mixiにメモしていたアニメ感想をまとめる記事です。
過去の文章の流用だから手軽に書けると思ったら、自分の感想を読み返してコメント追記しなきゃならないのですげー時間かかる記事なのねこれ!
<ルール>
・1話から13話までの感想メモをコピペ
・“13話まで観終っている”現在の自分のコメントを赤字で補足
・なので、基本的に13話までのネタバレを含みます
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな
<04月10日 22:47更新>
○ 第1話「十六歳、春、まだつぼみ」感想
先週ようやく冬アニメの最終回を観終わったと思ったら、今週もう春アニメのスタートだよ!
毎年この時期は1週間くらいの空白期間があったと思うんだけど、今年は震災があって放送スケジュールが後ろにズレこみましたからねぇ。
ということで、個人的春アニメのオープニングです。
P.A.WORKS10周年記念作品。製作はランティスだと思っていましたが、あれ……DVD販売はポニーキャニオンなのか。WEBラジオがランティスじゃなくて音泉&響というのもそういうことか。
コミカライズはあるけれど、あくまで原作はP.A.WORKSということでイイのかな。
感想行きます!
い き な り 地 震 速 報 で L 字!!
何たる不吉な!!
行き当たりばったりな母親に育てられたヒロインは、反面教師としてマジメで平凡なコに育つ。
しかし、そんな自分に閉塞感を感じて「今とは違うドラマチックな人生を歩みたい!」と思っているところ―――母親が恋人とともに夜逃げすることになり、母親が逃げ出した祖母のいる旅館に住み込みで働くことになる。
と、自分で書いていて設定矛盾がものすごい気もするんですけど(笑)。
まー、言ってしまえば「平凡な日常」から「今まで知らなかった世界」に飛び込む話ですね。ベタっちゃベタなシチュエーション。
こういう題材って、「平凡な日常」を生きている視聴者に「今とは違う自分」を見せてくれるので漫画でもドラマでも映画でもよく使われますね。願望をかなえてくれる系。旅館という設定も人間模様を描きやすいので、ありがちな場所。
……ということで、別に特筆するようなものもないフツーのお話なんですけど。
1ヶ月前に観ても何にも感じなかったであろうこの「平凡な日常から抜け出す話」が、今ではとてつもなく切なくて冒頭のシーンからボロボロと涙してしまったのは。どんなに平静を保っていても「3.11」が自分の中に深く刻み込まれていたんだなぁって思います。
もちろんこのアニメが作られていた頃には、世の中がこんなになるだなんて誰も思っていなかったことでしょうけどね。
大切だったんだよ。あのビル群も、あの街灯も、電子レンジも。しかし、作品が伝えようとしている以上のものを感じてしまうのも、作り手に対して失礼な気もする(笑)。
ということで、ベタに「働くということ」を知らないヒロインが分かりやすい失敗をして、一生懸命働いている周りから「オマエ仕事舐めてんじゃねえよ」と言われて挫折して、ここから上がっていこうという分かりやすい構造の話になるのかな。
キャラ配置もスタンダード。
厳しい祖母に、気さくな叔父、面倒見の良い先輩、取っ付きにくい同僚に、気の弱い同僚―――
もう、何か……この後におよそどんな展開をしていくのか想像が出来るし、最終回前くらいから視聴再開しても話についていけると思うのだけど(笑)。
とにかく絵がスーパーキレイ。
背景の美しさもさることながら、キャラ造形を魅せるコンテが素晴らしい。ヒロイン演じるかな恵ちゃんのまっすぐな演技も清清しいです。 「さ……佐天さん!禁書に出番がないからってこんなところに!」とは思ったけど(笑)。
岸田先生原案のキャラデザも、正直「普通のアニメデザインになったな」とは思うのだけど……まー、それでもヒロインはかあいいですね。身長147cmでかな恵ちゃんと一緒なんだって!これ豆知識!!
ストーリーや設定には飛び抜けた部分がないけれど、映像の美しさやキャラクターデザインの魅力などなど見所も多いので、とりあえずは他の作品との兼ね合いで様子見かな。
最後に流れたオープニング映像も躍動感あってよかったですねぇ。
※ 補足コメント
東京だと4月3日の放送だったと記憶している第1話。
もちろん当時は地震が頻発していましたし、関東でも計画停電が起こるか起こらないかくらいな時期だったと思います。正直、「普通にアニメの第1話を始められんの?」という時期でした。だから、この第1話はグッと来てしまったのを覚えています。
この時点で書いている「展開が予測できる」というのは、13話まで観た時点でも変わらず。
でも、それが悪いワケではなくて、いい意味で「外さない」という安心感を目指した作品だったんだなーと思います。
<04月17日 23:39更新>
○ 第2話「復讐するは、まかないにあり」感想
本編もさることながら、今回初お披露目のEDなんかを見ると…「背景作画」によほどの信頼(自信)があるんだな!とつくづく思いますよ。
今週の夕焼けのシーンは凄まじく美麗でした!雲もちゃんと幾層で構成されていて、描くのすごく面倒くさそうで(笑)。授業参観のシーンもそうなんですけど、他の作品だったら誤魔化しているであろう「描くの面倒くさそう!」ってカットをしっかり描いていて非常に好感が持てました。
「超絶作画による日常健全アニメ」ってことで、マーケティング的には『けいおん!』に近いものがあるのかもですね。
メインターゲットを維持しつつ、女性向けや家族向けの道もしっかり考えている。だからこそ、東京MXだと夜10時からの放送なんでしょうね。
夜10時台のアニメというより朝ドラとか昼ドラのフンイキなので、むしろ夕方か日曜朝の枠にやれれば良かったんですけどね(笑)。
さて、2話。
1話で「挫折」を味わった緒花が、子どもの頃に誓った「もう誰にも頼らない」の想いのままに他者を拒絶して生きようとするのだけど……実はこれだと民子や菜子と一緒なんですよね。
あの2人は2人同士の関係は拒絶していないのだけど、それ以外は拒絶してしまっていて。
そんな彼女らを変えるために「テメーの幻想をぶっ壊す!」と説教をするんじゃなくて、
主人公である緒花を一度同じステージに立たせて「やっぱりコレじゃダメなんだ!」と視聴者にも緒花にも納得させる構成だったんです。丁寧すなぁ……そのために登場人物達を「ちょっとヤなヤツ」に見せようとも、しっかりとストーリーを描いているという印象を受けました。
多分、1話で緒花が手放さざるを得なかった男友達や母親についても、アレは第1話の緒花だからああいう結果になったのであって。作中で成長した緒花がもう一度向き合った時には、また違う結果になるんだろうなって思います。
2話だと「考えを変える」ところで終わりになって「次週へ」となってしまったので、正直「えー消化不良だ」と思ったところもあるんですけど。
深夜アニメは3話まで見て脱落するか決める人が多いらしいので、1話「挫折」2話「考えの変化」3話「達成」――くらいのペースで、3話までに達成感を見せてくれればイイかな。
丁寧な脚本に美麗な作画、今のところはケチのつけどころがないですねー。
「飛びぬけたものがない」という気もしますけど。そこはやっぱりかな恵ちゃんの魅力で!
中の人な話題で言うと、緒花-菜子の仲居さんコンビは伊藤かな恵-豊崎愛生の『超電磁砲』コンビなんですよね。
背が小さい分だけ動きがピョコーンピョコーンと可愛いかな恵ちゃんに、背が高くてスタイル良いのにそこも含めてコンプレックス塗れで他者と馴れ合えない豊崎さん。なんか……このキャストというのは意味深だなーと思ったりも。
つまりアレか!豊崎さんにとって、かな恵ちゃんがやっぱり天使だということか!
今週のロリ緒花の演技はかあいかった!小学生に小学生を演じさせるとは何事だ!え!かな恵ちゃんって小学生じゃないの!先週も書いたコレ!!
※ 補足コメント
「先週も書いた」というのはmixiの日記で前週分に書いた『そふてにっ』の感想でした。
この作品って直情型の主人公が「だけど仕方ないよね」と諦めきっている周囲の人達をどんどん変えていく物語、『とある魔術の禁書目録』とか『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』とかに似ているように―――パッと見だと誤解されがちなんですが。
2話を見ると分かるように。
作品としては、一旦緒花の考えを否定するんですよね。「緒花のこの考え方じゃダメなんですよ」としている。主人公だからと言って甘やかすことなく、ちゃんと挫折を味わわせる。この辺が自分がこの作品の好きなところです。
<04月24日 23:50更新>
○ 第3話「ホビロン」感想
どこが健全アニメやねーーーーーん!!>先週のこの感想へのツッコミ
亀甲縛り、百合妄想、そして何よりずぶ濡れになってTシャツに貼りついた菜子のおっぱい!!全然エロイじゃねえか!むしろ10時台のアニメでイイのか、と言いたくなるくらいのエロさだ!!けしからん!
ごちそうさまでした!!
でもまぁ、「エロ」を「エロ」として描いているというよりは、「エロ」を「ギャグ」として描いているところはあって。やっぱり同じポニーキャニオンの『けいおん!』に通じるものはあるかなーと思っています。「萌え萌えキューン」的なアレ。
「亀甲縛り」ってぶっちゃけエロくないと思いますしね!
名前は有名だけど、あれってあんまり実用的じゃないんですよ。特に着衣派的には……って、何の話してんの俺。
でも、かな恵ちゃんを亀甲縛りにするとかどうなん!小学生に亀甲縛りとか何事だ!え!かな恵ちゃんって小学生じゃないの!?マジで!これ毎週書かないとダメなの!?
でも、よく見るとちゃんと股に縄を通しているんだな。
これで身動きしたら………いや、何でもない。
声優さん的には百合妄想シーンの方がアレだったかもですね。
しかしである!ここは声を大にして言いたい!
「豊崎愛生×伊藤かな恵」ではないのだ!「伊藤かな恵×豊崎愛生」なんだよ!!そこを間違えるとは何事だ!!
いやー、このアニメは感想を書くのが楽しいなぁ(笑)。
そしてもちろん、本編もすごく面白かったです。
緒花にしても次郎丸にしても菜子にしても、そしてきっと民子にしても。
この作品は「才能」と「自信」と「努力」の物語なんだと思うのです。
それらを何一つ持たずにやって来てしまった緒花だからこそ、この場所で輝きたいと思い、同じように「自分には才能がない」と思っていた次郎丸を救う―――
ただ、それを「主人公が上から目線で敵キャラに説教をする」という形で描くんじゃなくて、全く同じように自分に「自信」のない菜子の目線を通して描くというのが、この脚本の丁寧さなんですよ。
菜子は仲居の仕事に「自信」がなくて緒花から距離を取ったのだけど、そんな風にオドオドしている彼女が泳ぎなら「自信」があって、窮地を脱したワケで。これは緒花の言う、次郎丸の「観察眼があることは武器になる」に通じる描写で。
きっと緒花にも民子にも自分が気付いていない武器があって、「才能」があって、「自信」を持って良くて――――
次郎丸について「こんなにすぐに改心すんのかよ!」って思う人がいるかも知れんですけどさ……創作家ってそういうもんなんすよ。
自分に自信がなくてもさ、ひたすら走り続けるしかない存在。だから「才能ありますよ!!」のたった一声だけで救われるんですよ。……正直、このシーンは他人事じゃなくてジーンと来てしまいました。
それと――――
1話は「挫折」、2話は「考えの変化」、3話は「達成」になるんじゃないかという先週の感想通り。今週は緒花が初めて「達成」した回でした。それは、緒花自身の力でもあるし、緒花によって変わった菜子の力でもあるし。
そして、「達成」した御褒美にちゃんと孝ちゃんからのメールが届く。
「頑張ったこと(=2話で考えを変えて他人に頼ろうとしたこと)が報われるんだよ」としっかり描いているんです。
ホンッットに丁寧な脚本に正直驚いています。岡田さんの脚本って作品によって全然印象が違いますねー。
作画は相変わらず凄い。大人数でも作画が乱れていないし、場面転換で廊下をダーッとカメラが走るところも良かった。本気のP.A.はマジ怖ぇわ。個人的には京アニよりも好きかも知れないです。
※ 補足コメント
大絶賛の3話感想。
自分の中の空気はこの3話から変わったというカンジでした。「出来のイイ作品」から「大好きな、応援したくなる作品」に変わった瞬間というか。やっぱりアレか、亀甲縛りの力なのか!!ヒンヌー+亀甲縛りの組み合わせは想像以上に良かったということなのか!
