※ この記事は2019年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
バタバタしていて話題にすることが出来ていませんでしたが、2月14日にニンテンドーダイレクトがあって、多数のNintendo Switch用ソフトが発表されました。そんな中、今日の記事で話題にしたいのはこちらです。
99人で対決する『テトリス99』。
買い切りのゲームではなく、(今のところ)課金要素もない、Nintendo Switch Onlineの有料会員ならば無料で遊べる「有料会員の特典ソフト」ですね。
Nintendo Switch Onlineとは?という人もいると思うので、そこから説明します。
任天堂のゲーム機はこれまでは「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」は基本的にソフトと本体を持っている人ならば無料というスタイルでしたが、Nintendo Switchからは「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」をするためには有料会員にならないといけなくなりました(昨年9月までは特別に無料期間ではありましたが)。それがNintendo Switch Online。料金プランはこちらをどうぞ。
これは恐らくWii Uで『Splatoon』が大ヒットしたことによって、「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」で1本のゲームを長く遊んでもらうことを任天堂も重視するようになったからなのかなと思いますし……Nintendo Switch本体発売から半年の間に、『マリオカート8DX』『ARMS』『Splatoon2』とオンライン対戦可能なキラータイトルを任天堂が立て続けに投入できたのも、それを見越しての投入だったのだろうと思います。
20年くらい前なら「1つのゲーム機」を買ってもらえたら「何本のソフト」を遊んでもらえるのかというデータが重要だったのですが、今は1本のゲームを何年もかけて遊ぶ人が少なくありません。ファミコンやスーファミのソフトをその1本だけで1年半遊ぶのはなかなか厳しいですが、『Splatoon2』なら発売から1年半が経過した現在でも毎日遊んでいる人はタイムラインを見ても大勢いますもんね。
ユーザーの「『Splatoon2』1本買えばずっと遊べる」と、メーカーの「『Splatoon2』だけずっと遊んでてもらって構わない」を両立させるものが、オンラインプレイの有料化なんだろうと思います。1本しかソフトを買わない人からもちゃんと収益をあげるというシステム。
ですが、『マリオカート』でも『Splatoon』でも『スマブラ』でも、「1ヶ月ガッツリ遊んだらもうイイやという人」もいます。
2月1日に公開された経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会の「質疑応答」の「Q8/A8」によると、Nintendo Switch Onlineスタート直後の10月末では「12ヶ月プラン」の比率が高かったのが、徐々に「1ヶ月プラン」などの比率が上がっているという話が出ています。
「『スマブラ』買ったから1ヶ月だけ加入しよう」みたいなスタイルも私は共感ができるのですが、こうした有料会員のシステムの欠点として「数ヶ月後に久々に再開したくなってきた」という時にゲームを再開するハードルが高くなるというものがあります。久々に遊ぶのに「1ヶ月300円」を払わなくてはならないのはなかなかハードルが高く、『スマブラ』はともかく、『Splatoon』なんかはオフラインのみだと別のゲームですからね。
なので、常時「有料会員でいてもらう」ため、月替わりのサービスを入れて「来月も有料会員でいよう」と思ってもらう必要があって。例えば、プレイステーション系の機種だと、「フリープレイ」で「有料会員でい続ける限り遊べるゲームが毎月どんどん増えていく」という大盤振る舞いをしていますよね。
Nintendo Switch Onlineの場合は、ファミコンのソフトをオンライン対応にして月3本ずつラインナップに加えていくというサービスをしているのですが……若い層には「ファミコンみたいな昔のゲームなんて興味ないし」という人だって当然多いでしょうし、海外向けにローカライズされていないソフトを出すと海外のみ「今月は2本しかないよ」みたいなことも起こるしで、海外では特に不満が膨れ上がっていたみたいなんですね。
