※ この記事は2013年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です
んで、Miiverseを見ると、思った以上に「ファイアーエムブレムって聞いたことがないです。有名なゲームなんですか?」という声や「30円だから買ってみたのですが敵を全滅させてもクリアになりません。なんで??」みたいな声が多いんです。小学生だけじゃなく、大人の人でも、『ファイアーエムブレム』シリーズを全くプレイしたことがない人が多いみたいなんです。
『ファイアーエムブレム』シリーズって任天堂のソフトの中では「熱心なファン」に支えられている一方、100万本を売るような「広く売れるソフト」ではないので、長く続いているシリーズなのに全く知らない人は知らないってシリーズなんですよね。有野課長も「消防士の話ですか?」と言っていたし(笑)。
なので、「今30円で売っているけどファイアーエムブレムってどんなゲーム?」という人や、「ファイアーエムブレム始めたんだけどどうやればイイのか分からない!」という人のために、『ファイアーエムブレム』ってのはこういうゲームなんだよと解説をしようと思います。
慣れている身からすると「当たり前なルール」が、初心者にとっては壁になりますしね。
ちなみに、今日の記事では「これから30円で『紋章の謎』を買おうと思っている人」を想定して書きますんで、『紋章の謎』が中心の話になると思いますが―――『ファイアーエムブレム』シリーズはその後に色んな要素が足されてはいるんですが根っこの部分は一緒なので、最近の作品(3DSの『覚醒』とか)を始めようって人にも参考になる話だと思いますです。
0.まずWii UのeShopから『ゲームセンターCX 有野の挑戦HD』を観ましょう
これで「ファイアーエムブレムがどんなゲームか」は分かります。
以上!今日の記事は終了!!
って終わらせると、流石に石を投げられそう(笑)。
1~3面のネタバレにはなるんですけど、初心者の有野課長が四苦八苦しながらプレイしている姿を見れば「どんなゲームか」は分かると思いますし、同じような初心者の人はまずこの映像から見始めるのがイイと思いますよ。そして、有野課長と同じように「3面までクリア」を目指すところから始めるとイイと思います。
(※2025年現在はもちろん公開終了しています)
ただ、注意点。
有野課長は初心者な上、「3面までクリア」を目指しているので、『ファイアーエムブレム』ファンからすると「なんでアレをしないんだよ!」とか「それやっちゃうと後々に辛くなるぞー!」ということをやっています。だから、課長のプレイをマネしないように。
具体的には
・「砦に待機した状態でターン終了するとHPが回復する」のを使おう
・ジェイガンではあまり敵にトドメを刺さないようにしよう
・ワープの杖は貴重品なのでここではまだ使わないようにしよう
1.『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」
『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラが守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。
実はこういうゲームってあまりないですよね。
『ドラゴンクエスト』シリーズの場合、同じキャラが同じ敵に攻撃を当てても、さっきは16のダメージだったけど今度は32のダメージだ、みたいなことが起こります。これはRPGの起源がTRPGだからだと思うんですが、とにかく『ドラクエ』とは違うんです。
同じSRPGの『スーパーロボット大戦』シリーズの場合でも、攻撃力が「パイロットの能力+武器の攻撃力×パイロットの気力×射程がどーのこーの」みたいに複雑な計算式で成り立っているため、ステータス画面を見ただけではダメージが幾つかはピッタリ想像出来ません。
『ファイアーエムブレム』はそういう意味では「最も数字に忠実なゲーム」と言えますし、「敵味方のステータス画面を小まめにチェックしなくてはならないゲーム」なんです。熟練者にとってはこれが面白いのですし、初心者にとっては難しいところでしょう。
