※ この記事は2009年に旧ブログに書かれた記事をいくつか手直しして2025年に移行した記事です
ひょっとしたらファンの間では常識なのかも知れませんが……ついこないだウチの兄貴が「スラムダンク全巻貸してくれー」と連絡してきて、コミックスを本棚から引っ張り出している際に初めて気付いたので記事にします。
『スラムダンク』のコミックスは、全ての表紙に桜木花道が描かれている。
手持ちのコミックスの表紙の写真を撮ったので、載せていきますよ!
【1巻】

言うまでもなく、桜木花道。
【2巻】

一番デカく描かれているのが桜木花道です。
【3巻】

晴子ちゃんの周りにチョロチョロ湧いているのが桜木花道ですね。
【4巻】

桜木花道の顔アップ。これだけ見るとヤンキー漫画みたいです。
【5巻】

「あれ?流川じゃん。桜木花道じゃないじゃん」と思った人は待って下さい。
『スラムダンク』を読んだことがある人なら分かると思いますが、流川の後ろにいる背番号10が桜木花道です。
【6巻】

赤木の左にデフォルメで描かれているのが桜木花道です。
【7巻】

桜木軍団で一番デカいのが桜木花道です。
【8巻】

しゃがんでいる方が桜木花道です。
【9巻】

右上に描かれている目が桜木花道の目です。
【10巻】

ジョジョ3部にこういうスタンドが出てきましたよね。
一番デカい顔が桜木花道です。
【11巻】

赤い髪をしているのが桜木花道です。
【12巻】

前から4番目が桜木花道です。
【13巻】

流川vs清田、の向こうに描かれている10番の選手が桜木花道です。
【14巻】

この構図は凄いですね。画面右上の選手が桜木花道です。
【15巻】

坊主になった桜木花道です。
全31巻で坊主になるのが15巻ということは、坊主の時期の方が長いんですね。
【16巻】

牧vs.仙道、の向こうから紙を破いて登場しているのが桜木花道です。
【17巻】

彩子の1ショットですが、彩子の着ているTシャツに桜木花道を初めとする湘北5人が描かれています。胸の膨らみによってTシャツの絵が歪んでいるのがエロスです。
【18巻】

リバウンド王・桜木花道です。
【19巻】

左上の包帯巻いている男が桜木花道です。
【20巻】

陵南メンバーで固められた表紙の中、仙道を後ろから追いかけているのが桜木花道です。
【21巻】

21巻から始まる湘北5人衆シリーズ、その1:桜木花道。
桜木、頭小さすぎじゃないか?
【22巻】

21巻から始まる湘北5人衆シリーズ、その2:流川楓。
流川の向こうに右半身だけ映っているのが桜木花道です。
【23巻】

21巻から始まる湘北5人衆シリーズ、その3:宮城リョータ。
遠くに立っているのが桜木花道ですね。
【24巻】

21巻から始まる湘北5人衆シリーズ、その4:三井寿。
こちらでも遠くに立っているのが桜木花道ですね。
【25巻】

21巻から始まる湘北5人衆シリーズ、その5:赤木剛憲。
見返り美人風に描かれているのが桜木花道ですね。
【26巻】

この表紙、好き。
少年が掲げているボードに「GO!SAKURAGI!!!」の文字と桜木花道が描かれています。
【27巻】

桜木花道を初めとする、湘北5人の後姿です。
【28巻】

山王メンバーの中で、桜木花道が孤軍奮闘でポツンと描かれています。
【29巻】

『ブザービーター』っぽい表紙。先頭を走っているのが桜木花道ですね。
【30巻】

いよいよフィナーレが近くなり、桜木花道の1ショットです。
【31巻】

最終巻なので、表紙・背表紙・裏表紙まで繋げての全員集合イラストとなっています。
桜木花道ももちろん描かれていますね。
以上、全31巻の表紙を紹介しましたが……全ての表紙に桜木花道が描かれていたのが分かってもらえたと思います。「微妙なのもあったんじゃね?」と思われるかも知れませんが、逆に言うと「背中だけ」とか「後頭部だけ」とかであっても全ての表紙に登場していることに意味があるんだと思うのです。
というか、これまで気付いてこなかった自分が不思議なくらいです。
コミックスの表紙というのは、本屋さんに商品が陳列される際の“看板”のようなものです。
そして、その漫画の主人公というのは(少年漫画の場合は特に)その作品の“広告塔”のようなものです。
なので、“看板”となる表紙には“広告塔”となる主人公を描くのがセオリーではあるんですよね。ケンタッキーフライドチキンの看板にはカーネルサンダースの顔を描くのと一緒ですから。
喩えば、同じ井上雄彦先生の作品を見ると、『バガボンド』は1~13巻まで全て武蔵、14~20巻が小次郎(18巻だけ武蔵も描かれているけど)、21巻以降は武蔵が表紙に描かれていて。『リアル』は野宮・戸川・高橋の3人が交代で表紙に描かれています。
コミックスの表紙には主人公を描くというセオリーを忠実に守っているんですよね。
しかし、漫画の場合は何十冊も続刊が出るワケですし、消費者に「あ、この巻まだ買っていない」と思わせなくてはいけません。1冊1冊、表紙を見ただけで区別が付くようにイラストを変えなければならず、そのためには「主人公だけを描く」よりは「色んなキャラを描く」こともまた理に適っているとも言えます。
『帯をギュッとね』スタイル(という例が最初に出る辺り年齢がバレそうですが)のように、コミックス1冊=1キャラというほど極端ではなくとも。主人公以外の人気キャラをメインとして表紙に描いた方が良いケースもありますよね。
喩えば、同時代のジャンプ作品『幽遊白書』には、幽助が描かれない表紙の巻もあります(飛影と蔵馬の2ショットである7巻、この巻には飛影と蔵馬が出会った読みきりエピソードが収録されています)。
そう考えていくと、『スラムダンク』という作品は主人公以外のキャラも人気だった作品ですし(桜木花道の人気がなかったワケではありませんが)。桜木花道があまり出ていない巻、桜木花道以外のキャラが活躍する巻なども多く―――
・“広告塔”として表紙には必ず主人公を描く
・内容や人気に合わせて主人公以外のキャラも表紙に描く
という2つの方針の折衷案として、主人公以外のキャラを描いた場合は後ろの方にでもチラッと主人公も描くを『スラムダンク』は選択したのかなぁと思いました。このスタイルって少年漫画においては非常にバランスが取れた選択だと思うんですけど、他ではあまり見かけませんよね。もっと他がマネしても面白いと思うんですけど。
個人的には、「表紙には必ず主人公を描く」スタイルは表紙だけで何巻か区別が付かないのであまり好きじゃないかなぁ。
「1巻=1キャラ」スタイルは「次の表紙は誰かな?」を予想するのが楽しい反面、連載が長期化すると「こんなヤツが表紙を飾るのかよ!」と言いたくなる時もあるのが微妙かも。『ダイの大冒険』みたいに、背表紙に「1巻=1キャラ」を描く方が好きです。
まぁ、何はともあれ。“表紙”というたった1枚の絵にも色んな意味が込められているんだねという話です。
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