※ この記事は2017年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
私も「下手くそ」な部類だと思いますし、そんな自分のアドバイスが役に立つ「私より下手な人」がどれだけいるのかと思うのですが……「下手くそ」な人にしか分からない「下手くそな人が詰まるポイント」もあると思ったので、書くことにしました。
ゲームが上手い人がくれるアドバイスって「下手くそ」な人間からすると、それはもうちょっと先に進まないと意味がないものだってことがあります。
こっちはレベル1で「たけざお」と「こんぼう」のどっちを買うか悩んでいるって言うのに、「○○にロトの剣がありますよ」みたいなことを言ってこられても!みたいな話で、アクションゲームでも「そのアドバイスはもうちょっと俺の腕が上がらないと意味ないんだよなぁ」ということがありますからね。
だから今日は、本当にレベル1の人のため―――「たけざお」よりも「こんぼう」がオススメだよ!みたいなことを書いていけたらイイなと思います。
『Splatoon』の『1』の頃からあったことなんですが……
『Splatoon』は「4人vs.4人」のチーム戦なため、「下手くそな人」がいるとその人のせいで負けたと思って、それをついついSNSなどで愚痴っちゃう人が結構いるんですね。そのことについての是非は置いといて、そういう時によく「相手を倒すほどの腕がないのなら、せめて塗ってくれ」「敵に突っ込んでいって死にまくるとか何考えてんの」と言われているのを読んで私は驚くのです。
「上手い人」って、どうして「下手な人」がそういう動きをするのかが分からないのか……と。
2014年のE3で『Splatoon』の1作目の映像が初公開された頃から、武器が「インクの銃」なことから「このゲームは人を狙い撃つ技術がなくても床を塗ることで貢献できるゲームなんだろう」と推測されてきました。確かにそれは部分的には合っているのですが、『Splatoon』というゲームは別に「撃ち合い」と「塗り」が分かれているゲームではありません。
「相手を倒すほどの腕がないのなら、せめて塗ってくれ」という言葉をそのまま鵜呑みにすると、上手い人が敵と撃ち合っている間、下手な人は誰もいないところをせっせと塗っておいてくれ―――と受け取ると思うのですが、このゲームには「誰もいないところ」なんてないんですよ。

<画像はNintendoSwitch用ソフト『Splatoon2』のものを一部加工しました>
これ、ナワバリバトルが始まって50秒後のマップです。
私が特に「自陣を塗る」プレイスタイルだからそういう人とマッチングするのかも知れませんが、ほぼ自陣は塗り終わっちゃっていることが分かると思います。試合が始まった直後ならともかく、50秒も経てばマップ上のほとんどのところは「自陣のインク」か「敵陣のインク」のどちらかで塗られてしまうのですよ。
この状況で「相手を倒すほどの腕がないのなら、せめて塗ってくれ」と言われても、塗れるところと言ったら「敵陣のインク」しかありませんよね。ということで、「敵陣のインク」を塗りに行くと、そこは言ってしまえば戦闘の最前線なワケです。アドバイス通りに「敵を倒すほど上手くないから塗りに行こうっと」とノコノコ出て行っても、相手はこっちの事情なんて知らないからあっという間に撃ち殺されるのです。
もちろんゲームが下手な人もバカじゃありませんから、わざわざ敵が固まっているところに単独でツッコむケースばかりではないでしょう。「敵陣のインク」で塗られているけど「敵がいないところ」を狙って塗りに行くこともあると思います。
しかし、このゲーム……「敵陣のインク」で塗られているところは敵が自由に隠れられるんで、「誰もいないー!塗り放題だー」と突っ込んだらそこに潜んでいた敵に殺されるとか。あと、こっちのインクで塗っていることはマップを見れば一目瞭然なので、「あ、あそこに敵がいる」とバレてあっという間に追い詰められて殺されるとか。
「相手を倒すほどの腕がないのなら、せめて塗ってくれ」と言うのは、相手を倒すほどの腕もない&敵がどこにいるかも分からない素人を丸腰で敵陣のど真ん中に飛び込ませるようなものなので、そりゃー集中砲火を浴びまくって死にまくって当然ですよ!