……さてと(笑)。
次郎丸に対する緒花の説教シーンはそれこそ『禁書目録』っぽいところもあったと思いますし、これが気に喰わない人はこの作品に向いていないっては思うんですけど。創作家に限らず、自分に自信を持てずに、でももがき続けるしかないって大多数の人に勇気を与えるシーンだったと自分は思います。それはやっぱり菜子の使い方が上手かったなーということ。
<05月01日 23:26更新>
○ 第4話「青鷺ラプソディー」感想
CV.戸 松 遥 登 場!!
スーパー下手糞な関西弁にスフィアファンの自分ですら唖然……
どうしてだよ!関西弁キャラなら関西出身の美菜ちゃんか、関西に住んでいた豊崎さんでイイじゃん!と思ったんですけど。どうも「今日は似非関西弁の気分だったの」というキャラだったそうな。どんなキャラの立たせ方だよ!!
立ち位置としては「ライバル旅館の孫娘」ということで緒花と対比させるキャラなのかと思いきや、徹をはさんでの民子のライバルキャラみたいですね。クラスメイト男子の中でも美少女ツートップ的な位置だそうですし。
しかし、どうなんでしょうね。
民子みたいなタイプってアニメ以外だとあんまりモテナイんじゃないかなぁ……
男のコって、美しさよりも親しみやすさを求めるし。なので、個人的には菜子の方がモテそうな気がするんですけど。
ただ、自分は世間の熱とちがって澪もほむらにもそんなだったので、単に自分の好みが一般的男子からズレているだけな気もするか。『花咲くいろは』のキャラで誰が好きか人気投票とかしてくれませんかねー。
4話ー。
1~3話は、緒花が喜翆荘の中に居場所を作るストーリーで。高密度にギュギュッと押し込んだため、「日常の描写」はほとんどなかったんですよね。なので4話からは地に脚をつけてその辺も描くということだと思います。
お風呂も描いて、新キャラも出して、喜翆荘のライバル旅館もしっかり見せて――――と世界観を広げてきました。
セオリー通りではあるんですけど、キャラデザも含めた作画の魅力があるので、
「セオリー通り」がとてつもない武器になりますね。この作品の場合は。
それはそうと、作中でも「小学生がコスプレしているみたい」という発言が!
こ、これは……かな恵ちゃんへのdisりですか!
大人になってからもイベントでランドセル背負わされたりしていたかな恵ちゃんへのdisりですか!「小学生がコスプレしている」と「小学生のコスプレしている」じゃ意味が正反対ですけどさ!
でも、描写として面白かったのが……こんな風に徹さんにdisられている緒花が、高校に行くと「東京からの転校生!」ということでキャーキャー言われるという。
民子の大人気っぷりも含めて、「喜翆荘という職場」と「学校」のギャップをしっかり見せているってことなんでしょうね。この辺の描写は単なる日常描写なのか、先週の「アナタにも実は得意なものがあるじゃないか」にかかっている描写なのか。
また、先週の一件以来、菜子と緒花が随分と仲良しになって……
菜子はちょっと緒花を過大評価しすぎな気もするんですけど(笑)、「みんち」のあだ名誕生の話とかは見ていてキュンキュンしてしまったです。親しくなりたくて呼び名をどうしようか悩むとか青春すなぁ。年を取ると「別に呼び名とかどーでもいいな」と思うようになるんですけどね。
迷子の神様は伏線にも使えるし、この作品全体のテーマのようなものでもあるか。
緒花はたまたま喜翆荘にやってきただけだし、菜子も「自分を変えたい」と思ってバイトしているだけ。結名の発言もそれを連想させるものがあります。
すなわち「今はまだ道が分からず迷子になってさまよっている状態」「いつか光が見えて道が分かるよ」と。
最終的に緒花がどっちの道を選ぶのかが、この作品のハイライトになりそうですね。
今が4月の舞台ですから、神無月(10月)までは流石にいかないと思うけど……果たして。
※ 補足コメント
この時点ではまだ「1クールもの」だと思っていたのでこんなことを書いていますけど、実際には「2クールもの」で作中季節も夏になっていますので―――恐らく作品終盤は10月のぼんぼり祭りがハイライトになると思われます。
この4話の日常描写も良かったですね。
緒花と菜子が随分と仲良くなったことで、菜子がここからどんどんネタキャラ化していくことに(笑)。
<05月08日 22:52更新>
○ 第5話「涙の板前慕情」感想
今週、脚本は岡田さんじゃないのか……と思ったら、樋口達人さんか!
漫画版『舞-乙HiME』の人じゃないか。そして『宇宙をかける少女』で一気に評判を落とs……あれは樋口さんだけの責任じゃないですけど……
前回までは岡田さんの脚本と作画監督が女性ということもあって、すごく女性っぽい繊細なアニメだよなーと思っていたのですが。今週は脚本も作画監督も男性だったためか、どうにも別のアニメを観ているかのような感覚でした。
コンテの違いも大きいか。1・3・4話は監督自らコンテを切っているので同一感があっただけかもですね。
とにかくまぁ、どうしても「一休み」という印象の今回でした。
もちろん細部に光るものは沢山あったんですけど、全体的に地味だったというか。毎回目を引いていた美麗な背景描写も、今週はストーリー上ほぼずっと旅館の中だったので画面も地味でしたもんねー。外に出たと思ったら夜ですし。
絵的な見所は民子のブラジャー姿と、裾をまくりながら浴室を掃除するところと、魚を3枚に下ろすシーンが2回入ったくらいですかね。
オイラはヒンヌースキーなんで民子より緒花のブラジャー姿が見たかったね!!
緒花はもう高校2年生だからオイラ別にロリコンじゃないよね!
ストーリーは、「徹をライバル旅館に引き抜かれると勘違いした緒花が奪還しようと乗り込むが勘違いだった」という……自分は死ぬまでにあと何回この手の話を見るんだろうというスーパーベタベタな話でした。
でも、そのベタベタなお話の中でも(だからこそ)面白い部分が結構あって―――
かき乱し役としての次郎丸さん。
お調子者のキャラが「引き抜き」話を持ってきて、それが勘違いだと発覚して……というパターンはベタなんですけど。
ここでの理由付けとして「取材した結果」「ふくやに比べて喜翆荘は儲かっていない」という事実をしっかりと視聴者に印象付けることに成功しました。
オマエが言うな――――!!って話なんですけど(笑)。
客観的に見て、喜翆荘の経営は厳しいっぽいぞということなんですよね。
おかみさんの「ウチが潰れても……」の話は伏線っぽいですしね(これは経営がどうこうじゃないかもですが)。
んでんでんで。
前回、学校のシーンで「職場」と「学校」のギャップを描いていたんですけど。
今回は緒花・民子・菜子らの学生組と、大人チームのギャップを描いていて。子どもが見ている世界と大人の見ている世界は微妙に違っていて。
でも、大人だから明かせない本音の部分に、子どもだからずけずけと入り込めたとも言えて。緒花の頑張りは徹に届いていたんだよってのがちょっとだけ描かれて――――この辺が終盤の展開に活かされそうな予感がします。
メインとなる本筋のお話自体はすごくありふれたものだったんですけど……
民子を見て緒花が孝ちゃんのことを想ったり、道を照らすぼんぼりが緒花の走り出すきっかけになったり、それが民子に届いたり。
4~5話の肝は「緒花と民子が距離を縮める」ところにあったと思うんですけど。ただ単にそれだけに留まらず、人間模様を描きつつ、今後の伏線を張りつつ、この作品がどこに向かっているのかをしっかり見せることが出来たんじゃないかと思います。
でも、地味な回でしたよねぇ……
3話・4話の絵作りが凄かっただけに、息切れしていないか心配です。
さて、そう言えば。
この『花咲くいろは』ってどうやら全26話の2クールものみたいなんですね。
ブルーレイが3話収録の全9巻ですから(ポニーキャニオンのアニメは27話目はテレビ未放送分になることが多い)。
そうすると放送終了は9月ですから、舞台が10月のぼんぼり祭りまでは進みそうですよね。この辺のイベントをどう使ってくるのか今から楽しみです。
しかし、この題材で2クールは話のテンションが持つんですかねぇ……どこかに大きな仕掛けでもあるんでしょうか。
※ 補足コメント
今にして思うと、「緒花・民子・徹さん」の三角関係が出来上がったりなどなど……この作品の基本配置がようやく整ったなという回だったんですね。「徹さん→緒花」の描写はまだ微妙だったんですけど、フラグはちゃんと立っていたという。
逆に言いますと、先を見越して色々と仕込んでいた回だっただめに、この回単独ではちょっと残念だったかなと思います。そりゃまぁ、こういう回も大事ですよ。
<05月15日 23:55更新>
○ 第6話「Nothing Venture Nothing Win」感想
神回キタアアアアア!!
5~6話というのは週刊アニメが息切れし始める頃で、実際この作品も5話はしんどさを感じたのも確かなので。「大丈夫かなぁ……」と不安だったところに流石のクオリティである!
何より、菜子のおっぱいが揺れた!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっ
_
( ゚∀゚) ぱい
⊂彡
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい! おっぱい!
⊂彡
「mixiの日記は自由に書く場所」と決めているからって、『花咲くいろは』の感想は自由すぎるだろ毎週!>自分へのツッコミ
いやーでも、今週はすげー面白かったです。
脚本の浦畑さんは幾つもの作品を担当しているベテランさんですけど、自分が観たアニメだと2006年の『ストロベリーパニック』以来でした。懐かしいな!
冒頭から緒花の金銭感覚がおかしい件について。
アレだけ働いていて2万円なのか!と思った後に、お小遣い8千円って別に少なくなくね!?と思ったり。おかしいのは「金銭感覚」よりも「労働感覚」か。
呆れた菜子の搾り出すような声が良かったなぁ、さすが豊崎さんだぜ。こういう演技も上手いですねぇ。
んで、このシーン……別に緒花がバカだって描くためだけじゃなくて。
「旅館ってこうやって経営が成り立っているんだよ」と見せる意図があるんですよね。
働いている従業員は別に仲良しこよしで働いているワケじゃなく、給金と引き換えの労働のため。その「労働」をくれるのはお客さん。
この仕組みを冒頭でしっかり見せているから、旅館の経営が厳しいことも、その後の崇子さんの登場も、緒花の頑張りも、ちゃんと「どういう意味があるのか」視聴者に説得力を持って伝わるという。
ここら辺はやっぱり丁寧な脚本ですよねぇ。
お給料を枕元に置いているのも伏線なのかしら。緒花ちゃんは銀行口座とかも持っていないのかしら。そう言えば携帯電話の料金とかどうしてんのかしら。
閑話休題。
崇子さん登場で、素っ頓狂な「経営アドバイス」を始めるの巻です。
次郎丸さんもそうだけど、こういうかき乱し系のキャラがいると話が広がりますね。
コスプレ旅館はアホなアイディアだと思うけれど、この「傾きかけた古い旅館に新しい風を」って動機付けは緒花のソレとあまり変わらないんですよね。
だから「保守派」と「革新派」に二分された時点では緒花は革新派に付いて行動をするんだけど、でも革新派の行動って実は保守派が通ってきた道で――――「保守派」も「革新派」も根っこの部分は一緒だという。
今の時点では、ここに何かの結論を出すのではなく。
「旅館に歴史あり」と同時に「人に歴史あり」を描いて、おばあちゃんのことも縁のこともきっちり描いて、登場人物の描写に幅を出すことに成功しました。
緒花一人でこの世界は成り立っているワケじゃないんだよ、と見せたのですね。
6話目としては文句のつけようのない出来でした。登場人物も随分と立ってきましたね。
しかし、こんなに飛ばしていて2クール持つんでしょうか。
今週が最終回でも納得な出来だったんですけど(笑)。
徹さんの描写はどういう意図だろうなー。
「徹さんに好きな人が出来た」ってのを民子にだけ気付かせたことで、三角関係にしていくってことなのかな……相手が緒花なのか菜子なのかで展開も変わりそうだけど、菜子の方が話が面白くはなりそう。
※ 補足コメント
どうやら賛否両論真っ二つだったそうな第6話。
自分は大好きな回なんですけど、チャイナ服には興味がないので別のコスプレをして欲しかったとは思っています!