それでは具体的にステータス画面を見てみましょう。
Wii版のバーチャルコンソール公式サイトに、ステータス画面の写真が載っています。
見ましたか?マルスの顔グラフィックが載っている写真です。
初心者の人は「うげー、こんな数字がいっぱいあるのかよー。難しそう」って思うかもしれません。ですが、重要な数字は限られているんです。全部の数字を把握する必要はないんです、少なくとも初心者の間は。
重要なのはこの3つ。
・「HP」…これが0になると死亡なので、常に気を遣おう
・「攻撃」「守備」…「こちらの攻撃力-相手の守備力=与えるダメージ」
・「攻速」…「攻撃する速度」の略。これが相手より3上回ると2回攻撃
逆に「わざ」「幸運」「武器(の数字)」は、最初の内は気にしなくてイイです。
「ちから」は「攻撃」の元となる数字ですし(「キャラのちから」+「武器の攻撃力」=「攻撃」になる)、「速さ」は「攻速」の元となる数字ですし(「キャラの速さ」-「武器の重さ」=「攻速」になる)―――この数字はこの数字と繋がっているんだくらいの認識でイイでしょう。
ちなみに、有野課長はここまでの知識もなくプレイしていたみたいです。
「2回攻撃の条件」を知らなかったみたいですし。逆に言うと、ここまでの知識がなくても3面まではプレイ出来るということです。今の時点で「よくわかんねーや」という人も、3面までプレイして、その後にこの記事を読み返せばイミが分かるところも多いんじゃないかと思いますよ。
重要なことをもう一つ。
『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」と書きましたが、「不確実なゲーム」とも言えます。だからこそドラマチックで面白いゲームなんです。
再びWii版バーチャルコンソール公式サイトから戦闘画面の写真をどうぞ。
また数字がいっぱい書いてありますね。
ゲージは先ほど重要だと書いた「HP」です。
ATCは「攻撃」、DEFは「守備」です。
先ほど説明していない数字が2つ。
HIT=「命中率」と、CLT=「クリティカル率」です。
「命中率」と「クリティカル率」は複雑な計算式で導き出されるので先ほどは説明をしませんでしたが、この数字により、プレイヤーの思わぬ展開にゲームが進むんです。
「敵のサンダーがクリティカルヒットになってアーマーナイトが一撃で沈んだ」とか「絶体絶命だと思ったらレナさん敵の攻撃を避けたった」とか。それが、プレイヤーごとに異なるドラマが生まれる理由になるんです。
というか、私5面で早くもドーガ死んじゃったんですけど!
ノーリセットプレイとか言ってたら、序盤からまさかのアーマーナイト抜きプレイとかマゾゲーになっちゃっているんですけど!!流石にこれは予想外でしたよ!(今までドーガが死んだことなかったので……)
2.ペガサスナイトは弓矢に弱い、アーマーナイトは魔法攻撃に弱い
先ほどの項目で、自分は“『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラが守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。”と書きました。
「基本的に」というカッコ書きで書いたのにはもちろんワケがあって。
例外もあるんです。それがこのゲームの奥深いところで、「ユニットごとに得手・不得手となる相手がいる」ように作ってあるんです。炎ポケモンは水ポケモンに弱いとか、アンデット系の敵には炎魔法が効くとか、そんなカンジの。
飛行ユニット(ペガサスナイト、ドラゴンナイト、飛竜)は、弓攻撃(アーチャー、ハンター、スナイパー、ホースメン、シューター、あと風魔法)に弱いんです。どんなに鍛えてあるドラゴンナイトでも、ハンターの攻撃1発で致命傷になってしまうんです。
三度、Wii版バーチャルコンソール公式サイトからステータス画面。
この左下に「特効:20 ナイト系」と書かれていると思います。これは「普段の攻撃力は10だけど、ナイト系に攻撃する時だけ特別に攻撃力が20になりますよ」という特別効果があるということなんです。この場合、マルスの装備している「レイピア」という武器が、ナイト系に対して特別な効果があるということですね。