任天堂の「Nintendo Switch Online」動画に対する、ユーザーの低評価投下続く。いくつかの不満が集約される形に
という伏線を踏まえた上で『テトリス99』を見ると、なるほど―――と。
この投入のタイミングは、12月に『スマブラ』が発売されて、1月末にパックンフラワーが追加されて、「そろそろ飽きてきたかな、来月から有料会員をやめてもイイかな」という時期をピンポイントで狙ってきたのだろうと思うのです。オンライン対応の大型タイトルの隙間を、こういう「有料会員の特典ソフト」で埋めて、有料会員を継続させようと。
【Nintendo Switch Online関連の流れ】
・9月:有料化開始、『ファミコン Online』配信開始、『Splatoon2』フェスの仕様変更など
・10月:
・11月:『ポケットモンスター Let's Go!』発売
・12月:『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』発売
・1月:『スマブラSP』パックンフラワー追加
・2月:『テトリス99』配信開始
・3月:
・4月:『スマブラSP』ジョーカー追加&Ver3.0アップデート(?春予定)
・5月
・6月:『スーパーマリオメーカー2』発売予定


<画像はNintendo Switch用ソフト『テトリス99』より引用>
『テトリス99』は明らかに「モードを追加する用意がある」仕様なので、オンライン対応の大型タイトルに特に動きがない3月か5月あたりにアップデートしてモード追加とかしてきそうですし。もっと先になるとは思いますが、『テトリス99』以外の「有料会員の特典ソフト」も準備していて大型タイトルの隙間にねじ込んでくることはありそうな気がします。
そして、前作では「ステージのアップロードとダウンロード」だけだった『スーパーマリオメーカー』ですが、こうした流れからみると『2』はNintendo Switch Online有料会員の継続を狙って「オンライン対戦」とか「オンライン協力プレイ」を仕込んでいそうな気配を感じ取れなくもないです。
任天堂公式のトピックスで見られるキービジュアルは、ビルダー姿のマリオとルイージの2人姿、フィールドを走るマリオとルイージとキノピオとキノピコの4人と―――協力プレイが出来るようになっていると見ることが出来るんですね。
オンラインでありそうなのは、「1つのコースを2人で協力して作ることが出来る」とか、「1つのコースを4人で協力して遊ぶことが出来る」か「1つのコースを4人で競争して遊ぶことが出来る」とかかですかねぇ。
個人的には「作る」よりも「協力して遊ぶ」方が魅力的かなぁ。難関コースの100人マリオに、オンラインで集まった4人で協力して挑むのは面白そう。1人で遊んでいるとヘイトが溜まる一方ですからね!(笑)
この話は別の記事に書こうと思っていたのですが、一緒に書いちゃいます。
昨年の7月に発売された『進め!キノピオ隊長』が、このタイミングで「2人協力プレイ可能に無料アップデート」+「追加ステージを有料DLCとして販売予告」されました。今まではアシストプレイ的な協力プレイしか出来なかったゲームが、2人同時にキャラを動かせるようになったのです。
Nintendo Switchの任天堂タイトルは発売後もガンガン無料アップデートされていくものが多いのですが、「2人協力プレイ」なんてゲームの遊び方がガラッと変わるものをぶち込んでくるとは予想外でした。
Wii Uが出たあたりの2013年~2014年頃だったと思うんですが……
HDグラフィックのゲームの開発に思った以上に苦戦した任天堂は、「新作ソフトを何本も出す」ことが出来ない代わりに「有料DLCを発売することで1本のゲームを遊んでもらえる期間を延ばそう」としたことがありました。『NewスーパーマリオブラザーズU』の有料DLC「NewスーパールイージU」を販売したり、『マリオカート8』では追加キャラや追加コースを販売したり、『スマブラfor』では追加ファイターや追加ステージを販売したり。
ただ、『マリオカート』や『スマブラ』をずっと遊び続けている人ならば「追加コースが遊べるなら有料DLC買っちゃおうかな」と考えられるのでしょうが、1回そのゲームをもう遊び終えたと辞めちゃった人が「有料DLCが発売されたから再開しようかな」と考えるかというと難しいと思うんですね。ただでさえ「一度辞めたゲームを再開する」のにはエネルギーがいるのに、更に有料DLCを買うにはお金がかかるワケで。
