※ この記事は2014年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2026年に移行した記事です

<画像は『ONE OUTS』6巻52話「深海」より引用>
唐突に書きたくなったので、今日はプロ野球の話です。
「野球には興味ないよー」という人もいらっしゃると思いますが、どうしてもどこかに書いておきたくなったので書かせてください。
現在、日本のプロ野球は全部で12チームです。
それを6チームずつに分けて、巨人・阪神・広島・中日・DeNA・ヤクルトがセ・リーグ、ソフトバンク・オリックス・日本ハム・ロッテ・西武・楽天がパ・リーグという2リーグ制になっています。
途中、もう1つのリーグのチームと戦う「交流戦」というものもありますが……基本的には「同一リーグの6チームで半年間試合をしまくり」、6チームの中で最も勝率の高かったチームがリーグチャンピオンとなります。
んで、昔は……リーグチャンピオンが決まった後に、セ・リーグのチャンピオンとパ・リーグのチャンピオンが直接対決7試合をする「日本シリーズ」を行い、4勝した方が日本一のチームとなっていました。
そこから色々あって……今はちょっとルールが変わっています。
リーグ戦が終わった後、リーグ戦の1位・2位・3位のチームが変則的なトーナメント戦の「クライマックスシリーズ」を行い、その「クライマックスシリーズ」の優勝チームが「日本シリーズ」に進出して、日本一を争うことになりました。
つまり、半年間かけて行う「リーグ戦」のチャンピオンではないチーム……リーグ戦の順位が3位のチームでも日本一になれるというルールなのです。
野球ファンの中には「このルールはおかしいんじゃないのか」という人もいます。これでは「リーグ戦」の意味がないんじゃないのかという意見です。それはすごくよく分かります。
私も一野球ファンとして、クライマックスシリーズは「ベスト」ではないけれど「他にイイ案がない」ので消極的に賛成しているというくらいの立ち位置でした。
かつてはリーグ戦の「1位」になれなければ「2位以下」はみんな一緒だったので、消化試合が多くなってしまっていたのですが……クライマックスシリーズのような制度が出来てから、「1位」「2位」「3位」と「4位以下」に分かれるため消化試合が少なくなり、シーズン終盤の盛り上がりは増えたと思います。
なので、「真の強者」を決めるルールとしては歪だけど、興行的に成功しているなら文句が言えないなぁ……くらいに思っていました。
しかし、今年のリーグ戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズを観て少し考え方が変わりました。
そもそも、日本のプロ野球の「リーグ戦」自体が「真の強者」を決めるルールの「ベスト」だったのか?と思ったのです。
自分の大好きな漫画『ONE OUTS』の6巻にこんなシーンがあります。
この漫画は日本のプロ野球を舞台にした漫画なのですが、連載開始が1998年なのでクライマックスシリーズのような制度が出来る前のルールのプロ野球です。つまり「リーグ戦の優勝者が日本シリーズに進む」ルールだった頃を舞台にした漫画です。
“こんなシーン”とは、主人公:渡久地東亜が三原監督に「優勝をするというのはどういうことか」を教えるシーンです。この時期は「交流戦」もまだ始まっていないので、純粋に6チーム総当りのルールの頃ですね。
・球団Aは、このシーズンは全ての球団に3つずつ勝ち越した
・球団Bは、このシーズンは4つの球団に負け越したのだが、Cという球団にだけは異常に強く25勝2敗と大きく勝ち越し、最終成績は17の勝ち越しになった
この2チーム―――「どっちが強いチームだ?」と言われて監督やコーチは「A」と答えるのだけど、実際に優勝になるのは「B」なんです。Aは勝ち越し15で、Bは勝ち越し17ですから。
つまり、リ-グ戦とは「真の強者」でなくても優勝が出来るんです。
4つのチームに負け越すようなチームであっても、1つのチームをカモにして勝ち星を稼げれば優勝が出来るんです。渡久地は、対戦相手の城丘監督率いるバカブーズはそういうチームだと指摘しているのです。
<以下、引用>
「城丘率いるバカブーズは典型的後者だ。