この回辺りから、緒花と女将さんの雪解けと。
喜翆荘という場所は「今まで働いていた人がいたから今もある」のだし、「これから働く人がいなければこれからはない」としっかりと描いているというのが大きいと思います。これがなければ13話の親子3代で酔っ払うシーンの意味が薄くなってしまうのですよ!
<05月22日 23:23更新>
○ 第7話「喜翆戦線異状なし」感想
何 だ こ の 話 は……
2クールものだとこういう話が出来るのがイイですよね。1クール全12話だとこういう話に1話割くのには勇気が要りますもの。
巴さんメイン回でした。
先週が喜翆荘の過去と未来を描いたという、言ってしまえば“作品全体の本筋の話”だったので。今週は箸休めの意味でもサブキャラメインの回だったんですけど……
巴さんの話は、緒花や菜子の未来の話にも関わってくるので単なるサブストーリーでもないんですよね。結構シリアスな話だったと思うのです。サバゲーシーンさえなければ(笑)。
緒花も菜子も民子も、喜翆荘が最終地点ではなく、長い人生の中で“たまたまここを通っている”と描かれています。
若いというのは、それだけで無限の可能性を秘めていて。この喜翆荘に留まらず、これから先どこにでも行けるし何にでもなれるのが高校生組3人なんです。
でも、大人チームはそうではない。
巴は今回「仕事をやめて実家に帰るか」「喜翆荘に留まるか」で悩んだんですけど……「他の場所で働く」という選択肢にはならなかったんですよね。
徹の時は、引き抜き話が出たというのに。
それが徹(23歳)と巴(28歳)の年齢の差。
大人チームの「これからも喜翆荘にいてイイのか」という悩みを描くことで、
高校生チームでこれから描かれるであろう「これから先の人生をどう選ぶのか」を裏づけしていくんだと思うのです。
サバゲーのシーンは、正直「オマエラ作画に自信あるからって好き勝手やり過ぎだぞ!」と思いましたけど(笑)。
3話の次郎丸さんを説得した緒花の言葉のように、巴には巴自身も気付いていなかった「自分の才能」があることを見事に描いた題材だったと思います。セクハラされ続ける菜子がちょっと可哀想でしたけどね。可愛かったから、それはそれで良しとする!!
そういや初めて露天風呂のシーンがありましたね。
清掃中にサボって入っている緒花で発覚するとは。どんな脚本だ……と思いましたが、かな恵ちゃんの鼻歌で『ハナノイロ』が聴けたのは嬉しかったぜ!
こういう日常シーンは嬉しいすねぇ。いや、別に緒花の入浴シーンが見たかったとか、そういうことじゃなくてさ。いや、マジでマジデ。
ということで今週も面白かったです。
安定水域に入ってきましたね。
元々作画が素晴らしいチームで、キャラが立ってきた分だけ色んなストーリーが使えますし、爆発的なものはなくてもきっちり楽しませてくれるようになりました。
そういや……巴の噂話好きは母親譲りなんですよね。
緒花も実は母親に似ているという描写がありましたし、母と娘というのがこの作品の裏キーワードなのかも知れませんね。民子の家庭事情もその内描かれるんでしょうし。
※ 補足コメント
やりたい放題の回(笑)。
でもまぁ、この後に作品の本質として描かれていく「女性の幸せとは?」の話の前に、巴さんを使って見せておいているというのは面白い話だなと思いました。言っちゃえば、緒花が仲居さんを目指していくと、巴さんは未来の姿なのですから。
見合い話だったり、玉の輿を狙っていたとかだったり……この回で巴さんが否定しているのは、「結局のところ女性の幸せってイイ男と結婚することだよね」という固定概念なワケで。これを緒花と孝ちゃんの話を描く前に描いちゃったことが、丁寧なような、「先にやるなよ!」なような。
<05月29日 23:20更新>
○ 第8話「走り出す」感想
このアニメって毎週最終回みたいな回をやっていますね!!
「来週が最終回です」と言われても信じそうな雰囲気です。いや、ブルーレイ&DVDが全27話なので来週が最終回ではないってのは分かっているんですけど……
はっ!!
まさか……テレビは9話までで最終回で、残りの18話をブルーレイ&DVDで販売するという新手の戦略じゃなかろうか……汚い!ポニーキャニオンは汚いよ!
菜子が休み、徹さんも休み、蓮さんはプレッシャーに押しつぶされ、何故かお客さんがドカッとやってくる日におかみさんが倒れる――というスクランブル状態に。
「えっ?この旅館の従業員に休みなんてあったの!?」と正直思ったんですけど(笑)、先週までが日常な話だったために一気に動いて面白くなってきました。
話の緩急のつけ方が上手いですなー。
おかみさん不在の状態で、縁は崇子を呼んで素っ頓狂なことをしようとするのだけど―――そんなバラバラな状態の従業員を、緒花がまとめて導く、という。全27話(テレビは26話までかな)の8話目にしてこんな話をやっちゃってイイのかという盛り上がりです。
緒花がおかみさんの帳簿を読んでおかみさんの意志を引き継ぐところなんかは作品全体のハイライトシーンでもおかしくないのに。これを8話目でやるということは、今後もっと二転三転させていくということなんですかね。
この話に孝ちゃんを出すというのも作品全体のターニングポイントになりそうなカンジですものね。
といったように、先週・来週の2話構成でしょうから今週は結構ゆったりと街並みを描いていたりで緩い展開でした。なので、感想書くことがあんまりないです(笑)。
まぁ、先週がトンでもない密度だったので、今週はこんなカンジの方が疲れなくて済むんですけど。
「頼りにされている」ことで休日返上なのに笑顔でやってくる菜子はやっぱり可愛かったです。「頼りにされている」も何も、オマエの方が先輩だから!!
でも、菜子の意識だとそうではないんでしょうね。
民子-緒花のラインの描き方だと、民子は「徹が好きなのは緒花」だと思っているってことなんですかね。来週に孝ちゃんが来るということはこの辺の話も泥沼化しそう。
女のコ同士でキャッキャッウフフして欲しい自分としては若干不安ですぜ。
※ 補足コメント
まさか孝ちゃん、このまま東京に帰るとは……この頃には想像も出来ませんでした。
「緒花・孝ちゃん・徹さん」の三角関係で言うと、徹さんの方が孝ちゃんの存在を知るという展開になっていくんですけど……当の緒花だけが鈍チンさんで、何も気付かずに緒花は民子とキャッキャッしようとしているという(笑)。うむ、緒花は偉い!
<06月05日 22:15更新>
○ 第9話「喜翆荘の一番長い日」感想
CMにかな恵ちゃん出てきた――――!!!
でも、このメイクは微妙じゃね?『超ラジGirl's』の頃の普通のカッコが一番可愛いと思う、かな恵ちゃんは。
孝ちゃんは緒花に会えずに東京へ帰還!
そして、どうやら孝ちゃんに女が出来そうな予感!!
何だこの展開は――――――っ!!
予想外すぎです。自分は無難に「孝ちゃんが緒花&徹さんのバイク2人乗りを見かけて、違うの!これには理由があるの!」的な展開だと思っていました。甘かった。
これで孝ちゃんに彼女が出来て、緒花に帰る場所がなくなったら壮絶なんですけど……
作品テーマとしてはそっちの方が整合しているとも思うんですよね。
「もうあの場所には帰れない」、だから「まだ私は旅の途中なんだ」的な。
やっぱりこの作品は『あの花』と裏表だと思いますね。
この作品のヒロイン2人は緒花にしても民子にしても、「男から元気をもらう女性像」ではあるんです。今週の緒花はもちろん、民子も徹さんを好きだということが原動力になっています。
「恋をしているから仕事も頑張れている」とも言えて、彼女らは今週ちゃんと成長しました。
でも、恋が目的にはなっていないんです。
緒花も民子も(巴さんも)「好きな男とくっ付くことが最終目標」とは描かれていないんです。そういや、おかみさんやお母さんもそうか(旦那がいなくても働いている姿が描かれている)。
『あの花』の女性陣2人、あなるとつるこが「好きな男に引っ張られて自立できていない」と描かれているのとは対照的ですし、共通するものもあるなあと。
どの程度岡田さんがストーリーの枠組みを決めているからは分かりませんが、岡田さんって「女性キャラだからといって恋愛を人生の目的にしたくない」と考えているんじゃないかって思いました。
そういう意味では、緒花も民子も恋愛が成就せずに終わるような気もしますし……
百合厨の自分としては喜ばしいことだなっ!!!
にしても、今週は徹さんカッコ良過ぎでした。「蓮×徹」じゃなくて「徹×蓮」だったのね!
民子が天ぷら味見してもらっているところはキュンキュンしたですね。
緒花がそれを見てほっこりしているところも、民子の心情を想像すると色々面白い(笑)。
一人蚊帳の外な孝ちゃんを尻目に。喜翆荘のメンバーの仲良しっぷりが微笑ましく見えてきて、このメンバーがずっと続けばイイのにと思いつつ。
この時点でここまでの団結を描いちゃうということは、このままでは終わらないんだろうなと予感させて―――あぁ丁寧な脚本だこと。
そうそう。
ちゃんと書かなきゃならないのは、緒花が「お客様は平等です!」とした結果がちゃんと最後に報われてカタルシスになっているというところです。
縁&次郎丸&崇子のお騒がせトリオの読みは見事に外れていて、彼らの存在は正直ちょっとウザかったんですけど、彼らがウザイからこそ緒花達が貫き通した信念が輝いたとも言えて――――報われて良かったなぁ、と思わせてくれるのが見事でした。
ということで今週も流石。面白かったです。
※ 補足コメント
この回で予想した通り、この後の展開で緒花は帰る場所としての「孝ちゃん」を失っていきます。この回の描写がそれを決定付けるので丁寧な脚本なんですけど、あまりに丁寧に伏線を張って消化してを繰り返すと「予想外の展開」になりづらいんで物足りなくなる人も多いとは思います。
自分は「予想通りの展開」でも楽しめるんで問題はないんですけど。
そういや、雑誌記事の話は予想外でした。
結局あの母娘は何だったんでしょうね。自分は娘さんがライターなのかなと思ったので感想にああ書いたのですが、この後の展開で「ライターは旅館に来なかった」ことが判明するので……あの描写は一体何だったのかと。
<06月12日 23:02更新>
○ 第10話「微熱」感想
ホント、このアニメは毎週最終回みたいなことやっているよね!
正確に言うと、毎週「来週が最終回」みたいなことやっていると言うべきか。
ある意味で新しいジャンルの作品なのかも知れぬ。
『まどか☆マギカ』は「毎週が急展開」という作品だったけど、『花咲くいろは』は「毎週が最終回の1コ前」みたいな作品!分かりづらい!!
