アニメ『ハナヤマタ』各話感想メモまとめ(1話~最終話)

※ この記事は2014年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です



 夏アニメ、3本目です!

 「どうしてこんなことをやるのか分からない……」と思われるかも知れませんし、自分でも思わなくもないんですけど。アニメって「リアルタイムに楽しまれる」だけじゃなくて、「作品として残るから何年後でも何十年後でも楽しまれる」側面もあると思うんです。
 極端な例だと、『ガンダム』も『エヴァンゲリオン』も自分はリアルタイム放送時に観ていたワケじゃありませんからね。テレビ放送の終了から、何年後・十何年後に観ていたりするのです。

 「月額会員は対象作品が全話見放題」というネットサービスもメジャーになっていけば、何年か前の作品でも楽しまれるそういう機会も増えるでしょうし、「リアルタイムに観ていた人の感想」のアーカイヴにも意味があるんじゃないかなぁと思って残していこうと思いました。


<ルール>
・1話から最終話(12話)までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな






【1組目「シャル・ウィ・ダンス?」】

 放送前のPVの時点で「面白そう!」感が全開だったこの作品、放送された第1話も文句なしに大満足の1話でした。
 「主人公らしくない関谷なる」と「主人公みたいなハナ」の出会いだけど、なるがハナに惹かれていくのは「自分に似ているところ」を見たからだし。この後も、実はハナもなるのように孤独を抱えて生きていたことをなるが知るシーンが繰り返し描かれていて、だからこそ最終話でなるが「ハナの代わり」に主人公としてチームを引っ張っていけるという。

 こう振り返ってみると、丁寧に構成されていることが分かりますねぇ。



 すっごくイイことを書いていたのに、「パックのジュースを飲む女のコはエロイ」みたいな話になってて。自分でも「何言ってんだコイツは……」と思ってしまいます。ブログ記事の最後に書いた「踏切」の話は、機会があればまた別記事にして書きたいですね。



【2組目「ジェラシー・ローズ」】

 この手の「初心者が新しいものに出会って練習して上手くなっていく」ガールズものは、この序盤の「まだ下手くそだけど必死に練習している段階」をどう見せるのかが難しいなぁと思います。『けいおん!』なんかも、ここは「せっかく上手くなったのにテスト勉強してたら全部忘れちゃった」みたいなギャグに落としていましたね。

 『ハナヤマタ』はここを、「ちっとも上手くない主人公を見つめる“親友”」の視点で描いているので―――むしろ下手くそなことがドラマになるという。上手いですよねぇ。


【3組目「ガールズ・スタイル」】

 言ってしまえば「日常回」なんですけど、海ボーズ兄貴との出会い、「よさこい祭り」への参加、そのために部員集めが必要で、顧問の先生も探さなきゃ……と、「作品全体の目標」を設定して視聴者に見せる回。まぁ、新規に部活作るアニメでは定番の展開ではあるんですけど。

 こういう「日常回」で、サラッとハナの家庭事情が匂わされていたりするんですよね。みんながお弁当を食べている時に、ハナだけはサンドウィッチを食べている……これが終盤の伏線になっているという。


【4組目「プリンセス・プリンセス」】
 4話は初見だと、ちょっと辛口な感想でしたね。
 なるがタミを救うシーンのBGMがほんわかしているというか、ドキドキ感がないなぁと思って、割と「もったいない!」という感想になっているんですが。2回目を観た時はそんなに気になりませんでした(笑)。

 ちなみに第1話では「なるが走ってハナを追いかける」シーンがありましたが、この第4話だと「タミが走ってなるから逃げる」シーンがありますよね。こんな風に「走る」シーンが各キャラに用意されていたのには、最終話まで気付いていませんでした。


【5組目「ファースト・ステップ」】

 「湘南よさこい祭り」に行く回。
 実はこの時点でサリー先生の苗字が「常盤」って出ているんですよね。勘が良ければ、この時点で姉妹という設定に気付いて……というのは、流石にムチャである(笑)。

 「人前で踊る」ことにまだ消極的だったなるが前向きになり、チームとして結束し始めてきた頃ですね。


【6組目「トライ・トライ・トライ」】

 希望はあるぞ!
 なるママの顔は最後まで映されませんでしたねぇ。何故だかこのアニメ、ハナ以外のキャラの「母親の存在」は描かれないようになっているんですよね。「父親の存在」は、なるもヤヤもタミも描かれているのに。これには何か理由があるのか……


