※ この記事は2024年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
審査員の方々もそうですが、僕にも「笑いの好み」があって、その偏った「笑いの好み」に基づいて感想を書いていくのをご了承ください。
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【ファーストラウンド】
1組目:令和ロマン
客に話しかけたり巻き込んだりするキャラクターはすごく面白かったんだけど……本筋となる「少女漫画でよくある転校生とぶつかるネタ」は、実は元ネタが存在しないとよく言われているヤツなので、角度がどうのとか入口がどうのとか言われても「知らない作品のパロディ」を見せられているみたいで後半に進むにつれて楽しめなくなってしまった。
笑いの本質はそこじゃなくて、そのパロディの中で強烈なことを言うキャラクター性なのは分かるんだけど……あんまり合わなかった。
2組目:シシガシラ(敗者復活)
ハの字眉毛のツッコミが面白くて新しさを感じたし、掴みの「頭を下げたときのハゲいじり」からのツッコミはすごく良かったんだけど……
肝腎の「○○という言葉はもう規制されて言えないけど、ハゲという罵倒は許される」ネタの、“○○という言葉”の例えが25年くらい前のチョイスすぎて、もうちょっとピンとくるワードを持ってこられなかったのかと思ってしまった。スチュワーデスって今うっかり言うことあるか?
キャラクターはとてもイイんだけど、ネタが合わなくて後半が弱かった……のがここまで2連荘。ひょっとして今年はハズレ回か? と、この時は思ってた。
3組目:さや香
去年は「身近すぎて個人的に笑えない題材(高齢者の運転と、男女の友情)」を持ってこられると思ってしまったコンビだけど、今年は「ホームステイの受け入れ」という絶妙に遠い題材だったので気兼ねなく笑えた。誰が聞いてもヤバイと分かるボケの行動に、ハイテンションでツッコミを入れるのも良かった。
前半・中盤・後半と展開が変わっていくのは本来なら好みだったんだけど、最後に構図が逆転してしまう意外性は「さっきまで笑っていたのが台なしになった」カンジがしちゃったかな……
4組目:カベポスター
最後のツッコミの噛みっぷりは置いといて……
「小学校の頃のおまじない」から始まっているのに、予想外の方向に進む展開と、「みんなが真相を察しているのに説明しているボケの人だけが気付いていない」ズレが無茶苦茶に面白かった。いわゆる“視聴者だけが神の視点で全部分かっている”タイプの話を漫才でやるとこういう形になるんだね。
個人的には、ここまでの4組の中で一番面白かったんだけど……思った以上に低得点だった。審査員の人達には、不倫ネタが笑えなかったのか??
5組目:マユリカ
細かいフレーズとかボケとか、意外な畳みかけは良かった。「連れてくる友達3人」とか。
でも、浮気発覚以降のネタが全然ピンと来なくて、ツッコミのハイテンションにも置いていかれちゃって、面白くなる前に終わっちゃった感があった。
6組目:ヤーレンズ
むちゃくちゃ面白かった。
大家さんにあいさつに行ったら、その大家さんが「とにかく下らないことを言いまくる」……というオーソドックスな漫才なんだけど、そのワード選びが絶妙で、間の良いツッコミがその面白さをちゃんと引き立てて、ずっと笑っていた。キャラクター性も、ネタの強さも、飽きさせない構成も全部よくて、今回の10組で一番笑ったのがこのヤーレンズだった。
7組目:真空ジェシカ
これもずっと面白かった。
2021年のM-1決勝で一番笑ったコンビだったけど、2022年も2023年も全部面白くて、そして毎回点が伸びなくて最終決戦まで進めなくて「俺の好みと審査員の好みは合わないなぁ」と文句を言ってしまうコンビになってしまった。