今週は緒花が倒れる回でした。
崇子さんも言ってたけど、「毎週誰かが倒れている」ってのは脚本としてもどうなんですかね。『けいおん!』1期でもこういうのありましたね……まさに構図としても一緒だったんですけど。
リーダー不在の空間→主人公不在の空間という描き方。
おかみさん不在の喜翆荘で緒花が奮闘するのが前回までで、それを視聴者は見ているから「緒花は喜翆荘には欠かせない人間」ともう分かっているのです。
そして今週。
「緒花のいない喜翆荘」を描くことで、喜翆荘のみんなにとって緒花という存在はどうなったか、緒花にとって喜翆荘はどういう場所になったのかを見事に描きました。
途中まで「何だ……今週の話は…」と思っていましたけど(笑)、終わってみればキレイにまとまっていて「うむ。来週の最終回が楽しみだ」と言いたくなる素晴らしさでした。え!?来週最終回じゃないの!?
徹さんは完全に緒花のことが好きだったのね。
先週までは「民子の誤解」という可能性もあると思っていたんですけど……
今週「緒花の前では強がって」「民子の前では心配している」二面性は、かなり好感が持ててしまいました。先週のバイクシーンがあんなにカッコ良かったのは、単に「好きな女の前でカッコつけていた」だけかよ!!
それに気付いてムカついている民子も切なかったんだけど、
でも民子は、緒花がなーんも気付いていないことも分かっているんすよね。
この辺の描き方はちゃんと2クール目で回収してくれるのかな。期待。
菜子も緒花のためにと頑張るのだけど、同時に緒花にとって「自分は要らないんだ」と思わせてしまったと気付いて……というあのくだりもほっこりしました。
誰も悪くないのだけど、ちょっとした言葉のすれ違いが起こって……
あの付けっぱなしのテレビもそういうことなんですよね。「良かれと思って」とテレビを付ける菜子と、「良かれと思って」色んな人が消していくのと、のギャップ。
巴さんは一歩引いてそれを見ていて、
おかみさんは人知れず緒花を助けていて――――
この辺の緩急の差も見事でした。
こうしたことを踏まえ、緒花は「孝ちゃん」ではなく「喜翆荘」を選ぶことに。
熱にうかされた夢の中の話ですけど、きっとストーリーの中では大事な一ピース。緒花にとってもう「帰る場所」は喜翆荘なんです。3話の頃、菜子は「緒花さん東京に帰っちゃったんじゃ……」と言っていましたけど、緒花にとって帰る場所はもうここなんです。
えーっと……ホントにこのアニメ、26話やるの?
緒花が主人公の話は13話までで、14話以降は結夏が主人公だという冗談みたいな説を信じたくなるほどに、もう描くものは描いちゃった気がするなぁ……。
※ 補足コメント
結夏→結名ね。誤字。
この回は風変わりな回で、夢と現実が入り乱れたり、時間軸がごちゃごちゃになったりで、『けいおん!!』13話を思い出しました。
この回で緒花が決断したのに11~13話でまた同じ決断をすることになるので、正直この回は何だったのだと思わなくもないです。
一つの回としてはすごく面白かったんですけどね。
全体の中では「この回がなかった方が13話のラスト(緒花が孝ちゃんではなく喜翆荘を選ぶシーン)が活きたんじゃないかなぁ」と思ってしまいました。
<06月19日 22:02更新>
○ 第11話「夜に吼える」感想
すっげえええええええ!
なるほど、ここ数話の展開は全てここに持ってくるためだったのか。
久々の岡田先生脚本回で渾身の1話でした。気持ちいいだろうなぁ、構成力だけでもここまできっちり盛り上げることが出来て。
「女性の幸せとは何なのか?」
緒花にとっても民子にとっても恋愛は「前向きにさせてくれるもの」ではあったけど、それ自体が「目的」ではなかったのが8~9話。緒花が孝ちゃん(恋愛)ではなく喜翆荘(仕事)を選ぶと決めたのが10話。
このまま緒花は喜翆荘で元気良く仕事を続けるのでしたー、めでたしめでたし、で締めくくっても誰も怒らなかったと思うのですが。
雑誌のランキングに文句をつけに東京までやってきた緒花。
この時点では「また緒花は空気読まずに突撃かよ……」とちょっと呆れていたんですが、その記事を書いたライターの正体が母ちゃんで空気が一変しました。
ここで語る母ちゃんの仕事観も凄まじかったです。
そうなんですよね。緒花達の仕事というのは「お客さんに喜んでもらうこと」で、直接その笑顔に触れられる仕事なんです。
でも、世の中にはそうではない仕事が沢山あります。
「人に嫌われること」を仕事にしている人がいるし、その仕事で得られたお金で緒花は育てられたんです。
徹底抗戦を挑むも完全敗北を喫した緒花――――
言ってしまえば、「仕事」で勝てなかった彼女は「恋愛」(孝ちゃん)に逃げようとするんですよね。
でも、こっちでも彼女は報われません。孝ちゃんの傍には既に彼女候補の女性がいて、緒花が中途半端にしてきたツケが色んなところに回ってきてしまいました。
ここの「あの女との関係が気になるんだけどなかなか切り出せない」脚本と、その緊張感を見事に描いた演出は素晴らしかったですね。ストローの袋をクシャクシャしていた手が一瞬止まるところとか!あぁ……っ!
「仕事」も「恋愛」も中途半端、何一つ成し遂げられず、戦う気力も失って逃げ出す緒花に。
「緒花!」
と呼ぶ声――――今まで「アンタ」とか「アイツ」とかしか呼ばれなかった民子から、初めて名前で呼ばれる瞬間でした。ここも、この1シーンのためにずーーーっと引っ張ってきたのかと感心しました。
素晴らしかったです。ラストシーンは泣いてもうた。
人間、誰しもが上手くいく時ばかりでない。挫折が描かれたことでようやく緒花に感情移入できるようになった自分がいます。
そして、これで緒花と民子を対比して描くことも出来るでしょうし、これから先の展開が楽しみです……が、やっぱり全13話で完結しそうな気がプンプンしますよね(笑)。「1クールでまとめておけば名作だったのに」とならんことを祈っています。
※ 補足コメント
そうそう。
ここの感想で書き忘れていたんですけど、男のために娘捨ててまで夜逃げした皐月さんが「男よりもやっぱり仕事だよね」と東京に戻ってきたというのも象徴なんですよね。緒花はもちろん、民子についても、巴さんについても、未来を示唆している描写。
この東京編で緒花が孝ちゃんではなく喜翆荘を選ぶという展開に説得力を増す皐月さんの描写なんですけど、だからやっぱり10話の時点でそれを匂わせない方が良かったんじゃないかなーと、後からなら何だって言えるという結果論です(笑)
<06月26日 22:33更新>
○ 第12話「『じゃあな。』」感想
東京編完結。舞台は再び喜翆荘へ。
このアニメが始まった時、自分は「途中観なくなっても大体どんな展開になるのか予想できそう」と書きましたし。正直その予想から外れるような展開でも、今のところはないのですが……
想像以上に、登場人物の心をえぐってくるし、視聴者にもダメージを与える作品になっていたなって思いました。特にこの東京編は今まで各キャラが目をそらしていた現実を突きつける話だったので、観ているだけでパワーを使いました。
こんな中だから民子の存在のありがたいこと!ありがたいこと!
何だよオマエ、いいやつじゃないか!「死ね」とか言ってたヤツどこ行った!
「悪役決定……」
緒花も民子も徹さんも孝ちゃんもあのメガネの子も、誰もホントは悪くないのに、誰も幸せになれない現実。
緒花はまだ気付いていないですが、民子と徹さんの物語の中でも緒花は「悪役」になる位置にいるんですよね。あのメガネの子は実は民子と同じ位置にいますし、徹さんも緒花の鈍感さのせいで幸せになれていないのは孝ちゃんと一緒だという。
緒花だって(鈍感なだけで)罪があるワケじゃないんだけど、色んな人が不幸になっている原因が自分にあると思ってしまう。
緒花って『まどか☆マギカ』のさやかちゃんのごとく、思い込みが激しくて、物事を分かりやすく考えちゃうところがありましたもんね。こ、これは2クール目はまさかの魔法少女展開か!!あたしってほんとバカ!!
……というのはもちろん冗談で。
1クール目は良くも悪くも視野狭く突っ走ってきた彼女が、その過ちに気付いて、その結果自分自身のよりどころを失ってしまって――というところで次回へ。
作品の終盤にでも彼女は「決断」をしなければならないのでしょうから、それに向けてきっちりと落とすところまで落としたなぁという印象です。『超電磁砲』の時もそうだったけど、かな恵ちゃんはこういう苦しい目に合う位置が多いすなぁ。
んで、そんな緒花が全く気付いていない横で、徹さんと民子の三角関係もアレなことに。
徹さんは緒花のために、(自分を押し殺して)わざわざ孝ちゃんを連れて来いとの提案。民子はそんな徹さんを見てやりきれなくなって――――
というのを吹っ飛ばして、嘔吐しながらの東京名店巡りは面白かったです(笑)。
食べ物を粗末にしちゃいけないよ!!
でも、あれも「居ても立ってもいられない」徹さんのもどかしさなんですよね。
コミカルな描写なのだけど、それがキッチリとキャラクターの心理を反映させているというのが流石だと思います。
さて、そんなこんなで緒花は孝ちゃんと(とりあえず)離別。
なんだかんだで最終回辺りでまた元鞘に戻りそうな気もしますけど、緒花の中ではきっちり「失恋」になって東京を去ることになりました。彼女の中ではまだ「恋」ですらなかったのだけど。
よりどころを失った彼女がぼんぼりによって前を向き、色んな人が自分のぼんぼりになってくれていたのだと気付くくだり―――こうして成長した彼女が喜翆荘に戻り、また他のキャラの成長に一役買うのかなーと思います。
今週もきっちり面白かったです。
2クール目も期待していますよ!
※ 補足コメント
この回は緒花以上に、徹さんに感情移入してしまった自分がいます。
好きな女に「オマエの好きな男を連れて来い」と言わなきゃならないあの状況と、それを横で見ていることしかできない民子―――みんな哀しいくらいに善人なのに、誰も幸せになれないだなんて!
と言いつつ、皐月さんにもドギマギしている徹さんに、心の中でツッコミ入れている民子は可愛かった。このコがこんなに魅力的になるとはねぇ……恋する女のコはキレイなのだな!!
<07月03日 22:09更新>
○ 第13話「四十万の女 ~傷心MIX~」感想
素晴らしい最終回でした!感動しまくりでした!
えっ、このアニメってまだ終わっていないの!?まだ半分なの!!?マジで!!
ということで……下手な1クールのアニメよりもよっぽどキレイにまとまって最終回みたいだった13話でした。イイハナシダッタヨー( ;∀;)
かな恵ちゃんに酔っ払いの演技をさせるなんて!!かな恵ちゃんまだ小学生なのに!
えっ、かな恵ちゃんって小学生じゃないの!?マジで!!