敵味方全ての弓兵のステータス画面を見てもらえれば分かりますが、弓矢はそれだけで「特効 ひこう系」となっているんです。
これを知らないと、1面でシーダがあっさり弓兵に殺されてしまうんです。
「HPまだまだあったのに、なんで!?」と。
ちなみに有野課長はコレも知らずにプレイしていたみたいです。
誰かスタッフが教えてあげれば良かったのに……
この「特効」は他にもあって、多くの場合は「特効を持った武器」です。
アーマーナイトやジェネラルに「特効」があるアーマーキラーという剣、ソシアルナイトやパラディンに「特効」があるナイトキラーという槍、その両方に「特効」があるマルス専用のレイピア(なので、1面の時点でマルスには鉄の剣を持たせてレイピアを温存させた方が良い)。
また「特効」とはまた別の「相性」があります。
それが「魔法」という要素。「魔法で攻撃された場合のみ、守備ではなく魔防(魔法防御)が守備力」になるのです。
どんなに守備力を鍛えたキャラでも、魔法防御が低いと魔法攻撃であっさり死んでしまうのです。
先ほど自分は「5面でドーガが死んじゃった」と書きましたけど、その時点で我が軍のドーガは「守備:11」「魔防:0」でした。余裕だぜーとガシガシ進んでいたら、攻撃力7の魔法攻撃サンダーで、運悪くクリティカル(通常の3倍のダメージ)が出てしまい一撃で21のダメージを食らって死亡――――ってカンジでした。
クリティカルはまぁ運ですけど。
鉄壁だと思ったアーマーナイトがあっさり魔法攻撃に沈むというのは、『ファイアーエムブレム』あるあるなので。「このゲームに最強キャラなどいないんだ」と思ってプレイしてもらえればイイかなと思います。
3.「自分だけのチーム」感
このゲームは大体全部で50人近くのキャラが仲間になるそうで、その内出撃できるのは12~15人と限られています。前項で「ユニットごとの相性」の話を書きましたが、それゆえにどういう編成にするのかはプレイヤーごとに違うという面白さがあります。
弓兵は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
回復役は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
敢えてジジイを使うのか、若い女のコばかり使うのか。
また、同じキャラを使っていても、こっちの人と自分とでは成長のし方が違うなんてことも起こります。
キャラにはおおよその成長率が設定されていて、例えばジェイガンは「どんなにレベルが上がってもほとんどステータスが上がらない」とか、シーダなら「力がガンガン上がるけどHPはなかなか上がらない」とかあるんですけど。
あくまで「このキャラは○○が上がりやすい」という確率の話なので、今回のオグマはちっとも守備力上がらねえ!みたいなことも起こるんです。Miiverse見てたら7面でレナのちからが11になっている人いたけど、何だアレは!
それ故に「自分だけのチーム」になるし、そこが面白いゲームなんです。
4.支援システム
『紋章の謎』をプレイするだけなら大して気にする必要はありませんけど、『ファイアーエムブレム』シリーズを語る上で欠かせないのがこの「支援システム」です。
ざっくりと説明すると……
マルスとシーダは恋人同士なので、シーダが近くにいるとマルス様ハッスルして普段の力以上なものが出まっせ!というシステムなのですが。
「恋人同士」という分かりやすい設定だけじゃなくて、「あれ?実はこのキャラってこのキャラが近くにいるとクリティカル率上がってるよね?」みたいな隠れ三角関係になっていたりして。複雑な人間関係を表す一要素となっていたんです。
当時の自分は小学生だったのでよく分かってませんでしたが、どうやらこの(スタッフの遊び心とも言える)隠し要素にファンは夢中になって。「○○のことを密かに想い続けている△△だけど、あぁ……!でも、○○には□□という恋人がいるのであった……!」という妄想・同人のネタになっていたようで。