映画館をA画館だと考えたことは人生で一度もなかったからこそ、Zムショで拾われたときは上手すぎて感動してしまった。1つのボケを伏線のように使って、忘れた頃に拾ってくるのが本当にイイんだよね。ツッコミの「驚きながらツッコんでいる」みたいな表情も面白くて、ずっと笑い続けた。
雑な名前パロディは好き嫌いが分かれそうだけど(クローン澤明とか)、個人的には下らなくて笑っちゃったので負けです。
8組目:ダンビラムーチョ
M-1で歌ネタをやったコンビが上位に来たことほとんどないと思うんだけど、これで挑戦したくなっちゃうのかなぁ。
いろんな曲を歌っているけど、観ているこっちが思っているのはずっと「うるさい!」なので、視聴者がずっと思っているツッコミを入れてくれない時間が長すぎて辛かった。芸としてはすごいんだろうけどね……
9組目:くらげ
「○○が思い出せない」というネタ、上手いし楽しいんだけど……どうしてもミルクボーイのネタを思い出してしまって、そうするとそちらと比較して一捻りが足りないと思ってしまった。
思い出せないもののレパートリーは、サンリオキャラとか、数字とか、意外性と変化をつけてて良かったと思うんだけどね。サンリオキャラは名前を列挙するだけで面白い(でも、ツバクローは多分観客には伝わらない)。
10組目:モグライダー
2021年の「さそり座の女」に引き続いての歌ネタで、名曲(今回は『空に太陽がある限り』)にツッコミを入れる序盤は面白かったんだけど……
そこから「じゃあ俺もやってみる」で上手くいかない展開は、流石に同じことをする時間が長くて飽きてしまった。もっといろんなボケが見たかったけど、そもそもそういうタイプの漫才じゃないみたいだしな……
個人的な「ファーストラウンド」の上位勢は、「ヤーレンズ」「真空ジェシカ」「カベポスター」でした。7人審査員がいるのだから、自分の好み通りの結果にならないのはしょうがないですね。
【最終決戦】
1組目:令和ロマン
1本目よりも自由に暴れ回れる「工場」ネタで、笑いのバリエーションが豊富で良かった。2本見て、このコンビの武器は「ボケの変な動き」と「変なことを始めるキャラクター」なんだなと、ようやく楽しみ方が分かったところがあるかも。工場のネタなのに、着地点が全然工場とは関係ないところも良かった。
2組目:ヤーレンズ
最高。
1本目とキャラクターも構成もいっしょなのに、シチュエーションがちがうのでネタも変わる。褒める際に他コンビの名前を出すのは良くないかもだけど、初めてアンタッチャブルの漫才を見たときの感動に似ているかも知れない。「コイツらの漫才、このキャラクターなら無限に楽しいぞ」という。
散りばめられたネタの1つ1つが面白かったし、「元駐車場」の件を伏線のように使ったのも見事だった。ヤーレンズ自体は伊集院さんのラジオにも出てたから前から知ってたけど、こんなすごい漫才をする人達だったのかかと圧倒された。
3組目:さや香
お、おぅ……
エンディングで山田邦子さんが「面白くなかったねー」と言ってくれてようやく救われた。
1本目のネタとはちがうことをやりたいのは分かるんだけど、1本目とはボケとツッコミが逆になるし、キャラクターも変わってしまった。
「ワケの分からないものを見せられる」のはまぁイイとしても、ここ数年のM-1最終決戦は「1本目のネタを伏線のように使う2本目」が獲っているので(2022年のウエストランドが顕著な例)、1本目と2本目を同じキャラクターで通したらまたちがったんじゃないかなぁ。
個人的に笑ったのは、「ヤーレンズ」>「令和ロマン」>「さや香」の順だったんですけど……「ヤーレンズ」は1本目も2本目も「むちゃくちゃ美味しいけど同じ味の料理」だったのに対して、「令和ロマン」は同じシェフのちがう料理を持ってきて、更に2本目の方が美味しかったので。印象として票が入るのは納得かな……
忙しい合間を縫って見たけど、楽しい時間を過ごせました!
次回のM-1も今から楽しみです!!
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