こいつら、どう見たってリーグ最強とは言い難い。それはきっと城丘自身もわかってるはず。だが、そんなチームでもリーグ戦ならのし上がれる。簡単だ。カモとなるチームを作ればいい。」
</ここまで>
では、現実の2014年シーズンのパ・リーグの成績を見てみましょう。
いつまでも削除されないとは限らないので、ここにも書いておきますが……
「リーグ戦」の優勝チーム:ソフトバンクは、オリックスに勝ち越し1、日本ハムに勝ち越し4、ロッテに勝ち越し2、西武に勝ち越し5、楽天に5割―――交流戦の成績も含めて勝ち越し18でした。
「リーグ戦」の最終盤まで優勝争いをしていたオリックスは、ソフトバンクに負け越し1、日本ハムに5割、ロッテに勝ち越し2、西武に勝ち越し3、楽天に勝ち越し10―――交流戦の成績も含めて勝ち越し18でした。
『ONE OUTS』の例えで言えば、ソフトバンクは(交流戦を除けば)全チームにまんべんなく勝ち越した「A」タイプのチームで。オリックスは「B」ほど極端ではありませんが、下位チームへの勝ち越し―――特に楽天をカモにして順位を上げた「B」タイプのチームだと思います。
では、次にセ・リーグの成績を見てみましょう。
「リーグ戦」の優勝チーム:巨人は、阪神に勝ち越し2、広島に勝ち越し3、中日に勝ち越し8、DeNAに負け越し2、ヤクルトに勝ち越し2―――交流戦の成績も含めて勝ち越し21でした。
「リーグ戦」2位の阪神は、巨人に負け越し2、広島に勝ち越し4、中日に勝ち越し1、DeNAに勝ち越し8、ヤクルトに勝ち越し2―――交流戦の成績も含めて勝ち越し7でした。
「リーグ戦」3位の広島は、巨人に負け越し3、阪神に負け越し4、中日に勝ち越し4、DeNAに勝ち越し7、ヤクルトに勝ち越し8―――交流戦の成績も含めて勝ち越し6でした。
セ・リーグの上位3チームは……巨人は中日から、阪神はDeNAから、広島はDeNAとヤクルトから大量の勝ち越しを稼いでのこの順位です。巨人はまぁ上位対決での成績もイイのですが、どのチームも「カモにしているチーム」があったからこそと言えると思います。
言葉は敢えて「ちょっと過激な言葉」を使いますけど、
リーグ戦って、実は「弱いチーム相手にどれだけちゃんと勝てるのか」で順位が決まるルールだと思うんです。
確かに、今シーズンはソフトバンクは(交流戦を除けば)「負け越した相手のない」優勝でしたし、巨人は「上位陣には勝ち越している」優勝なので……今年がその例に当てはまるワケではありませんが。リーグ戦というのは得てしてそういう側面を持っているルールだと思うのです。
では、クライマックスシリーズはと言うと……
上位3チームの対決になるため、下位3チームは出場しません。オリックスの「カモ」になっていた楽天や、巨人の「カモ」になっていた中日、阪神の「カモ」になっていたDeNA、広島の「カモ」になっていたヤクルトは出場できません。
つまり、クライマックスシリーズは「弱いチーム」のいない「強いチーム同士の直接対決」で優勝が決まるルールなんです。
サッカーでは「リーグ戦」と「カップ戦」という2つの形式があります。
日本の場合、Jリーグが「リーグ戦」で、ナビスコ杯や天皇杯が「カップ戦」。
Jリーグもクライマックスシリーズみたいなものを導入するだとか、ナビスコ杯にもグループリーグというものがあるのですが……基本的には「リーグ戦」が総当りのリーグ戦で、「カップ戦」がトーナメント戦になります。
んで、どこの国でも「リーグ戦」の勝者こそが「真の強者」だという風潮があるみたいなんですね。
組み合わせの運が重要な「カップ戦」よりも、総当りで対戦する「リーグ戦」の方が公平だ……ということなんでしょうし、私もそう思っていました。だから、日本のプロ野球も「クライマックスシリーズ」よりも、「リーグ戦」の方が重要だと思っていたのですが。
どちらが公平かというより……測れる「強さの基準」が違うだけだって、今の自分は考えています。
「クライマックスシリーズ」は顕著ですが、「カップ戦」のようなトーナメント戦は特に上位に来れば来るほど「強い者同士の対決」になって、「強いチームに勝てるチーム」が勝ち上がれる。
「リーグ戦」は、「強いチーム」も全体の中の1チームでしかないので、強い者同士の直接対決よりもそれ以外のチームとの対戦の方が重要で、「弱いチームに勝てるチーム」が上位に来る。