これが後のシリーズ『聖戦の系譜』では、プレイヤーの行動次第で「○○は□□ではなく△△と結婚して子どもを作る」と出来るように進化していったんですよね。
子作りについてはアレですけど、この「キャラ同士に実は関係性がある」というのは後々のシリーズでは強化されていくところで。『紋章の謎』ではそれほど気にすることではないですが、シリーズの源流を垣間見れる要素だとも言えるんで紹介しました。
色んな要素を書いたんで、「こんなに一度に理解出来ないよ……」「やっぱり難しいゲームなんじゃないのか」と思われたかも知れません。
しかし、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』の序盤って今思うとかなり「初心者向け」に配慮されて作ってあるとも言えるんです。
今日の記事で駆け足に書いたような色んな要素を、順番に覚えられるようになっているんです。
例えば最初の1~3面では、魔法が出てきません。敵も「海賊(山賊)」と「弓兵」が基本で、ゲームのルールとこちらのユニットの特性を覚えることに集中できるようになっているのです。
またWii Uのバーチャルコンソールならば「いつでもバックアップ」が使えますから、面の途中でバックアップを取っておけばリセットした際のやり直し時間はそんなにかからないようになっています。
シリーズファンからは「その遊び方は邪道だ」と言われるかも知れませんが、初心者の人は遠慮なく「いつでもバックアップ」を使って『ファイアーエムブレム』の面白さを分かって欲しいです。
最後に、これから『紋章の謎』を始めようって人に向けて、『紋章の謎』の序盤に限ったアドバイス7カ条を記してこの記事をしめたいと思います。
一.どんなにターンがかかっても気にするな!慎重に確実にプレイすべし!
一.進むのは、砦でHPを回復させてからで構わない!
一.リセットをしないと不利になる時がある!特にシーダが死んだ時だ!
一.ジジイは大して成長しないので経験値をあげるな!育てるなら若い女だ!
一.「手槍」「手斧」は敵が使うと厄介だが、味方が使うときは過信するな!
一.ボス以外で顔が付いているヤツは大抵仲間になるの法則!
一.レイピアは切り札になるんで、マルスには鉄の剣を持たせるんだ!
一.敵の盗賊は真っ先に殺せ!村を破壊されると取り返しがつかなくなるぞ!
……1コ多くなっちゃったけど、御愛嬌。
んで、Miiverseを見ると、思った以上に「ファイアーエムブレムって聞いたことがないです。有名なゲームなんですか?」という声や「30円だから買ってみたのですが敵を全滅させてもクリアになりません。なんで??」みたいな声が多いんです。小学生だけじゃなく、大人の人でも、『ファイアーエムブレム』シリーズを全くプレイしたことがない人が多いみたいなんです。
『ファイアーエムブレム』シリーズって任天堂のソフトの中では「熱心なファン」に支えられている一方、100万本を売るような「広く売れるソフト」ではないので、長く続いているシリーズなのに全く知らない人は知らないってシリーズなんですよね。有野課長も「消防士の話ですか?」と言っていたし(笑)。
なので、「今30円で売っているけどファイアーエムブレムってどんなゲーム?」という人や、「ファイアーエムブレム始めたんだけどどうやればイイのか分からない!」という人のために、『ファイアーエムブレム』ってのはこういうゲームなんだよと解説をしようと思います。
慣れている身からすると「当たり前なルール」が、初心者にとっては壁になりますしね。
ちなみに、今日の記事では「これから30円で『紋章の謎』を買おうと思っている人」を想定して書きますんで、『紋章の謎』が中心の話になると思いますが―――『ファイアーエムブレム』シリーズはその後に色んな要素が足されてはいるんですが根っこの部分は一緒なので、最近の作品(3DSの『覚醒』とか)を始めようって人にも参考になる話だと思いますです。
0.まずWii UのeShopから『ゲームセンターCX 有野の挑戦HD』を観ましょう
これで「ファイアーエムブレムがどんなゲームか」は分かります。
以上!今日の記事は終了!!