そもそもこのゲーム、「敵と撃ち合うこと」と「床を塗ること」は別のことではありません。
「敵を倒す&敵に倒されないためには床を塗る必要がある」し、「安全に床を塗るためには敵を倒す必要がある」のです。その2つが別のことではなくて、相互に作用しているからこそ『Splatoon』は面白いのです。
「自陣のインク」で塗られた場所は、味方の進路にも退路にもなりますし、味方の動きを自由にさせて敵の動きを制限させます。
私もそうですが、自分で敵と撃ち合って勝つ自信のない人は「味方が敵を倒す&味方が敵に倒されないためにサポートとして床を塗る」意識を持つのがイイんじゃないかと思います。RPGで言えば、全員が戦士や武闘家を目指す必要はなく、「味方の攻撃力を上げる」「敵の動きを鈍らせる」「相手を毒状態にする」みたいな補助魔法を使う魔法使いや僧侶だって大事ですよね。
ということで、今日は『Splatoon2』でちっとも勝てない人に向けた「塗り」講座です!
1.逃げ道を確保しておく
次の項で説明しますが、基本的にはこのゲーム「なるべく死なない」ことが大事です。
「敵と撃ち合って勝つ自信のない人」は、敵に狙われたらまず逃げることを意識しましょう。
しかし、何も考えていないと「ヤバイ!逃げなきゃ!」と思った時に、逃げ道がないということもあります。
これは「さんぽ」モードで歩いたフジツボスポーツクラブの動画です。ブログに載せる用の動画1 pic.twitter.com/sdK3XkZlcU
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2017年7月26日
逃げ道の確保に大切なことは「床をしっかり自陣のインクに塗っておくこと」と「段差や塗れないカベを覚えておくこと」です。この動画の場所のように、いったん降りてしまうと引き返せない場所がどのステージにもあって、こういうところに降りたタイミングで敵に狙われたらもう逃げ場がないんですね。
こっちとしては「よーし!塗るぞー!」というテンションでも、あっちからすると「わざわざ追い詰めやすい場所に降りてきたヤツがいるぞ」なのです。
もちろん、じゃーそこは降りちゃダメだし塗らなくてイイのかというとそうでもなくて、敵がいないことを確かめられたら降りて塗ってイイのですが……重要なのは、「さんぽ」モードでステージの壁を塗れるか塗れないかを調べておいて、敵に追い詰められた際に「どっちに逃げられるのか」を予め考えておくことなのです。
2.「敵を倒す」こと以上に、「生き延びる」ことを優先する
執拗にチャージャーを殺そうと何度も攻め込んでいるのは、私は前世でチャージャーだったため世界中のチャージャーを駆逐しないとならない業(カルマ)を背負っているだけなんでそこは参考にしないでください(笑)。ブログに使う用の動画2
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2017年7月26日
編集したはイイけど、まだ使うかは微妙(文章の流れ次第) pic.twitter.com/yhE6S6038F
この動画のポイントとしては、上の項の「逃げ道を確保しておく」を踏まえた上で、「敵わなさそうだったらすぐに退く」「敵の侵攻をなるべく食い止める」ことに徹しているところです。
上級者のガチマッチともなるとまたちがうのかも知れませんが、少なくとも自分くらいのレベルのナワバリバトルの場合「生き延びること」がとても重要です。RPGで言えば、戦士や武闘家が死んでしまってもまだ生き返らせれば挽回できますが、回復役の僧侶が死ぬと一気に崩れかねませんからね。
【「生き延びる」ことのここがすごい!】
・復活→ スタート地点まで戻らされるタイムロスがない
・その間、ずっと塗っていられる
・生きているだけで敵を引き付けられたり、敵を食い止められたりもする
・味方がスーパージャンプで飛んでくるポイントになるので、味方の活動時間が増える
・塗り時間が増えて、ゲージも減らされないから、スペシャルを使える回数が増える
・スペシャルを使うとインク残量がフル回復するので、その分また塗れる
3分間のナワバリバトルで1回も死なないというのは現実的ではありませんが、例えば現在平均して6~7回殺されているのならそれを3~4回に減らすことをまずは目指してみましょう。
3.仲間と連携して敵を倒すための「塗り」
サムライとかガンマンの世界では「1人vs.1人」が鉄則でしょうし、『Splatoon』も上手い人ならば「1人vs.1人」で相手を撃ち負かすことに誇りを持っている人もいるかも知れませんが……こちとらゲームが下手な人ですよ!「1人vs.1人」では敵わないから、「塗り」で貢献しようとしているのですよ!ブログに使う用の動画3
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2017年7月26日
これは丁度良いシチュエーションが見つかった。 pic.twitter.com/ybatNvF1uW
で、この“「塗り」で貢献”の部分ですけど……
『Splatoon』における「塗り」というのは、単に試合終了時にたくさん塗っていた方が勝つというスコア的な意味だけでなく。「1人vs.1人」で撃ち合っている敵味方の足元を塗ることで、相手の動きを封じる、味方の動きを自由にするという効果があるんですね。