なので、その後の「有料DLCを販売しなかった」『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』を経て出てきたNintendo Switchは、ゲームを遊び続けてもらうor辞めていたとしても再開してもらうための「無料アップデート」と、遊び続けてくれた人&再開してくれた人に向けて「有料DLC」を販売するという二段構えにしているのかなと思うのです。
分かりやすいのは『Splatoon2』ですよね。
発売後も追加ブキや追加ステージがどんどん増えていったのは前作と一緒ですが、そうした「無料アップデート」だけでないオクトエキスパンションという「有料DLC」も販売しました。
『キノピオ隊長』はオンラインゲームではありませんが、2人同時プレイが可能になるという「無料アップデート」と、新ステージという「有料DLC」を発表しました。
『スマブラSP』も、ジョーカーなどの新ファイターを「有料DLC」として販売することは発売前から発表されていましたが、どうやら「Ver 3.0」という「無料アップデート」で“何か”が追加されるとこちらもニンテンドーダイレクトで発表されました。その“何か”は多分アレだと思うのですが、その“何か”目当てに久々に『スマブラSP』を起動した人に「じゃあジョーカーも買おうかな」と思ってもらいたいという狙いだと思うんですね。
(※2025年追記:正解は予想通りのステージエディットと、予想していなかった動画編集や投稿機能でした)
この「無料アップデート」と「有料DLC」の二段構えは、今後の任天堂ソフトの方針の一つになるんじゃないかと私は予想しているのですが……
更に、「無料アップデート」と「有料DLC」と、「Nintendo Switch Onlineを継続してもらうこと」は密接に関わっていて。ソフトの価格とは別に毎月の収益になるという意味では、オンラインゲームで「Nintendo Switch Onlineを継続してもらう」ということは、オフラインゲームで「有料DLCが売れる」のと同じくらいの価値があるのかなと思うのです。
ということを踏まえて、前作では「有料DLC」をやらなかった『マリオメーカー』や『どうぶつの森』がどうなるのか、「有料DLC」の実験場のようになっていた『ファイアーエムブレム』はどうなるのか、気になります。
とりあえずNintendo Switch Onlineのためにも、『どうぶつの森』はオンラインで出来ることは増えそうな気がしますし、長く遊んでもらうためにも「無料アップデート」で発売後にも遊びが増える可能性は高そうな気がします。今までの「時計・カレンダーと連動したイベント」だけじゃない、「アップデートで解禁されるイベント」みたいなものもあるかも知れませんね。
まぁ、まだNintendo Switch版『どうぶつの森』がどんなゲームになるのかの発表もされていないのに、「無料アップデートで遊びが追加されていくと思う」とか言っているの、気が早いにも程があると思いますが(笑)。
この「無料アップデート」と「有料DLC」の二段構えは、今後の任天堂ソフトの方針の一つになるんじゃないかと私は予想しているのですが……
更に、「無料アップデート」と「有料DLC」と、「Nintendo Switch Onlineを継続してもらうこと」は密接に関わっていて。ソフトの価格とは別に毎月の収益になるという意味では、オンラインゲームで「Nintendo Switch Onlineを継続してもらう」ということは、オフラインゲームで「有料DLCが売れる」のと同じくらいの価値があるのかなと思うのです。
ということを踏まえて、前作では「有料DLC」をやらなかった『マリオメーカー』や『どうぶつの森』がどうなるのか、「有料DLC」の実験場のようになっていた『ファイアーエムブレム』はどうなるのか、気になります。
とりあえずNintendo Switch Onlineのためにも、『どうぶつの森』はオンラインで出来ることは増えそうな気がしますし、長く遊んでもらうためにも「無料アップデート」で発売後にも遊びが増える可能性は高そうな気がします。今までの「時計・カレンダーと連動したイベント」だけじゃない、「アップデートで解禁されるイベント」みたいなものもあるかも知れませんね。
まぁ、まだNintendo Switch版『どうぶつの森』がどんなゲームになるのかの発表もされていないのに、「無料アップデートで遊びが追加されていくと思う」とか言っているの、気が早いにも程があると思いますが(笑)。
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