って終わらせると、流石に石を投げられそう(笑)。
1~3面のネタバレにはなるんですけど、初心者の有野課長が四苦八苦しながらプレイしている姿を見れば「どんなゲームか」は分かると思いますし、同じような初心者の人はまずこの映像から見始めるのがイイと思いますよ。そして、有野課長と同じように「3面までクリア」を目指すところから始めるとイイと思います。
(※2025年現在はもちろん公開終了しています)
ただ、注意点。
有野課長は初心者な上、「3面までクリア」を目指しているので、『ファイアーエムブレム』ファンからすると「なんでアレをしないんだよ!」とか「それやっちゃうと後々に辛くなるぞー!」ということをやっています。だから、課長のプレイをマネしないように。
具体的には
・「砦に待機した状態でターン終了するとHPが回復する」のを使おう
・ジェイガンではあまり敵にトドメを刺さないようにしよう
・ワープの杖は貴重品なのでここではまだ使わないようにしよう
1.『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」
『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラが守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。
実はこういうゲームってあまりないですよね。
『ドラゴンクエスト』シリーズの場合、同じキャラが同じ敵に攻撃を当てても、さっきは16のダメージだったけど今度は32のダメージだ、みたいなことが起こります。これはRPGの起源がTRPGだからだと思うんですが、とにかく『ドラクエ』とは違うんです。
同じSRPGの『スーパーロボット大戦』シリーズの場合でも、攻撃力が「パイロットの能力+武器の攻撃力×パイロットの気力×射程がどーのこーの」みたいに複雑な計算式で成り立っているため、ステータス画面を見ただけではダメージが幾つかはピッタリ想像出来ません。
『ファイアーエムブレム』はそういう意味では「最も数字に忠実なゲーム」と言えますし、「敵味方のステータス画面を小まめにチェックしなくてはならないゲーム」なんです。熟練者にとってはこれが面白いのですし、初心者にとっては難しいところでしょう。
それでは具体的にステータス画面を見てみましょう。
Wii版のバーチャルコンソール公式サイトに、ステータス画面の写真が載っています。
見ましたか?マルスの顔グラフィックが載っている写真です。
初心者の人は「うげー、こんな数字がいっぱいあるのかよー。難しそう」って思うかもしれません。ですが、重要な数字は限られているんです。全部の数字を把握する必要はないんです、少なくとも初心者の間は。
重要なのはこの3つ。
・「HP」…これが0になると死亡なので、常に気を遣おう
・「攻撃」「守備」…「こちらの攻撃力-相手の守備力=与えるダメージ」
・「攻速」…「攻撃する速度」の略。これが相手より3上回ると2回攻撃
逆に「わざ」「幸運」「武器(の数字)」は、最初の内は気にしなくてイイです。
「ちから」は「攻撃」の元となる数字ですし(「キャラのちから」+「武器の攻撃力」=「攻撃」になる)、「速さ」は「攻速」の元となる数字ですし(「キャラの速さ」-「武器の重さ」=「攻速」になる)―――この数字はこの数字と繋がっているんだくらいの認識でイイでしょう。
ちなみに、有野課長はここまでの知識もなくプレイしていたみたいです。
「2回攻撃の条件」を知らなかったみたいですし。逆に言うと、ここまでの知識がなくても3面まではプレイ出来るということです。今の時点で「よくわかんねーや」という人も、3面までプレイして、その後にこの記事を読み返せばイミが分かるところも多いんじゃないかと思いますよ。
重要なことをもう一つ。
『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」と書きましたが、「不確実なゲーム」とも言えます。だからこそドラマチックで面白いゲームなんです。
再びWii版バーチャルコンソール公式サイトから戦闘画面の写真をどうぞ。
また数字がいっぱい書いてありますね。
ゲージは先ほど重要だと書いた「HP」です。
ATCは「攻撃」、DEFは「守備」です。
先ほど説明していない数字が2つ。
HIT=「命中率」と、CLT=「クリティカル率」です。
「命中率」と「クリティカル率」は複雑な計算式で導き出されるので先ほどは説明をしませんでしたが、この数字により、プレイヤーの思わぬ展開にゲームが進むんです。
「敵のサンダーがクリティカルヒットになってアーマーナイトが一撃で沈んだ」とか「絶体絶命だと思ったらレナさん敵の攻撃を避けたった」とか。それが、プレイヤーごとに異なるドラマが生まれる理由になるんです。
というか、私5面で早くもドーガ死んじゃったんですけど!
