世界一美味しい飲み物は、ノドが乾いた時の水である

※ この記事は2012年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です


<画像はDMM GAMES版『学園アイドルマスター』より引用>



 ふと思い出した話。
 自分が大好きで毎週聴いているラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(@TBSラジオ)で、去年の5月にゲストに来たカプコン佐藤さんがこういう話をされていたんです。

 「オマエらが知らない、世界で一番美味い飲み物を教えてやんよ!」




 では、この佐藤さんが教えて下さった「世界一美味しい飲み物」は何か?







 それは、「朝から夜まで何も飲まずに極限までノドが乾いた状態で飲む冷たい水」だそうです。

 あぁっ!石を投げないで!
 そういう番組だったのだし、そういう人なんです。データとか統計とか客観性とか、そんな細けぇことはイイんだよ!




 でも、一理ありますよね。
 「空腹こそが最高の調味料だ」という意見もありますし、「美味しい」と思えるかどうかはこちらの状態に依ることが多いんです。

 もちろん評論家やグルメリポートブログをやりたい人は「そういうことじゃねえんだよ」と思われるでしょう。そういう人は「100人の読者が100人とも共感できる客観性」を目指して、「美味しいかどうか」を判断しなきゃいけませんからね。

 しかし、そうでない大多数の人間にとって「客観性」なんかどうでもいいことなんです。
 自分が「美味しい」と思えたらそれでイイんです。そのためには「ノドが乾いた時に水を飲むと美味しい」とか、「お腹が空いた時にご飯を食べると美味しい」とか、すっごく根源的なことが実は重要なんです。これぞライフ・イズ・ビューティフル!






 もちろんこれは飲み物・食べ物だけに当てはまる話ではありません。
 漫画を読んだり、アニメを観たり、ゲームをしたり、映画を観たり、ライブに行ったり、スポーツ観戦したり、旅行してみたり、友達とダベったり、合コンしたり、恋愛したりにも当てはまる話。


 「楽しい」と思えるかどうかには、受け手のノドが乾いているかが重要だと思うんです。

 萌えアニメが観たい時に欝アニメを観ても、「今観たいのはコレじゃないんだよなぁ」としか思えない。
 時間がなくて「手軽に遊べるゲームが欲しいなぁ」という時にMMOを始めても、「時間かかるわー」としか思えない。
 短い映画が観たい時に4時間の超大作映画を見せられたら寝てしまう。



 こういうことって誰もが経験したことがあると思うんです。
 こういう時、それが楽しめない原因を「作品がクソだからじゃないか」とか「みんなが楽しんでいるらしいコレを俺は楽しめないということは俺にセンスがないんじゃないか」とか「いや、アイツらどうせ全員ステマなんだよ」とか「あぁもうこの世界の全てが信用できないから世界は滅亡してしまえばいいんだ」とかみなさん思ってしまうと思うんですけど。

 ただ単に、「ノドが乾いていない=それを欲していない」だけということもあるのです。

 炎天下で汗だくになって水分が欲しい時にカツカレーは食べられない、みたいな話なんです。





 「人間の数だけ好みは違う」と言われます。
 自分が好きな映画も、世の中には大嫌いな人もいますし、もっと大好きな人もいます。

 「年齢を重ねると好みは変わる」とも言われます。
 10代の頃はさっぱり意味の分からなかった漫画でも、30代で読んだら号泣してしまったなんてこともあるでしょう。生きてきた年輪が変われば心に響くものは違って当然なんです。


 しかししかししかししかししかし、もっと根本的な話として。
 「同じ人間が、同じような時に出会ったものであっても、ノドが乾いているかどうかで昨日と今日とで評価が変わる」ことがあるんです。


 例えば、自分はかつて週に7本とかアニメを観ていた時期があるんですけど。
 深夜アニメは同じような時期に一挙に始まって、同じような時期に一挙に終わるんです。そうすると「今週7本とも最終回」みたいなことが起こって、7本目とかは「もう最終回飽きたよー。感動も号泣もし飽きたよー」となってしまうんです。

 1本目と7本目では新鮮さが全然違う。
 評論家の人は「いや!それでも客観的な評価をせねばならぬ!」と仰るんでしょうが、私は単なるイチ消費者なんで5本目くらいから全部惰性で観てましたよ。

 そこで反省して、現在は観るアニメを週2~3本に限定しました。
 もちろん「ノドの乾きやすさ」は人それぞれ違いますし、同じアニメでもジャンルを変えると飽きることもないかもですから、みんなもそうしろって話じゃなくてね。自分は、自分が一番楽しめる方法を模索したらこうなったという話です。





 食事も実はそうなんですけどね。
 「今の俺は何を欲しているんだ!」の自己分析が出来ると、楽しいことがとても増えるんです。

 カレーを食べたい時にカレーを食べたら美味い!
 熱血漫画を読みたい時に熱血漫画を読んだら燃える!
 百合アニメを観たい時に百合アニメを観たら萌える!
 アクションゲームを遊びたい時にアクションゲームを遊んだら楽しい!
 メイドさんもののAVを観たい時にメイドさんもののAVを観たらたまらん!



 ………
 「何を読んでも・観ても・遊んでも楽しくない人」って、これが分かっていないんだろうなあと思うのです。ノドがカラカラ乾いた時にカツカレー注文して「俺が今欲しいのはコレじゃない!」って文句を言っている人っていますもんね(笑)。そりゃそうだろ、と。









 んで、もう1コ。

 これに慣れてくると、敢えて自分で自分の「ノドの乾き」を調整できるようになるのです。



 佐藤さんが仰ってた「朝から晩まで何も飲まない」状態。



 例えば、楽しみにしているRPGの新作の発売日が決まったら、そのゲームまで他のRPGを一切遊ばないようにするとか。そうすると「RPG遊びてー!RPG遊びてー!RPG遊びてー!」熱が高まって最高の状態で発売日を迎えられて、「うっひょおおおお!久々のRPGだーーー!」となれるんです。



 後は、さっき自分が書いた「週に観るアニメの本数を限定する」とか。

 「ハーレムアニメは1本だけにする」とかね。







 みなさんもそれぞれ自分なりの「ノドの乾かせ方」を編み出せば、ビューティフルなライフを満喫できることでしょう!でも、あまりにノドを乾かせすぎると熱中症になっちゃうんで、適度に水分は補給してくださいね!




 余談。
 ここまで書いておいてアレなんですけど、「自分が全く欲していなかった(と思っていた)ものにガツンとぶつかって夢中になってしまった」ということもあるのも確かですよね。自分では自己の欲求を完全に把握はできない、とでも言うべきか。


 ネタバレになっちゃうので具体的な作品名は挙げませんが。
 萌え萌え~なアニメのように見せかけて宣伝しておいて、萌え萌えアニメが大好きな人達がたくさん釣れたところで萌え萌えキャラの首チョンパして「実はコレ欝アニメだったんですーーー!」とやってくるアニメってあるじゃないですか。そういう作品って、実は定期的に出現するじゃないですか。

 狙ってやったのかは分かりませんけど……
 そういうアニメがヒットしたのって。萌えアニメを率先して観ている人は実は萌えアニメには飢えていなくて、潜在的に欝アニメを欲していた―――という見方も出来ると思うんです。



 しかし、本人すら潜在的な「ノドの乾き」を自覚していないと、そういう人に商品を手にとってもらうのってホント大変ですよね。こんなもん、どうやって宣伝していけばイイんだか。

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