……もういいか、このネタ(笑)。
「高校生の緒花に酔っ払わせるとは何事だ」と思ったら、「ジュースで酔っ払った」「思い込みの激しいコだから」というムチャな解説で押し通しやがった。
そこまでして酔っ払いネタをやりたかったんかい!と思わなくもないんですけど、「そこまでして」やる価値のあるシーンでした。
親子三代で酔っ払い。
母の話題で祖母と孫が意気投合したり、孫の恋話に祖母と母が自分の話をしたり。
女将さんはやっぱり娘に後を継いで欲しかったんですね……
女将さんを縁が背負っていく場面、3人にとって通り過ぎてしまった時間がキッチリ描かれていて素晴らしかったです。でも、娘はそれを「聞かなかったことにするよ」と旅館を去っていくのです。
もう過ぎてしまった時間は戻らないのだから――――
「もう戻れない」と分かっているのに、あの頃と同じ姿で自分を待っている喜翆荘にボヤいてしまう気持ちは分からなくもないなぁ。
この作品は「決断」が鍵となっているので、「決断したこと」も「決断しなかったこと」もやり直しが効かないんですよね。
そして、ずっと「決断しなかった」緒花は、1クール目のラストにてやっとようやく「決断」をしました。孝ちゃんとやり直せるかも知れない“東京”ではなく、もう自分の居場所を見つけた“喜翆荘”に残るのだと。
それが言えるようになるまでの13話―――この3ヶ月間はそれを描くための3ヶ月間だったのだと思いますし、きっちりと着地してくれたと思います。
面白かったー。
1クール目のラストに相応しい盛りだくさんの回でした。
さて、2クール目は何をするんでしょう(笑)。
“時代の変化”を知っている皐月さんの助言に唸らされる喜翆荘メンバーと、でもそれに対抗するのは女将さんがずっと大事にしてきた「一人一人のお客様を見ること」―――という構図だったんですけど。
どんどん百合キャラ化していく菜子とか、皐月さんの言うことも尤もだと言う徹さんを一瞬睨む民子とか、キャラが立っているからコメディ部分もきっちり面白かったです。
1クールだけで大満足だったんで「ここで終わっておけば…」という気持ちもなくはないんですけど、まだこのキャラ達を観続けられるというのは嬉しいですし。1クール目は磐石な展開だったので、2クール目は予想を裏切るような展開を見せてくれたらイイなぁって思います。
3ヶ月前の自分の感想を読み返してみて思いましたけど……
「予想は裏切られなかったけど、期待は上回られた作品だった」というのが13話までの印象です。
展開はどうしたって予想の範囲内になっちゃうんですけど、その中で出来ることの中では「よくぞこんなに面白いものを詰め込んだなぁ」というくらいに充実した3ヶ月間でした。もちろん個々に残念なところがないワケではないんですけど、きっちりとどの回でも視聴者を楽しませようとした結果だったりするので……
2クール目も「このスタッフなら楽しませてくれるに違いない」と安心しています。
『超電磁砲』の時もそう思っていましたけどね!!!
ここからが2つ目の記事です。
過去の文章の流用だから手軽に書けると思ったら、自分の感想を読み返してコメント追記しなきゃならないのですげー時間かかる記事なのねこれ!ここの部分は毎回コピペ!
<ルール>
・14話から26話までの感想メモをコピペ
・“26話まで観終っている”現在の自分のコメントを赤字で補足
・なので、基本的に26話までのネタバレを含みます
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな
<07月10日 12:09更新>
○ 第14話「これが私の生きる道」感想
修学旅行で水着回!!
しかも、ヒンヌー+三角ビキニという黄金の組み合わせ!
かな恵ちゃんに演歌を歌わせる!!
もはや「どこが引っ込み思案やねん」という菜子のキャラクター!
先週までが作品全体の第一ハイライトでシリアスな内容だったため、今週はサービスシーンありの息抜き回……と思いきや。
先週からの流れ―――「喜翆荘に自分の居場所を見つけた緒花」を受けて、喜翆荘と喜翆荘以外の旅館を対比させつつ、同時に緒花と結名の対比をいよいよ使ってきました。
盛りだくさんの回だったから何から語ってイイか分からんすなぁ。
まずは水着から語るか!!
ヒンヌー好きの自分からすると、「ヒンヌー=ロリ=スクール水着」みたいな安易な発想が嫌いでした。ヒンヌー好きとロリ好きはイコールじゃないんですよ!
ヒンヌー&低身長の緒花の水着姿でしたけど、ウェストやヒップの描き方はきっちりと「成長した女性の体」として描かれていて好印象でした。そうなんだよ!緒花には健康的なエロスがあるんですよ!そりゃモテモテなのも納得だわ!!徹さんもロリコンじゃないのですよ!
この作品は、サービスシーンだからといってよくある方向に進まないから好きです。
演歌もそうよなぁ。
あれは「緒花の歌が残念」なのか、「かな恵ちゃんの歌が残念」なのかイマイチ分からなかったんですけど(笑)。それが絶妙のトホホ具合になっているのがこの作品らしさだなあって思います。
さて。本筋の話。
喜翆荘で頑張っていこうと決めた緒花にとって、初めての「他の旅館」。
菜子と一緒にスリッパ揃えちゃうシーンとかすげえ好きです!分かるわー、ああいうサービス業の職業病。
「他の旅館のいいところを盗むぞ!」と気合が入っている緒花をヨソに、
大きくて、効率化が目指されていて、人の心がこもっていない旅館に―――如何に喜翆荘が異質な旅館なのかが視聴者にも分かるという。
機械を導入して「短期のバイトを雇えばコストも抑えられる」と言っている跡取り息子には、先週まさに仲居さんとして頑張っていこうと決めた緒花もショックだったことだろうよ。仲居さんなんて使い捨てでイイんだという発想ですもの、アレだと。
そして、もう一つ。
緒花と対比させられるように配置されていた結名というキャラ―――
緒花が先週「喜翆荘」を選んで「孝ちゃん」を選ばなかったのと同じように、結名は「やりたいこと」のために「許婚との結婚」を否定したという。
結果として「旅館の仕事を継ぐかどうか」が緒花と結名では違う答えになるんですけど、考え方は共通するものがあって。この作品全体として描かれている「女の幸せとは恋愛なのか」という部分に踏み込んでいますよね。
ちょっと可哀想だけど、この跡取り息子は「女は男についてくるものだろう」という前時代的な考え方というか。
そういや民子に告白してくるような男達もそんなカンジなんですよね。「俺がオマエを幸せにしてやるぜ!」的な。緒花が孝ちゃんに告白されてもポカンとしていたことにも通じる話。
この作品の女性キャラは「自分の意志で男を好きになる」んですよ。
ということで、2クール目のスタートから「飛ばしているなぁ」という印象でした。
面白かった。いつか大失速するだろうと思いながら、まだここまで来ているのが凄いです。
※ 補足コメント
この回は全体を通しても上位に来るくらい好きな回でした。
緒花の水着姿が見られたしね!
最終話まで観終わって振り返ると、ここで「喜翆荘以外の旅館」を描くことで、「喜翆荘」に執着してしまう終盤の展開に説得力を持たせる効果を狙っていたということかも知れませんでしたね。それでも、次の回で「やっぱり旅館の仕事は良いよね!」と描いちゃうので、その辺もブレて終盤の説得力が薄まっちゃった気もしますけど……
<07月17日 22:08更新>
○ 第15話「マメ、のち、晴れ」感想
この作品は一つのシーンで複数の意味を持たせるので、単純には予想できませんね。一つ一つはベタなんですけど、組み合わせることで相乗効果が出るというか。うーむ、秀逸な脚本すなあ。
今回メインの話は「福洋を助ける喜翆荘メンバー」でした。
機械の導入+短期バイトによる効率化を図った福洋でしたが、バイトはこぞって辞めるわ、機械は壊れるわで大ピンチ。そこに手助けするは、人の心を大事にしてきた喜翆荘メンバー!
ここに説得力があるのは1クール13話をかけて喜翆荘で頑張る彼女達を描いてきたからなんですけど……
これだけで終わったら、ありがちな「主人公達の思想を押し付けてメデタシメデタシ」なだけの回になっていたと思います。
今回はそこに加えて、「旅館で働く人々(福洋メンバーも喜翆荘メンバーも)」と「働いたことがない結名」という二つ目の対比軸を用意していました。
凄く象徴的だったのが、緒花がクラスメイト達にも配膳を手伝ってもらっていたというシーンでした。旅館としてそれでいいのか、と思わなくもないんですけど(笑)。
このシーンは「人と人との助け合いの気持ちに頼った緒花」の方法に洋輔が考えさせられるという意味が一つと、
「労働によって人に喜ばれることを結名が知る」という二つ目の意味があったんですよね。
11話で皐月さんが言っていたように、「人に喜ばれることだけが仕事ではない」。
逆に言うと、お客さんに直接喜んでもらえる旅館の仕事って、実は貴重な仕事なんですよね。喜翆荘メンバーが力を貸した理由も根本はそこで、辞めていったバイト達に対して「旅館の仕事をなめんな!!」と腹が立ったからなんでしょう。
そうして、洋輔も結名もちょっとずつ考え方を変えて明日からを生きるのです………
の前に、露天風呂でのサービスシーン。なんだろう、この「感動してたのが台無しになった」感は(笑)
洗剤の描写とか、登場人物の気持ちを比喩した表現も良かったです。
せっかく他所の旅館の服が着れたのに、福洋の仲居服は全然可愛くなかったのは「効率化を目指した成れの果て」という意味だったのでしょうか(笑)。
そこだけが勿体なかったぜ!
※ 補足コメント
この回も対比や比喩表現が上手くて好きな回です。
結局、結名は「外国に留学して外国のホテル経営などを学ぶ」ことを夢にしたようなので、ここの回で旅館経営について前向きに考えるようになったんですね。最終回で喜翆荘の看板が外されるシーン、凄く哀しそうな顔をしていましたもの。
この辺りから、自分も結名のキャラが好きになってきました。
<07月24日 22:38更新>
○ 第16話「あの空、この空」感想
今週もまた「来週に続く」なのか!
面白かったのは確かなんですけどさ……最近「3話完結」「2話完結」の話が続いていて、それらが考えさせられる内容だったんで、そろそろ気楽に観られる「1話完結」の話が観たかったところです。
今週はそういう回なのかなーと思いきや。結構きっちり本題に絡む話っぽくて……ちょっと疲れ気味です。
起死回生を図って喜翆荘を映画のロケ地にしてしまおうの回。
絶対「詐欺に合う」というオチだと思ったのに、ちゃんと監督や女優さんも来ていましたね。来週は一気にピンチになりそうですけど……まぁ、それはココで書くのは野暮なので来週まで取っておくとして。
まず面白いなと思ったのが、「ミンチは何になりたい?」「板前」という会話でした。
自分の夢を見つけてうんぬんというこの作品において、映画の中ででも何になりたいかという話は考えさせられます。
これが恐らく大人チームの話にも絡んできていて。
縁はずっと「旅館を継ぐのは自分じゃなくて姉が良かったんだ」と思っていたことや、女将さんが出演をOKした理由なんかがここに繋がるんだろうなと思います。子どもチームは夢いっぱいに「仲居さんになるんだ」「板前になるんだ」と目を輝かせているけど、大人チームはそうして選んだ人ばかりじゃない―――と。
それと、主演女優の末広さんが女将さんの一挙手一投足に目を光らせていたところなんかも面白かったです。
その後にズケズケと入っていく崇子さんとかも(笑)。
女将さんはそれでも女将さんになったんだよね、縁はまだなれていないのだけど。
映画撮影のためのプール掃除で、縁が過去を振り返っていく描写も見事でした。
夏の暑さと、そのボーっとしたカンジとが伝わってくる作画も良かったです。
この状況で「来週に続く」なのでモヤモヤした感じは否めないんですけど……
でもまぁ、来週を観てから細かいことは書こうかなと。なので今週はあまり書くことがありません!(えー)
※ 補足コメント
さてと。この辺りは厄介な回が続きます。
最初観た時、この「映画ロケ地」編は好きじゃなかったんですよ。16話はともかく17話は残念な話で、結構ボロクソにも描いたんですけど。
やっぱ『とある科学の超電磁砲』のスキルアウト編に似たものがあったなぁと。
一つの回としては面白くないんだけど、全体の中では意味が分かるというか。
<08月01日 05:53更新>
○ 第17話「プール・オン・ザ・ヒル」感想
え?ここで終わり?この話はここで終わり?