これは特に……チーム数の少ない日本のプロ野球は、そうなりやすいんじゃないかと思います。同じチームと24試合も戦うので、「カモ」に出来るチームがあると、そのチームから最大「24の勝ち越し」を稼げますからね。
では、「日本シリーズ」に進むチームはどちが相応しいのか。
「弱いチームに勝てる」リーグチャンピオンか。
「強いチームに勝てる」クライマックスシリーズ優勝チームか。
そう考えると……「リーグチャンピオン」は「リーグ戦」だけの成績で決めて。
日本シリーズに出場するチームは、強いチームだけのクライマックスシリーズを行って決める―――ただ、リーグチャンピオンには「1勝」のアドバンテージを与える。という現行のルールは、それほど悪くはないんじゃないかと思うようになりました。基準の違う「二つの強さ」を測れるルールではないかと。
もちろんもっと「イイ案」があるのなら別ですが、現状ではこれが「ベスト」のルールかなと私は思います。
私は別にプロ野球の関係者でも何でもないので、私が「ベストだ!」と言おうがなんだろうが何かが決まる権限なんてありませんし……日本のプロ野球の未来なんてものを真剣に考えているワケではありません。
私が今日の記事を「どうしてもどこかに書いておきたくなった」のは、これは「ルール」を決めることの面白さと難しさを内包した話だなと思ったからです。スポーツにしてもゲームにしても、「強者」を決めるためには「ルール」を決めなくてはならない―――その「ルール」のあり方を考えたのです。
例えば……サッカーのワールドカップでは、最初に4チームずつに分けて「グループリーグ」というリーグ戦を戦い、その上位2チームが「決勝トーナメント」に進みます。「弱いチームに勝てるチームが上位に来る」リーグ戦と、「強いチームに勝てるチームが勝ち上がる」トーナメント戦の融合ルールなんですね。
日本は2回ほど「グループリーグ」を突破したことがありますが、2回とも「決勝トーナメント」は1回戦で敗れました。あの2回のチームは、城丘監督のバカブーズのように「リーグ最強とは言いがたいチームだからこそリーグ戦を勝ち上がるために割り切ったチーム」でした。それ故に、「強い者同士の対決」である「決勝トーナメント」ではあっさり敗れてしまいました。
また、この「グループリーグ」の順位の決め方にも議論があって。
FIFAの主催するワールドカップと、UEFAの主催するヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグではルールが微妙に違います。3試合(※1)の成績を「勝ち:3点」「引き分け:1点」「負け:0点」の合計点で競う“勝ち点”で順位を決めるのはどこも一緒なのですが、“勝ち点”が並んだ時の順位の決め方が……ワールドカップでは「3試合合計の得失点差」で決めるのに対し、ヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグでは「順位が並んだ2チーム同士の対決で勝った方」で決めるのです。
(※1:チャンピオンズリーグの場合はホーム&アウェイの6試合)
つまり……ワールドカップは「弱いチームからどれだけ大量点を取れたか」で順位が決まるのに対して、ヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグは「強いチーム同士の直接対決を制した方」で順位を決めているのです。
「真の強者」を決めるルールというのはそれだけ難しく、意見が分かれるものなのです。
「弱いチームに勝てるチーム」が強いのか、「強いチームに勝てるチーム」が強いのか―――意見はそれぞれ違うでしょうし、「クライマックスシリーズ」にも賛否両論あるのは当然だと思います。
ただ、私は「日本シリーズの出場チーム」に関しては「強いチームに勝てるチーム」が出場するべきだと思うので、現在のルールに賛成になりました。
と言いつつ……今年は巨人がクライマックスシリーズでボロ負けしたので、来年・再来年辺りにクライマックスシリーズが廃止されているかも知れませんね(笑)。
でも、これは「真の強者」を決める「ルール」を考える上で、野球に限らず見過ごせない視点だと思うのです。そう考えるとやっぱり渡久地ってすごいね。『ONE OUTS』大好きな漫画なんで、みんなも読むとイイと思いますよ!