上の動画で言うと、私はボムを投げて1人目を倒すのにインクを使いきっているので、やってきた2人目を仕留めるほどのインクがありませんでした。ですが、敵の足元を塗っていくことで敵が前にしか進めなくなり、追い詰められた敵を味方が仕留めてくれたんですね。
「1.」の項で「逃げ道を確保しておく」ことが大事だと書きましたが、逆に言えば「敵の逃げ道を潰す」ことが敵にとっては脅威になりますし、味方への強力なサポートになるのです。
なので、『Splatoon』は基本的に「味方多数vs.敵1人」のシチュエーションを作って各個撃破していくのが大事です。上の動画を「私以外の味方の動き」に注目して観返してもらえれば分かると思うのですが、私以外の味方も味方のサポートに動き回っているんですね。だから、常に数的優位の状況を作れて局地戦に勝てているという。
ただし、だからと言って常に味方と一緒に固まって動けというワケではありません。
固まっている味方は敵からすればまとめて攻撃しやすいマトになってしまいますから、敵が同時に攻撃できないように横や後ろから回り込むように攻撃するのが良いと思います。
あとは、上からとかね。私はもう他のブキを使っているんでチャージャーの勘はなくなっちゃいましたけど、前作でチャージャーを好んで使っていたのは、上からの射撃で敵の動きを封じて味方に仕留めさせるのが「戦場を制圧している」みたいで楽しかったからです。『ラストストーリー』のギャザリングみたいな。
4.「安全圏から遠距離攻撃で塗る」のか「危険を顧みず敵陣で塗る」のか
「安全圏」とは、「逃げ道が確保されている」自陣のインクのことです。
敵から狙われたとしてもいつでも逃げられるようにしていて、それ以上の侵攻を食い止められる位置から遠距離攻撃で塗るというのも一つの手だと思います。「2.」の項に書いた「なるべく生き延びる」ためには一番確実な方法です。
ですが、それだけでは勝てません。
SRPGで例えれば、「防御力は高いけれど攻撃力はそんなにない」アーマーナイトを壁役にして耐え続けても、アーマーナイトのHPが減り続けるだけでジリ貧です。どこかのタイミングで攻撃力の高い魔導士や傭兵の連続攻撃で攻勢に出なければ、ナワバリバトルの3分間は終わってしまうのです。
「敵を倒す自信はないけれど、塗りで貢献したい」という人には、この「安全圏から遠距離攻撃で塗る」時と「危険を顧みず敵陣で塗る」時の切り替えこそが一番大事なポイントかなと思います。
今日の記事に載せている動画、「全然ゲームが下手じゃないじゃん」と思われるかも知れませんが、それはもちろんブログの記事に使えるように「ちゃんと自分が活躍している部分」のみを切り取っているだけですからね!ブログに載せる用の動画4
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2017年7月27日
ムービーメーカーの色んな機能を試して遊んでいるワケではありませんw pic.twitter.com/9s0hY78adp
ですが、チャージャーとローラーに関しては碌に「ちゃんと自分が活躍している部分」がなかったため、しっかりと「ゲームが下手な人だ!」と分かる動画になっております(笑)。
失敗している動画もまぁ、それはそれで反面教師になってくれると思うんですけど……
要は「どのタイミングで攻め込むのか」が大事で、そこを正しく判断できるかで勝敗は決するということが言いたかったのです。
こちらの動画は発売から1週間が経った中で「自分が一番理想的に立ち回れた最後の1分間」です。ブログに使う用の動画5
— やまなしレイ(電子書籍発売中) (@yamanashirei) 2017年7月27日
以前にアップしたやつの編集版。 pic.twitter.com/XngqHbMY0d
まず「味方と撃ち合っている敵を横から撃破」、その後は「安全な位置からキッチリ塗っている」のだけど味方のローラーが来たので何かあっても味方が骨を拾ってくれるだろうと下に降ります。たまたま運が良くて敵を二人連続で撃破、スペシャル発動して一気に自陣のインクを広げたところで「今近くに敵はいないな」と判断して高架下の敵陣インクを塗りにいきます。
自陣のインクを広げたところで敵がやってきたので、今度は敵の侵攻を食い止める動きに切り替えました。ボムを投げて牽制したところでマルチミサイルが飛んできたので退避しつつインク回復、味方が健在なことを確認して橋上の敵を倒しに、インクアーマーを使われてるとは思ってなかった(笑)。自陣のインクがそこそこ塗れていたことで動き回れて相手も倒せて、残り数秒はひたすら塗りまくれー!で、逆転です。
敵を倒せたのはただの運で、ポイントとしては「敵がいないと判断して塗りに行ったタイミング」と、「自陣のインクを広げたと判断して敵の侵攻を食い止める動きに切り替えた」ところだと思います。
前者は「敵が3人死んで守りが崩れたことで敵陣を塗りに行けた」のだし、後者は「自分が生き延びることで自陣を塗られることを食い止めた」のだし、いずれにせよ「2.」に書いた「生き延びること」の重要性が分かると思いますし。「撃ち合い」と「塗り」は無関係でないことも分かってもらえるんじゃないかと思います。
5.オススメのブキは?