……じゃないですよねぇ。伏線がかなり残っていますし。
となると、「16話:順調」「17話:挫折」「18話:逆転で達成」という3話の構成なのかしら。
まさに第1~3話の緒花と似たような構成ですね。
しかし、正直「2話にまとめられなかったのかなー」感は強いです。
縁と崇子さんのシーンとか、結名が走ってくるシーンとか、「そこにそんな尺使うの!?」と思いました正直。
メインキャラなら3話かけて心理描写もして、成長させて―――ってのも大事だと思うんですけど、縁の話ですからねぇ。視聴者としては「民子とか菜子の話が観たいのに!」と思ってしまいます(笑)。
さて、そんな中でもカッチョ良かったのが皐月姉さんですよ!
喜翆荘にとってこの人の存在は大きいんだなーと思いました。
姉弟の電話シーンはウルッときました。ここで精一杯カッコつける縁はカッコ良かった!従業員に心配をかけさせないのが経営者の仕事だ!!
……と言いたいのだけど、Bパートで崇子さんに言いすがっていてゲンナリ(笑)
皐月さんのシーンは伏線なんすかね。
ほら、彼女の元彼は……なので、その辺のパイプもありそうですし。
ということで……第2話のときと同じように、今週もあまり書くことがないというか。
“タメ”のシーンが続いているので、次回のカタルシスに期待をしたいです。
※ 補足コメント
Oh,no......
映画編はとりあえずここで締めということで、この回をきっかけに男女の仲になった縁と崇子が結婚したりとか、それで縁は奮起して喜翆荘を存続させようと頑張るとか、映画プロデューサーは結局皐月さんのツテで捕まえられるとか―――実は繋がっているところもなくはないんですけど。
サブキャラメインの回を2話使って、伏線張りまくって「後の回」にブン投げた……ことで、この回は僕のみならず、Twitter上でも評判の悪さを目にしました。それも仕方ないかなー。
そういや後にプロデューサーを捕まえたけど、お金はどうなったんだ?
○ 第18話「人魚姫と貝殻ブラ」感想
ええええええええ!映画の回って前回で終わりなのー!?
皐月さんのいた場所とか、末広さんの視線とか、女将が映画に協力的だったとか、あの辺は全部伏線だと思っていたのだけど……あのまんま終わり?
いや、まぁ崇子さんが挽回して映画が復活する回が今後にあるという可能性もなくはないですが。その可能性に期待したいところですが。
うーん……今のところ『超電磁砲』と同じような感想になってしまいますね、この作品。
「1クール目はキッチリまとまっていて文句のつけようがないクオリティ」だったけど、「2クール目でサブキャラメイン回になってから評判ガタ落ち」。
もちろん『超電磁砲』は「レベル0にはレベル0の物語がある」という作品だったのでサブキャラメイン回も意味があったと思うんですけど、
この作品は「ただサブキャラメインの話をやっているだけ」ですからねぇ。映画回は正直誉めるところのない話だったかなーというところです。
でも、今週は面白かったです!
菜子メイン回!
妹に絵本読んであげるシーンとか素晴らしかったね!姉妹サイコー!!
まぁ……僕の趣味は置いておきまして(笑)。
ここで「1話完結の話」を入れてくれたのはありがたいですね。
『けいおん!』なんかは典型的に「1話完結」の作品でしたけど。
「来週へ続く」ってやられるのと「来週まで覚えておかなきゃならない」ことが多くなるので、気楽に観られなくなっちゃって。キャラクターに魅力のある日常アニメの場合は「1話完結の話」に頑張って収めて欲しいなぁと思います。
そういう意味で、今週は文句なかったです。キャラクターの新たな一面も見られましたしね。
家では弟や妹の面倒を完璧にこなす菜子。親も「立派に育った」と鼻が高いほどに。
しかし、一歩外に出ると内気な性格が出てマトモに話せなくなってしまうという。
菜子が緒花に「緒花ちゃんも友達いなさそう」と言ったのは衝撃的でした。
確か4話では「緒花さんならすぐに友達ができるよ」って言ってなかったっけ(笑)。
この「本当の自分」と「そうでない自分」のギャップ―――
これって言ってしまえばこの作品の「自分がなりたいものとは何か」というテーマでもあって、3話の次郎丸さんへの「才能ありますよ!」にも繋がる話なんですよね。
菜子は家での自分が「本当の自分」で、外でもそんな「本当の自分」でなきゃいけないんだと思って悩むんだけど。
女将さんは、菜子が自分ではダメだと思っている「そうでない自分」にこそ良いところがあるんじゃないかと言うんです。
次郎丸さんが自分では気付いていなかった才能を、緒花が見つけてあげられたように。
それだけで人は勇気を持てるんですよね。
緒花の前では結構毒舌になってきた菜子だけど、それだけ心を許しているってことなのかな。
修学旅行の夜に一人で泳いでいたりとか、どこが引っ込み思案やねんと思ってましたけど。「本当の菜子」はあんなカンジだったんですね。クラスメイトの前ではそれを見せられないだけで。
この他、4人でのショッピングのシーンなんかは4人それぞれの個性が出て面白かったです。
結名が一番の常識人なのよね、あの中では。
緒花はアレだけ働いて5千円というのは流石に可哀想だ………
とまぁ、今週は面白かったんですけど、それ以上に「映画の回はアレで終わりなんだ……」というのがショックな回でした。
このメンツで「縁メイン回」に2話も割いていること自体がアレなんですけど、色々と不安がつきまとってきた数週間だったなーと。
※ 補足コメント
そう言えば、菜子メインの話ってこれだけだったんですね。
菜子の生活が垣間見える回でした。そして、この回があるからこそ最終回の菜子が「やっぱり彼女も成長したんだな」と思えるようになっていたという。ラストから逆算すると、この辺もちゃんと必然性があったという。
あと、蓮さんの私服が酷いとか、そういうのもありましたね(笑)。
サブキャラクターを掘り下げるためにもちゃんと意味があった回だという。
<08月08日 04:26更新>
○ 第19話「どろどろオムライス」感想
これぞ『花咲くいろは』!!
今週、素ん晴らしく面白かったです。
これだよ。こういうことが出来るんですよ、この作品は。
奇抜なことをやっているワケではないのだけど、調味料の配分の上手さで二重三重の意味を持たせるという!
まず…何から言及していきますかね。
やっぱり「孝ちゃん可哀想」ってところから行きますか(笑)。
これが伏線なのか、単なる悪ふざけなのか分かりませんけど。
久々に出番だーと思ってアフレコ現場に行ったらこんな出番だったという声優さんに同情を禁じえません(笑)。
あと、これはなかなかアニメ等では描かれない部分ですけど……
菜子のクラスの文化祭の描写はすごく生々しくて、心が痛くなりましたね。あるなー、こういうこと。「自分のトコ以外」は学校行事にすごく盛り上がっていたり、大人達は「文化祭なんて青春だねー。いいねー」と言ってきたりするのだけど。
自分のトコはそんなに盛り上がっていない、というあの寂しさ。
「高校時代は今しかない」と分かっているけど、理想通りにはいかない現実。
こういうものをしっかり描く作品は凄いなぁって思います。
ちなみに菜子のクラスメイトの女のコはCV.寿美菜子さんですね。唯&紬コンビ!正反対すぎだ!
誰もがみんな『けいおん!』のような華やかな青春は送れないんですよ。
『けいおん!』の文化祭には感情移入できない、むしろこっちこそが自分の知っている文化祭だって人も多いんじゃないですかね。僕がそうかは置いておきまして。
さてさて、「菜子のクラス」はサブの話。
メインの話となっている、“華やかな”「緒花達のクラス」はそれはそれで問題を抱えています。
民子の言い分は(言葉足らずなところはあったけど)真っ当で正しい。「オマエが好きな男のことなんか知るかよ!」って話ですし、最初に民子は「やるからには真剣に」と言っていました。100%民子が正しいです。
でも、正しいからこそ、民子の言葉は民子自身に跳ね返ってくるんですよね。
「好きな男がいて」「その男に振り向いて欲しくて頑張ろうとするんだけど」「その男には好きな女がいて」「でもその女はその男のことなんか眼中になくて」―――うわっ!ビックリするくらい「緒花・民子・徹」の関係じゃねえか!
だからまぁ、民子自身イライラしてるんだろうけどさ。
そんなこと緒花は全然気付いていないしさ。
これと同時並行で「菜子のクラス」を描いている分、「あっちのクラスはクラス一丸となってて」というセリフが重いんですよね。今週の菜子の使い方は見事でした。1+1が2じゃなくて、5にも10にもなる使い方。あっぱれ。これぞ『花咲くいろは』。
※ 補足コメント
文化祭編は実は全話通して一番好きな回かも知れません。
女子同士のやり取りが多かったですしね!あの「お前が好きな男なんか知るか!」的なやり取りも凄くよく分かるし、凄くよく出来ていたと思います。結局、この文化祭編のラストで、民子も徹さんにオムライス作って渡しているワケですしね。キャラの対比のさせ方が非常に上手かったです。
あとまぁ、「盛り上がらない文化祭」をちゃんと描いたというのも凄いところ。
こういうのってあまりアニメにされませんけど、「菜子の気持ちが分かるわー」って人も多かったんじゃないですかね。秀逸な回でした。
<08月15日 06:11更新>
○ 第20話「愛・香林祭」感想
菜子の「オムライス」をこう使ってきたか!