<以下、引用>
「城丘率いるバカブーズは典型的後者だ。
こいつら、どう見たってリーグ最強とは言い難い。それはきっと城丘自身もわかってるはず。だが、そんなチームでもリーグ戦ならのし上がれる。簡単だ。カモとなるチームを作ればいい。」
</ここまで>
では、現実の2014年シーズンのパ・リーグの成績を見てみましょう。
いつまでも削除されないとは限らないので、ここにも書いておきますが……
「リーグ戦」の優勝チーム:ソフトバンクは、オリックスに勝ち越し1、日本ハムに勝ち越し4、ロッテに勝ち越し2、西武に勝ち越し5、楽天に5割―――交流戦の成績も含めて勝ち越し18でした。
「リーグ戦」の最終盤まで優勝争いをしていたオリックスは、ソフトバンクに負け越し1、日本ハムに5割、ロッテに勝ち越し2、西武に勝ち越し3、楽天に勝ち越し10―――交流戦の成績も含めて勝ち越し18でした。
『ONE OUTS』の例えで言えば、ソフトバンクは(交流戦を除けば)全チームにまんべんなく勝ち越した「A」タイプのチームで。オリックスは「B」ほど極端ではありませんが、下位チームへの勝ち越し―――特に楽天をカモにして順位を上げた「B」タイプのチームだと思います。
では、次にセ・リーグの成績を見てみましょう。
「リーグ戦」の優勝チーム:巨人は、阪神に勝ち越し2、広島に勝ち越し3、中日に勝ち越し8、DeNAに負け越し2、ヤクルトに勝ち越し2―――交流戦の成績も含めて勝ち越し21でした。
「リーグ戦」2位の阪神は、巨人に負け越し2、広島に勝ち越し4、中日に勝ち越し1、DeNAに勝ち越し8、ヤクルトに勝ち越し2―――交流戦の成績も含めて勝ち越し7でした。
「リーグ戦」3位の広島は、巨人に負け越し3、阪神に負け越し4、中日に勝ち越し4、DeNAに勝ち越し7、ヤクルトに勝ち越し8―――交流戦の成績も含めて勝ち越し6でした。
セ・リーグの上位3チームは……巨人は中日から、阪神はDeNAから、広島はDeNAとヤクルトから大量の勝ち越しを稼いでのこの順位です。巨人はまぁ上位対決での成績もイイのですが、どのチームも「カモにしているチーム」があったからこそと言えると思います。
言葉は敢えて「ちょっと過激な言葉」を使いますけど、
リーグ戦って、実は「弱いチーム相手にどれだけちゃんと勝てるのか」で順位が決まるルールだと思うんです。
確かに、今シーズンはソフトバンクは(交流戦を除けば)「負け越した相手のない」優勝でしたし、巨人は「上位陣には勝ち越している」優勝なので……今年がその例に当てはまるワケではありませんが。リーグ戦というのは得てしてそういう側面を持っているルールだと思うのです。
では、クライマックスシリーズはと言うと……
上位3チームの対決になるため、下位3チームは出場しません。オリックスの「カモ」になっていた楽天や、巨人の「カモ」になっていた中日、阪神の「カモ」になっていたDeNA、広島の「カモ」になっていたヤクルトは出場できません。
つまり、クライマックスシリーズは「弱いチーム」のいない「強いチーム同士の直接対決」で優勝が決まるルールなんです。
サッカーでは「リーグ戦」と「カップ戦」という2つの形式があります。
日本の場合、Jリーグが「リーグ戦」で、ナビスコ杯や天皇杯が「カップ戦」。
Jリーグもクライマックスシリーズみたいなものを導入するだとか、ナビスコ杯にもグループリーグというものがあるのですが……基本的には「リーグ戦」が総当りのリーグ戦で、「カップ戦」がトーナメント戦になります。
んで、どこの国でも「リーグ戦」の勝者こそが「真の強者」だという風潮があるみたいなんですね。