【7組目「ガール・アイデンティティー」】

 ヤヤが走る回。
 この回、すげー好きな回です。言ってしまえば、「なるがヤヤを救って仲間に引き込む」展開なんですけど、最後ヤヤが泣き出しそうなタイミングでなるが先に泣いちゃうんです。「オマエが泣くんかい!」とツッコミたくなるのだけど、ヤヤはそこで微笑んで、この二人がここまでに歩んできた道を感じさせるという。「どうしようもないなるの存在」が、これまでにも何度もヤヤを救ってきたんだ―――と思わせてくれるこのシーンが、すごく好きなのです。

 ちょっと息切れしがちな7話目にこういう展開を持ってこられるのは大きいですよねー。


【8組目「ミッション・イベント」】

 ちょっと補足。
 『けいおん!』の2~5話は意図的に練習シーンを見せないようにしていて(5話でチラッと見せられるところはあんまり上手くない)、だからこそ6話の最初のライブシーンで「コイツら!こんなに上手いのか!」と驚くことが出来たのだけど。

 『ハナヤマタ』は練習シーンをきっちり描くので、「どういうことをやるのか」「彼女らの実力がどれくらいなのか」を視聴者が分かってしまっているのです。んで、最初のステージのシーンを見ると視聴者は「あんなに練習したのに実力が出せていないじゃないか……」と思えてしまう。最終話のステージはそうではなかったので、これは意図的に「最初のステージはイマイチな結果に終わった」と見せるためだったのだと思います。歌がないと寂しいですしねぇ。


【9組目「シスター・コンプレックス」】

 マチが走る回。走る作画がすごいのです。
 しかし、この回の「マチを追いかけるタミ」は、4話の「タミを追いかけるなる」をなぞっているんですね。そして、抱きついた勢いでずっこけたなると違って、タミお姉ちゃんはしっかりとマチを押さえているという(笑)。

 「終盤は駆け足展開」だったのは否めないのだけど、序盤のこうした積み重ねを活かして終盤が描写不足でも許せるようにしてあったとは思います。


【10組目「オンセン・ガッシュク」】

 マチが仲間になって「ハナヤマタ」としてチームになっていく回。ヤヤが真っ先に衝突するけど、あっさり落ちてデレ化するのがヤヤちゃんです。可愛い。にしても、5人がチームだった期間、短いな!


【11組目「スマイル・イズ・フラワー」】

 ↓にも書きましたけど、この時点で「ま、戻ってくるんだろうな」とは思っていました。思ってはいたけど、そこは気付かないフリをして全力で作品を楽しむのは大人の姿勢なのです!

 でも、ホント……完成した曲がOPと一緒なのだけど、それを歌っているハナはもういなくて。OPは「5人としての思い出」の曲で、それを聴いた4人が「ハナの分も……!」と前に向かう構成は本当に見事でした。なるが、ハナがいなくてもチームを引っ張る存在に成長したのも見られたし。


【12組目「ハナヤマタ」】

 11話の時点では文句を言う気満々だったのだけど……実際に最終話を見たら、そんな文句が吹き飛んだくらい素晴らしい最終話でした。

 第1話から続いた「主人公にはなれなかった関谷なる」が、とうとう主人公になり。
 5人がようやく真の意味で「仲間」になった―――からの、チーム「ハナヤマタ」ver.の『花雪』!&5人での「まんがタイムきららフォワード」のTVCM!まさか、TVCMに感動させられるアニメが現れるとは……!

 5話で「観てくれている人みんなが笑顔になれる舞台が出来たら……」と言っていたハナの言葉通り、全員集合で舞台を見て、そしてみんな笑顔になる。お見事。
 感動して泣きまくったり、デレ化するヤヤちゃんにトキめいたり、「友情っていいなぁ」と思わせてくれたり、この作品を観て色んなことがありました。丁寧に丁寧に作られた作品だからこそ、どの方向にも「力」があった作品だったと思います。もう『けいおん!』の幻影には縛られない。アニメはもっともっと前進しているんだと思わせてくれました。楽しかった、ありがとう!




 と、締めくくりたかったんですけど……
 この作品の「踏切」演出について、深く語りたくなったので機会があればまた『ハナヤマタ』の記事を書くかも知れません。書くとしたら来月でしょうけど、その時にはここにまた追記させていただきます。

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