流石の浦畑脚本である!無関係でバラバラに見える描写が、パズルのように組み合わさって一本の線になる感覚―――自分はこういうのに弱いんですよ。素晴らしい回でした。
まず、菜子の「オムライス」について。
先週ラストの「どろどろオムライス」は、緒花達の話に一切関係ない文脈で出てきた言葉でした。電車の中で緒花と菜子が同時に「オムライス」と言うところなんかは、それを視聴者により印象付ける効果があったんですが……
これが逆に、「緒花達は空気を読んでオムライスと言えない」状況に、「菜子が何気なくオムライスと言ってしまう」という展開を自然としているんですよね。“御都合主義ではない”ように視聴者に思わせられる仕掛け。
よく考えられているなーと感心します。
徹さんがメニューの中から「オムライス」を選ぶ流れもそうです。
緒花は「ミンチはオムライスを作れないんじゃないか」と勘違いして徹さんに尋ねるんですが……これが「実はオムライスが超上手い民子」への“タメ”になっているし、ラストで徹さんに「オムライス」を選ばせることで民子に“御褒美”を与える伏線にもなっているし。
ユキちゃんも、民子も根っこのところはあまり変わらないんだと見せることにも成功しているという。
女将さんの言う「誰もが民子のように将来の夢をいきなり見つけられるワケじゃない」の裏返しで、民子は一生懸命で真っ直ぐで迷いがないけれど、民子一人の力では出来ないことがあって―――
(民子と違って将来の夢が決まっていない)緒花達の力を借りたことで、最後に徹さんにオムライスを届けられたというのは、ホンッット見事な構成だったと思いますよ。
そして、最後に「友達」というタイトルの絵。
水野さんと菜子を通して、緒花と民子の関係を描いたとともに。「民子のために駆けつける菜子」のシーンで水野さんが言った“友達”という言葉が、菜子を表す絵のタイトルになっているという美しい帰結。
二組の“友達”を全く別のアプローチから描きつつ、しっかりと相互に影響させあって、最後にその二組が交わる―――ちょっと完璧すぎるんじゃないの、この2話の構成は。
今回の話を通して、「民子のバックボーン」もしっかり見せることが出来ましたしね。
自分はこの2話で結名の印象が随分と変わりました。「人を動かす」とか「人の気持ちを理解する」とかの能力がちゃんと高くて、リーダー気質なんですよね、女将の孫だけあって。
緒花も女将の孫だけど、こっちはどっちかというと「動かされるタイプ」で「人の気持ちを理解できない」ですし(笑)。
うーむ、堪能させてもらった文化祭編でした。
2クール目に入ってからは微妙かなーと思っていたんですけど、この2話でテンションが初期の頃に戻りました。ラスト6話。この様子だと最後まで走りきれそうかな。
※ 補足コメント
この回は凄かった!「青春すなぁ…」とキュンキュンしながら見ていました。
そして、この「友達」というフレーズが重くのしかかってきて、ここからはヘビーな展開に進むんですよね。緒花と民子が冷戦状態になったり、喜翆荘の閉館問題が出てきたり。その前段階としてきっちり「幸せな時間」を描けたのは、やっぱり隙のない構成だったなーと思います。
<08月22日 05:40更新>
○ 第21話「蘇る、死ね」感想
おー、やっぱキャラの使い方が抜群に上手いすなぁ。
2クール目の鍵となる「緒花・民子・徹」の三角関係ですが、そのまんま描くんじゃなくて周囲のキャラの動向と一緒に描いてきました。
三組の男女。
「女将さんと旦那さん」「崇子さんと縁」「民子と徹」――――
遠い昔に結婚した夫婦の二人と、これから結婚する恋人同士の二人と、まだ恋人にもなれていない二人。状況の違う三組の男女を同時に描くことで、一つのセリフが二重にも三重にもなってくるという。
女将さんが話した過去話も、それだけで尺を取れる価値がある描写だったと思うんですが。これが崇子さんの現在に繋がり、視聴者としては民子の未来に繋げて観れるようにしてあるのです。
超丁寧な脚本っすなー。
映画回2話は擁護しようもない話だったけど、今回のこの描写を見せられて「これを見せてくれるなら」とちょっと納得してしまいました。
あ……三組の男女と書いたけど、「巴さんと蓮さん」も入るのかも知れないか(笑)。
蓮さんって独身だったのか。巴さんと結構イイコンビになれると思うけどなぁ。
ということで、「緒花・民子・徹」が泥沼。
緒花がとうとう徹さんの気持ちを知ってしまったので戻れない状況に―――こんな深刻な状況なのに、裁縫シーンは笑ってしまいました(笑)。
結名の存在はありがたいわー。最初はウザイこだと思っていたけど、いつの間にか大好きになっていたよ。
しかしまぁ今回、民子に避けられていることを察してちゃんと謝ろうとしているのに拒絶されて……と、緒花がちょっと可哀想でしたよね。
誰かが「悪役」になってくれれば楽なのに、
緒花がちゃんとイイコをしてくれちゃうから民子自身が「悪役」になるしかない……
先週あんなに仲良く「友達」してたのに。切ないすなー。
縁の結婚、喜翆荘の未来、それぞれの恋の行方―――
終盤に向けてちゃんと話が盛り上がってきましたねぇ。
縁が結婚するということは皐月さんも再登場するんでしょうし、そうすると気になるのは「緒花の父親はどうしたの?」ということ。
「女はどう生きていくべきか」がテーマのこの作品において、緒花の両親の謎はマストで描かれなきゃならん部分でしょうしね。
残りも楽しみです!
あと、「妊娠するー」はやりすぎだと思います!
※ 補足コメント
豊崎さんに「妊娠するー」と言わせるとは何事だ!
3DSサウンドに録音して、『睡眠記録』で毎日の目覚まし音に設定しなければならないじゃないか!
それはさておき……
一挙感想を読み返していて思ったんですけど、このアニメで一番「鈍感」なのは徹さんでしたよね(笑)。民子の気持ちに気付かないというのは置いといても、好きな女の話を別の女に嬉々として語るその無神経さ!でも、民子はこれを全部緒花のせいにするんだよね。恋って怖い(笑)。
<08月29日 04:18更新>
○ 第22話「決意の片思い」感想
ようやくここまで来たか!
「幸せな日々の終わり」と「未来への希望」まで、両方同時に辿り着きました。
こういう展開になることは「こういうテーマの作品」なんだから当然なんですけど、上手いことキャラを使って描いたなぁという印象です。驚くような予想外の展開はなかったけど、きっちりと地に脚つけたストーリーを見せてもらいました。堪能しました!
まずは「未来への希望」から。
緒花が孝ちゃんへの想いを取り戻すのは規定の展開だったんですけど、逆に言うと「よほど上手くやらないと御都合主義になっちゃうぞ」と思っていました。アレだけ緒花を落としておいて、ヒョイと復活させちゃったら台無しですからね。
んで、そこに使ってきたのが「民子→徹」への片想い。
緒花としても視聴者としても、民子が報われなくてもずっと一途に徹さんのことを想い続けてきたのを知っているので。だから、「ミンチのように想い続ける!」という緒花の決意に説得力が出るんです。
徹さんのことは……本当に心底眼中になかったんだな……と、ちょっと思いましたが(笑)。
あと、皐月さんがなんかロマンチックなことを言うてた。「松前」姓を続けているのもそういうことだったんですね。
そして、この緒花の宣言を受けて民子も変わりました。
こっちは逆に「徹さんに慰められたから仲直りしてんのかよ!」と思っちゃいましたが(笑)。
緒花の「(孝ちゃんへの片想いを)諦めない!」気持ちが、民子の「(徹さんへの片想いを)諦めない!」気持ちへと繋がっていくというキレイな流れでした。
泥沼な三角関係だったけど、終わってみれば見事。
そして、これはこの作品全体に流れている「女の幸せとは」の一つの答えなんですよね。
女将さんも皐月さんも、男に先立たれて、でも想い続けることで生き続けられた―――
「恋愛か仕事か」ではなく、「恋愛するから仕事に頑張れる」とも言えて。
片想いだとしても、そこに辿り着けた緒花や民子はようやくスタートラインに立てたんですよ。
クライマックス前にちゃんと成長させられた。
いや……やってること自体はあまり変わっていないんですけどさ!内面は変わったはずですよ、多分!
で、いよいよ来る喜翆荘の最後。「幸せな日々の終わり」。
「そりゃそうだろ」って話ではあるんです。
「私はこれから先どうやって生きていくんだろう」って物語なんだから、クライマックスで拠り所がなくなるのはセオリー中のセオリーです。序盤から「喜翆荘の経営はヤバイ」と伏線を張ってありましたしね。
女将さんが「継いで欲しかった」と言った皐月さんはもういない、縁は結婚するから身を固めなきゃならない―――
女将さんと豆爺は身を退き――――喜翆荘はいよいよ持って………
さあ!緒花はどうする!?
民子は?菜子は?巴さんは?徹さんは?蓮さんは?
次郎丸さんの借金はどうなるの!?
……ということで、残り4話ですよ。
予定調和な着地だと「緒花が後を継いで女将さんになる」とかだと思うんですけど、残り4話ありますからね。過程をしっかり描いてくれたこの作品だから、ここからちゃんとした展開を見せてくれると期待していますよ!
※ 補足コメント
それぞれの恋愛の結末。
結局のところは、みんな「元の鞘に収まった」カンジだったんですけど……
その描き方が「こっちのキャラのこの感情がこっちのキャラに影響して――」とパズルのように組み合わさって、と一応の説得力があったのが面白かったです。脚本に一工夫があるというか、普通だったらただ単に描いちゃうものもしっかりとテクニックを見せてくれるのがこの作品ならではでしたね。
<09月05日 01:31更新>
○ 第23話「夢のおとしまえ」感想
ま、まさか……緒花の突然「孝ちゃんが…」とか言い出す奇行が伏線になっていただなんて!緒花の空気読めない言動はこの展開のために仕組まれていたんだよ!
……いや、マジメにかなり感心してしまいました。
この作品の中ではあまり評判の良くなかった映画回ですけど、その時の映像が、離れ離れになっていた孝ちゃんと緒花をつなげる鍵となるとは!こういうところに、今までのエピソードを絡められるかどうかで「御都合主義かどうか」の印象が変わりますからね。
また、「喜翆荘を閉めるのは資金難だから(と思っているから)」→「映画プロデューサーから資金を回収しようと東京に来る崇子」→「映画プロデューサーから情報を得ていた皐月」と―――別々に起こっている事柄がちゃんと繋がっているところも凄いです。
あまり良くなかった映画回ですけど、こういう使い方をしたかったのかーと今思えばある程度納得しました。あそこまで縁にスポットライト当てなくても…とは今でも思いますけど(笑)。
喜翆荘の閉館に向けて―――
空っぽになる従業員達。菜子なんかは「自分を変えたくてバイトに来ている」だけなんだけど、あそこまでショックを受けるものなのか。あの場所が本当に大切になっていたんですね。
緒花は今後を決めるために、東京の母親に会いに。
菜子の言葉と、民子の弁当がグッと来ますね!「民子はほうれん草が苦手」だなんて設定はすっかり忘れていたけど!!
「資金がないから喜翆荘を閉める」ということ自体が勘違いだと思うし、崇子はそもそも女将が何たるかを分かっていないことは映画回で描かれていたので……崇子が頑張ってもアレだとは思うのだけど。
緒花と崇子の関係だったり、映画プロデューサーのひっ捕らえ劇だったりは見ていて痛快でした。あのプロデューサーも悪人じゃなかったんだよなぁ。何せ、あんな目立つ格好で歩いているのだから(笑)。
それぞれがそれぞれの方法で「今後」と向き合いつつ、明日へ―――
どういう結末になるかまだ分かりません。今週崇子さんが緒花に「女将になりたかった?」と訊いていたけど、これは伏線なのか、その可能性を潰しているのか。
この作品が描いてきたものを考えれば、喜翆荘がなくなっても一人一人が変わらずに彼らでいられるというのが一番相応しいラストな気もするけど……この場所がなくなるのはやっぱり寂しいですもんね。さぁ、ラスト3話。
※ 補足コメント
ここに来て崇子メインとかワケの分からないことをするのが『花咲くいろは』!
でも、これも「結婚が女の幸せの終着駅ではない」ことを描いているんですよね。結婚しても崇子は崇子らしく、前に突き進んでいくだけ。この作品、走るのはいつも女性。孝ちゃんに緒花のビデオを見せるのも、それを男性側に見せる意図があったんじゃないかなぁって思います。
それにしても……
このタイミングで孝ちゃんに会うとか、実は皐月さん偶然じゃなくて狙っていた?
何だかんだおせっかいな人ですもんね……
<09月12日 04:10更新>
○ 第24話「ラスボスは四十万スイ」感想
まさか最終回直前のクライマックスに女将さんの入浴シーンを入れてくるとは!
あんまり老人っぽくない体でしたけどね!
リアルに描かれた方が嬉しいのか>自分!
真剣な話になるかと思いきや、徹さんと民子が漫画について語り始めたり、次郎丸さんは相変わらず無視されたり、緒花もアレだけど孝ちゃんも大概だなと思ったり、コメディ色の強い回でした。
しかし、この作品の「一番大事なところ」に関しては本当に大事にしていて。
・緒花は「自分で決断してから母親に会う」と決めて喜翆荘に戻り。
・喜翆荘の面々は、喜翆荘が繁盛してしまったことで、「喜翆荘が潰れるから」ではなく自分の意志で決断する必要が出てきて。
・女将さんは「喜翆荘があるとみんながここに縛られてしまう」と思い―――
最終的に「それぞれのキャラクターに(状況に流されるんじゃなくて)自分の決断をさせる」ように展開しているんですよね。これが、状況に流されて緒花が喜翆荘にやって来るところから始まったこの作品のケジメなんでしょう。
あれ?結名はー!結名の出番はどうしたの!?