組み合わせの運が重要な「カップ戦」よりも、総当りで対戦する「リーグ戦」の方が公平だ……ということなんでしょうし、私もそう思っていました。だから、日本のプロ野球も「クライマックスシリーズ」よりも、「リーグ戦」の方が重要だと思っていたのですが。
どちらが公平かというより……測れる「強さの基準」が違うだけだって、今の自分は考えています。
「クライマックスシリーズ」は顕著ですが、「カップ戦」のようなトーナメント戦は特に上位に来れば来るほど「強い者同士の対決」になって、「強いチームに勝てるチーム」が勝ち上がれる。
「リーグ戦」は、「強いチーム」も全体の中の1チームでしかないので、強い者同士の直接対決よりもそれ以外のチームとの対戦の方が重要で、「弱いチームに勝てるチーム」が上位に来る。
これは特に……チーム数の少ない日本のプロ野球は、そうなりやすいんじゃないかと思います。同じチームと24試合も戦うので、「カモ」に出来るチームがあると、そのチームから最大「24の勝ち越し」を稼げますからね。
では、「日本シリーズ」に進むチームはどちが相応しいのか。
「弱いチームに勝てる」リーグチャンピオンか。
「強いチームに勝てる」クライマックスシリーズ優勝チームか。
そう考えると……「リーグチャンピオン」は「リーグ戦」だけの成績で決めて。
日本シリーズに出場するチームは、強いチームだけのクライマックスシリーズを行って決める―――ただ、リーグチャンピオンには「1勝」のアドバンテージを与える。という現行のルールは、それほど悪くはないんじゃないかと思うようになりました。基準の違う「二つの強さ」を測れるルールではないかと。
もちろんもっと「イイ案」があるのなら別ですが、現状ではこれが「ベスト」のルールかなと私は思います。
私は別にプロ野球の関係者でも何でもないので、私が「ベストだ!」と言おうがなんだろうが何かが決まる権限なんてありませんし……日本のプロ野球の未来なんてものを真剣に考えているワケではありません。
私が今日の記事を「どうしてもどこかに書いておきたくなった」のは、これは「ルール」を決めることの面白さと難しさを内包した話だなと思ったからです。スポーツにしてもゲームにしても、「強者」を決めるためには「ルール」を決めなくてはならない―――その「ルール」のあり方を考えたのです。
例えば……サッカーのワールドカップでは、最初に4チームずつに分けて「グループリーグ」というリーグ戦を戦い、その上位2チームが「決勝トーナメント」に進みます。「弱いチームに勝てるチームが上位に来る」リーグ戦と、「強いチームに勝てるチームが勝ち上がる」トーナメント戦の融合ルールなんですね。
日本は2回ほど「グループリーグ」を突破したことがありますが、2回とも「決勝トーナメント」は1回戦で敗れました。あの2回のチームは、城丘監督のバカブーズのように「リーグ最強とは言いがたいチームだからこそリーグ戦を勝ち上がるために割り切ったチーム」でした。それ故に、「強い者同士の対決」である「決勝トーナメント」ではあっさり敗れてしまいました。
また、この「グループリーグ」の順位の決め方にも議論があって。
FIFAの主催するワールドカップと、UEFAの主催するヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグではルールが微妙に違います。3試合(※1)の成績を「勝ち:3点」「引き分け:1点」「負け:0点」の合計点で競う“勝ち点”で順位を決めるのはどこも一緒なのですが、“勝ち点”が並んだ時の順位の決め方が……ワールドカップでは「3試合合計の得失点差」で決めるのに対し、ヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグでは「順位が並んだ2チーム同士の対決で勝った方」で決めるのです。
