じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その1~企画を立てる編~

※ この記事は2015年に旧ブログに書かれたものを幾つか手直しして2025年に移行した記事です

 先月、キンドルにて電子書籍『マンガは描ける!絵が描けない人でも』という本を出版させてもらいました。タイトルの通り、絵が描けない人であってもマンガが描ける方法を伝授する本です。価格は250円!これでアナタも明日からマンガ描きだっ!

まだ新ブログのAmazonのアソシエイト登録が済んでいないのでリンクは貼りません。検索して探してね


 しかし、この本は「こういう絵を描きたい時にはどうすればイイのか」という超実践的な方法を扱った本であって、それ以前に「実際にマンガを描こうと思ったのだけど何から始めたらイイの?」が分からない人も多いと思うのです。

 例えば私は「映画」とか「ゲーム」とかがどういう工程を経て出来上がるのかを知りません。企画書には何を書くのか、機材は何が必要なのか、どういうスキルが求められているのか―――生まれてからこれまでに何十本と「映画」や「ゲーム」に触れていますが、自分で作ったことがないのでそういうことが分からないのです。
 マンガを描いたことがない人にとっての「マンガ」もそうなのかも知れないって思うのですね。マンガはたくさん読む人でも、自分で描いたことはないので、どうやって出来上がっているのか知らない――――そういう人のために、実際にマンガを作っていく過程を毎週ちょっとずつ見せていけたらなって思います。


 最初に断っておきますが、これは「私の方法」です。
 人それぞれ「方法」は違うと思いますし、私もマンガを描き始めた頃は本やネットで色んな人の「方法」を読みました。そして、実際にその通りに実践してみて、しっくりこなかったので「私の方法」を確立していきました(笑)。なので、私の本をきっかけにこれからマンガを描こうとする人も、「私の方法」なんてただの一例だと思ってもらって、そこから「アナタの方法」を確立していってください。


1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


 予定しているスケジュールは、こんなカンジ。
 これを1週1週リアルタイムに進めていって、1クール12週かけて1本のマンガを完成させるところまで持っていこうかなと思います。どう見ても作業が簡単な週と、大変な週があるんですけど!6週目が大変じゃね!?11週目もしんどそう!

 何か工程をド忘れていた場合はどこかにねじ込みます。
 ということで、今回は1週目の「企画を立てる」をやっていきましょう。



【使用する道具】
・特になし
・(必要な人は)メモできる紙と鉛筆


 まず大事なのは「何のためにマンガを描くのか」をハッキリさせることです。
 これは精神論とか哲学とかじゃなくて、“目的”です。

 例えば、どこかの漫画雑誌の新人賞に投稿したいのならば、応募要項をしっかり読まなければなりません。「ページ数は決まっているのか」「ジャンルが決まっていないか」。また、その雑誌のカラーとか読者層とか、そういうものも重要ですね。
 「描きたいものがあるからとにかくたくさんの人に読んでもらいたい」のならば、ページ数とかジャンルとか気にしないで、とにかく描いてPixivにアップするとか、自分のホームページに載せるとか、電子書籍で出版するとか―――今の時代ならば色んな選択肢があると思います。
 初心者の内は「上手くなるためにマンガを描きたい」ということもあるでしょう。とっておきのネタをいきなり描くのではなく、技術を高めてゆくゆくはとっておきのネタを描こうという考えもありです。それならば「とっておきのネタ」をいつか描くために必要な技術を考えて、そこから逆算して踏み台のための作品に徹するというのも手です。




 まぁ……本当にガチで「人生で一度もマンガを描いたことがない」人が、私の本をきっかけに初めてマンガを描こうとしているのならば。私からアドバイスしたいのは「最初は少ないページ数にしておけー」ということです。私が生まれて初めて描いたマンガ(ホームページにすら載せていない作品)は31ページとかだったと思います。死ぬかと思いました。

 初心者は「自分がどれくらいのスピードで描けるのか」が分からないんですね。
 だから、「31ページくらい1ヶ月もあれば描けるだろー。プロの漫画家はみんなやってんだし」と思って描き始めたガチ初心者の私は、1本の読みきりを描くのに半年かかりました。「自分がどれくらいのスピードで描けるのか」を把握するためにも、最初は短いページ数で描くことをオススメします。



 さて、今回の私のマンガはどうするかというと……
 あくまでブログに実践例として載せる用のマンガです。普段マンガを描いている合間に描くマンガなので、なるべくローコストでパパッと仕上げたい。その方が読んでくれた人も「こんなのなら自分にも描けそう!」と思ってもらえるだろうし――――これがまず最初に来る“目的”です。



 こんなのわざわざ紙に書き起こすことではないし、頭の中で済ませてしまうのが普通なのですが……今回は企画書みたいのを書いてみました。こうすることで自分の中の優先順位がハッキリしますしね。
 この時点で描きたいものがあるのならばそれを優先すればイイのですが、今回の場合はまず「ブログに載せる」「ページ数は少なくしたい」「インパクト重視」というところが先に来て、そこからアイディアを搾り出す順番ですね。


 アイディアを出すコツみたいのは人それぞれ違うと思いますし、私もそんなに胸を張って「これだ!」と言えるほどの実績なんてありませんけど―――私の場合「二つのアイディア」を組み合わせて面白い化学反応が起こりそうかで判断します。
 例えば、「女子高生の淡い片想い」だけだとあんまり面白くなりそうにないなーと思うのだけど、そこに「エロ本を買いに冒険に出発する男子小学生」を組み合わせると面白くなりそうだ!みたいな。




 ということで、今回も異質な二つのアイディアを組み合わせてみることにしました。
 今回はこれで決まりだ!!!!




 さぁ、三ヵ月後にどうなっているかな……!

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