、エリアが広がっていくと次から次へと事件や事故が起こって大変になってしまうので……

<画像はEpic Games版『112 Operator』の一部を拡大しました>
その他の新要素だと、「エリアの捜索」が起こるようになりました。
スクショのケースだと「逃げたひき逃げ犯を探す」ですし、「病人が徘徊しているのを探す」とか、「煙を見つけたので火元を探す」とか、現場に送ればそれでOKというワケではなくエリアごとの探索が必要の事案が起こるんですね。
面倒ではあるんですが、複数ユニットを上手く動かして捜索すれば見つかるのが早くなるなど、よりRTSっぽさが増したので個人的には好きな要素です。
その他、「天候」の概念ができたので、最強ユニットだったヘリコプターが出動できない日があったりもします。それに備えて天気予報を見て予めヘリコプター→ パトカーに乗せ換えておくのもシミュレーションゲームらしくて好きでした。
雪の日に、各ユニットが動けなくなるのはムカついたけどな!

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
前作の「ユニークストーリー」にあたる「シナリオ」は、キャンペーンモードとはちがう世界中の都市が舞台になりました。ただし、起こるイベントがキャンペーンモードと共通なのは前作と同じ。
今作の「シナリオ」は、実際にその年のその街で起こった災害などをモデルにしているみたいです。私はそれをゲームとして楽しめる気がしなかったので買っていませんが、DLCには東日本大震災をモチーフにしたステージもありました。
『911 Operator』もそうだったんですが、本編はセールやキャンペーンなどで安く配って、面白かった人はDLCを買ってねというビジネスモデルらしく……どうもいくつか出ているDLCの最後のものが、このゲームで一番遊ばせたいそれなのかなと思いました。
とまぁ……前作からの順当パワーアップ版なので、「どっちを買えばイイ?」という人には『112』からでイイよと言いたいのですが。
決定的に良くないところがあって、文字が小さすぎる!
私は普段パソコンでゲームを遊ぶ場合は「ウィンドウモード」にしているのですが、それだと文字が潰れてまるで読めません。ウィンドウのサイズをできるかぎり大きくしても無理。こんなカンジになります。

<画像はEpic Games版『112 Operator』の一部を拡大しました>
拡大しても読めねええええええええ!
フルスクリーンにすれば文字の潰れは直ったんですが、それでも「デカイ画面にむちゃくちゃ小さな文字が敷き詰められている」のは変わらないので目が疲れる……

<画像はEpic Games版『112 Operator』より引用>
これは、「同じ文字のサイズであっても、英語と日本語では見やすさがちがう」って話なんですが……『911 Operator』の方はウィンドウモードでも問題なく遊べたんですよ。それなのに、同じところが作った続編がこうなっちゃうのかー。
パソコンのモニターが大きくない人は要注意です
◇ 総括

<画像はSteam版『911 Operator』より引用>
既存の「シミュレーションゲーム」や「RTS」といった枠組みに、他のゲームでは扱わなかった題材を上手く当てはめたオンリーワンの作品だと思います。
こどもの頃に「パトカー」とか「消防車」みたいな働く車が大好きだった人も少なくないと思うのですが、そうした車などを「SRPGのユニット」のように自由に動かせるのも楽しかったし、何より街の治安のために「困った人を助ける」ゲームなのが良かったです。正義の味方よりも、人を助けていますからね。
良いゲームでした!
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