ノーリセットプレイとか言ってたら、序盤からまさかのアーマーナイト抜きプレイとかマゾゲーになっちゃっているんですけど!!流石にこれは予想外でしたよ!(今までドーガが死んだことなかったので……)
2.ペガサスナイトは弓矢に弱い、アーマーナイトは魔法攻撃に弱い
先ほどの項目で、自分は“『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラが守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。”と書きました。
「基本的に」というカッコ書きで書いたのにはもちろんワケがあって。
例外もあるんです。それがこのゲームの奥深いところで、「ユニットごとに得手・不得手となる相手がいる」ように作ってあるんです。炎ポケモンは水ポケモンに弱いとか、アンデット系の敵には炎魔法が効くとか、そんなカンジの。
飛行ユニット(ペガサスナイト、ドラゴンナイト、飛竜)は、弓攻撃(アーチャー、ハンター、スナイパー、ホースメン、シューター、あと風魔法)に弱いんです。どんなに鍛えてあるドラゴンナイトでも、ハンターの攻撃1発で致命傷になってしまうんです。
三度、Wii版バーチャルコンソール公式サイトからステータス画面。
この左下に「特効:20 ナイト系」と書かれていると思います。これは「普段の攻撃力は10だけど、ナイト系に攻撃する時だけ特別に攻撃力が20になりますよ」という特別効果があるということなんです。この場合、マルスの装備している「レイピア」という武器が、ナイト系に対して特別な効果があるということですね。
敵味方全ての弓兵のステータス画面を見てもらえれば分かりますが、弓矢はそれだけで「特効 ひこう系」となっているんです。
これを知らないと、1面でシーダがあっさり弓兵に殺されてしまうんです。
「HPまだまだあったのに、なんで!?」と。
ちなみに有野課長はコレも知らずにプレイしていたみたいです。
誰かスタッフが教えてあげれば良かったのに……
この「特効」は他にもあって、多くの場合は「特効を持った武器」です。
アーマーナイトやジェネラルに「特効」があるアーマーキラーという剣、ソシアルナイトやパラディンに「特効」があるナイトキラーという槍、その両方に「特効」があるマルス専用のレイピア(なので、1面の時点でマルスには鉄の剣を持たせてレイピアを温存させた方が良い)。
また「特効」とはまた別の「相性」があります。
それが「魔法」という要素。「魔法で攻撃された場合のみ、守備ではなく魔防(魔法防御)が守備力」になるのです。
どんなに守備力を鍛えたキャラでも、魔法防御が低いと魔法攻撃であっさり死んでしまうのです。
先ほど自分は「5面でドーガが死んじゃった」と書きましたけど、その時点で我が軍のドーガは「守備:11」「魔防:0」でした。余裕だぜーとガシガシ進んでいたら、攻撃力7の魔法攻撃サンダーで、運悪くクリティカル(通常の3倍のダメージ)が出てしまい一撃で21のダメージを食らって死亡――――ってカンジでした。
クリティカルはまぁ運ですけど。
鉄壁だと思ったアーマーナイトがあっさり魔法攻撃に沈むというのは、『ファイアーエムブレム』あるあるなので。「このゲームに最強キャラなどいないんだ」と思ってプレイしてもらえればイイかなと思います。
3.「自分だけのチーム」感
このゲームは大体全部で50人近くのキャラが仲間になるそうで、その内出撃できるのは12~15人と限られています。前項で「ユニットごとの相性」の話を書きましたが、それゆえにどういう編成にするのかはプレイヤーごとに違うという面白さがあります。
弓兵は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
回復役は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
敢えてジジイを使うのか、若い女のコばかり使うのか。
また、同じキャラを使っていても、こっちの人と自分とでは成長のし方が違うなんてことも起こります。
キャラにはおおよその成長率が設定されていて、例えばジェイガンは「どんなにレベルが上がってもほとんどステータスが上がらない」とか、シーダなら「力がガンガン上がるけどHPはなかなか上がらない」とかあるんですけど。
あくまで「このキャラは○○が上がりやすい」という確率の話なので、今回のオグマはちっとも守備力上がらねえ!みたいなことも起こるんです。Miiverse見てたら7面でレナのちからが11になっている人いたけど、何だアレは!
