アクティブ・タイム・バトル(ATB)は“アクション要素”なのか?

※ この記事は2010年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2026年に移行した記事です


<画像はWii Uバーチャルコンソール版『FINAL FANTASY V』より引用>
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 何度かこのブログで話題に出している“ドラクエやポケモンやスパロボが好きでアクションゲームが苦手な友人”について思い出したこと。
 「アクションゲームが苦手」「RPGが好き」という話を聞いていたので、以前に「じゃあファイナルファンタジー(以下『FF』)やってみれば?」と勧めたところ「FFってアクションっぽいから好きじゃない」と言われたことがありました。

 『8』や『9』が出た頃だから、2000年頃の話です。

 当時の自分は「何を言っているんだコイツは」と思い、そんなこともすっかり忘れていたのですが……






 そこから10年くらい経った現在。
 ちょっと前にTwitterで「FFは最初マニアックなゲームだったのにどんどん万人向けになっていったよね」「7が万人向けの最たるもので、8から逆にマニアックに戻っていった印象」とこの記事の土台となるようなことを呟いていたところ……

 「3とかに比べて7の方が難しかった」
 「7辺りになるとアクション要素が多くて取っ付きにくかった」

 という返信をもらったんですよ。




 『FF3』より『FF7』の方が難しい……だと?

 ちょっと衝撃的な御意見でした。
 『FF3』と言えば、ラストダンジョンがトンデモなく(長くて)難しくてクリアできないことで有名で……そのせいで、当時のファミコンキッズ達には「FFはドラクエに比べて大人っぽいが難しい」と認識されていました。そういうイメージを払しょくするために、『FF4』は「イージータイプ」を出したワケですし。

 一方、『FF7』は発売当時「FFシリーズ史上最もエンディングまで辿り着けた人が多いんじゃないだろうか」「FFも簡単になっちゃったな」みたいに言われていましたし、揶揄の意味じゃなくて、自分も「非常に親切なゲーム」という印象を持っていたので、アレを「取っ付きにくい」と思う人もいるんだと驚いたのです。


 あ、「好きか嫌いか」って話ではないですよ。
 私は『7』はあんまり好きじゃないです。好きか嫌いかで言えば、2D時代のドット絵RPGの方が好きです。



 しかし、アクション要素……と言われ、
 そう言えば、昔「FFってアクションっぽいから好きじゃない」と言われたことがあったなーと冒頭に書いた友人のことを思い出したのです。

 そこからアクティブ・タイム・バトルが“アクションゲームっぽい”と思われている要因なのかなと思い当たり、今日の記事を書くことにしました。あれを「せわしない」「急かされる」「反射神経が必要」と感じて、「アクションゲームっぽい」と表現されたのかなと。
 自分は全くそうは思っていなかったんですよ。アクティブ・タイム・バトルって「行き当たりばったり行動できる」システムだと思っていたんです。むしろ何も考えなくていーやくらいの楽チン思考。


 一方の人は「せわしなくて取っ付きにくい」と言い、一方の私は「楽チンだ」と言う。
 このギャップは面白いなと思ったのです。



○ 楽か苦か
 アクティブ・タイム・バトルが採用されたのは『FF4』が最初。
  Wikipediaによるとこのシステムは特許が取られているそうで、スクウェア以外の会社がこのシステムを使うことは出来ないそうなんですね。似たようなシステムがあった気がするんだけど、微妙に中身は違うのかな。

 実はこのシステム、『FF4』の時点ではあまり完成されていなかったんですよね。
 『FF5』にて「ゲージが表示される」ようになり、『FF6』で「行動選択を保留する」ことが可能になりました。個人的には『6』でようやく完成したなという印象です。このシステムでやりたかったことはコレなのかと思ったのです。





 “それ以前”からのターン制バトルを続けている『ドラゴンクエスト』シリーズや、(ATB以前の)『FF3』などは、一度に味方全員の行動を選ばなきゃならず、1ターン内の敵・味方の行動を予測する必要がありました。
 「この敵は全体攻撃をしてくるからベホマラーかけなきゃな」「でも敵より素早かったら意味ないよな」「ならこのターンは回復を考えずに補助魔法を使うか」などなど……

 順々に行動をするので、行動順が重要なのだけど、必ずしも“素早さ”順と決まっているワケでもないので。そうした予想外の事態を考えた上で行動を選択する必要があるという――じっくり考える時間がある分、“何手か先”を考えなきゃならないんです。言ってしまえば、将棋的な面白さ。



 これが『FF6』の場合―――
 「この敵は全体攻撃をしてくるのか」「じゃあ回復役はとりあえず保留待機させておいて」「ライブラかけて」「あー、炎が弱点か」「じゃあ炎連発するべ」「あ、攻撃された」「待機させてたキャラで回復させよう」

 相手の動きを見てから判断できるんです。相手の動きを予測する必要はないんです。
 脳の負担としては、(ATB以前の)『FF3』よりも、(ATBになった後の)『FF6』や『FF7』の方が軽いと思うし、万人受けするだろうって私は思っていたのです。