(※1:チャンピオンズリーグの場合はホーム&アウェイの6試合)
つまり……ワールドカップは「弱いチームからどれだけ大量点を取れたか」で順位が決まるのに対して、ヨーロッパ選手権やチャンピオンズリーグは「強いチーム同士の直接対決を制した方」で順位を決めているのです。
「真の強者」を決めるルールというのはそれだけ難しく、意見が分かれるものなのです。
「弱いチームに勝てるチーム」が強いのか、「強いチームに勝てるチーム」が強いのか―――意見はそれぞれ違うでしょうし、「クライマックスシリーズ」にも賛否両論あるのは当然だと思います。
ただ、私は「日本シリーズの出場チーム」に関しては「強いチームに勝てるチーム」が出場するべきだと思うので、現在のルールに賛成になりました。
と言いつつ……今年は巨人がクライマックスシリーズでボロ負けしたので、来年・再来年辺りにクライマックスシリーズが廃止されているかも知れませんね(笑)。
でも、これは「真の強者」を決める「ルール」を考える上で、野球に限らず見過ごせない視点だと思うのです。そう考えるとやっぱり渡久地ってすごいね。『ONE OUTS』大好きな漫画なんで、みんなも読むとイイと思いますよ!
-2026年追記-
なんて記事を書いてから12年が経ちました。
この12年間での変更点と言えば、2026年から「ファイナルステージで対戦する2チームが、レギュラーシーズンで10ゲーム差以上離れている場合」or「ファイナルステージに進出したチームのレギュラーシーズンの成績が5割未満だった場合」はアドバンテージが2勝つくようになったことです。
例えば、2026年のパ・リーグはソフトバンクホークスがダントツ1位だったため、その分だけクライマックスシリーズが優位になるルールになったんですね。
そこまでするなら、もうクライマックスシリーズなんてやる意味あるの?とはちょっと思います。
7試合で5勝しなければならないファイナルステージ、1位のチームの選手が全員食あたりでドッジボール部が代わりに出場するみたいな事態にならない限り、逆転は起こらんでしょう。
さて、「では、クライマックスシリーズは廃止するべきか」というと……
私は2014年の主張とはまた別の視点で「もう廃止できない」と思っています。
というのも、クライマックスシリーズには「レギュラーシーズンの消化試合を減らす」側面があるからです。
例えば、2026年のパ・リーグは先にも書いたようにソフトバンクホークスが圧倒的な強さで優勝したため、7月中旬くらいにはもうほぼ優勝確定くらいの空気になっていました。もしクライマックスシリーズがなかったなら、7月下旬~10月初旬までの2ヶ月半がまるまる消化試合になっていたのです。
クライマックスシリーズがあったおかげで、
1位が確定しても、クライマックスシリーズ1stステージの主催地をかけた「2位争い」や、クライマックスシリーズ出場をかけた「3位争い」、そして今年からは「1位と2位のゲーム差が10以上になるか」も焦点になっていたため……少なくとも上位3チームは、こんな圧倒的なダントツ1位のチームが生まれたシーズンなのに、消化試合がほとんどなかったんですね(2位の埼玉西武ライオンズで言えば、消化試合は最後の1試合だけでした)。
もしクライマックスシリーズをこれから廃止したのなら、レギュラーシーズンの大半が消化試合になっちゃって、1位のチームを含めた全球団の観客動員が減って、大幅な収入減になることが予想されます。
「いやいや、そんなに1位が圧倒的に強いシーズンなんてそうそうないでしょ?」と思った人がいるかも知れないので、2014年以降のパリーグの1位と2位のゲーム差をまとめてみました。