んで、ここでクライマックスぼんぼり祭りですよ。
「それぞれの道を見つける」ためにずっと伏線が張られていたぼんぼり祭りで、さあみんなの決断はどうなる―――
正直、雑誌に取り上げられたのはラッキーでしかないし、そのラッキーにしがみついている様では……とは思うんですよね。
残り話数と残っている伏線とを考えると、喜翆荘がなくなってそれぞれの道に進んだ方がキッチリまとまるような気もします。これだけみんなが喜翆荘に固執するのって「自分で決断することを放棄している」ように思えてしまって、そう考えると女将さんの言い分もよく分かるんですよ。
俺もお年寄りになったということか………
※ 補足コメント
あれ、感想がすごく短い!
この辺りは「最終回に向けての展開」が続くので、どういう最終回を迎えるのかが分からない当時の状況だと「これは肯定的に描いているのかな?」「ここは否定的に描いているのかな?」に確信が持てなかったので、あまり迂闊なことは書けなかった模様。
最終回まで観た今振り返ると、やはり「喜翆荘がなくなってもなお喜翆荘の再建を願う」みんなの気持ちが大事で、この時点では縁達のことも女将さんのことも肯定していないんですよね。ぼんぼり祭りを通してみんなの気持ちが変わるので……なので、この時点では「登場人物の誰も正しくない」状態で、視聴者としてはちょっと辛い展開だったのかも。
<09月19日 11:26更新>
○ 第25話「私の好きな喜翆荘」感想
さ、作画が……!
どうした?超安定作画が何よりの武器だった『花咲くいろは』だったのに、今週はかなり「え……?」と思う箇所がありました。この終盤で、どうした……?
お話の方は、うーん……
女将さんの心情を知ってしまった緒花が喜翆荘の中で孤立する話なんですが―――
つい最近「民子と緒花が絶縁する話」をやったばかりなので……「またこういう話なのかよ」というのが正直な気持ちでした。
女将さん側にも、縁側にもイマイチ感情移入が出来ず。
菜子の言った「自分で夢を追えず、他人の夢についていくことしかできない人がいるんだ」という話は、ものすごくグッときたんですが……その後の「私が好きだった喜翆荘を返して!」で、( ゚д゚)ポカーンと。
女将さんは「もうこのままの形で喜翆荘は続けられない」と思い、
縁達は「喜翆荘を生まれ変わらせて続けるんだ!」と言い、
菜子は「それは私の好きだった喜翆荘じゃない」と言い――――
皐月さんが来て手伝ってくれたことで仕事が上手くまわって「ワーイワーイめでたしめでたし」みたいなフンイキになっているけど、実際には何一つ解決していなくない?(笑)
「女将さんを見返すんだ」と息巻いていた縁達とは別のところで、菜子の台詞を聞いて女将さんが考えを変えた―――ってのは上手い落としどころだとは思うのだけど。
徹さんの言うとおりに「いつも色々騒いで引っかきまわす緒花」が出なかった分、カタルシスが弱めだった印象です。女将さんと皐月さんが手伝ってくれたから何とかなったのだし、若旦那は結局頼りないし。
これ、来週どう決着させるのかによるんですけど……
「このまま終わっちゃわないよな……」と、若干の不安があります。
今週の衝突→和睦を経て、来週の最終回できっちりと登場人物達の“決断”を描いてくれるんですよね?
このままなし崩し的に「お客さんたくさん入っているんでやっぱ喜翆荘やめません」で締めたら、「山ちゃんやめへんでー」レベルのラストだと思ふ。
ということで、来週の最終回で結末をしっかりと見届けたいと思います。
この作品の脚本ならば、ちゃんと落とし前をつけてくれると信じていますんで。ホント信じていますんで……信じて……
※ 補足コメント
ふむ。
この回は厳しい感想を書いたなという記憶があったので、自分で自分の感想を読み返すのが億劫だったのですが……読み返してみると「状況がちゃんと整理されていて」、最終回で何故自分が納得できたかが分かりました。
>女将さんは「もうこのままの形で喜翆荘は続けられない」と思い、
>縁達は「喜翆荘を生まれ変わらせて続けるんだ!」と言い、
>菜子は「それは私の好きだった喜翆荘じゃない」と言い――――
この3者がみな納得する解法は、
最終回で縁が決断した、「一旦喜翆荘を閉じて、勉強し直して、またみんなが大好きだった喜翆荘を再建しよう」という方法しかないんですよね。だから、菜子の「私の大好きだった喜翆荘を返して!」もちゃんと意味があったという。
女将さんも一連の流れで「また喜翆荘を……」と思うようになったし、
最後の幸せな時間がみんなを一つにまとめたし、
やっぱりこの作品は「終わってみればあのシーンは大事だったんだな」と思える描写が多かったなと思いますね。当時は「何のためにあるのこのシーン」と分からなかったものも、最後まで観ると「あったからこそ話に深みが増していた」と分かるところが多かったです。
<09月26日 01:24更新>
○ 最終話「花咲くいつか」感想
「私ね……ちゃんと見つけたよ」
素ん晴らしい最終回でした! 途中途中、正直不安に思った回もあったのですが、終わってみればしっかり着地+あー、今までの描写はこのためにあったのかーと思わせてくれるラストでした。驚くようなストーリー展開があったワケではないこの作品ですけど、ホント「全話観て良かった!」と心から思えた作品でした。
緒花が見つけた“夢”とは何だったのか―――
各登場人物の“夢”を描いてきたこの作品ですけど、やっぱりその中核にあったのは主人公:緒花の“夢”でした。何の夢もなく、成り行きと憧れだけで喜翆荘にやってきた彼女が、最後に辿り着いた夢―――これを描くことで、この作品が描いてきた“夢”とは何かが完成したのだと思います。
「四十万スイになりたい」という緒花の夢。
かつて結名に言われた「仲居さんになりたいの?」とも違う、かつて崇子に言われた「女将になりたいの?」とも違う、緒花が手に入れた緒花だけの夢だったんです。それを彼女に持たせるために26週があったんです。
それを知った女将さんも、新たな夢を抱き―――
先週で現実を知った縁達も喜翆荘を閉じ、それでも「またいつか喜翆荘を」という夢を持ち、別れ別れになっていきました。
この作品が誠実だったなと思うことに……
例えば、ラストシーンで「そして10年後」みたいな形で再結集する喜翆荘面々を描いたりはしなかったところです。あくまで「夢が花開く前」のところで終わらせているんです。菜子や孝ちゃんなんかは、自分の夢を見つけるところまでもいきませんでした。
この作品は、夢をそんな軽いものとして描かなかったんです。
見つけるのも、掴むのも大変―――そうしっかりと描こうとしていたんです。
ラスト―――
第1話と同じように「東京で」「電子レンジでゴハンを温め」「母と話し」「学校に向かう」緒花の絵なんですが、明らかに第1話と違う彼女がいました。26週かけて自分の夢を見つけた緒花は、走って終わるんですよね。
テーマ的にも、第1話との対比のさせかた的にも、正直「これ、けいおん1期の最終回じゃねえか!」と思わなくもなかったんですけど(笑)。
『けいおん!』がひたすら前向きに「目指せ武道館!」で締めくくったのとは対照的に……『花咲くいろは』は夢を持つ大変さも、仲間との別れも、ちゃんと描いた上で。「でも、私には夢があるんだ!」と描いて走り抜けたという。
第1話を観た時は「どこにでもあるような作品」という印象だったし(作画の化け物っぷりは別として)、予想外のストーリー展開なんかはほとんどなかったのですが、しっかりと着実に描くものを描いて、ドラマを生み出したこの作品は―――
やっぱ「大好きな作品でした」と、改めて思いますね。
この作品の前まで、岡田先生にも、P.A.Worksにも特に凄いイイ印象というのは持っていなかったんですけど……この作品で「大好きになれる作品を作る人(達)」と、印象が変わりました。
特にP.A.Worksは、自分の中で京アニにも負けない凄い集団という認識になりました。最終回の祭りのシーン、あそこを駆け抜けていく緒花の絵は凄まじかったですね。ああいう超面倒くさそうな絵を平然と作れるんだからすげーわ。
ということで、素晴らしい作品でした。
ポニーキャニオン製作のアニメはDVDオリジナルで1話最終巻に入ると思うんですけど、27話は番外編なのか「最終回後の話」なのか気になります。
個人的には「最終回後の話」はやめて欲しいかなー。
この作品はこれ以上の完結方法はありえないので、この良い形のまま思い出に残してもらいたいです。番外編だったらチェックしよう。時系列的に巻き戻ってお気楽な話をやってくれると嬉しいです。
終わりました。
自分が各話感想メモをまとめた今までの作品―――『超電磁砲』とか『けいおん!!』とか『まどか☆マギカ』と比べると、『花咲くいろは』は正直「みんなが話題にする作品」ではありませんでしたし、ハデさのない作品だったと思うんですけど。
でも、こうやって全話の感想を読み返すと、改めてこの作品の魅力を思い出されました。
感想メモには書かなかったんですけど、最終回で豆爺が女将さんに別れを告げるシーン……「じゃあね、スイちゃん」って言うんですよ。女将さんと従業員の関係ではなく、それ以前の“同僚だった関係性”に戻ったというあのシーン。
ものすごく地味なシーンですけど、たった一つのこの台詞で、この二人がこれまで過ごしてきた時間が想像出来るという……これが『花咲くいろは』の魅力だったんだなあとつくづく思いました。
半年間、楽しませていただきました。
大好きな作品をありがとう!
劇場版『花咲くいろは』視聴。dアニメストアの「見放題」で視聴!実を言うと、この「見放題」について実際に体験してブログで紹介しようと決めたのは、dアニメのラインナップにコレがあったから。その日から今日までずっと楽しみにしてた!つい最近バンダイチャンネルの「見放題」にも入ったけどw
— やまなしレイ (@yamanashirei) February 3, 2015
劇場版『花咲くいろは』その2。すっげえ面白かった!テレビ版が好きだった人はもちろん観るべきだし、テレビ版以上に自分は感動&号泣の嵐だった。「なこちが泣かないから私が泣いているんだ」に俺も一緒に泣いてた。ラスト近辺はもうずっと泣いてた。テレビ版で描けなかったことがこんなにあるとは。
— やまなしレイ (@yamanashirei) February 3, 2015
劇場版『花咲くいろは』その3。当時の宣伝は翠・皐月・緒花の三代に渡る話―――みたいなイメージで、正直自分はそこにはあまり惹かれなかったから今日まで観ていなかったんだけど。実際には、緒花・民子・菜子のそれぞれ「大人になること」という話に、皐月の過去がシンクロしているってカンジだった
— やまなしレイ (@yamanashirei) February 3, 2015
劇場版『花咲くいろは』その4。『花咲くいろは』という作品はロケーションもキャラクターもテレビサイズには収まりきらなくて、劇場版サイズで同時並行で詰め込んで進行しても耐えられる「色んなドラマ」がまだまだあったんだと感動した。自分の中では『たまこラブストーリー』に匹敵する劇場版だった
— やまなしレイ (@yamanashirei) February 3, 2015
劇場版『花咲くいろは』その5。テレビ版の「その後」を描くんじゃなくて、テレビ版の「合間」を描いているのに、テレビ版と矛盾しているとこは多分なかったし。緒花パパは格好良かったし、菜子妹と緒花達の絡みも見られた。テレビ版では見られなかったものも観られて大満足!P.A.ってやっぱ凄い!
— やまなしレイ (@yamanashirei) February 3, 2015
そして、 この記事を移行作業するまですっかり忘れていたんですが……2020年から、このアニメ『花咲くいろは』のその後を描く小説版が書かれていたんですね。現実時間で9年とかが経った時期に、作中時間で7年後くらいの「再会」を描く話をやっていたみたい。
「完結したら読もう」って思ったまま忘れていました!
でも、小説版を読む前にテレビアニメ版から観返したいなぁ……どうしよう。
【小説版のAmazonアフィリエイトリンク】
<紙の本>
<Kindle本>
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