 アクティブ・タイム・バトルを「忙しない」「急かされる」「反射神経が必要」という人は、スタートボタンを押せば時間が一時停止しますしね。
 更に、コンフィグで「ウェイト」モードにしておけば、魔法欄やアイテム欄を開いている間は動きが止まるはずです。




 だから、アクティブ・タイム・バトルを「取っ付きにくい」と言われたのに驚いたんです。
 自分としては「楽に、戦略的(っぽい)バトルが出来るシステム」だと思っていたので。

 ですが、よくよく考えてみると「何手か先を考える」将棋をしている人に、「それは考えなくてイイから敵の駒がどんどん動くようになったよ」と言ったら「えっ!?」って思いますよね。それ、もう将棋じゃねえじゃん!って。


 つまり、新しいシステムが生まれた際、
 従来のシステムに不満やら取っ付きにくさを感じていた人にとっては物凄くありがたいことなんだけど……
 従来のシステムに慣れ親しんでいた人からすると「どうしてこんな使いにくいものを…」と思われてしまうってことなのかなって思いました。

 アクティブ・タイム・バトルに限らず、ね。
 ゲームに限った話でもなく、ね。
 ありとあらゆるシステムに言える話なんだろうって思ったのです。




 ちなみに、自分は『FF10』で採用されたカウント・タイム・バトル(CTB)が好きでした。
 ターン制のように「じっくり考える」ことも可能だし、アクティブ・タイム・バトルのように「臨機応変」に戦うことも可能だし、物凄く間口の広いシステムだなーと思っていました。私の好きなゲームは大抵あんまり評価されないので、カウント・タイム・バトルも1作限りで終わってしまったようですが。

 人気なかったのかなぁ…
 いや、逆に1作で完成してしまったからコレ以上進化の余地がなかったとも言えるか……

 『10-2』以降はPS2がぶっ壊れていたため知りません。



○ 娯楽は足し算では作れない

 あ……この記事を書きながら思ったけど、
 「FF7はアクション要素が多くて」と言われたのって、ミニゲームのことだったらどうしましょう。スノボーとかってクリア必須だったっけ。『7』は1度しかクリアしていないからあんまり覚えていない……



 『FF』に限った話じゃありませんが、クリア必須のミニゲームって困りますよね。

 いや、RPGとかのミニゲームって肯定派の人の方が多いだろうから、賛同されないと分かってて書きますけど。俺はRPGがしたいんであってスノボーはどうでもイイんだよと思っちゃうんですよ。『FF8』のカードとかも本編そっちのけでやっていたりもしたけどさ……だからって『FF8』は最高に面白かったぜ!と言う気にはなれないんです。ミニゲームはミニゲーム、本編とは関係のないもの。

 『ゼルダ』もそうで。ミニゲームは基本的にはやりこみません。
 俺はダンジョン探索がやりたいんであって、スノーボードがやりたいんじゃないんだ!

 つか、どうしてミニゲームにスノーボードが入ることが多いんだろう。レースゲーム嫌いな自分にとっては苦痛でしかないんだけどなぁ。
 でもそうか、私はパズル要素は苦にならないし、ガンシューティングみたいなステージは楽しかったから、嫌いなミニゲームが印象に残っているだけか。今の『ゼルダ』って色んなことをさせすぎじゃないかなーと思うのだけれど、それはまた『ゼルダ』の記事を書いたときに。




 話がズレたので軌道修正。
 ゲームのシステムってのは当然作り手が決めるものですよね。

 「ターン制のRPGが遊びたい!」「ATBがイイ!」「いや!CTBが一番だろ!」と言っている人達全員に合わせて、「3つ全部入れたのでどれかを選んでください」みたいには作れないですよね。ゲームバランスが取れませんしコストパフォーマンスが悪い。そうすると、作り手がどれかを選ぶことになり、選ばれなかったユーザーは振るい落とされていく。



 RPGのバトルシステムはまだ比較的「どれだって楽しめる」ものだと思うんですが……
 アクションゲームの「2Dか3Dか」とか、「アナログスティックか十字キーか」とか、RPGの「レベル制度か熟練度制度か」とか、「死んだらゲームオーバーか教会に戻されるか」とか―――結局のところ、何かを選べば何かを捨てるということなんだろうなと思ったのです。


 万人が満足する選択肢なんて、娯楽を作る限りは存在しないんだ――と痛感しました。
 結局のところ「誰を喜ばせたいか」なのかなと。今日のところはこの辺で。



 余談。
 この“アクション要素”って言葉も、“RPG要素”並にフワフワした言葉ですよね。
 前に『マリオRPG』のレビューを読んでいたら「タイミングを合わせてAボタンを押すことで攻撃力が上がるアクション要素もある」みたいに書かれていて衝撃を受けたことがありました。しかし、「タイミングを合わせてボタンを押すだけじゃアクションゲームじゃないだろ!」と言えるだけの根拠もないのです。

 そもそも、『ゼビウス』はシューティングゲームで、『スーパーマリオブラザーズ』はアクションゲームだから、『ゼビウス』にアクション要素がないかって言ったらそうでもないワケで(笑)。もう何が何やら。


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