-パ・リーグの1位と2位のゲーム差-
・2014年
ソフトバンクとオリックス 0ゲーム差
・2015年
ソフトバンクと日本ハム 12.0ゲーム差
・2016年
日本ハムとソフトバンク 2.5ゲーム差
・2017年
ソフトバンクと西武 13.5ゲーム差
・2018年
西武とソフトバンク 6.5ゲーム差
・2019年
西武とソフトバンク 2.0ゲーム差
・2020年(短縮シーズン)
ソフトバンクとロッテ 14.0ゲーム差
・2021年
オリックスとロッテ 2.5ゲーム差
・2022年
オリックスとソフトバンク ゲーム差なし
・2023年
オリックスとロッテ 15.5ゲーム差
・2024年
ソフトバンクと日本ハム 13.5ゲーム差
・2025年
ソフトバンクと日本ハム 4.5ゲーム差
・2026年
ソフトバンクと西武 11.5ゲーム差
13回中6回が「10ゲーム差以上」の大差がついたシーズンだった上に、直近の4シーズンが特に「4年の内3年が圧倒的な大差をつけての優勝だった」ことが分かります。
本来、プロ野球はこういう事態を避けるために「戦力均衡」をはかってきました。
有望な新人が特定球団に集中しないための「ドラフト制」にして、フリーエージェントの資格を得るまでは選手の好きには移籍できないシステムを作っていました。
しかし、結果を見れば分かるように「戦力均衡」ができているとは言い難いです。
この上で、選手会はフリーエージェントの資格を得るまでの期間を短縮するように+人的補償もなくすように要求しているし、有原航平投手や上沢直之投手のようにポスティングの制度を使って大リーグを経由して日本国内の好きな球団に移籍する選手も出てきました。
フリーエージェントで選手を集められない球団であっても、有望な若手を育てて強くなればイイだろう、と一昔前なら言えたのですが……佐々木朗希投手のように、近年の有望選手は入団時点で「何年実働したら大リーグに移籍させる」という密約を結ばないと入団してくれない選手も多くなっていることが想像できます。
「有望な若手」を育てても、一番のピークの時期にはもう移籍してしまうんです。
このままだと、今後どんどんどんどんどんどん「戦力の格差」は開いていく一方ですし、この状態でクライマックスシリーズだけなくしたら「シーズンの大半が消化試合」で閑古鳥が鳴くリーグに戻りかねません。
なので、もしこの記事を読んでいるアナタが「クライマックスシリーズなんてけしからん! すぐに廃止するべきだ!」と仰るなら、ただ幼児のように「廃止するべきだ!」と駄々をこねるのではなく、この「戦力均衡」の問題を解決する策を提案するべきです。
私は現行のクライマックスシリーズの制度にはもう飽きてきたので、ガチで「戦力均衡」の問題を解決してくれるなら、クライマックスシリーズを廃止してくれても構いません。
もしくは、もう「戦力均衡」はできないものとして、優勝争いをしなくてもお客さんに入ってもらう「ショー」としてのプロ野球に舵を切るとかね。
実際問題、今のプロ野球は「好きな選手を作って、その選手を応援しよう」とアイドル的な広報に力を入れていて、そのおかげで全体的には観客増になっているんですね。中日ドラゴンズとか長いことAクラスになれていない暗黒の時代なのに、球場はいつも満員ですし。
そんなことを考えながら、明日からのクライマックスシリーズを迎えます。
終わった時に「やっぱりクライマックスシリーズ最高だな!」と意見を180度変えてしまうくらい、盛り上がるシリーズになるとイイですね。
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