プレイスタイルやステージ、味方の立ち回りなんかで“合っているブキ”は変わるので……自分が使いやすいブキや、デザインが気に入ったブキとか、そういうものを使い込んでいくのが一番だと思います。
私達はみんながみんな世界大会での優勝を目指しているワケじゃありませんからね。「そのブキ、全然人気なくて誰も使っていませんよー」なんて言われても、「うるせえ!俺は気に入ってんだよ!」とぶん殴ってやればイイんですよ。『ストII』で私が使っていたのはザンギエフだし、『ストIIターボ』ではバイソンでした。だって、気に入っていたんですもの!
私が今作で気に入っているのは、今のところ「プロモデラーMG」「N-ZAP85」「わかばシューター」あたりかなぁ。
前作で使っていたチャージャーは、「チャージャー以外を使うとチャージャーの動きが出来なくなる」と前作で私が言っていた通りになって全く勝てなくなっちゃいました。カーボンローラーも前作とはスペシャルウェポンが変わったせいか、あまり勝てなくなりましたねー。
「好きなものを使えばイイ」と言われても何の目安にもなりませんから、一つブキを選ぶ際の参考になればイイと思って書いておくと……「スペシャルウェポンで選ぶ」のがイイかなぁと思います。必殺の切り札のはずのスペシャルウェポンですが、自分の腕によって使いやすい・使いづらいがあって、せっかくのスペシャルなのにほとんど意味がないみたいなことがありますからね。
私はハイパープレッサーやジェットパックは苦手です。
上手く立ち回れず、敵のマトになってしまいます。サーモンランだと活躍してくれるんですけどね。
逆に、インクアーマーは「敵を狙い撃つみたいな難しい操作は要らず、味方を補助してくれるのでありがたく使っています。使うタイミングを考えるのは大事ですけど。アメフラシやボムピッチャーも「局面を変える」のに有効だから好きかな。チャクチはどう使うのがイイのか分からん。
あと、これは前作でも最初は気付かなかったことで今作にも言えることだと思うのですが……
『Splatoon』の「ナワバリバトル」は自分と同じような実力・似たようなプレイスタイルの人とマッチングされることが多いです。下手は下手なりに同じような人の部屋に入れてもらえるんですけど、「フレンドとの合流」をするorされると自分とは全然ちがう実力・全然ちがうプレイスタイルの人と同じ部屋になるので、あれ?俺、突然下手になった!?みたいなことも起こるんですね。
「下手・上手い」だけじゃなくて、プレイスタイルも変わってくるので……「フレンドとの合流」先のマッチングだと、「俺以外は誰も自陣を塗ってねえ!」とか「待ち伏せ暗殺上等!」とか普段と全然ちがうゲームへと変わって、友達の友達はヤンキーばっかみたいな新鮮な気持ちにもなったりもしますが(笑)。
ということで……あまりに勝てないことが続く人は、「その部屋が自分の実力に見合っていない」んじゃないかと疑ってみてください。
とは言いつつ、私のフレンドの人は気にせず合流してきてくださってイイですよ。あまりにレベルがちがったらサクッと抜ければイイだけなんで。
まぁ、でもアレか……「やまなしに合流すれば、周りみんな下手くそどもだから思う存分虐殺ができるぜー」みたいなシリアルキラーな人は困るか……と思ったけど、そういう人がどんどん合流して来れば私以外全員シリアルキラーという地獄の果てみたいな部屋になるからそれはそれで面白そうか(笑)。
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