それ故に「自分だけのチーム」になるし、そこが面白いゲームなんです。
4.支援システム
『紋章の謎』をプレイするだけなら大して気にする必要はありませんけど、『ファイアーエムブレム』シリーズを語る上で欠かせないのがこの「支援システム」です。
ざっくりと説明すると……
マルスとシーダは恋人同士なので、シーダが近くにいるとマルス様ハッスルして普段の力以上なものが出まっせ!というシステムなのですが。
「恋人同士」という分かりやすい設定だけじゃなくて、「あれ?実はこのキャラってこのキャラが近くにいるとクリティカル率上がってるよね?」みたいな隠れ三角関係になっていたりして。複雑な人間関係を表す一要素となっていたんです。
当時の自分は小学生だったのでよく分かってませんでしたが、どうやらこの(スタッフの遊び心とも言える)隠し要素にファンは夢中になって。「○○のことを密かに想い続けている△△だけど、あぁ……!でも、○○には□□という恋人がいるのであった……!」という妄想・同人のネタになっていたようで。
これが後のシリーズ『聖戦の系譜』では、プレイヤーの行動次第で「○○は□□ではなく△△と結婚して子どもを作る」と出来るように進化していったんですよね。
子作りについてはアレですけど、この「キャラ同士に実は関係性がある」というのは後々のシリーズでは強化されていくところで。『紋章の謎』ではそれほど気にすることではないですが、シリーズの源流を垣間見れる要素だとも言えるんで紹介しました。
色んな要素を書いたんで、「こんなに一度に理解出来ないよ……」「やっぱり難しいゲームなんじゃないのか」と思われたかも知れません。
しかし、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』の序盤って今思うとかなり「初心者向け」に配慮されて作ってあるとも言えるんです。
今日の記事で駆け足に書いたような色んな要素を、順番に覚えられるようになっているんです。
例えば最初の1~3面では、魔法が出てきません。敵も「海賊(山賊)」と「弓兵」が基本で、ゲームのルールとこちらのユニットの特性を覚えることに集中できるようになっているのです。
またWii Uのバーチャルコンソールならば「いつでもバックアップ」が使えますから、面の途中でバックアップを取っておけばリセットした際のやり直し時間はそんなにかからないようになっています。
シリーズファンからは「その遊び方は邪道だ」と言われるかも知れませんが、初心者の人は遠慮なく「いつでもバックアップ」を使って『ファイアーエムブレム』の面白さを分かって欲しいです。
最後に、これから『紋章の謎』を始めようって人に向けて、『紋章の謎』の序盤に限ったアドバイス7カ条を記してこの記事をしめたいと思います。
一.どんなにターンがかかっても気にするな!慎重に確実にプレイすべし!
一.進むのは、砦でHPを回復させてからで構わない!
一.リセットをしないと不利になる時がある!特にシーダが死んだ時だ!
一.ジジイは大して成長しないので経験値をあげるな!育てるなら若い女だ!
一.「手槍」「手斧」は敵が使うと厄介だが、味方が使うときは過信するな!
一.ボス以外で顔が付いているヤツは大抵仲間になるの法則!
一.レイピアは切り札になるんで、マルスには鉄の剣を持たせるんだ!
一.敵の盗賊は真っ先に殺せ!村を破壊されると取り返しがつかなくなるぞ!
……1コ多くなっちゃったけど、御愛嬌。
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